県議会与党３会派が、県住の家賃滞納者の「追い出し」を、知事専決にする議案を強行

　４日に開かれた兵庫県議会議会運営委員会で、自民党など与党会派が、県営住宅の家賃滞納者に対して明け渡し請求の提訴を知事の専決処分で可能とする議案を提出する決定を強行し、十一日の県議会本会議で議決しようとしています。
日本共産党県議団は、被災者などの居住権を脅かし、国際的な居住権保護にも反し、不況の中で家賃滞納で追い出される被災者が急増の中、大震災の被災県としてやってはならない改悪だとして、県民に議決反対の取り組みを呼びかけています。
　日本共産党のつづき県議は、居住権を厳格に守ることを定めた第二回国連人権居住会議は、日本政府も批准し、守る義務があることを示し、六点にわたって問題点を明らかにし、提案した三会派の説明を求めました。
　つづき議員は、滞納者が、家賃減額制度を知らない、心の病の人がきちんと治療を受けることもできないなど、真正な協議など適正な手続きが保障されていないこと、「法律では、知事の専決処分にできるのは定型的で画一的処理のできるものに限っているが、滞納の事情は、入居者一人一人違うものであり、この検討を議会が行わず、県当局に一任するのは、宣言にも反する。提案している与党会派自身からさえ、不況で倒産、家賃滞納して追い出しを受けている例がある。よく考慮してほしいとの声が出ている」と指摘し、三会派の姿勢を厳しく批判し、撤回を求めました。

【与党３会派の議案】

議員提出第　　　号議案

　　　県議会の権限に属する事項中知事の専決処分事項指定の件

　県議会の権限に属する事項中地方自治法（昭和22年法律第67号）第180条第1項の規定に基づき、知事において専決処分することができる事項を次のように指定する。

　　　平成16年6月　　日提出

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　兵庫県議会議員　○○　○○○

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　　　県議会の権限に属する事項中知事の専決処分事項

　地方自治法（昭和22年法律第67号）第180条第1項の規定に基づき、県議会の権限に属する事項のうち、知事において専決処分することができる事項を次のように指定する。
　県営住宅の明渡し並びに滞納家賃及び拐害賠償金の支払いを求める訴えの提起に関すること。


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　（提案理由）

　地方自治法第96条第1項第12号の定めるところにより、県営住宅の明渡し並びに滞納家賃及び損害賠償金の支払いを求める訴えを提起することは議会の議決事項である。
　かかる訴訟の提起を知事専決処分とすることにより、訴訟提起が早期化され、住宅の明渡しの時期が早まることから、県営住宅入居希望者に対する住宅の早期供給が可能になるとともに、滞納による収入未済額がこれまで以上に低く抑えられることが見込まれ、県営住宅のより一層適正な管理を図ることができると考えられる。
　本件訴訟は、法令に憎らして違法性が明確で、訴訟の対象が県営住宅の家賃を6カ月以上滑納している者で納付の誠意の見られない者など争点が定型的で画一的に処理できる事項であり、議会がその出訴の妥当性について改めて判断するまでもない案件であることから、地方自治法第180条第1項に規定する軽易な事項に該当するものであり、また住宅の早期供給等一定の効果も期待できることから、その処理を知事において行うことを認めようとするものである。