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本会議 第311回本会議議案反対討論 いそみ恵子
2011年12月14日

私は、日本共産党県会議員団を代表して、上程中の議案の内、第107号、第110号第111号、第114号ないし第128号、第130号ないし第134号の23件、報第3号、報第4号の2件に反対し、討論いたします。

3つの定時制高校の募集停止をやめよ

まず、第107号議案、「兵庫県立高等学校の設置及び管理に関する条例及び兵庫県立特別支援学校の設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例」の件についてです。
今回提案された条例の一部改正は、県立阪神昆陽高等学校と県立阪神昆陽特別支援学校を同一敷地内に新たに設置するものです。しかし、新たな阪神間の多部制単位制高校の設置にともない「県立高等学校教育改革第2次実施計画」にもとづき、定時制の県立川西高校、宝塚良元高校、伊丹市立高校の3校が募集停止され、来年度から統合されることになり、経過措置はあるものの定時制高校自体がなくなることとなります。定時制高校の存続を望む声が西宮、宝塚、川西市議会で意見書として採択される中で強行されたことは、認めることができません。
多部制ができたからと言って、定時制高校の役割がなくなるわけではありません。働きながら学ぶ生徒や不登校経験者など困難をかかえた生徒たちの、定時制で学ぶ権利を保障することこそ、県教育委員会の果たすべき役割では、ないでしょうか。よって本議案に反対します。

国出先機関の移管めざす関西広域連合の問題点

次に、第110号議案、「関西広域連合規約の変更」の件です。これは、国の出先機関の「丸ごと移管」の受け皿を準備するための企画調整費の負担金区分を設けるもので、わが党は、国の出先機関の原則廃止、並びに地方への移管そのものに反対です。この間の東日本大震災、相次ぐ台風災害に迅速に対応できたのは、国の出先機関として同じ法律や基準で災害対応機器を常備していたからです。例えば、地方整備局は、道路、河川などの大規模災害での経験を蓄積しており、専門的にその活動を担っています。地方ごとに指揮系統が変われば、全国的な支援が困難になり、国の責任放棄につながるため、反対です。

県民のくらし応援に逆行する「兵庫長期ビジョン」

次に、第111号議案、「21世紀兵庫長期ビジョン・全県ビジョンの見直し」の件についてです。
これまでわが党は、総合計画や長期ビジョンに対して、県民の声や実態を反映し、県民が主人公の立場で、地方自治の本旨にもとづき、行政の公的責任を後退させないようにすべきと主張してきました。
今回の全県ビジョン見直しは、行財政構造改革の取り組みとも整合を図るとした上で、地域ビジョンとともに、総合的、計画的な運営指針として、各分野計画に反映し、将来像を共有しながら各種施策を総合的・計画的に実施するとしています。
いま、県民の実態は、本当に深刻です。
長期ビジョンでも「広がる社会的孤独」「低所得者層の増加」「社会のスタートラインに立てない若者」「非正規社員」「減らない自殺者」などと、とりあげていますが、解決するための県行政の役割や展望を開くどころか、国の医療改悪に加えて県独自の福祉医療の改悪まですすめてきたのでは、ありませんか。
また、経済の分野では、国の「成長戦略」にそって、アジアの成長を兵庫に取り込み、世界に開かれた兵庫経済など、経済界からの要望である国際競争力の強化の方向を打ち出しています。しかし、パナソニックなど大企業に多額の税金を投入し、大企業が栄えても働く労働者や中小企業、地域にその恩恵が及ばず、県民のくらしがますます疲弊している中で、経済政策は見直されていません。関西広域連合や定住自立圏なども、これまで本会議でも反対してきましたが、それを推進する内容で問題です。
災害への備えは、どうでしょうか。自助・共助・公助などと言って、県独自の公的支援を後退させています。見直しが求められているムダ・過大な大規模開発については、「空港・港湾・高速道路網などのネットワーク機能を充実」「交流基盤の結節機能を補完」するとして、さらに推進するとの立場です。「民の視点に立った港湾経営主体の構築」でも、公共部門・インフラ部門への民間丸投げなどをすすめ、国民の安心・安全にとっても懸念する状況があり問題です。
県民の暮らし応援の県政を、今こそ県民参加ですすめるときです。しかし、今回提案されている長期ビジョン・全県ビジョンは、逆に国の経済対策や大型開発などにそって、さらに「県行革」などを進めていくことを後押しする内容になっており、日本共産党は、第111号議案に反対です。

過大な東播磨南北道路

次に、第114号議案、「主要地方道加古川小野線東播磨南北道路水足新辻(第5)高架橋上部工事請負契約の締結」の件、第115号議案、「主要地方道加古川小野線東播磨南北道路CDランプ合流部橋上部工事請負契約の締結」の件についてです。これは、従来から述べているように、財政難のおり、莫大な税金を投入する高規格道路でなく、一般道として整備するなど事業そのものを見直すべきとの立場から反対です。

次に、第116号議案から第128号、第130号から133号、「公の施設の指定管理者の指定」の件についてです。これは、いずれも県の施設の指定管理者を指定するもので、条例により、利用料金を定めており、改定の際には、本来条例改定が必要です。ところが議会の議決を経ず、指定管理者に対し、料金の基準額の0.5倍から1.5倍の範囲で料金改定を認める内容が含まれており、認められません。なお、第121号議案は、神出学園が不登校児童への対応など専門的な問題を取り扱う機関であり、県立施設として県が直接管理・運営すべきであり反対です。

庶民に増税、企業には減税の不公平な「復興増税」

次に、第134号議案、「兵庫県税条例等の一部を改正する条例」の件は、復興増税にともない、時限的な、住民税の税率引き上げが含まれており、個人県民税の均等割を年500円あげるものです。
復興増税は、東日本の復興を名目に、庶民には8.1兆円もの大増税を押し付ける一方で、大企業には25年間で20兆円もの減税という、まったく不公平なものです。さらに、所得の低い人にも負担を増やすなど、税の応能負担の原則からいっても反対です。

ゴルフ場(青野運動公苑)による105億円の損失の責任

最後に、報第3号、報第4号、「専決処分の承認」の件についてです。日本共産党は、いずも反対です。これらは、青野運動公苑の土地信託事業に係わる立替金等請求事件で、県が敗訴し、信託銀行に105億円余りを支払う、そのための財源として知事部局に対し、企業庁の地域整備事業会計の内部留保金から105億円余を貸し出したことの専決処分の承認を求めるものです。わが党は、専決処分した問題もさることながら、信託事業そのものが、そもそも問題だという立場から反対するものです。
1987年(昭和62年)に、県が約48億円で土地開発公社から買い戻した土地150ヘクタールを信託銀行に所有権も移して預け、施設の建設、経営、運営すべて信託銀行にまかせるというやり方は、県民の税金で購入した土地を信託銀行の利潤追求に提供することになり、当初から日本共産党は反対しました。残念ながら結果は、わが党の指摘どおりとなりました。
現に信託銀行側は、2010年までに、信託報酬として2億1504万8千円の利益を得ています。それだけでなく、この事業の資金調達にあたり、自社の自己資金を貸し付け、その貸し付け利息として、13億756万2千円を得ています。合計で、少なくとも
15億2261万円余の利益を得ています。
これに対し、県は、立替金の支払いに105億円、信託満了時にさらに約8億円の債務が残ると、見込まれており、これも県負担となる可能性が濃厚です。また、予定していた24億円の配当もゼロとなり、これを含めると、最終的には、140億円からの損失となる可能性があります。
以上のように、この事業に係わった信託銀行をはじめ、様々な企業が利益を上げている中、兵庫県だけが一方的に損失をこうむり、県民に莫大な損害を与える結果となりました。
ゴルフ事業などに県が乗りだしたこと自体が間違いであったことは、明らかであり、知事が謝罪しただけでは、すまされない重大な問題であり、厳しい総括が求められます。同時に、県政の監視機関として、「信託事業の契約締結や損失補償」の議決にこれまで同意を与えてきた会派の責任も問われているのではないでしょうか。
議員各位のご賛同をお願いしまして、議案に対する討論を終わります。ご清聴、ありがとうございました。

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