徳川大坂城の採石場を遺跡公園として保存して
芦屋市 市民ら現場見学会
徳川幕府による大坂城再築(一六二〇〜二九年)の際の大規模な採石場跡が発掘された芦屋市岩園町で十八日、見学会がおこなわれ、小雨のなか市民や研究者など約四十人が参加しました。 同遺跡は、西宮市から神戸市東灘区の六甲山系にまたがる「徳川大坂城東六甲採石場」の一部で、芦屋市教委が六月に同町と六麓荘町の二カ所で確認したもの。当時の採石活動の実態がわかる、全国最大規模の貴重な遺跡ですが、宅地開発の予定地となっています。 市職員の案内で急斜面に点在する石材を見学。巨大な花こう岩に、くさびを入れるためにうがった「矢穴」や、城の再築を請け負った大名が彫った「刻印」を見つけると、参加者は大きな歓声をあげていました。 参加した前大阪城天主閣館長の渡辺武さんは、「大阪城がよく見える最高の場所でこれだけ重要な遺跡が顔を出したのだから、ぜひ保存をお願いしたい」と語りました。 芦屋、西宮市民などでつくる「徳川大坂城東六甲採石場遺跡の保存を求める市民の会」は、遺跡公園としての保存を求めて県知事や芦屋市長あての署名運動をスタート。二十二日には、村川行弘・大阪経済法科大学名誉教授を招いて、午前十時から芦屋市民センターで講演会を開きます。 |