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本会議 議員定数条例改正提案反対討論 新町みちよ
2010年3月18日
私は、議員提案、第12号議案、「兵庫県議会議員の定数並びに選挙区及び各選挙区において選挙すべき議員の数に関する条例の一部を改正する等の条例」に反対する立場から討論を行います。

今回の改正案は、議員定数の見直しや特例選挙区の解消もなく、1票の格差についても抜本的な改善がない不十分なものであり認めることはできません。以下その理由を述べます。

まず、総定数についてです。条例改正案は、「行革」の折、議会も努力すべきとの考えで、89人と定数を減らしていますが、議員定数の法定上限数111人と比べると22人ものマイナスです。率にして19.8%、全国第3位と多く減らすことになります。現行92人でも全国6番目ですが、さらに高い減数率となり問題です。議員一人当たりの人口は、法定上限数111人で、5万365人ですが、提案の89人では、6万2815人と多くなります。
県会議員は、県民の付託にこたえ、県民のための県政が行われているかどうか、しっかりとチェックする役割を持っています。それを「行革」の対象とし、さらに定数を減らすことは、県民の多様な意見が反映されにくくなり認められません。日本共産党県会議員団は、減員するとしても、せめて、全国平均の10.5%の99人にすべきと考えます。

議員定数に関して法定上限数を撤廃しようとする動きがあることについて述べます。
第29次地方制度調査会「答申」や政府の「地域主権戦略会議」で、法定上限数の撤廃が検討されています。「地方公共団体の自由度の拡大」が目的ということですが、これでは定数の根拠がなくなり「議員はいらない」とばかりに、際限なく減数される恐れがあり、議会の役割が縮小され形骸化してしまいます。
  
次に、選挙区の地域間格差についてです。
芦屋市では、議員一人当たり9万590人に対し、佐用郡では、2万1012人となります。
較差は、4.31倍にもなり、特例選挙区を除いても、2.79倍となります。
最高裁のこれまでの判例では、定数配分について、衆院選の場合は3倍以下の較差を「合憲」と判断しています。
昨年の衆院選をめぐって、議員定数と選挙区の人口を比較した「一票の格差」が、2.30倍だったのは憲法の平等原則に違反するとして、争っていた訴訟の判決では、大阪高裁、広島高裁が「違憲」と認定、その後の東京高裁判決も「格差は選挙権の平等を求める憲法に反する程度に至っていた」として「違憲状態」と認定。これにつづき、福岡高裁支部も「違憲状態」と判断し、憲法違反を認定しました。11日の東京高裁では、「合憲」としたものの「憲法上好ましくない」としています。
県会議員選挙においても県民1人ひとりの民意を公正公平に反映するためにも一票の格差は、2倍以内と抜本改正すべきではないでしょうか。
また、一人区についてですが、41選挙区のうち21選挙区が一人区で、過半数を占めます。一人区は、有権者の投票の権利や選択の幅を狭めるものであり、無投票や死に票もあり問題です。一人区は「任意合区」により解消していくべきです。
 
次に特例選挙区の問題についてです。
佐用郡選挙区については、「当分の間」とされて既に30年もつづいているため、前期の「議員定数特別委員会」の確認事項として、解消に向けて一定の結論を得るとされたものです。特例選挙区は、全国的にみても、東京都の千代田区と島しょ部しか存在しません。解消は当然ですが、今回は台風9号の災害復旧を理由に残そうとするもので、台風などの自然災害は、どこでも起こり得るものです。その復旧復興は、一選挙区の問題ではなく、局地災害であっても全県的な課題として、議会あげて全議員が取り組むものであります。自然災害対策を理由に「選挙区」を存置するのは県民の納得を得られるものではありません。
 
最後に、議員定数の特別委員会のあり方については、議員定数等についての議論を、選ばれる側である議員だけで議論するのではなく、選ぶ側の県民の参加や広く意見を聞くなどの方法についても検討すべきと考えます。

以上で討論を終わります。

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