兵庫県が後援し戦争美化展
靖国パネル展示 抗議と取り消し要求が相次ぐ
 兵庫県神戸市中央区の県民会館で１６日、日本の侵略戦争を美化する靖国神社・遊就館の展示物をパネル化して展示した「もう一つの戦争展」が開かれました（１８日まで）。主催は、「戦争パネル展実行委員会」。主催者らによると、兵庫県、兵庫県教育委員会、神戸市、神戸市教育委員会が後援しているとしています。
同実行委員会の連絡先の電話番号は兵庫県神社庁のもの。同神社庁は、「ここに事務局がある『日本会議』（改憲団体）兵庫県本部の会員の何人かが『戦争展』を催している。『日本会議』は応援しようということで、ここを連絡先にしている」と説明しています。 同日、日本共産党県議団、高教組、兵庫教組、兵庫労連、県平和委員会、安保破棄県実行委員会、県原水協、新日本婦人の会県本部、県母親大会連絡会がそれぞれ、県や県教委などにたいし、後援に抗議し、取り消しを申し入れました。兵庫県・県教委は後援を認めていますが、神戸市は「知らない」としています。
会場では、「満州事変」「大東亜戦争」などのテーマで遊就館の展示物をパネル化した３３点を展示しています。
県後援に抗議と取り消しが要求相次ぐ
靖国神社遊就館の展示品をパネル展示した「もうひとつの戦争展」を、兵庫県、県教委、神戸市、市教委が後援している問題で１６日、県内の平和・市民団体、労働組合が相次いで抗議の申し入れをおこないました。
兵庫県高等学校教職員組合と兵庫教職員組合は、県教委事務局社会教育課に緊急要求書を提出。戦争展実行委員会が県立高校の校長に直接案内文を送付し、職員や生徒に鑑賞を働きかけたことについて、「学校教育の場に憲法・教育基本法に反する内容を教育委員会のお墨付きのもとに持ちこむことにほかならない」として、後援の取り消しや学校現場での調査などを求めました。
県教委の担当者は、「趣旨は伺いました。持ち返って検討します」と答えました。
また、兵庫県労働組合総連合、兵庫県平和委員会、安保破棄兵庫県実行委員会、原水爆禁止兵庫県協議会は、合同で県に申し入れました。「戦争美化の立場を明確にしている遊就館の展示を、日本国憲法によって成り立っている地方自治体が後援することは自殺行為」と強く抗議し、（１）後援の取り消し（２）校長などへの協力要請に応じないように徹底すること（３）経過説明を求めました。
新日本婦人の会兵庫県本部、兵庫県母親大会連絡会も、県や市などにそれぞれ抗議文を送付しました。
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