第275回兵庫県議会を終えて
2003年7月4日 日本共産党兵庫県議団
6月16日から30日までの会期でひらかれた第275回定例県議会について、日本共産党県議団は、いっせい地方選挙後はじめての県議会として、選挙で大きく広がった税金の使い方の改革の世論に応え、公約実現めざして奮闘した。
1 特に県政をチェックすべき県議会において、宿泊していないのに宿泊費相当額が支出される費用弁償の改革、政調費支出報告に領収書添付などの改革を条例提案し、当初「中長期的課題」の扱いに固執していた自民党、連合(民主、社民)、公明党、21世紀クラブの態度を転換させ、9月議会で条例改正するという全会派合意を実現した。今後、提案した内容の実現に力を尽くす。 2 本会議の代表質問では、有事・国民保護法制、「三位一体改革」問題、市町合併の押しつけ、公共事業依存の従来型施策からの脱却、障害者支援費制度、特養ホーム建設増、市町の介護保険事業への財政支援、30人学級実現などを取り上げ、県政の転換を求めた。 また、一般質問では、国保証取り上げ問題、借り換え融資、ヤミ金融問題、NOx・PM法に基づくディーゼル車規制に関わる中小運送業者支援をとりあげ奮闘した。 3 議案では、国の特殊法人民営化・独立行政法人化や構造改革特区に関わる条例改正や、合併浄化槽設置区域への公共下水道の上乗せという公共事業のむだ、県営住宅の出訴が、福祉的対応なしに進められていることなどの問題点を指摘して、92件中11件の議案に反対した。これら問題ある議案に、自民党など4会派とともに、選挙で市民派を標榜した無所属議員もすべての議案に賛成したが、その与党的対応が厳しく問われる。 4 請願については、有事関連法発動阻止、イラク特措法、乳幼児医療無料化、NOx・PM法施行に伴う中小業者支援、教育基本法改悪、30人以下学級問題など9件の請願が不採択になった。中でも、乳幼児医療無料化やNOx・PM法施行に伴う中小業者支援の請願については、連合(民主、社民)や公明党は、請願の趣旨に賛成と言いながら採択には反対したが、県民の世論と運動に背を向ける態度である。 5 意見書では、党の提案した案が生かされ、「新型肺炎(SARS)など感染症対策の早急な充実を求める意見書」「ヤミ金融問題に係る法的整備を含めた抜本的対策を求める意見書」が、全会派一致で採択された。 6 自民党会派は47人と県議会過半数を構成しているが、その内22人の議員が選挙では無所属を表明しながら、当選後自民党会派に所属したことは、県民に対し誠実でない対応である。
以上、費用弁償問題などにみられるように、日本共産党は、議席が減少した中でも、県民世論と一体となって、引き続き確保できた「議案提案権」を行使して県議会を動かした。このことは今後の取り組みの大きな教訓である。この6月議会の成果にたって、県民の暮らしや経済対策問題などでも積極的議案提案などをおこない、県民の世論と運動と一体となってこれからも一層奮闘する決意である。
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