地方税法の改定にともなう県税条例の改正に反対
私は日本共産党県議団を代表して、知事から今県議会に上程された議案12件中、議案第70号、報1号の2件について反対し、以下その理由を述べます、
議案第70号は、地方税法の分割に伴う条例改正案であります
報1号は、「国民生活等の混乱を回避するための地方税法の一部を改正する法律」、いわゆる「つなぎ法」に伴う条例改正の専決処分の承認を求めるものであります。
今回の地方税法の改正案は、もともと1本の法案として国会に去る1月28日上程されたものであります。しかし、年度内に成立出来なかったため、3月末、いわゆる「つなぎ法案」が提出され可決されました。
その後、1月28日上程された「地方税制改正案」の内、3党、つまり政権政党の民主党と自民、公明両党が合意した個人県民税など4税目を1本にした法案と、合意できない個人県民税と県たばこ税を1本にした法案の2本に分割して国会に再上程されたものであります。
しかし、国会では被災者や国民生活はそっちのけで、権力争いや足の引っ張り合いの中で、法案の審議は大幅に遅れ、ようやく3党合意した1本だけが先週の6月22日成立しましたが、合意していないもう1本は見通しが全く立たないのが現状です。
こうした経過から民主党政権の混乱や国会の動向に地方自治体も議会も振り回されている感はまぬがれません。
しかし、県当局の対応にも大きな問題があります。
その1つは、国会で法案が成立していない段階、国会審議によっては内容の変更、修正があり得るその段階で、提案通り成立することを前提にして条例改正を行い、施行日を決めてしまうやり方です。
去る2月定例県議会では、成立の目途が全くたっていない地方税法の改正案にもとづき、知事から地方税制の改正内容と施行期日が上程され、会期末に多数決でいったん議決されました。ところが年度内に法案が成立せず、つなぎ法案が可決されたため、知事は、4月につなぎ法に関する専決処分を行いました。
そして、今定例県議会には、3党合意した分と合意していない分に分割された2つの地方税法改正案に基づく条例改正案が、またまた国会で法案が成立していないにも関わらず、再提出されたものであります。
このように、同一の案件で3回もやり直さなければならない事態に至ったのは、法が成立する以前に条例改正案を県議会に上程するやり方がいかに問題かを浮き彫りにしたものであります。
2つ目の問題は、地方税法の改定は、住民の負担に直結するものであり、専決処分でなく臨時議会を開いてでも充分な審議を行うべきであります。
安易な専決処分は、県議会の審議をないがしろにするものであり、極力さけなければなりません。全国的にみると静岡県などいくつかの県では法案の可決をまって条例改正案が上程され、審議されています。
3つめは、今回の地方税法の改定内容そのものの問題であります。
わが党は、国税の罰則強化に伴い、県税の不申告に関する過料を現行の3万円から10万円に引き上げることや新たな過料の創設、退職所得の分離課税に係る個人県民税の所得割の特例の廃止について、県民の負担増につながるものであり反対であります。
以上、3つの角度から問題点を述べましたが、今後、国会で審議中の法案について可決されるものと仮定した条例改定案の県議会への上程を行わないこと、また、専決処分ではなく、県議会の充分な審議を保障すべきであるということを厳しく指摘し、議員各位のご賛同をお願いし、討論を終わります。 |