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本会議

第331回本会議当初予算反対討論 ねりき恵子
2016年3月22日

【県民の暮らしを暖め、中小企業・小規模企業の振興を】

 私は、日本共産党県会議員団を代表し、上程中の議案のうち、議案第1号、第2号、第4号、第5号、第11号、第16号ないし第18号、第20号、第23号、第25号、第26号、第28号、第29号、第36号、第40号ないし第43号、第45号、第48号、第49号、第54号の23件に対し反対をし、討論を行います。

 安倍政権は、大企業の利益を増やせば、家計・経済全体が潤うというトリクルダウンの立場に立ち、アベノミクスの名で大企業応援の経済政策を推進しています。

 大企業の内部留保は、連続して過去最高の利益を上げ、この3年間に38兆円も積み増し、日本の経済成長率がマイナス成長となった過去14回のうち、特に2014年は、大手企業が過去最高の利益を出しながら経済成長率はマイナスという、戦後GDPの統計が始まって以来の事態となっています。実質賃金はマイナス5%、非正規雇用が正規雇用を上回るなど、国民の暮らしは厳しさが増すなど、トリクルダウンの立場に立ったアベノミクスの破綻は明らかです。

 来年度の税制改正で、法人税の実効税率は32.11%から29.97%に2.14%引き下げ、莫大な内部留保をため込んでいる大企業には減税する一方で、赤字や利益の薄い中小企業に外形標準課税で増税をしています。

 今こそ、県民の暮らしを暖め、中小企業・小規模企業の振興による内需拡大、地域経済再生に転換することが求められています。

 日本共産党県議団は、さきの予算特別委員会で、16年連続となる予算組み替え案を提案し、県民の暮らし、地域経済優先の予算編成が可能であることを示したところです。このような立場から、以下討論します。

 まず、第1号議案「平成28年度兵庫県一般会計予算」についてです。

 第1に、大企業呼び込み型の経済政策を続け、県民の所得・家計を暖め、中小企業や農林水産業を支援し、地域経済を上向かせる内容になっていないことです。

 兵庫県の設備投資補助には、全国でもまれな上限がないなど、大企業立地のための補助金であり、パナソニック尼崎工場撤退後も続けていますが、昨年度の実績を見ても、例えば、コストコホールセールジャパンに雇用基準補助1,020万円を支給していますが、新規雇用34人、雇用形態は非正規雇用です。

 また、設備補助として、パナソニック液晶ディスプレイに10億円、旭硝子に5,340万円、三菱電機姫路製作所に4,369万円、それぞれ支給していますが、いずれも力のある大企業に渡す必要のない補助です。

 中小企業も使えると言われますが、まとまった投資が前提で、外からの呼び込み、大企業が来れば利益が回るという従来の発想は変わっていません。

 今月13日、IMFが発表した報告書では、デフレ脱却には賃金上昇が必要だと、政策案として賃金上昇に関する税制優遇の拡充のほか、利益を賃金に還元しない企業に対する懲罰税制などを提言しています。空前の内部留保を積み上げている大企業に対しては、補助金でなく利益を賃金に還元させるべきとの申し入れなどこそ必要です。

 経済政策を抜本的に転換し、制定された中小企業振興条例の趣旨に沿って、住宅リフォーム助成などの仕事おこしや、中小企業の賃上げにつながる支援策にもっと予算を付けるべきです。

 同様に、第36号議案「産業立地の促進による経済及び雇用の活性化に関する条例の一部を改正する条例」については、本社機能の移転した企業に対し、不動産取得税軽減措置を県下全域まで拡充する内容で、賛同できません。

 農林水産業では、県立林業大学校を創設するなどしているものの、TPPや輸入拡大で切り捨てられることになる大多数の小規模農家を支援するのではなく、国際競争力に勝てる農業をと、集約化・大規模化を推し進める方向です。農林水産業と食糧自給率、食の安全・安心を守る立場がありません。

 第2に、不要・不急の投資事業を進めるとともに、これまでの破綻のツケを県民に押し付けていることです。

 需要予測の甘い不要・不急の大型公共事業である播磨臨海地域道路網計画推進、名神湾岸連絡線の調査費などが予算計上されているからです。  空港関連では、当初需要予測を大幅に下回り、神戸空港への補助費、但馬空港には新年度予算で7億2,000万円もの空港維持費を計上し、そのうち、新型航空機購入費として総額27億3,000万円、新年度予算では1億3,000万円が計上されています。

 但馬空港については、廃止も含め事業計画の見直しが必要です。需要予測の甘い不要・不急の大型公共事業や採算性を度外視した開発型事業を推進していることから、反対します。限られた予算の中、これからの公共事業は、老朽化・防災対策型への公共事業への転換が必要です。

 第3に、社会保障の充実を理由に消費税増税をしながら社会保障を抑制する国の予算に沿った県予算となっていることです。

 安倍政権は、社会保障費の自然増について大幅カットを続けています。来年度も概算要求より1,700億円の削減ですが、2013年はマイナス2,800億円、2014年はマイナス4,000億円、2015年はマイナス4,700億円と大幅削減をし、今後も続ける方針です。

 この3年間の平均は、小泉内閣時代を上回る削減で、小泉内閣は消費税を上げない代わりに社会保障を抑制するとしていましたが、安倍内閣は消費税増税を推し進めながら社会保障も大幅に抑制するのですから、国民には二重の負担増となる、ひどい削減です。

 県民の社会保障と税一体改革関連経費、つまり消費税充当事業の社会保障経費は、昨年度からわずか0.9%しか増えていません。

 子育て世代の強い要望に応えて、保育料の第2子減免が導入されますが、生活保護費の住宅扶助や冬期加算の基準引き下げなど、昨年に引き続き予算がカットされています。

 今後、さらに介護の要支援外し、医療病床の削減、国保の都道府県化などが進められようとしています。県として県民の暮らしや福祉を守る立場から、国に対し社会保障の抑制ではなく充実を求めること、その財源を消費税に求めるべきでないこと、また消費税増税に反対すべきです。

 第4に、県行革による福祉・医療・教育の切り捨てが行われていることです。

 新行革プランが始まる以前、17万5,000人が対象となっていた65歳から69歳の老人医療費公費助成対象者は、10分の1に減らされています。

 重度障害者児、母子父子家庭等医療費など対象者も削減し、2008年度の新行革プラン以降、合計で20万人近くの県民が県独自の助成から外されました。

 また、教育分野では、第三次行革で大幅に削減した私立高校授業料軽減補助について、私たちが繰り返し復活・拡充を求めてきたことに対し、来年度、一定の拡充が図られることとなりました。しかしながら、県単部分では行革前の水準に達していず、私立高校の経常費補助の県単価も据え置いたままです。

 経済的な理由から奨学金を借りても返済に困窮する若者が増加し、大きな社会問題となっています。私学助成の拡充や県として給付制の奨学金を創設するなど、教育予算を増やし教育の無償化へ進むべきです。

 第28号議案「兵庫県職員定数条例等の一部を改正する条例」、第41号議案「兵庫県学校教職員定数条例の一部を改正する条例」についても、行革を理由とした県職員、県単の教職員、教育委員会事務局、県立病院職員、警察の一般事務部門職員を削減するもので、認められません。

 第5に、マイナンバー関連予算が含まれていることです。

 マイナンバー法審議中に、日本年金機構から125万件もの年金情報が流出したことが発覚しました。制度が実施されてからも、公務員が1万人分の個人情報を不正に持ち出し逮捕されたり、マイナンバーを管理する地方公共団体情報システム機構のサーバーでは、原因不明のシステム障害が1日1回のペースで発生しているなど、事故・事件が相次いでいます。

 また、東京商工リサーチが行ったアンケート調査でも、約75%の企業が自社にとってメリットがないと答え、デメリットについて、情報漏えいのリスクが40.5%と高くなっています。

 マイナンバーにより、県民一人ひとりに原則不変の個人番号を附番し、個人情報をこれによって容易に照合できる仕組みを作ることは、プライバシーの侵害やなりすましなどの犯罪を常態化するおそれがあり、個人情報が流出したときの被害は甚大で、この制度そのものに反対です。もともと徴税強化が目的であるマイナンバー制度については、直ちに中止すべきです。

 以上の理由から、第1号議案「平成28年度兵庫県一般会計予算」に反対します。

 次に、第2号議案「平成28年度兵庫県県有環境林等特別会計予算」、第4号議案「平成28年度兵庫県公共事業用地先行取得事業特別会計予算」についてです。

 塩漬け土地の取得費用償還のための公債費を繰り出すとともに、更なる取得を目的に1億円を積み置いていますが、淡路のリゾート構想など、当初の開発計画と破綻について反省もせず、県民に説明もしないまま失敗のツケを県民に押しつけようとするものです。

 本議案は、土地開発公社が、平成元年から平成9年にかけて約9億2,000万円で先行取得した淡路市石の寝屋用地を14億8,000万円で、同じく土地開発公社が、平成3年に28億4,000万円で先行取得した三田市酒井畦倉用地を38億4,000万円で、また、平成3年に約60億円で先行取得した淡路市江崎汐鳴山用地を78億6,000万円で、それぞれ環境林として県が取得するというものです。

 当時、合わせて約97億6,000万円で先行取得した用地を、県が環境林として約131億8,000万円で買い戻すというもので、その差額は約34億2,000万円にもなり、そのほとんどが銀行への利息です。今も残る大量の先行取得用地については、時価を明らかにし、含み損も含めて県民に明らかにすべきです。過去の先行取得用地の総括と反省もないままの新たな買い戻しは、認められません。

 第5号議案「平成28年度兵庫県営住宅事業特別会計予算」についてです。

 非正規雇用率の高まりによって、県民所得が低下し、県営住宅応募平均倍率は8倍に高止まっています。県営住宅への期待と役割が、ますます広がっている中での管理戸数削減は認められません。

 家賃減免制度の改悪により、今年度の経過措置後、来年度は更なる家賃の引き上げとなる入居者も多く、本来、減免対象になる入居者への制度の周知も不十分です。家賃収納目標を立て、指定管理者にインセンティブを与えるなど、入居者の生活よりも家賃収納強化に視点が偏っているのも問題です。

 また、UR借上げ住宅推進費を計上し、震災から20年目を迎える高齢者に対し、一定の基準で線引きをし、追い出すやり方は到底認められません。入居可否判定については、知事答弁にもあったように、きめ細かな柔軟な対応こそが必要です。

 第11号議案「平成28年度兵庫県母子父子寡婦福祉資金特別会計予算」については、福祉的な貸付の償還金の回収を民間委託し、平成25年度13.6%から、平成26年度は17%へと大幅に回収率が引き上げられ、徴収強化が進められており、認められません。

 第16号議案「平成28年度兵庫県病院事業会計予算」についてです。

 県立こども病院の移転・建替については、関係者の強い反対を押し切り、地震・津波災害により何よりも災害時要援護者となる母子の集まる災害拠点病院として機能が果たせないことが心配される人工島ポートアイランドへの移転を推し進める予算が含まれていること。また、県行革による病院職員の削減も行われています。

 第45号議案「兵庫県病院事業の設置等に関する条例の一部を改正する条例」についても、県立こども病院の移転先の住所を定めるもので、認められません。

 第17号議案「平成28年度兵庫県水道用水供給事業会計予算」は、来年度、県営水道料金が一定引き下げられることについては評価できるものの、過去の過剰な水需要予測や二部料金制等により、全国でも有数の高い県営水道料金を市町に押しつけていることから、反対です。

 また、第18号議案「平成28年度兵庫県工業用水道事業会計予算」については、主に新日鉄など大企業に供給している工業用水は、1トン当たり4円30銭で、50年前より2円10銭しか値上げしていません。工業用水道事業法にある社会的経済的事情の変動による著しく不適当な状態と言わざるを得ず、不当に安い価格に据え置いていることから、認められません。

 第20号議案「平成28年度兵庫県地域整備事業会計予算」についてです。

 平成26年度から、会計制度の見直しによって進度調整地を除く時価評価処理が行われることとなり、平成26年度決算では、69億9,000万円もの純損失となりました。利用の目途なく土地を買い集めたツケが、一部ではあるものの明らかになりました。しかし、企業庁は会計制度の変更にもかかわらず、進度調整地については時価評価を保留しており、プロジェクトごとの収支も明らかにしていないことから、反対です。

 また、来年度予算では、小野市市場地区にある産業団地を新たに整備する調査設計費8,000万円を計上しています。これまで、小野市市場地区は小野長寿の郷構想として、健康、交流・コミュニケーション、自然を一体化したまちづくりを進める計画で、一部は既に医療・福祉機関が進出しています。しかし、小野長寿の郷構想の見直しについては、議会にも報告がされておらず、既に進出している医療・福祉機関やその利用者にも説明がされていません。過去の事業との整合性など、県と企業庁は十分な説明責任を果たすべきです。

 次に、条例関係議案についてです。

 第23号議案「行政不服審査法の施行に関する条例」については、不服申し立てのうち、異議申し立てを廃止し審査請求に一元化するものです。異議申し立てを廃止することは、県民の権利を縮小することにつながる懸念があり、賛成できません。

 第25号議案「使用料及び手数料徴収条例等の一部を改正する条例」についてです。

 本議案は、都市計画再生特別措置法、都市計画法及び建築基準法の一部改正によって、市町が立地適正化計画を作成し特定用途誘導地区を設定した場合に、地区内における建築物の高さの限度の特例許可申請手数料を新たに定めるものです。

 特定用途誘導地区とは、住宅及び医療施設、商業施設などの都市機能増進施設を誘導地区へ集約しようとするものです。これは、政府のまち・ひと・しごと創生基本方針2015に沿ったものであり、医療、福祉、教育、買い物などの機能を拠点ごとに集約・分散し、交通ネットワークで結ぶという公共施設の統廃合や行政サービスの集約化を推進するものです。

 これらは、市街化区域全体に広がった居住区間を狭域の誘導区域へコンパクトにまとめ、その中に都市機能増進施設を誘導する考え方です。いわゆるコンパクトシティー化です。

 知事は、昨年4月の国会で、参考人として意見を述べられ、「コンパクトシティーとか小規模拠点とかという発想は、一極集中のピラミッド構造を全国津々浦々にまではびこらせようとする発想だと思って反対しています。行政を経済性とか効率性だけで考えるのか」と、発言されております。コンパクトシティー化の名による、更なる集約化は、地方をより疲弊させてしまうことから、反対です。

 第26号議案「兵庫県税条例等の一部を改正する条例」について、外形標準課税の拡大が含まれており賛成できません。

 法人税と法人所得割の税率引き下げにより、県は3,800万円の減収になります。その穴埋めとして、外形標準課税の強化が進められるものです。

 具体的には、外形標準課税の付加価値割を1.2%、資本割を0.5%増やすものです。付加価値割は、報酬給与総額から算出するため、赤字企業でも雇用を拡大し賃金を多く払っている企業には負担が重い制度です。逆に賃下げをして利益を増やした企業の方が、税制上も有利になります。

 外形標準課税の強化は、頑張っている企業にも労働者にも不利益になります。今回は資本金1億円以上の企業となっていますが、外形標準課税の拡大について、与党大綱では今後の検討事項として、中小企業においても税負担のバランスについて慎重に検討していくとしており、いずれは中小企業にも拡大されるおそれがあり、反対です。

 第29号議案「職員の給与等に関する条例等の一部を改正する条例」についてです。

 県行革でカットされた職員給与、期末・勤勉手当等の引き上げを行うもので、民間給与相場にも大きな影響を与える一般職員の給与引き上げは当然のことです。それでも、なお一般職員の給与カットが残っています。今年度実施していた北海道が、来年度、一般職のカットを回復するので、全国で唯一兵庫県のみ、一般職の行革独自カットを実施しているという異常な事態であり、早急に全面回復すべきです。

 一方、知事や教育長などの特別職給与は高過ぎるというのが、県民の圧倒的な声です。行革による福祉・医療の切り捨てを押しつけている中、知事・教育長ら特別職の給与引き上げには、県民の理解は得られません。

 また、地方公務員法改正による職員の分限、降級の規定をすることについては、憲法15条2項が定める全体の奉仕者として、公正中立の立場で国民の権利と福祉の実現のために、その能力を発揮すべき地方公務員を、任命権者の言いなりへと変質させかねないこと、また、人事評価で下位評価落ちさせることによって人件費削減を進めることにつながりかねず、認められません。

 第40号議案「公立学校教職員の特殊勤務手当に関する条例等の一部を改正する条例」は、学校教育法の一部改正により、新たな学校の種類に義務教育学校が設けられたことにより追加です。

 義務教育学校は、中1ギャップへの対応や学力向上にも効果があるとして、小中一貫教育を制度化したものですが、国立政策研究所の調査結果でも、中1で不登校やいじめがピークとは言えず、県下でも小中一貫教育が学校統廃合と一体的に進められていることから、義務教育学校の制度化そのものに反対で、第41号議案にも同様の理由が含まれています。

 第42号議案「教育委員会の権限に属する事務に係る事務処理の特例に関する条例の一部を改正する条例」については、文化財保護法施行令の一部改正により、兵庫県文化財保護条例に基づく指定史跡名勝天然記念物の現状変更等に関する事務のうち、各市が処理するものの範囲を拡大する内容ですが、取り扱う件数が少ないというものの、各市に文化財等の専門家不足で適切な管理ができるか懸念されるので、認められません。

 次に、第43号議案「風俗営業等の規則及び業務の適正化等に関する法律施行条例等の一部を改正する条例」についてです。

 クラブ等の深夜営業が、風営法で新たに特定遊興飲食店営業の規定となりました。昨今の社会情勢の変化のもと、ダンスがヒップホップダンス等、学校教育の中でも取り入れられ、社交ダンスについても、不純異性交遊や風俗犯罪等への影響がないと判断されたことによるものです。

 県条例では、特定遊興飲食店営業の許可対象地域は第4種地域――三ノ宮、福原、神田新道、魚町の歓楽街のみで、それ以外は申請できません。国の省令では、より緩和した地区指定も可能ですが、4地区のみという厳しい地区指定となっています。

 県警察の説明では、第4種地域内の対象店舗は1ヵ所で、残り8ヵ所のうち5ヵ所がホテル内、3ヵ所が社交ダンス教室などで、深夜営業の希望はないとのことです。

 しかし、新規に地区外に出店する場合、深夜営業ができず、もしもライブハウスなど机と椅子があり、常設的に飲食を提供していれば、特定遊興飲食店営業の無許可営業となるなど、規制に該当する可能性があるとしています。許可の対象地域が限定され、その他の地域で無許可営業で取り締まられる懸念があり、反対です。

 第48号議案「第3次行財政構造改革推進方策の変更」については、福祉医療の改悪や県職員の3割カット方針を継続するとともに、企業庁の地域整備事業について、抑制方針から、条件付きとはいえ推進方向へ転換するものとなっています。

 さらに、予算編成の前提となる政府経済見通しを、政府見通しのとおりに、実質1.7%、名目3.1%としていますが、今の経済状況を見れば、実現の見通しのない数字だと言わざるを得ません。第3次行革プランの財政フレームを国に合わせ、来年の経済成長率を3%台に改定、税収も増えるとしていることは楽観的過ぎであり、問題です。同意できません。

 第49号議案「株式会社北摂コミュニティ開発センターに対する出資」については、独立行政法人都市再生機構――URが保有する株式会社北摂コミュニティ開発センター、通称コムスの株式の一部を企業庁が取得するというものです。

 企業庁は、株式を取得する理由として、コムスが進める北摂三田ニュータウン事業に対し、より積極的に関与を強める事を挙げています。株式取得価格は1億500万円にもなりますが、企業庁が言う積極的に関与を強める具体的な事業計画は全く明らかになっていません。

 国のもとでは、平成25年12月に独立行政法人改革等に関する基本方針が閣議決定され、その中で独立行政法人が出資する関連会社の出資比率を15%以下に整理することを挙げています。現行URのコムスに対する出資比率は23.3%となっていますが、企業庁がURの保有するコムスの株式を取得することによって、URのコムスに対する出資比率は15%以下となります。企業庁は1億500万円もの出資をするにもかかわらず、具体的な事業計画さえ明らかにしていません。これでは、県民の税金を国の独立行政法人改革の肩代わりに充てたと批判されても仕方がなく、反対です。

 最後に、第54号議案「公の施設の指定管理者の指定」については、兵庫県立兎和野高原野外教育センターを地元の香美町へ指定管理するものですが、利用料金制を伴い、議会のチェックなく一定の範囲で値上げなどが可能となることから反対です。

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