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本会議

第323回本会議請願討論 杉本ちさと
2014年6月11日

【集団的自衛権の行使を容認する閣議決定や立法を行わないことをもとめる意見書採択を】

 私は、日本共産党県会議員団を代表し、請願第117号「憲法第9条を壊し、日本を海外で戦争する国へとつくりかえる集団的自衛権行使を容認する閣議決定や立法を行わないことを国に求める意見書提出の件」について、不採択でなく採択を主張し、以下討論を行います。
 安倍政権が、集団的自衛権の行使容認に向け今国会中に憲法解釈の変更を閣議決定する動きを強めています。集団的自衛権の行使とは、日本が武力攻撃を受けていないのに、米国など他国のために武力を行使することです。
 歴代政府は、憲法9条のもとで集団的自衛権の行使はできないと表明してきました。これを認めることは、戦後日本が憲法9条のもとで築いてきた戦争をしない国日本を戦争する国日本にすることであり、国のあり方を根本から変える重大な問題です。
 安倍首相は、日本が再び戦争をする国になるというのは誤解だと言っていますが、著書「この国を守る決意」の中で、「言うまでもなく軍事同盟というのは血 の同盟です。今の憲法解釈のもとでは、日本の自衛隊は、少なくともアメリカが攻撃されたときに血を流すことはない。双務性を高めるということは、具体的に は集団的自衛権の行使だと思います」と述べ、石破茂自民党幹事長は、5月17日付の朝日新聞で、「集団的自衛権を行使するようになれば、自衛隊が他国民の ために血を流すことになるかもしれない」と、あからさまに述べています。
 政府は、この間、米国の強い要請でアフガニスタン戦争やイラク戦争に自衛隊を派兵しましたが、憲法9条に基づき、一つは武力行使をしてはならない、二つは戦闘地域に行ってはならないの二つの歯止めはついていました。その結果、自衛隊の活動は、インド洋での給油やイラクでの給水、空輸にとどまり、一人の犠 牲者も出ませんでした。
 しかし、政府は6月3日、この二つの歯止めを外し、非戦闘地域という考え方をなくして、さらに戦地にまで拡大して、戦闘地域でも支援可能とする新基準案 を示しました。武力行使を目的として戦闘に参加しないといっても、補給や輸送、医療など、後方支援で戦闘地域、すなわち戦地へ派兵されれば、殺し、殺され る戦闘に参加することになります。
 これが、若者たちにどのような結果をもたらすか、NHK特集で、イラクに派兵された自衛隊員延べ1万人のうち1割から3割が精神の不調を訴え、28人が帰国後に自殺していると伝えられました。非戦闘地域でも、若者の心を傷つけ深刻な苦しみを与えています。
 アメリカの場合、アフガン・イラク戦争からの帰還兵3分の1――60万人がPTSDを患い、1日平均22人が自殺で亡くなっていると言われています。戦争は、戦闘地域でたくさんの戦死者が出るだけでなく、戻ってきた人も心の病で苦しめられるのです。
 このような危険な動きに、戦争をする国づくり反対、憲法9条を守れと反対の声は大きく広がり、立場の違いを超えて、自民党や保守政権を支えてきた人々からも厳しい批判が上がっています。
 野田聖子自民党総務会会長は、雑誌「世界」6月号で、今の日本にどれだけそこに若者を行かせられるのでしょうか、人を殺す、人が殺されるかもしれないというリアリズムを語るべきですと訴えています。
 また、自民党の幹事長だった加藤紘一さんは、新聞「赤旗」日曜版のインタビューに答えて、集団的自衛権について、自衛隊が地球の裏側まで行くことは十分に想定されると述べて、集団的自衛権の議論をやり出すと徴兵制まで行き着きかねないと批判しています。
 さきの県議会総務常任委員会で出された集団的自衛権の行使容認は、決して戦争をするためではないとの意見は、安倍首相と同じごまかしを繰り返しているにすぎません。
 また、最小限にとどめるとの意見も、早くも戦闘地域にまで拡大されていることや、また、その判断をするのは時の政権であることなど、幾らでも無制限に広がります。
 また、尖閣諸島や朝鮮半島など、緊迫した事態を口実にする意見もありますが、戦争で紛争を解決することはできません。大切なことは、軍事対決の悪循環でなく、道理に立った外交交渉、平和解決に徹することです。まさに、憲法9条を生かした外交努力が求められているのです。
 憲法は、権力に縛りをかけ権力の濫用を防止して、国民の自由と権利を保障するものです。これが、立憲主義です。安倍首相が、憲法改正の手続を経ることなく閣議決定だけで憲法の解釈を変更する立憲主義の破壊の暴挙にも、立場の違いを超えて大きな批判が沸き上がっています。
 集団的自衛権行使を容認する解釈改憲に反対する有識者12人が、国民安保法制懇を作りました。5月28日、国会内で記者会見した阪田雅裕元内閣法制局長 官は、60年間にわたり政府自ら言い続け、国会でも議論を積み重ね、国民に定着してきた憲法の解釈を一内閣の手で変更することは、文字どおり立憲主義の否 定だと強調し、法治国家の根幹を揺るがすもので、危機感、怒りすら覚えると厳しく批判をしています。
 日本は、かつて侵略戦争の反省から、二度と戦争はしないと決め、憲法9条を作りました。憲法9条があったから、日本は世界から信頼を受けてきたのではないでしょうか。本請願は、立憲主義を踏みにじり、時の一首相、一内閣が戦争をしないと誓った日本の国のあり方を勝手に作り変えることなどあってはならない ことと述べ、集団的自衛権の行使を容認する閣議決定や立法を行わないことを国に求める願意は当然であり、不採択でなく採択を主張します。
 以上、議員各位のご賛同をお願いいたしまして、私の討論を終わります。

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