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本会議 第307回本会議意見書案反対討論 新町みちよ
2010年12月15日

私は日本共産党県会議員団を代表して、意見書案第92号、第93号に反対し、以下その主な理由を述べます。

 はじめに、意見書案第93号・「関西広域連合の実効性を高めるための積極的な取り組みを求める意見書」(案)についてです。
 日本共産党県会議員団は、先の議会で関西広域連合の設立に反対しました。
 関西広域連合は「地方分権改革」の「突破口を開く」として設立されたものです。これまで自民党・公明党がすすめてきた「地方分権改革」、民主党がすすめている「地域主権改革」は、どちらも新自由主義の立場にたっており、憲法に定められた国民の生存権、社会権や、ナショナルミニマム基準の保障をおこなわず、国の役割を縮小・放棄しようとする同じ方向を向いています。しかも、民主党の「地域主権改革」は、社会保障関係を含めた国庫補助負担金の廃止・縮減、一括交付金化など、自民党政治以上に地方自治体にとって、大変危うい内容を抱えています。
 関西広域連合は「道州制にそのまま転化するものではない」と言われていますが、財界や大阪府では「道州制導入にむけたコンセンサスに有効」と説明されており、道州制へのステップとの位置づけは変わっていません。
 その最大の目的の一つが、国の出先機関廃止後の受け皿となることです。民主党政権も「原則廃止、地方への移管」と検討しており、意見書案では、「実効性を高めるため」「各省庁の抵抗で骨抜きにならないよう」と、出先機関の廃止・地方移管を積極的に求めています。廃止に伴い国家公務員と地方公務員の大規模な人員削減を行い、これにより生み出される財源を、財界は大規模な開発にあてるよう要求しています。
 しかし、国の出先機関には、都道府県を超えたハローワーク職業紹介などを扱う労働行政や、重要道路・河川の整備や維持管理を行う地方整備局、交通運輸行政を担う地方運輸局、中小企業振興などを行う経済産業局など、国の責任で、国民の生活にかかわる重要な役割を果たしている機関があります。
たとえば、労働局は、偽装請負が問題になったとき、いっせい調査や是正指導などを全国同一の基準で指導することから、国の仕事と位置づけられています。これは世界的にも共通で、国際労働機関(ILO)の第81号と第88号条約では、労働基準監督や職業安定事業を国の指揮監督のもとにおくとされ、日本も批准しています。
近畿での国出先機関の人員約9000人のうち、労働局などには、約4000人、兵庫県でも1000人近くが働いています。深刻な雇用破壊、労働条件の悪化、新卒者の大変な就職難のなかで、体制の拡充こそ求められています。しかるに意見書案は、「人材の移管については、国の責任によるスリム化を図った上で移管する」として、人員削減を求めており、逆行するものなので、反対です。
 
次に、全国議長会からの要請があり、座長から提案された意見書案第92号・「議員の位置づけの明確化及び都道府県議会議員の選挙区制度の見直しの早期実現を求める意見書」(案)についてです。
意見書案の「行政に対する監視や政策立案のための充実した審議」や「地方自治体の事務に関する調査研究」「住民意思の把握」などの「議会が住民に期待される機能を十分発揮できるようにする」ことに対しては、その立場で、私たちも努力するものであり、賛同いたします。
 しかし、「都道府県議会議員の、責務遂行の対価の名称を『地方歳費』または『議員年棒』と」し、「政務調査費制度を見直し、・・・幅広い議員活動または会派活動に充てることができるよう」にするという点については、賛成できません。
 政務調査費については、先の県議会で、兵庫県でもやっと領収書の全面公開、1円からの公開、透明化が実現したところです。住民監視のもとで、各会派が税金として、使途を正し、より厳格に扱うことが求められています。しかるに、兵庫県議会として、公費の支出範囲の拡大をめざす意見書を出すことに、とうてい県民の理解は得られないと考えます。
 また、都道府県議会議員の選挙区の改正については、「郡」は事実上ないことから、「条例で自主的に選挙区を規定できるようにすること」を求めているものです。しかし、平成21年10月の全国都道府県議会議長会の「公職選挙法の改正を求める緊急要請」文書で、自由に決める中身にふれて「第29次地方制度調査会の答申」では「議員定数の法定上限を撤廃し、各地方公共団体の自主性にゆだねることにより議会制度の自由度を高める」としています。「法定定数」がなくなれば、基準のない定数削減の方向になりかねません。
 私たちは、議員定数については、県議会に多様な意見を反映させるという民主主義の観点から、慎重に議論すべきと考えます。また定数削減より、議員報酬の見直しを行うなど、より議論を優先すべき課題があると考えます。
以上のことから、本意見書案について、賛同できません。

最後に、意見書は、本来、兵庫県議会の総意によって提案、可決されるべきものであり、全会一致の原則を守り、議会制民主主義を尊重すべきものであることは言うまでもありません。これに反することは、座長提案の意見書案にもあるように、議会での「充実した審議」に逆行するものであり、今後このようなことがないよう意見を述べ、討論を終わります。ご清聴ありがとうございました。


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