高規格な道路や林道、ダムなどの繰り越しに反対
私は、日本共産党県会議員団を代表し、上程中の第209号議案 平成21年度兵庫県一般会計補正予算に反対の立場から討論を行ないます。
今回の補正予算は、昨年五月に、事業を前倒して予算をつけたものの、国からの内示が遅れたために繰越となったものが大半です。
5月の補正予算の審議のときにも、「緊急経済対策」だといいながら、不要・不急の公共事業を含む事業を前倒しで実施し、将来のツケを県民にまわすことになりかねないと指摘したところですが、今回の繰越も、高規格道路や林道、ダムなど、見直すべきである事業が含まれています。
道路事業では、繰り返し述べてきたように、国道178号余部道路は5キロメートルに250億円も、東播磨南北道路は6キロメートルに660億円もかける高規格道路として建設中ですが、繰り越してまで進める必要はありません。一般道形式の生活道路に見直すなどコスト縮減を図り、税金を福祉や教育にまわすべきです。
芦屋市の山手幹線道路は、地元住民から「ムダで環境破壊ではないか」「四車線もの広い道路によって地元のコミュニテイーが南北に分断される」と心配の声があがり、もともと地元住民の合意のないまま進められた事業で認められません。
六甲山グリーンベルト事業も含まれていますが、わが党は、崩壊のおそれのある山地を保護するためとだといって、周辺も含めてすべての用地を購入する必要はなく、治山事業で十分対策が取れると指摘してきたものです。事業そのものが不要不急です。 また、県営森林基幹道千町・段が峰線の建設工事1億868万円を繰り越す件についてです。作業道や路網の整備などは必要ですが、千町・段が峰線は、100キロメートルを越える大路線を自然の残された尾根を縦走する広域基幹林道で、過大な事業ではないか。イヌワシをはじめ絶滅が危惧されている猛禽類も生息し生態系に影響を及ぼすなど環境破壊につながると指摘してきたところで、繰越してまで進める必要はありません。
ダム事業については、与布土ダムの一部本体工事と与布土・西紀・金出地の3ダムの取り付け道路工事の4億6700万円を繰り越すものです。
金出地ダムについても、県は、鞍居川の改修は、河川改修単独案の場合、ダム併用案と同程度の費用がかかる上に工事期間が長くなり治水効果に時間がかかるとして、ダム建設計画を進めています。しかし、県は、堤防のかさ上げや河床の掘削などについて、十分な調査・検討もせず、「引き提方式」では河川拡幅に伴う用地買収などに時間と費用がかかるからと、ダムの必要性を主張しているのは、まさに「ダムありき」の姿勢です。
いずれのダム計画についても、先日の本会議討論で指摘したとおり、人口減が見込まれるなか、治水、利水、環境面から総合的、抜本的に見直す必要があり、認められません。
以上、議員各位のご賛同をお願いし、私の討論を終わります。 |