関西3空港の機能充実を求める意見書の反対討論
日本共産党を代表し、「大阪国際空港、神戸空港及び関西国際空港の総合的な機能充実を求める意見書」の採択に関して、反対の立場から意見を申し述べます。
今日14日は、国土交通省成長戦略会議が開かれ、「関西3空港懇談会」も開かれます。国の事業仕分けで関西国際空港の補給金が削られそうになり、この意見書を上げることで、補給金を維持する狙いがあるように、この問題の中心点は「関西国際空港の赤字をどうするか」にあります。現在の関空の赤字は有利子負債が1兆1000億円超で、国土交通省の債務減少計画と大きくずれていることが分かっていますが、そもそもの原因は、空港島の埋め立てに莫大な費用を要するようになったにもかかわらず、国の補助制度を変えず、「民活路線」で無謀な財政計画で空港建設を進めてきたことと、需要の見込みもないままに、第2期工事を強行したことにあります。結果は、08年度の発着回数12万8000回、今年度は11%減の11万4000回となり、政府の2期島整備の条件13万5000回は達成できず、特に国内線は29%も減少しています。また、3空港全体でも、旅客数が年々減少しています。
そういった航空需要縮小の原因として、意見書案には「大阪国際空港及び神戸空港に運用制限などが課された結果」とありますが、「運用制限」は原因の一つではあっても、大本は「3空港の供給過剰」であって、「運用制限の解除」や「滑走路の一元管理」で解決できるものではありません。ましてや、「3空港5本の滑走路の一元管理により、各空港の持つポテンシャルを最大限有効に活用する」ということは、現在部分供用されている関空2期滑走路の全面供用を前提とするものであり、そうなれば、さらに赤字が増えるのは明らかです。
しかしながら、本意見書案は、「全会一致」の原則をふみにじり、3会派で採択されようとしており、容認できません。
よって、本意見書案に反対し、取り扱いについて抗議を表明して、討論を終わります。ご清聴ありがとうございました。 |