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本会議 第320回本会議議案反対討論 いそみ恵子
2013年12月13日

 私は、日本共産党県会議員団を代表し、今議会上程の議案のうち、第96号議案、第97号議案、第99号議案、第100号議案、第103号議案ないし第107号議案の9件について、反対の立場から、その理由を述べて討論を行います。

 まず、第96号議案、「社会福祉法人に関する事務の受託の廃止に関する協議」についてです。
 これは、地方分権一括法で、社会福祉法人の監査事務が市へ移譲されたものの、4市を除く21市が体制等が整わないままの移譲は困難として、平成26年度まで県に事務委託をしていたことに伴うものです。その中で、今回提案されている宝塚市が受け入れ態勢が整ったとして、委託を返上し、市として監査の体制準備をすすめてはいるものの、移譲される事務について新たに人員確保はできず厳しい状況です。
 県は、社会福祉法人と当該法人が運営する施設等の指導監査は同一主体が一元的に行うことが望ましいとして、今後、事業所監査も市へ移譲するよう国に求めていますが、各市では相当な体制強化が必要ですが、小規模な自治体ほど困難です。わが党は、福祉施設の水準がナショナルミニマムとして守られることが重要であり、そのため、法人監査などは、特別の体制がいること、県が広域的に監査・指導することが望ましいと考えていることから反対です。

 次に、第97号議案、「阪神高速道路株式会社が行う兵庫県道高速大阪池田線等の事業の変更についての同意」についてです。これは、阪神高速道路株式会社が平成25年度末を終了期日としていた料金割引の適用期間を延長すること及び消費税率改定に伴い、消費税転嫁表記を変更することについて、同意しようとするものです。そもそも対距離料金制導入の際、わが党は料金値上げとなり、住民負担増となり、株式会社の経営状況からも、料金値上げの必要性はないと反対してきました。今回その上に、4月1日からの消費税の増税の転嫁です。
 内閣府が、9日に発表した7〜9月期の国内総生産(GDP)改定値は、物価変動の影響を除いた実質が、前期比0.3%増、年率換算で1.1%増と、わずかな伸びしか示すことができず、日本経済が深刻な状況を抜け出していないことが示されました。この最大の要因が、国民の所得の落ち込みであり、7〜8月期の雇用者報酬は実質で前期比0.6%減となっています。
 このような中で、消費税の増税を前提に消費税分を転嫁することは、消費をさらに冷え込ませ、景気を悪化させることにつながり、認められません。
よって、本議案には反対です。

 次に、第99号議案、「一般国道178号浜坂道路久谷第1トンネル工事請負契約の締結」の件についてです。
 浜坂道路は、高速道6基幹軸の日本海沿岸を構成する山陰近畿自動車道、旧鳥取宮津道の一部区間として整備されるもので、そもそも、6基幹軸について、これ以上の高速道路は必要ないとの立場です。今回、久谷第一トンネル工事に着手するものですが、国道178号線の事情からバイパス等の整備は必要と考えますが、高規格道路として整備し、財政状況が厳しい中で、わずか7分の時間短縮のために9キロメートルの浜坂道路全体で約245億円の莫大な事業費をかけての建設は認められないとの立場から反対です。

 次に、第100号議案、「一般県道川西インター線(仮称)一庫大路次川橋上部工事請負契約の締結」の件についてです。
 これは、新名神高速道路の川西インターを、国道173号線と川西篠山線の間をつなぐ道路であり、日本共産党は、新名神高速道路そのものについて、必要性に疑問のある無駄な事業と反対していますが、その関連道路として3.3キロメートルに事業費220億円の4車線道路を新たにつくることについても反対です。また一日1万9千400台の交通量を想定していますが、地元では、車の流入により、既存道路がいまでも渋滞で悩まされている中、さらに渋滞がひどくなるのではないかとの懸念もあり、認められません。

 次に、第103号議案、「公の施設の指定管理者の指定(西宮利便機能付係留施設(西宮ボートパーク))」の件についてです。
 これは、西宮ボートパークを特定非営利活動法人・瀬戸内海の水域の秩序ある利用を進める会に対し、前回にひきつづき平成26年4月1日から平成29年3月31日まで3年間、指定管理者に指定しようとするものです。
 この施設は、利用料金制を導入しており、県の施設でありながら、議会の承認を受けることなく、利用料について、現在の料金の0.5倍から1.5倍の範囲で、値上げが可能であることから認められません。

 次に、第104号議案「公の施設の指定管理者の指定(兵庫県営住宅西区・明舞地区(神戸市西区・垂水区・明石市))」、第105号議案「公の施設の指定管理者の指定(兵庫県営住宅阪神北地区(伊丹市・宝塚市・川西市・三田市・猪名川町))」、第106号議案「公の施設の指定管理者の指定(兵庫県営住宅中播磨地区(姫路市・神河町・市川町・福崎町))についてです。
 日本共産党は、これまで公の施設の指定管理の指定については、「住民福祉を増進する目的」で利用する施設であり、むやみに指定管理制を導入すべきでないとの立場で、県営住宅なども、県直営ですべきであると主張してきており、その立場から三議案とも反対です。
 加えて、第104号・第105号議案は、指定管理業務を受託しようとしている株式会社東急コミュニティーが過去に管理業務を受託していた分譲マンションで、フロント担当業務に従事していた元社員が管理組合名義の口座から複数回にわたり約1600万円を着服するなど横領を繰り返し、国から処分をうけ、西宮市議会や宝塚市議会で、市営住宅の指定管理の議案が提案され、大問題となり、議案提案そのものが撤回された経緯があります。
 県営住宅は、他の公の施設とは異なった特性からも、管理者の確実性、信頼性が問われるもので、東急コミュニティー株式会社が家賃の収納業務等を指定管理の指定を受け、行うことへの懸念は払しょくされず認められません。

 最後に、第107号議案、「職員の給与等に関する条例等の一部を改正する条例」の件についてです。
 今回の提案には、国家公務員の制度改悪に合わせて55歳を超える高齢層の県職員の昇給を基本的に停止する内容が含まれています。年齢差別とも言えるような、こうした人件費削減策は、55歳以上の県職員の生計や生活設計を破壊し、後進の若手職員にも大きな不安を与え、多くの職員の仕事への意欲、モチベーションを低下させるものです。
 昨年も退職手当の大幅削減が強行され、今年度は、職員給与が民間を下回ったことなどから、人事委員会は勧告を見送りました。行革による抑制措置を含めれば職員給与は民間を1万9,885円下回り、7月に実施された国の地方交付税カットによる給与削減押し付けによる減額も含めると2万8,811円も下回っています。勧告が見送られているのに、「人事委員会報告」に基づき昇給停止を押しつけるべきではありません。さらに、職員労働組合の反対により、実施時期は再来年度からと1年先送りされているのに、早々と条例で決定するのも問題です。
 今回の行革措置の一部緩和は当然ですが、例えば若手職員で年間5000円、若い教諭でも年間6000円と、焼け石に水の緩和策にとどまっています。本来県独自カットの中止こそが求められています。
 国家公務員に準じた今回の県職員の昇給・昇格制度の見直しによる給与抑制は、広く働く人たち全体の生活水準やひいては、地域経済に影響を及ぼし、景気回復にも逆行することから反対です。

 以上、議員各位のご賛同をお願いいたしまして、私の討論を終わります。
 ご清聴ありがとうございました。

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