明石花火大会歩道橋事件 警察の責任、判決とこれまでの県警発言の矛盾点を追及
毛利りん(20日・警察常任委員会)
明石花火大会歩道橋事故から丸4年を前にした20日。明石市、警備会社、警察の責任を断罪した先月の神戸地裁の判決後はじめて、兵庫県議会警察常任委員会が開かれました。 日本共産党の毛利りん県議は、「雑踏警備の第一義的な責任は警察にあることを認識し、その見地で雑踏警備規程の改正を」求め、県警は「判決は警察の責任をきびしく指摘している」(巽警察本部長)、「市民の安全を守る警察の責務を重点に改正したい」(田山映二地域部長)と答弁。そのうえで毛利県議は、「判決を全面的に受け入れる」という県警の態度に関連し、これまでの県議会での答弁との矛盾点を3つ指摘し、ただしました。 一つは、夜店の出店場所の変更問題です。明石市は、「市有地に出す提案をしたが警察が反対した」とし、警察側が「そんな事実はない」と反論し、県議会でも「場所の変更はわたしどもはしていない」などと答弁してきましたが、今回の判決で明石署幹部が市の案に強く反対して歩道橋下の市道に変えさせたこと、その結果、歩道橋上と階段下付近が大混雑し、事故の原因となったことが認定されました。 ところが田山映二県警地域部長は「真相がまだ明らかになっていない」とくりかえし発言。毛利県議が再度判決にふれ追及すると、巽本部長が「判決の事実にしたがって、今後対応する」と答弁しました。 二つ目は、警察の監視モニターの記録ビデオの有無です。県警はこれまで「録画していない」との答弁を繰り返してきましたが、県警側は、その存在について、現在関係者に調査中であることが明らかになりました。 三つ目として、事故当日の警察警備の弁当代を、自ら決めた方針に反して明石市に負担させていた問題です。事故のときの分は市に返金したと答弁していましたが、裁判で十数年間続けられてきたとの証言があったことを毛利県議が指摘し、「過去も含めて清算すべき」と追及。「不適正な経理であり、清算が可能か勉強する」との本部長答弁を引き出しました。 毛利県議は「これまでの議会での党議員の論戦を振り返りながら質問した。県警の責任放棄をあらためさせた力は、遺族やそれを支えた人たちの奮闘と県民の世論。本当に敬意を表したい。今後も明らかにすべき点や改善すべき点を追求したい」と述べています。
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