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本会議 決算認定議案反対討論 ねりき恵子
2013年10月25日

 私は、日本共産党県会議員団を代表して、決算認定議案のうち、認第1号、認第2号、認第4号、認第5号、認第7号、認第8号、認第11号、認第12号、認第16号ないし認第18号、認第20号の12件について反対し、以下、討論をおこないます。

 はじめに、認第1号「平成24年度兵庫県一般会計歳入歳出決算の認定」の件についてです。
 問題の第1は、安倍内閣の経済政策と一体となった予算の使い方です。
 今回の決算は、安倍内閣の経済政策を受け、昨年12月と今年の2月の二度にわたる合計1351億円もの補正予算を含むものです。そのほとんどが公共事業で、一般国道178号浜坂道路や主要地方道加古川小野線・東播磨南北道路などこれまでも問題点を指摘してきた不要・不急の事業が含まれており、なかでも、基幹農道・蔦沢菅野線は、計画当初から税金の無駄遣いとして住民の批判が強く、民主党政権の事業仕分けで国庫補助のトンネル部分がストップしていたのに、県が要望し復活したものです。
 また、都市公園整備事業・あわじ石の寝屋緑地は、リゾート計画が破綻したため、土地開発公社が先行取得していた土地を、県が買い戻し公園整備を進めるもので、周辺には広大な国定公園があり、自然豊かな中に多額の税金をつぎ込んでまで公園を整備する必要はなく、緊急経済対策にもふさわしくありません。
 わが党は、生活密着型の公共事業はもちろん必要と考えますが、これらの大型開発中心の事業は、将来の経済再生への見通しもなく、財政破たんによるツケを県民に押し付けるもので景気回復にはつながらないと指摘したところです。
 実際に、現在まで労働者の賃金は上がらず、家計消費支出は、今年2月に比べ7月には2人以上の勤労世帯で28000円も下がっています。実質総生産も建設業など一部は上回っているものの、製造業などは落ち込み、全体として景気回復にはつながっていません。

 第二に、行革による定数・給与削減で県民のくらしを守る県の本来の役割が果たせなくなっている一方、無駄な大型開発をすすめていることです。
 県職員定数は、行革による3割カットの方針のもと昨年度より315人も減らされ、平成20年からは2309人もの削減です。県全体の総合土木職は平成20年度から320人も削減され、その内、土木事務所では121人と大幅に削減され、必要な点検・整備などがすすまないなど業務に影響がではじめています。
 決算特別委員会で取り上げましたが、十分な点検の体制が取れていない中、たとえば加古川にかかる県道の粟田橋では、先月、橋の沈下がおこり通行止めが続いています。深刻なインフラの老朽化対策、日常の維持管理の体制強化こそ必要です。
 ところが、県の公共事業は高速道路の新規建設をはじめ、無駄な大型開発が優先されています。
 但馬空港の赤字補填、神戸空港の整備費補助、関西国際空港の利用促進など赤字が続く空港対策に多額の予算が投入されています。
 園田西武庫線は、三菱電機に対する過剰な移転補償費を支払い、播磨臨海地域道路、名神湾岸連絡道路など高速道路計画が目白押しです。
 治水や利水対策の検討が不十分なまま、金出地、西紀、与布土のダム建設も進められています。
 住民の安全を守り暮らしに密着した事業を優先し、体制を充実するためにこれ以上の人員削減はやめるべきです。

 また、県職員給与は、行革による独自カットで、すでに民間給与より1万9988円も下回っているのに、人事委員会勧告による引き下げをあわせると、一般職員平均で年間32万4千円もの引き下げが行われ、県職員は生活への打撃と職務の多忙化の中、勤労意欲の低下や健康悪化も引き起こしかねない状態で認められません。
 同様の理由から、認第8号「平成24年度兵庫県庁用自動車管理特別会計決算認定の件」についても反対です。

 第三に、国の社会保障切捨てから県民を守るのでなく、福祉、医療の予算を削っていることです。
 平成24年度に、3年ごとの見直しで介護保険料は県内平均で4998円へと、16%もの大幅な値上げで、県民の負担は限界となっています。市町の介護保険財政が困難になった際などに貸付を行う財政安定化基金を、H24年度に限り、取り崩して保険料の抑制に活用できることになっていましたが、県下40市町からの強い要望があったにもかかわらず、県は、取り崩し額72億円のうち県拠出分24億円を保険料引き下げに使いませんでした。
 また、県は「第2次行革プラン」を引き続き実施し、乳幼児・こども・障害者の福祉医療費助成の所得制限を世帯合算へと強化し、あらたに約1万8千人が県制度の対象外となりました。
 また、障害者の自動車税・自動車取得税の免除を重度障害者に限定するなどの改悪で、1万8000人が免除を受けられなくなりました。障害のある人が日常生活を送るのに欠かせない手段へ増税したことは問題です。

 第四に、中小企業と雇用を守るのではなく、大企業へ多額の補助を行っていることです。
 なかでもパナソニック1社へ対し、2012年度も14億円も補助し、尼崎第1・第3工場の閉鎖に伴う一部返還金を除いても、これまでに尼崎工場だけで80億円もの補助金が支出されました。しかし、尼崎で唯一稼動していた第2工場も今年度内には閉鎖し、工場を売却して全面撤退するとの報道がおこなわれたところです。
 そうなれば、2011年末の第1、第3工場の生産停止に続いて、多くの労働者が雇い止めとなるなど、打撃を受けることは必至です。
 日本共産党県議団は、大企業を誘致すれば地域経済や雇用も潤うとする兵庫県に対し、偽装請負など違法な雇用の問題点や、その経済効果の乏しいことを指摘してきましたが、80億円もの補助金を出しながら、わずか8年で全面撤退し、県民の税金が消えていくことは認めることができません。パナソニックからは、閉鎖された第1・第3工場分として12億6000万円が返還されましたが、全額返還を求めるべきです。

 第五は、教育の問題です。
 公立高校通学区を16学区から5学区へ拡大することは、競争の激化や通学費の負担、県立高校の統廃合につながるおそれがあり認められません。
 しかも、県内全中学生を対象に統一模試を実施するなどとして、今年7月に一般財団法人「兵庫県進路選択支援機構」が設立され、役員には貝原元県知事や元県教育長をはじめ、「兵庫県高等学校通学区域検討委員会」委員長の梶田氏も名を連ねています。偏差値教育の弊害が指摘されてきた「業者テスト」に、県教育委員会と深くかかわるメンバーがいることは大問題です。
 また、私立高校の経常費補助も削減しています。公立高校授業料無償化で公私間格差が広がる中、私立高校の平均授業料は就学支援金制度のスタート時より7万円も上がっているのに、授業料補助単価の見直しもされず、生活保護世帯でさえ実質無償化に届いていません。公私間格差をなくし、お金の心配なく高校へ通えるよう県として努力すること。安倍政権が来年度から実施することを決めた公立高校授業料無償化の所得制限の中止も求めるべきです。

 第六に、関西広域連合を進めていることです。
 まず、福島第一原発事故が収束どころか、今なお深刻な事態にあり、原発の再稼動反対の世論が多数を占める中、井戸知事を連合長とする関西広域連合が事実上、再稼動を容認する声明を出したことが大飯原発再稼動に道を開いたことは重大な責任です。
 関西広域連合は、国出先機関の権限委譲の受け皿として「丸ごと移管」を進めていますが、「丸ごと移管」後の公務員減らし、国の責任の後退、経済界がていげんしている「インフラの運営の民間会社任せ」へとつながる危険性が指摘され、大多数の市町からも災害時の対応について不安と反対の声が上がっています。

 以上、多額の税金が費やされている不要・不急の事業を抜本的に見直し、県民生活優先の県政への転換を求める立場から、平成24年度一般会計決算認定について反対するものです。

 つぎに、認第2号、「平成24年度兵庫県県有環境林等特別会計歳入歳出決算の認定」の件、認第4号、「平成24年度兵庫県公共事業用地先行取得事業特別会計歳入歳出決算の認定」の件についてです。
 これは、宝塚新都市用地の一部87.37haを、企画県民部が地域活性化事業債を発行して県土整備部から95億円で買い取り、環境林として保有・管理する形にし、県土整備部はその売却収入を借金返済のための財源として、公債費特別会計に繰り出しを行ったものです。
 もともと宝塚新都市開発用地として1200haを約1000億円以上も借金して取得したものの、計画が完全に破たんして利用見通しが立たないため、その一部境野・波豆クラスターを環境林として管理することになったもので、事業の失敗への反省もなく、責任の所在も明らかにせず、なし崩し的に処理することには反対です。
 そのほか、塩漬け土地を買戻し、過去の買い戻した土地の償還を行うものも含まれ、税金の使途として情報公開や透明性に欠けていることから認められません。

 つぎに認第5号、「平成24年度兵庫県営住宅事業特別会計歳入歳出決算の認定」の件についてです。
 「第二次行革プラン」で、県営住宅の建設戸数や改修工事戸数の削減がすすみ、民間への指定管理で県として責任ある管理がされにくい問題もでてきています。低廉で良好な県営住宅への入居希望者が増える中、県営住宅削減策の転換が求められます。また、「UR借り上げ復興公営住宅」の居住者に「住み替えを」迫るのも認められません。

 認第7号、「平成24年度兵庫県流域下水道事業特別会計歳入歳出決算の認定」の件については、武庫川下流浄化センター用地として9500平方メートルを約11.6億円で購入しています。2カ年で倍の面積の土地を、環境創造協会から購入する土地の一部ですが、これは、東日本大震災後に、浄化センターが被害を受けた場合、日量30万トンの水量を処理するためとして「仮設沈殿池」用地として購入するものです。もともとの計画に過大性があり、前回の計画縮小で土地が空いているのに加え、将来計画分の土地が空き地になっています。処理水量や空き地など、その他の方策も含めて、より検討が必要なことから、反対いたします。

 認第11号、「平成24年度兵庫県母子寡婦福祉資金特別会計歳入歳出決算の認定」の件についてです。
 母子家庭に対し、生業やこどもの教育資金など経済支援を目的に貸し付けるものですが、条件によっては連帯保証人がいなくても借りられることになっていますが、実際には連帯保証人がいなければ貸付が拒否されています。
 また、貸付金回収を民間の債権回収会社へ委託したことで、少額返済している生活保護者に対し一括返済をせまるなど、個別の事情を無視した取立てが行われていることは認められません。

 認第12号、「平成24年度兵庫県小規模企業者等振興資金特別会計歳入歳出決算の認定」の件は、地域改善対策高度化資金を、昭和47年から53年にかけて総額92億5000万円貸し付けたうち、33億円が未償還となっているものですが、処分状況が明らかにされておらず、ずさんな貸付だったのではないかということです。

 次に、認第16号、「平成24年度兵庫県病院事業会計決算の認定」の件についてです。
 「第二次行革プラン」により医療技術職員、外来部門の看護師、事務職などの削減を行い、給与も県独自カットに加え県人事委員会勧告による引き下げもされています。
 県立淡路病院は、津波被害の危険など地元住民の反対を押し切って移転建てかえを進め、今年4月の新病院オープン直前に淡路地震で防波壁に亀裂が入るなど、あらためて災害時に病院機能が果たせるのか問題が明らかとなったところです。また、県立こども病院もポートアイランドへの移転ありきで、中央防災会議の指摘や医師会をはじめ多くの県民の声を無視して移転計画を進めているのも問題です。
 また、県は、県立看護専門学校の廃止にむけ募集停止をすすめました。県立柏原看護専門学校については地元の存続を求める要望が強く、管理運営は市へ移管され、県としても財政支援を続けることとなりました。県立淡路看護専門学校は、先日、民間の移譲先が決定したところですが、県立淡路病院の建てかえ移転で看護師が50人も不足し、1病棟を閉鎖する事態となったことなど、県内の看護師不足は深刻であり県立学校として存続すべきであることなどから反対です。

 認第17号、「平成24年度兵庫県水道用水供給事業会計決算の認定」の件については、計画水量75万トンを48万トンに修正したことでも明らかなように、過大な施設整備を行ってきたために水あまりとなり、県民や市町に高い県水を押し付けていることは認められません。

 認第18号、「平成24年度兵庫県工業用水道事業会計決算の認定」の件は、新日鉄など揖保川第一工業用水は、1トンあたり4円30銭と特に安い料金であり反対です。

 最後に、認第20号、「平成24年度兵庫県地域整備事業会計決算の認定」の件については、事業を縮小すべきであり、プロジェクトごとの会計と事業内容を明らかにし、公表すべきであることから反対です。

 以上、議員各位のご賛同をお願いし、私の討論を終わります。

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