第282回兵庫県議会を終えて
当県議団は、2月23日から3月29日まで開かれた2月定例県議会において、福祉医療制度存続、少人数学級実現、被災者支援などについて予算組み替え提案を行使するなど実現に向けて取り組んだ。
1)予算県議会として、無駄遣いをやめ県民の暮らしを守る県予算への転換が大きく求められた。県議団は、5年連続となる予算組み替え提案を行使した。総額975億円にのぼる予算組み替えでは、ムダな用地取得事業や関西空港2期、神戸空港などへのムダな支出を見直せば、福祉医療制度の存続、少人数学級の拡大、民間住宅耐震化などを実施拡充できることを予算案として示した。そのような中で、民間住宅のバリアフリー化予算増、住宅耐震診断や耐震化補助制度の改善など実現した。
2)県行革に対しては、9月以来福祉医療制度存続の署名運動は、3万6千を超える取り組むとなった。県議団が取り組んだ市町長アンケートでは、知事が約束した市町との十分な協議がおこなわれていず、6自治体が明確な反対を表明していることが明らかになった。わずかな修正で福祉医療制度の改悪を7月に強行することは許されない。一方、公共事業については、補正予算では、宝塚新都市などの用地の買い戻しに500億円以上を投入するなどムダな公共事業をつづけ、今回も全体として3400億円の投資水準を維持するなど、福祉切り捨てとは全く逆の姿勢である。
3)高校の統廃合や選抜制度改悪の「高校改革」を強行する県教委に対して、かつてなく県下で市民運動が起き、団としても、代表質問、一般質問、予算特別委員会で取り上げ、県民の声を聞かずに強行する姿勢を厳しく追及した。また、少人数学級拡大を要求した。今年の重要課題として引き続き議会内外での取り組みの強化が重要である。また、国民保護条例の制定に対して憲法9条を守る立場から追及した。また、新たな増税となる「県民緑税」は、県民にはほとんど知られていず、森林保護をうたいながら、森林を荒廃させている林業施策の実態は見直しすらしないなどの問題点を明らかにし、撤回を要求した。与党からも批判的意見がでるという事態であった。今後、森林施策の抜本的転換の取組が求められる。「交流広場事業」「スポーツ21」問題、県警問題を追及した。
4)本議会で、県は、復興本部を解散し、支援策を廃止縮小しているが、県議会が、県の対応を追認する決議を、我が党を除いて強行した。このような中でも、被災者支援の論戦をおこない、昨年実施した県独自支援について、県が共済制度へのつなぎと位置づけることに対して、存続の可能性を残す答弁を引き出した。
5)議案については、予算議案、県立大学の授業料引き上げや「心のケアセンター」の管理などを民間などの指定管理者に移す条例案、漁港関連や高規格道路建設に関わるトンネル工事議案などについて、県民の暮らしを守る、住民自治、ムダな事業の見直し等の観点から反対した。
6)請願については、「国民保護条例」「核不拡散条約」に関わる請願に対して我が党以外に2議員が賛成し、1議員が退場のみで、「県民緑税の抜本的検討を求める」請願には、我が党と1議員が賛成するのみで、オール与党政治の悪弊が続いている。
7)意見書については、我が党が提案した「小児科医師確保を求める」と「金融補償」が全会派一致で実現した。
8)自民党、公明党、連合(民主、社民)などオール与党勢力は、福祉医療改悪などの県民いじめの予算に賛成するばかりか、賛美する態度をとった。また、震災復興施策打ち切りを進める県に対して、議会側から積極的に推進する役割をオール与党勢力が果たしたことに見られるように、県民の暮らしを守るためには、県民いじめの県政を推進する知事とオール与党勢力への批判と暴露を強めることが必要である。
9)6月には、知事選挙、県議補欠選挙があるが、県下各地で広がっている県民の運動と一体となって県政転換向けて県議団は奮闘する決意である。 |