わたしは、日本共産党県会議員団を代表し、今議会に提案された請願について、請願第1号、請願第3号、請願第4号は、不採択でなく採択を求め、請願第2号は、不採択に賛成の立場から討論します。
【戦争法案の廃案を求める意見書採択を】
まず、請願第4号、「安保関連法案の速やかな廃案を求める意見書提出の件」についてです。
今年は戦後70年です。世界に向かって「戦争を放棄し、平和と民主主義の日本をつくること」を誓い、宣言したのが第9条を含む日本国憲法です。この憲法の下、日本は平和的に繁栄し、戦争をせず他の国々からの信頼を築いてきました。
現在国会で審議中の安保関連法案は、「平時であろうと戦時であろうと」、「これまでの歯止めをはずし戦闘地域でも」、「弾薬や武器の輸送・提供、修理や医療、道路建設までなんでも」行うもので、本質は「集団的自衛権の行使でアメリカの戦争に直接参戦する道を開く」ものです。
またこれは、4月27日に合意した、日米の戦争マニュアルである「日米軍事協力の指針=新ガイドライン」と一体のもので、重大なのは、「新ガイドライン」に、日本が集団的自衛権の行使で参戦する場合に地方自治体・民間の権限や能力を「適切に活用する」と明記されており、兵庫県も協力させられる危険性があるということです。米軍機や艦船による空港や港湾の全面利用、物資の積み降ろし場所の確保、日本国内での傷病兵の治療など、民間分野を巻き込むあらゆる戦争協力の項目が盛り込まれているのです。
安倍政権が説明する「日本国民の命を守るため」「戦闘には巻き込まれない」とは真逆で、日本の自衛隊員を他国で人を殺し殺される危険にさらし、日本国民全体をも危険に陥れるのが実態です。
請願の要旨にもあるように、戦後日本政府の憲法9条解釈は、一貫して、「海外での武力行使は憲法違反」との立場をとってきました。
6月4日に行われた衆議院憲法審査会の参考人質疑で、自民党推薦も含め3人の憲法学者がそろってこの法案について「憲法違反」との認識を表明しました。また、12日、元自民党幹部らが、日本記者クラブで反対表明をしました。
20,21日の共同通信社の世論調査では、「違憲」が56.7%、反対が58.7%です。3週間で11.1ポイントも反対が増え、賛成派が7.6ポイント減りました。22日の衆議院安保法制特別委員会での参考人質疑では、宮崎れいいち・坂田まさひろ元内閣法制局長官が「違憲」と主張しました。また、全国都道府県弁護士会全てが、反対を表明しており、95%以上の憲法学者・研究者が「違憲」と言っています。
これほどまで異論が噴出し、反対の民意が示されている法案を、会期末を延長してまで法案成立させるべきではありません。
本請願の趣旨に大いに賛同し、採択を主張いたします。
【政務活動費の請願について】
次に、請願第1号「政務活動費からの飲食費の支出禁止を求める件」は、政務活動費の支出基準の見直しが行われ、「飲食、親睦が主目的」の会合への支出はすでに禁止されていますが、政務活動費の支出として懇親会費など飲食費の禁止をすることは当然であり採択を主張します。
次に、請願第3号「県議会への請願時の意見陳述制度の創設を求める件」についてです。
請願は国民の権利であり、請願が審議される県議会において、県民からその趣旨を直接聞き取ることは、議員が県民の代表として県政の監視機能を果たし、政策提案を行うため必要なことであり、当然のことです。
日本共産党県会議員団は、以前から請願者の意見陳述の実施を求めており、議会改革を一層進めるためにも本請願の採択を強く求めます。
次に、請願第2号「政務活動費の交付額の減額を求める件」についてです。
政務活動費は、地方自治法に「議員の調査研究に資するために必要な経費」と定められ、地方議会を活性化させ、地方自治の本旨である住民の福祉の増進に貢献すること、さらに、行政をチェックするための調査費用、県民の願いを実現させるために様々な資料を集めて政策立案・提言をすること、県民への議会報告、広報などに使われるべきものです。
日本共産党は、こうした法律や条例の趣旨を踏まえ、丹波の豪雨災害など県下各地の調査、東日本大震災の被災地調査、福島原発事故の現地調査や、東京、愛知、福岡など全国の先進的な行政の調査などを行い、知事提案の議案・予算のチェック、予算組み替え提案、県民要求の実現のための政策提言に反映し、県政野党の立場で、活用してきました。
同時に、その財源が、県民の税金であり、1円たりともおろそかにしてはならないという立場で取り扱ってきました。
政務活動費問題の焦点は、いかに使途の厳格化や透明性の確保をはかっていくかということです。私たちは政務活動費について、減らせば減らすほどいいという立場には立っていません。今すべきことは、政務活動費でのグリーン車利用を禁止することや、議員報酬の引き下げです。
税金である以上、適切な金額についても県議会での議論で検討をしていくことは当然ですが、請願のように、大幅減額を前提にすることは、同意できず、不採択を主張します。
以上、議員各位のご賛同をお願いし、私の討論を終わります。ありがとうございました。
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