県が国民保護計画案を協議会に提出
人権侵害の恐れ 反対の世論と運動を
兵庫県は十八日、有事法制の具体化である「兵庫県国民保護計画」の最終案をまとめ、国民保護協議会(会長 井戸敏三知事)に提出しました。 同案は、「平素からの備えや予防」、「武力攻撃事態等への対処」、「緊急対処事態への対処」など五つの柱から成り、平時からの研修や訓練、「武力攻撃事態」で知事が救援の必要があると認めた場合、医薬品・食料品など物資の売り渡しの要請、土地・家屋の使用などを明記しています。 また、「阪神・淡路大震災の教訓の反映」を掲げ、自主防災組織の活性化、災害救援ボランティアの動員の検討、災害対策センターの活用などを盛り込んでいます。 県が昨年実施したパブリックコメントでは、「人権侵害の発生する可能性があり、自然災害との違いを意識した計画とすべき」「県独自の平和へのとりくみを明記せよ」「計画づくりに反対、拙速に作成すべきでない」などの意見が寄せられました。しかし、最終案にはほとんど反映されていません。 協議会では、弁護士の委員が、「基本的人権擁護の立場から見ると極めて不十分」と計画案に反対しましたが、了承されました。
≪日本共産党の筒井基二県議の談話≫ 兵庫県の計画案は、基本的に国の基本方針と同じです。加えて、大震災の教訓を「武力攻撃事態」に反映させるなどとしていますが、自然災害と戦争は全く別物です。そもそもこの計画は、災害時の住民避難計画を装いつつ、国民を海外での戦争に動員するもので、重大な人権侵害につながるのは明らかです。 今後、市町も計画をつくることになりますが、その中身はほとんど県民に知らされていません。憲法改悪反対の運動と合わせて、国民保護計画反対の世論と運動を高める必要があります。 |