第280回兵庫県議会を終えての声明
9月24日から10月7日まで開かれた9月定例県議会において、県議団は、水害対策など機敏に調査・行動し、県民の切実な要求の実現に奮闘した。
1 相次ぐ台風被害の中で、県議団は、現地調査と制度の分析を踏まえ、代表質問と二つの一般質問と連続して、被害支援などについて質問し、再調査の約束や知事自ら現地入りさせるなど、県政を動かす役割を果たした。全国的にも現行の被災者生活再建支援法などの制度の欠陥が明らかになったが、特に床上浸水被害も支援法の対象となることが市町の現場に知られておらず、その被害の認定も煩雑な調査が必要で、被害実態に見合う判定にならないなどの問題があらためて明らかになった。被災した中小業者や農業者への支援も取り上げた。一方、日本共産党県議団の提案をきっかけに住宅再建支援の国の制度改善を求める意見書を県議会として採択した。他党は台風被害問題についていっさい質問しなかった。
2 県「行革」の中心ともいえる福祉医療改悪について、神戸市や西宮市などで議会から意見書があがるなど、運動の広がりの中で、議会で奮闘した。10月実施を食い止めてきているが、実施時期について再検討、無期延期せざるを得ない状況に追い込んでいく。
3 本会議質問では、その他、青年の雇用、公立高校入試における総合選抜制度堅持、県立養護学校の新設拡充、学校給食の充実、小規模事業者登録制度の提案、新日鐵広畑争議などを取上げた。明石市・神戸市北区のゲームセンター進出問題では、地域の運動を激励する答弁を引き出した。
4 議案では、26議案の内、14議案について反対した。主な問題点は、個人県民税非課税措置の改悪や老年者控除の廃止を国に追随して強行し、また長寿祝い金2億円を削るなどあわせて60万人近くに影響を与える冷たい改悪であること、一方、県立美術館の絵画散逸事件で2億円余を賠償するという県の責任を厳しく指摘。環境破壊とムダな大規模林道など根本的な見直しが求められる事業が市町に負担を強要して行われていること、国の公営住宅法改悪の動きを先取りした県営住宅戸数削減などであり、これらの議案に反対した。
5 請願の13件のうち、5件が不採択、6件が継続審議となったが、教育基本法改悪反対の請願に対して、社民党も含め他党議員がそろって請願の採択に反対した。また、「三位一体改革」を推進する決議を、「時機を逸する」と自民などが強行の一方、義務教育費国庫負担守れの請願に対しては、自ら紹介議員になりながら国の動向を見守ると継続審議に付すなど、矛盾に満ちた暴挙を行った。また、県議団として従来から取り組んできたDV対策の充実を求める請願などが全会派一致で採択された。
6 福祉医療改悪許すなの運動と声は大きく広がっており、11月議会に向けて、県民の要求実現の運動をいっそう広げ、県政を動かすために奮闘する決意である。
|