職員の給与等に関する条例等の一部を改正する条例について
私は日本共産党兵庫県会議員団を代表し、職員の給与等に関する条例等の一部を改正する条例に反対の立場から討論を行います。
本年10月15日、人事委員会から、期末・勤勉手当を本年度から0.20月引き下げるよう勧告が行われたことを受けて、期末・勤勉手当の基準日である12月1日までに改定するため、条例を改正しようとするものです。
この条例改正には2つの問題があります。 1つは、景気対策に逆行することです。
急激な円高とデフレで日本経済が危機に直面しているもとで、雇用や社会保障を充実して国民のふところをあたためる景気対策が求められています。 日本経済新聞は、9月28日の記事で「デフレ脱却は隗より始めよ」、として「受給ギャップを縮小し、労働者の賃上げをはかることが先」「長期不況対策として公務員の給与引き上げを。 公務員優遇でなく、民間の賃上げを誘発し、需要を回復する呼び水として必要」と書いています。 国連の貿易開発会議でも、日本は賃上げで個人消費はのびる余地が十分にあると指摘しています。 今回の措置は、求められている景気対策に逆行するもので、認められません。
2つめの問題は、兵庫県職員の期末・勤勉手当と給与、月例給の引き下げの勧告の内容についてです。 新行革プランで、月例給が引き下げられ、その結果県職員の実際の給与は民間従業員給与より、1万9938円低くおさえられ、昨年より較差がさらに329円広がりました。 今回の勧告も、過去2年と同様に、「新行革プラン」の影響分を除いた、いわば架空の給与(41万6300円)を「公民較差」の基本として、月例給を引き下げようとしています。 そのうえ、ボーナスも引き下げ、結果、昨年に比べて年間1人平均9万円の減額となります。 昨年、6年ぶりに月例給と期末手当の両方の引き下げを行い、今年も2年連続で強行されようとしていますが、教職員・警察職員・病院職員を含む全県職員、約5万3000人余りの生活に影響を与えるだけでなく、本県経済にも多大な影響を与える問題です。
和歌山県では、昨年10月、人事委員会勧告を上回る行革での給与削減について、「給与勧告制度の趣旨とは異なるものであり、・・・・速やかに解消し、地方公務員法に定める給与規定の原則により措置すること」と要望し、今年4月に独自カット分が回復されました。 しかし、兵庫県では、新行革プランにもとづき、「組織、定数などの見直しとともに、給与抑制措置が実施されているが、職員の士気等に与える影響を懸念している意見もある」として「本年の報告及び勧告は、職員にとって、非常に厳しい内容となっている」と指摘しながら、新行革プランによる独自カットの解消を言わずに、さらなる引き下げを勧告したことは、到底認めることはできません。
もともと、人事院勧告とは、公務員の団体交渉権や争議権を制約することへの代償措置で、公務員の利益を代弁すべきものであるにもかかわらず、生活を脅かす勧告を行うこと自体が問題であると言わなければなりません。
人事委員会の第3者機関としての役割の発揮こそが求められています。 |