靖国パネル展示で県が一部撤去を指示 展示と侵略美化は継続
靖国神社・遊就館の展示物をパネル化して展示した「もうひとつの戦争展」が、16日から神戸市の県民会館で開かれている問題で、後援している兵庫県、県教委、神戸市教委は16日夕、主催者の「戦争パネル展実行委員会」にパネルの一部を撤去するよう求めましたが、17日の展示は県などの指示に反するものになっています。
県当局などは16日、同戦争展を視察したうえで、夕刻に後援申請の企画書などになかった、靖国神社について記載されたパネル7枚を主催者に撤去させたと言います。 日本共産党や労働組合、平和・民主団体の、同朝からの抗議をうけたものです。 県や市の担当者は、「後援する際の遵守事項である『宗教活動にかかわりがない』に違反する。申請内容と違っている」としています。 ところが、17日の展示では、「靖国神社の創建ー皇室と靖国神社・国民と靖国神社」という見出しのものや「招魂式」がテーマの宗教色の濃いもの、「英霊は靖国に座す」などのパネルがあり、随時上映されるビデオ「靖国のこころ」も残っています。 また、「支那事変」のパネルでは「盧溝橋事件後も日本は事件不拡大の方針であったが、日本軍への挑発・襲撃が続き、…逐次北支那全体を戦場とする北支事変となり」、「大東亜戦争」のパネルでは「米国は日本を敵視して…ABCDラインで日本を圧迫した」「経済封鎖で自活の道を断たれた日本は、…対米英開戦を決断した」など、“靖国史観”がそのまま展示されており、「南京の真実」のコーナーでは、「南京の三十万虐殺説は偽り」と主張したパネルもあります。
同戦争展のチラシに神戸市と神戸市教委が後援者として名を連ねています。十六日の神戸市議会文教経済常任委員会では、日本共産党の段野太一市議の追及に、教育長ら市幹部が、「まったく知らない」と口をそろえて答弁していましたが、同日夜、市教委は一転して段野市議に後援していたことを認め、パネルを一部撤去させたと伝えました。 市は県と同様、靖国神社・遊就館に関する展示は、申請時に知らされていなかったとしています。 |