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2005年06月28日

明石歩道橋事故判決

原告全面勝利 事前準備段階から警察などの責任を断罪

(6月28日「しんぶん赤旗」)

 兵庫県明石市大蔵海岸の花火大会(2001年7月21日)で歩道橋上の11人が圧死、247人が負傷した事故で、9遺族19人が県(県警)、明石市、警備会社の責任を問い、損害賠償を求めた訴訟(2002年10月提訴)で28日、神戸地裁は、原告の主張を全面的に認めた判決を言い渡し、三者に総額約5億6800万円の賠償を命じました。
 原告は、事故の主要な原因が、適切な雑踏警備計画の策定を怠ったことにあると主張。判決はこれを認め、「雑踏警備計画の策定の不備が、事故発生のもっとも大きな原因」として、三者の「事前準備段階の過失」を認定しました。
 また原告は、雑踏警備をその業務とし、多くの経験や強制権限をもつ警察の責任の重大性を問うてきました。判決はこの点でも、「雑踏警備は主催者の自主警備が原則」という警察の主張を退け、「雑踏警備に関しては極めてお粗末な対策しか講じなかった」と断罪しました。
 さらに、神戸地検が不起訴処分にした明石署の当時の署長や副署長についても、「雑踏解消措置を何ら指示しなかった」と過失を指摘しました。
 遺族(原告)は判決後記者会見。三木清さん齲鶉は、「娘は、僕の胸のなかで生き続けています。きょうは娘の写真をもって、いっしょに判決を聞きました。判決は、僕たちに自信を与えてくれた」と語りました。
 遺族は判決を受け、さらなる真相究明のため、当時の署長、副署長の起訴を求め検察審査会に再度申し立てる方針です。

(解説)
「主催者の自主警備が原則」論退ける

 「被告らの責任、とりわけ事前準備段階における責任は、極めて重い」
 判決は、当日の警備の不備ととともに、準備段階での三者の責任までふみこみました。
 事故の約半年前に同じ場所でおこなわれた世紀越えイベント「カウントダウン」で大混雑になり、事故を容易に予測できたのに、警察は暴走族対策を優先した警備体制を敷き、市は警備計画の策定を警備会社に丸投げし、計画の適否を検討もしないなど、ずさんな対応が事故を招きました。それだけに、真相究明と責任の明確化を求めてきた遺族の願いを受けとめた判決となりました。
 とりわけ、「雑踏警備は主催者の自主警備が原則」との警察の一貫した立場を、「警察の実施する雑踏警備は、主催者側の自主警備を補完するものに過ぎないと解すべきではなく、主催者側が自主警備を実施することにより、警察の雑踏警備に関する責任が軽減・免除されることはない」と退け、断罪したことは画期的で、今後の雑踏警備のあり方の変更を迫るものです。
 遺族10人の心的外傷後ストレス障害(PTSD)の慰謝料を認定したことも、注目されます。

≪明石歩道橋事故 民事訴訟判決要旨≫(神戸新聞)

http://www.kobe-np.co.jp/kobenews/sg/00015692sg300506281400.shtml

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