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本会議

第335回本会議請願討論 いそみ恵子
2017年3月24日

 私は、日本共産党県会議員団を代表し、本議会に提出された請願第40号ないし第44号の以上5件について、不採択ではなく採択を求め討論をいたします。

日本政府に核兵器禁止条約の交渉会議参加、条約実現に努力することを求める請願について

 まず、請願第40号「日本政府に核兵器禁止条約の交渉会議に参加し、条約実現に真剣に努力するよう求める意見書提出の件」についてです。
 昨年12月23日、国連総会では核兵器禁止条約の交渉開始招請を、賛成113ヵ国、反対35ヵ国、棄権13ヵ国の大差で採択しました。この3月27日から始まり、6、7月にもニューヨーク国連本部で交渉会議が開かれます。
 核兵器禁止条約が締結されれば、核兵器は人類史上初めて違法化され、生物毒素兵器や化学兵器など大量破壊兵器が禁止されたように、最も残虐な兵器である核兵器を禁止し、廃絶する道が大きく開かれます。
 世界は、今、核兵器廃絶に向けて新しい時代を開こうとしています。核兵器禁止条約に調印した各国には、発効以前から条約の内容に従うという義務が生じます。つまり、アメリカ艦船は、調印国に寄港することが不可能になり、世界がいわゆる非核神戸方式になるということです。
 残念ながら、日本は唯一の戦争被爆国でありながら、反対の態度をとりました。核兵器廃絶は、広島、長崎の被爆の実相を訴え、核兵器の非人道性、残虐性を告発してきた被爆者や平和を求める世界諸国民の悲願です。
 兵庫県にもたくさんの被爆者が住んでおられます。被爆者国際署名は、平均年齢が80歳を超えた被爆者が、後世の人々が生き地獄を体験しないように、生きている間に何としても核兵器のない世界を実現したいと全世界に呼びかけ、数億の署名を集めようとするものです。
 この署名には、32の団体で、被爆者国際署名推進委員会連絡会が作られ、そこには日本青年団協議、原水爆禁止日本国民会議、世界宗教者平和会議日本協議会、創価学会平和委員会も参加しています。被爆者をはじめ、世界諸国民が願っている核兵器廃絶に向け、本請願の採択を強く求めます。

オスプレイ配備、米軍戦闘機の低空飛行訓練中止を求める請願について

 次に、請願第41号「米軍輸送機オスプレイ配備、米軍戦闘機の低空飛行訓練の中止を求める意見書提出の件」についてです。
 昨年12月13日、アメリカ海兵隊のオスプレイMV-22が、沖縄県名護市の海岸に墜落しました。同日午後11時ごろ、事故機と同じ訓練をしていたもう1機のオスプレイが、普天間飛行場で胴体着陸する重大事故を起こしていました。この事故について、アメリカ軍は日本側に知らせず、連続事故と事故隠しの姿勢に日米両政府への国民の不信感が大きく高まっています。
 オスプレイは、1989年の試作機初飛行後、墜落を繰り返し、既に39人が犠牲となっており、2010年以降も、ほぼ毎年墜落しています。沖縄の事故後も、1月29日、イエメンで墜落したと報道されています。
 今後、オスプレイは、より事故を起こしやすいCV−22を横田基地に配備する計画でしたが、国民の世論と運動で配備が延期されました。しかし、訓練については日本中どこでも行うとされています。
 米空軍所有のCV-22の中心任務は、ゲリラ作戦など特殊作戦部隊のため、夜間飛行や低空飛行などが求められ、事故率はMV-22よりも高くなるとされています。
 兵庫県は、但馬地域に米軍の低空飛行訓練のブラウンルートがあり、大変な騒音などで住民は被害を受けています。低空飛行訓練は、ルートの関係自治体に事前に明らかにされず、飛行時間も一切知らされません。この地域は、ドクターヘリが年間1,700回も出動しているところであり、全国知事会も、安全性が確認できていない現状では、オスプレイを受け入れることはできないとの緊急決議も上げています。
 請願の趣旨は当然であり、本請願の採択を強く求めます。

老人医療費助成制度廃止の撤回を求める請願について

 次に、請願第42号「老人医療費助成制度「低所得者2」の実質的廃止の撤回を求める件」についてです。
 兵庫県が、昨年末発表し、最終2カ年行革プランで現行の老人医療費助成事業を廃止し、新制度に切り替えるとの決定は、県民に大きな不安と怒りを呼び起こしています。
 請願趣旨にあるように、医療費の支払いが困難な低所得者2に要介護2以上という身体条件を追加すれば、働きながらわずかな年金で何とか暮らしている方は、制度の対象から外され、その対象者は、現在の8,000人から数百人程度に絞られ、実質的な制度の廃止となります。
 低所得者の高齢者に医療費を補助し、早期の受診を促すことは、病気による重症化や就業困難を防ぎ、高齢者の健康と命、暮らしを守る上で大きな意義があり、長年にわたって県は市町とともに事業を進めてきたのではありませんか。
 老人医療費助成制度は、既に井戸知事のもとで5回にわたる所得制限の強化が行われ、対象者は低所得者1を含め、約2万人まで削減されています。今回の低所得者2の実質廃止により、経過措置があるとはいえ、更に退職者は約1万2,000人まで削減されることになります。
 請願団体は、地域の医療を担う開業医、歯科医師ら7,300名が加入する医療団体です。日々、こうした高齢者に向き合い診療に当たられている県下の医師から、受診抑制による重症化が心配、かえって入院患者が増え、退院後も在宅での生活が困難になり、入退院を繰り返し医療費が増えるのではないか、削減対象が低所得者8,000人に上るもので、到底受け入れ難いとの声が届いています。
 これ以上の老人医療費助成制度の対象を削減する必要はありません。低所得者2への身体条件の追加を撤回し、老人医療費助成事業を廃止しないことを求める本請願の採択を強く主張いたします。

最低賃金の改善と中小企業支援の拡充を求める意見書提出をもとめる請願について

 次に、請願第43号「最低賃金の改善と中小企業支援の拡充を求める意見書提出の件」についてです。
 2016年の改定による最低賃金は、最も高い東京で932円、最も低い地域で714円、全国加重平均で823円です。兵庫県は、819円です。
 請願の趣旨にあるように、この賃金ではフルタイムで働いても月11万円から14万円の手取りにしかならず、自立や結婚をしたくてもできない状況を作り出しています。
 日本経済の長期にわたる不況の最大の要因は、国内最終需要の56.5%を占める家計消費支出の低迷にあり、賃金の低下が原因です。内需を思い切って拡大させて景気の好循環を生み出すために、最低賃金の大幅な引き上げが必要です。
 2010年の雇用戦略対話で、政労使三者で合意した2020年までの早期に、最低800円、平均1,000円に到達させるためには、毎年、全国加重平均で50円以上の引き上げが必要です。2016年の全国平均引き上げ額は25円にとどまったので、来年度には更なる引き上げが必要です。毎年3%の引き上げでは、政府方針どおりにもなりません。同時に、最低賃金を底上げするためにも、中小企業への支援をもっと強めなければなりません。
 来年度予算では、賃上げした企業の法人税負担を軽くする所得拡大促進税制の中で、中小企業の場合、要件が緩和され、税額控除額も増額されるなどの拡充が図られますが、全企業の中で法人税を支払っていない欠損法人は64.4%を占め、その多くは中小企業が占めているという現状で、黒字の中小企業で、かつ2%以上の賃上げをする企業というのは、かなり限定的であり、今回の減税の恩恵をほとんどの中小企業は受けることができません。
 請願項目にあるとおり、中小企業への直接支援として、社会保険料や税の減免制度を実現すること、中小企業に対する大企業による優越的地位による買いたたきや、支払い遅延などをなくすための法律改正、そして雇用など、雇用の創出と安定に資する政策の実施は最低賃金の引き上げのために有効であり、本請願の採択を強く求めます。

借り上げ公営住宅の希望者への入居継続を求める請願について

 最後に、請願第44号「震災復興借り上げ公営住宅入居者で、継続入居を希望する入居者全員に継続入居を認めることを求める件」についてです。
 兵庫県は、URとの20年の借り上げ契約期間が満了することを理由に、入居者に住み替えを迫る住民説明会を平成27年7月から始めました。
 入居者の皆さんは、私たち入居者は阪神・淡路大震災で家を失い、避難所で生き延び、避難所から仮設住宅、仮設住宅からやっとの思いで現在の借り上げ県営住宅に入居し、ここを「終の棲家」として、隣近所のつながりを作ってきた。住み慣れた地域で引き続き暮らしたいという私たちの強い思いを理解していただきたいとして、借り上げ住宅の買い取りと希望者全員の継続入居を求めています。
 借り上げ住宅入居者の平均年齢は70歳を超え、転居を希望しない入居者が多くを占め、その理由は、高齢であること、病院へのアクセス、地域がばらばらになる、新たな地域へ溶け込めるか不安など、いずれも高齢者の健康で文化的な生活に直結する理由ばかりです。
 医師からは、このような状況の中、入居者に退去を強制することは、入居者の生存権への重大な障害を生じさせる高度の危険性があることを意味しますとの意見書が出され、兵庫県弁護士会からも、借り上げ住宅の問題は自治体の災害復興施策としての配慮という見地から、被災入居者との協議による解決が望ましいとの意見書が出されています。
 宝塚市や伊丹市では、希望者全員の継続入居を認めています。県においても、年齢で線引きをして退去を迫るのではなく、継続入居を希望する入居者に、継続入居を求める本請願、この採択を強く求めます。
 以上、議員各位のご賛同をお願いし、私の討論を終わります。
 ご清聴ありがとうございました。

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