私は、日本共産党県会議員団を代表し、上程中の議案の内、議案第58号、第59号に反対し、以下その主な理由を述べます。
県立大学に「中期目標」押しつけはやめよ
まず議案第58号「公立大学法人兵庫県立大学中期目標の策定」の件についてです。
そもそも公立大学の独立法人化は構造改革路線の一環で、経済的利益を生むかどうかを物差しに、大学予算の削減と一部の大学だけを残すというものです。競争を押し付けられた結果、学問研究や学術の発展そのものが阻害されることが危惧されています。県立大学の独立法人化も、教職員と予算の削減を目標とした第2次行革プランに位置づけられています。今回出されている独立法人化されたもとでの県立大学の目標策定は、法人化前の様に大学自治組織が目標を持つこととは異なり、すぐに結果が出る、効率性優先で産業界等から評価される研究に偏り、最も大事な基礎研究がおろそかになるとの指摘がされています。学問研究の自由で全面的な発展を妨げる恐れがある、本議案には賛同することはできません。
国の出先機関の「丸ごと移管」は国の責任放棄につながる
次に議案第59号「関西広域連合規約の変更」の件についてです。これは、関西広域連合議会議員の定数を増やすもので、国の出先機関の丸ごと移管に備えるものです。
そもそも国の出先機関が、国民にとってどんな必要性があるのか、どんな役割を果たしているのか、充分な国民的議論が必要であるにも関わらず、全く無視して地方分権改革の名のもと「丸ごと移管ありき」ですすめられています。憲法に基づく住民の権利、ナショナルミニマムを保障することは国の責任であり、出先機関はその任務遂行のために設けられたものです。国の出先機関の廃止と関西広域連合への移管は、国民の安全と住民サービスを大きく後退させるものです。例えば、東日本大震災や相次ぐ台風被害等にも迅速に対応できたのは、同じ法律や基準のもとで、災害対応機器も常備し、道路、河川などの大規模災害での経験も蓄積し、専門的な活動ができる国の出先機関の果たした役割が大きいと言われます。 今後、東海、東南海、南海の3連動地震も想定される中で、国の出先機関の役割はますます重要になっています。関西広域連合や関西財界がめざす関西の港湾、高速道路、空港など大阪湾ベイエリアに集中投資するための丸ごと移管、民間任せの方向では、国民の安全・安心は守れません。
この例一つとっても、関西広域連合がめざす「地方分権改革」が、国民の願う住民福祉の向上や安心・安全とは相反する方向であることは明らかであり、それを進める本議案には賛同できず、反対をいたします。
以上議員各位のご賛同をお願いし私の討論を終わります。ご清聴ありがとうございました。 |