日本共産党議員団を代表して討論を行います。
第162号議案 平成29年度兵庫県一般会計補正予算に反対します。
反対の第一の理由は、東播磨南北道路、浜坂道路など不要不急・地元業者の仕事お越しにならない大型公共工事の整備が含まれているからです。東播磨南北道路は平成16年から平成26年までの約10年間で南工区が整備されました。南工区は総延長5.2KMのうち75%にあたる3.9KMが高架区間です。これまでも述べてきましたが、高架区間は特殊技術を必要とする橋梁上部工事を伴いますが、県内で橋梁上部工事を施工できる業者は1社しかなく、高規格道路を施工した実績はないとのことです。南工区は総工事費279億円のうち、約55%にあたる約153億円が橋梁上部工事に充てられ、JV共同事業体を含めその全てを県外業者が受注しています。浜坂道路もこれまで指摘した通り同様の傾向にあります。公共工事の目的の一つには地域建設業者の育成・健全な発展を促進することにあります。大型公共工事では予算の大半が鉄と機械とコンクリートに消えてしまい、その目的を十分に果たすことはできません。今行うべき公共工事は不要不急の大型公共工事ではなく、緊急かつ地元業者が直接受注できる減災・防災・老朽型の公共工事こそ必要です。
反対の第二の理由は、県立淡路島公園内で民間大手派遣会社パソナグループが展開するアニメ劇場整備のための補正予算が計上されているからです。21日付神戸新聞は“県のアニメ劇場国が「NO」”と大きな見出しで報じました。本事業は、県がアニメ劇場整備について、国の補正予算メニューである地方創生拠点整備交付金を活用しようとしていたものですが「中小企業の生産性向上との関係が不明確」との理由で国から不採択とされた事業です。それにも関わらず、本議案では県単独事業として推進しようとするものです。国からの事業採択があれば県の起債額4億5千万円の内、ほぼ全額が交付税措置されますが、本議案では県の起債額4億5百万円に対し、交付税措置は30%しかされません。
これまでも指摘しましたが、「アニメパーク構想」では、遊ぶ、食べる、宿泊するという全ての観光が高速道路内で完結してしまい、地域経済の循環・活性化にはなりません。淡路地域全域の文化・産業を活かした観光策こそ必要です。
また、県は、県立淡路島公園内にバス停を設けるなどして来場した観光客を北淡路地域へ循環させるとしていますが、巡回バス1台あたりの平均乗車人員は2.4人に留まっています。
また、「アニメパーク構想」によってこれまでに152人の雇用が創出されたとのことですが、そのすべてが非正規雇用です。アニメ劇場を整備することによって、安定した雇用が創出されるとはとても思えません。
本議案で提案されている事業では、地域の観光にも、中小企業の生産性向上にも、安定した雇用にも効果が期待できません。
第164号議案 平成29年度兵庫県営住宅事業特別会計補正予算に反対します。
本議案は、県営住宅を建て替え、もしくは集約化しようとするものですが、いずれも管理戸数を削減するものとなっています。一般質問でも指摘しましたが、相対的貧困率が下がり続けるもとで「低廉な家賃で住宅を提供する」という県営住宅の役割がますます高まる下での県営住宅管理戸数削減は認められません。
以上で討論を私の討論を終わります。
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