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本会議

第328回本会議決算認定議案反対討論 きだ結
2015年10月27日

 私は、日本共産党県会議員団を代表し、上程中の決算認定議案のうち、認第1号、認第2号、認第4号、認第5号、認第8号、認第11号、認第12号、認第16号ないし認第18号、認第20号の11件に反対し、以下主な理由を述べます。
 まず認第1号「平成26年度兵庫県一般会計歳入歳出決算認定」の件についてです。
 問題の第一は、消費税増税後、「地方消費喚起」の県補正予算なども組みましたが、県民の生活の安定や、県経済の好循環につながっていないことです。 日銀が今月1日に発表した企業短期経済観測調査(短観)は、「景況感3四半期ぶり悪化」と大きく報道されました。特に大企業・製造業の業況判断指数(DI)が悪化したものですが、3カ月後の見通しは企業規模や製造業・非製造業を問わず 現状比で悪化するというものです。安倍政権が描く「景気回復シナリオ」とは反対に先行きに不透明感が広がっていることを示しています。
 アベノミクスによって物価は上昇、働く人の賃上げは、対物価上昇率に追いつかず、実質所得が低下。その上、社会保障の切り下げで、国民・県民はますます暮らしにくくなっています。
 中小企業は、燃料費や電気代、材料の仕入れ単価などが上昇し、特に製造業や小売業がきびしい状況に追い込まれています。
 県は、緊急経済対策として県特産品の取扱店でのポイント付与など「地方消費喚起」を含めて317億円の補正予算を組み成立させましたが、どれほどの効果があったのか疑問です。
 また消費税増税に伴う地方交付税の充実を見込んでいましたが、決算特別委員会でも国が約束したはずの財源措置がなされたのか根拠を持って明らかにできず、子育ての一部以外は給付減など 消費税の増収分に社会保障の伸びを抑える仕組みになっていることは重大な問題です。社会保障を消費税に頼る道は安心とかけ離れていると言わざるを得ません。
 また、生活保護費は、昨年度につづき大幅にカットされ、親族による扶養義務の強化などを盛り込んだ改悪生活保護法も施行されました。収入が最低生活費を下回る方たちの内、 2割ほどしか利用できていない生活保護がさらに受けにくくなっています。

 問題のふたつ目は、行革にもとづく県民と職員にたいするしわ寄せです。
 「第三次行革プラン」により、母子家庭等医療費助成では、その対象者、こどもと養育者あわせ、10万人の内、4万数千人を対象外にし、老人医療費助成事業は、窓口負担1割だった低所得者Tの方は、2割負担に、 2割負担だった低所得者Uの方は、自己負担上限額を外来月8000円から12000円などに引き上げています。また、要望の強い老人クラブ補助についても減額しています。
 また私学高校授業料軽減補助の県単分の単価見直しと、隣接府県への補助制度がある京都府以外の県外通学者に対する補助を1/2カットなど、県民の負担を増大させました。
 また、職員に対しては、一部緩和されたとは言え、給与の独自カットの継続と定員削減に加え、55歳以上の昇給を基本的に停止しいっそう抑制されており、認められません。
 認第8号「平成26年度兵庫県庁用自動車管理特別会計歳入歳出決算の認定」についても同様に「行革」による給与カットがあるため賛同できません。

 3つに、教育の問題です。
 国が公立高校授業料無償化を撤回し、所得制限のある就学支援金に変えられ、県立高校で2割の生徒に授業料の負担が生じました。県行革により、先ほどの私立高校の授業料軽減補助カットと併せて、経常費補助も削られました。
 外国人学校への補助金支給に検定教科書の使用を条件にし、朝鮮人学校への補助金をカットしたのは教育を受ける権利に差をつけるもので認められません。
 また、競争を拡大し、通学費、通学時間の負担を押し付けるとして県下各地で強い反対の声があがった16学区から5学区への高校通学区拡大の方針が進められたことも賛同できません。

 問題の4つ目は、雇用と地域経済についてです。パナソニック尼崎工場全面撤退で労働者の多くが雇止めとなり地域経済に大打撃を与え、破たんが明確となった呼び込み型の企業立地補助金が、決算額12億円となっています。
 雇用では緊急雇用就業創出事業で、「学卒未就職者を支援」するという事業が含まれていますが、民間の人材派遣会社の紹介予定派遣を活用するものです。必ずしも派遣先での直接雇用につながらないこと、 労働者派遣法で原則禁止されている事前面接が可能であることなど、大きな問題があります。そもそも派遣会社のもうけ口を拡大するための事業は、自治体のやるべきことではありません。
 雇用や地域経済への効果が疑問視される大企業呼び込み型の経済対策と安定雇用に必ずしもつながらない緊急雇用創出事業を地域創生の名のもと繰り返すのでしょうか。事業所数で99%、労働者で78%を占める地元中小企業支援に予算をまわすべきという観点から認められません。
 5つに、過大な需要予測による不要不急の大型開発推進の決算になっているためです。これまでも県は過大な需要予測による港湾・空港・高速道路などの不要不急の大型開発を推進してきまた。本決算でも総額5000億円とも6000億円とも言われる播磨臨海地域道路網計画や、800億円とも言われる名神湾岸連絡線推進のための調査費が支出されています。そもそも播磨臨海地域道路網計画は今から40年以上も前の1973年に原案的な計画線が示されたものです。1955年から73年といえば高度経済成長期の真っただ中にあり、この間の実質GDPは年平均で9%を上回っています。また自動車保有台数も同時期の10年間で約800万から2400万台へと3倍にもなっています。一方で2015年度のGDPは対前年度比で1.04%のプラスに留まり、自動車保有台数も2005年の7800万台から2015年度は8000万台へと自動車保有台数の伸び率もこの10年間はわずか1.02倍に留まっています。40年前と比較すると経済状況は大きく様変わりをしています。さらには今後、深刻な人口減少社会を迎えることも指摘がされているところです。経済状況、人口動向が大きく様変わりする中で、甘い需要予測による不要不急の大型開発は認められません。これからの公共事業は、開発型の大型公共事業から、維持管理・老朽対策型公共事業への転換が必要です。
 以上の理由から、認第1号「平成26年度兵庫県一般会計歳入歳出決算認定」について反対します。
 次に認第2号「平成26年度兵庫県県有環境林等特別会計歳入歳出決算認定」・4号「平成26年度兵庫県公共事業用地先行取得事業特別会計歳入歳出決算認定」の件についてです。
 これは、宝塚新都市の大原野、長谷、玉瀬、切畑、波豆344.69haを環境林として取得したものですが、これらの土地はかつて県が大規模開発を計画し先行取得させていた広大な土地が事業失敗により塩漬け土地になっているものです。 何の反省もなく、なし崩し的に処理することは認められず賛同できません。
 次に認第5号「平成26年度兵庫県営住宅事業特別会計決算の認定」については、低所得者向けの住宅が大幅に不足している中、新規建設がなく、「行革」により建て替え戸数も抑制されていること、さらに、 UR借り上げ復興公営住宅の入居者に住み替え支援金の支給などで法的根拠もなく転居を迫っていることからも反対です。
 次に認第11号「平成26年度兵庫県母子父子寡婦福祉資金特別会計歳入歳出決算の認定」についてです。福祉的な対応が必要な貸付事業にも関わらず債権回収を民間委託していることについて認められません。 また保証人がいなければ実質借りることができないなど、必要な人に必要な時貸し出す制度になっていないことも指摘をしておきます。
 次に認第12号「平成26年度兵庫県小規模企業者等振興資金特別会計歳入歳出決算の認定」の件については、地域改善分の焦げ付きへの総括されておらず、賛同できません。
 次に認第16号「平成26年度兵庫県病院事業会計決算の認定」の件についてです。行革による人員削減や給与カット、県立淡路看護専門学校の廃止(H26末)、県立こども病院を多くの患者・家族、 医師会など医療関係者らの反対を押して防災上問題のあるポートアイランド・神戸中央市民病院の隣接地に移転建て替えし、小児三次救急・総合周産期母子医療センターを1か所に集めたことなど賛同できません。

 次に認第17号「平成26年度兵庫県水道用水供給事業会計決算の認定」は、県による過去の過剰な水需要予測や二部料金制等により全国で2番目に高い県水を市町に押しつけていることから反対します。

 次に認第18号「平成26年度兵庫県工業用水道事業会計決算の認定」についてです。主に大企業に供給している工業用水は1tあたり4円30銭で、 50年前より2円10銭しか値上げしていません。工業用水道事業法にある「社会的経済的事情の変動による著しく不適当」な状態を解消していません。不当に安い価格に据え置いていることから反対です。

最後に、認第20号「平成26年度兵庫県地域整備事業会計決算の認定」についてです。平成26年度から会計制度の見直しによって進度調整地を除く時価評価処理が行われることとなり、播磨地域整備事業で35億2千万円、淡路地域整備事業で99億6千万円、併せて134億円の欠損金が計上され、60億円の減損処理もされ、合計で194億円の特別損失が計上されました。その結果、会計全体では前年度4億4千万円の純利益に対し26年度決算では69億9千万円もの純損失となりました。過大な土地利活用予測のもとに買い付けた損失が一部ですが明らかになりました。 会計制度の変更にもかかわらず進度調整地について時価評価を保留し明らかにしていないこととともに、各プロジェクトごとの収支も明らかにされていません。以上の理由により反対します。

以上、議員各位のご賛同をお願いし私の討論を終わります。ありがとうございました。

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