北朝鮮拉致問題での意見書採択について
兵庫県議会で12月17日、北朝鮮に「即刻経済制裁」を求める意見書が、日本共産党をのぞく自民、連合(民主・社民)、公明、21クの賛成で採択されました。 日本共産党県議団は、北朝鮮による拉致問題に関し日朝交渉強化を求める抜本的な意見書案を独自に提案し、県議会の政務調査会会長会での意見書は原則どおり全会派一致となるよう奮闘しました。 意見書案は、下記の通り北朝鮮が提供した「資料」が虚偽であったことに厳しく抗議するとともに、北朝鮮側の交渉担当を、責任を負える当事者とすることや、日本側の真相究明活動に十分な保障を与えるよう要求することなど、具体的に打開策を示しました。しかし、自民党など与党側は「交渉は限界」と日本共産党案に同意しませんでした。 日本共産党は、与党提案の意見書に参議院での全会派一致の決議にある“交渉を粘り強く続ける”という内容を盛り込むよう主張し、経過と北朝鮮の態度いかんで経済制裁もありうると表明しましたが、与党側は共産党の修正案を受け入れずに、経済制裁発動だけを求めることに固執し強行採決に持ち込みました。 そのため、日本共産党県議団は賛成できませんでした。しかし、今後の交渉の推移と北朝鮮の態度いかんによっては、交渉による解決を成功させるために、経済制裁をとることが必要になる場合があり得るとの立場から採択に棄権をしたものです。
日本共産党が提案した意見書(案) 北朝鮮による虚偽の「資料」提出に抗議し日本人拉致事件の早期全面解決を求める意見書(案) 政府は、第3回日朝実務者協議で、北朝鮮側が「横田めぐみさんのもの」と提供した遺骨は、DNA鑑定の結果、別人のものであることを公式に確認した。 今回の北朝鮮側の態度は、きわめて重大かつ無責任なものであり、日朝平壌宣言の精神に反するものである。尊い人命にかかわる問題で、虚偽の「資料」を提出した北朝鮮側の不誠実な態度は、日本国と日本国民を愚弄するものであり、断じて許すことはできない。 北朝鮮側代表が「拉致にかかわった特殊機関の協力が得られず、調査が難航している」と述べているように、当事者能力を欠く相手と交渉をつづけても、問題の解明と解決につながらないことは明らかである。また、日本側の北朝鮮現場での調査活動が保障されることが不可欠である。 よって政府におかれては、北朝鮮の政府に対して、厳重な抗議を行うとともに、交渉当事者を問題解決に責任を負える権限をもった人物とすることや、北朝鮮内での全面的調査の保障を日本にあたえることを要求するなど、毅然たる態度をもって交渉に臨み、拉致被害者の徹底した消息究明、拉致事件の早期全容解明に努めるよう強く求めるものである。 以上、地方自治法第99条の規程により、意見書を提出する。
採択された与党案の意見書 北朝鮮に対する経済制裁の発動を求める意見書 http://www.hyogokengikai.jp/mframe05-6.html http://www.hyogokengikai.jp/teirei/281/05-7.html |