「新行革プラン」による削減、塩ヅケ土地などの補正予算に反対
■質問■ わたしは、日本共産党県会議員団を代表し、上程中の議案のうち、第129号、第130号、第134号、第142号、第149号ないし第151号、第154号、第156号ないし第160号、以上13件に反対し、討論を行います。
まず、第129号議案、「平成20年度兵庫県一般会計補正予算」についてです。
ひとつに、いっそうの充実が求められるスクールアシスタント事業が4400万円も減額されています。県は、「新行革プラン」で、スクールアシスタントの人件費の補助を、2009年度から削減する予定ですが、市町が「新行革プラン」の削減計画にあわせて前倒しで条件を変更し、国単価の120万円以内に抑える傾向が強まっていることをあらわしています。
LD、ADHDなど軽度の発達障害児童への支援のため設置されているのがスクールアシスタントです。県でも平成2006年に150人が配置され、現在350人配置されていますが、小学校819校の半分が未配置で、今後もいっそうの充実が求められています。今回の減額は、発達障害児童への支援の後退につながるもので反対です。
二つに、不要不急の事業が補正で増額されています。
但馬空港は、予算時から採算割れの赤字補填分として1億3900万円を計上していましたが、搭乗率が63%から59%へと予想より落ち込み、赤字補填をさらに上乗せするもので、認められません。
道路事業では、東播磨南北道路は、加古川の国道2号線から小野市の国道175号線に至る約13キロの自動車専用道路で、1期事業は、わずか延長6キロに660億円も費やし、その間に、インターチェンジ2ヵ所とラ
ンプ2ヵ所をつくるものです。
余部道路は、高速道路6基幹軸を構成する鳥取豊岡宮津自動車道の一部として進められている事業で、5kmだけで250億円の事業です。
このような高規格道路ありきでなく、道路の拡幅や部分改良も含めて、もっと安くできる方法を検討すべきです。
今回の増額は、原材料単価の値上げによる単品スライドによる契約金額の変更ですが、もともと事業を全面的に検討し直すべきという立場から、反対いたします。
第156号議案ないし第160号議案、東播磨南北道路と余部道路の5件の契約変更についても、同様の理由から反対です。
第134号議案、「平成20年度兵庫県勤労者総合福祉施設整備事業特別会計補正予算」についてです。ピッコロ劇団運営費の約1000万円の減ですが、定員35名のうち、年度当初に2人、その後も1人の欠員と合わせ、劇団員の給与の引き下げによるものです。月給15万3千円から14万9千円になるもので、もともと安い給与をさらに引き下げており、賛成できません。
第142号議案、「平成20年度兵庫県病院事業会計補正予算」は、塚口病院の患者数の減による収益の減が含まれています。これは、「県立病院改革」によって、塚口病院から、神経内科、呼吸器、脳神経外科が尼崎病院へ移動したことによるものです。その診療科の再編と麻酔医の不足などが重なって、塚口病院の病床利用率が急激に下がっています。県みずからの計画にもとづく再編によって、診療機能の低下がおこっているのです。いまの「統合・再編」案で、さらに病床数の削減を検討していることからも、単なる患者数の減・収益減ではかたづけられない問題を含んでおり、認められません。
第150号議案、「県が行う建設事業について市町の負担すべき額を定める件」については、山陽電鉄本線の西新町駅付近の連続立体交差事業です。山陽電車の高架化と国道2号をフラットにするなどの事業で、広域的な事業であり、明石市に市町負担を求めるべきではありません。
第151号議案、「国営明石海峡公園整備事業について神戸市の負担すべき額を定める件」です。これは、国が、明石海峡をはさんだ淡路側に59ヘクタール、神戸側に232ヘクタールの公園をつくるもので、全体事業費は1100億円にものぼります。
これでまでに兵庫県は200億円近くも負担し、神戸市には毎年の事業費の6分の1を負担させています。
神戸地区の場所は、しあわせの村に隣接した広大な地域で、本当にこの地域にこのような公園が必要かどうか、大変疑問です。事業自体を全面的に見直す必要があります。
また、国が責任を持つ直轄事業にたいする地方への負担をさせるべきではないという立場からも、この議案には賛成できません。
最後に、第130号議案、「平成20年度兵庫県県有環境林等特別会計補正予算」、第149号議案、「県有環境林等特別会計条例制定の件」、第154号議案、「たつの市菖蒲谷用地取得の件」の3議案についてです。
これは、県や土地開発公社などが持っている未利用地を、県行造林事業とあわせて管理するために、「環境林」特別会計をつくる条例と関連議案です。
塩漬け土地の問題では、県としての総括や反省がまだまだ不十分です。「行革特別委員会」などの議論でも、「乱開発の抑制に寄与できた」とか、「(環境林で)地域整備構想を中止・断念したわけではない」という答弁が繰り返されました。県民からみると、「環境林」という名目で、利用の目途のない山林に、県民の税金が、何十年も投入されるわけで、これでは県民の納得が得られるものではありません。
そして県は、今回あらたに条例をつくる県有環境林等特別会計で、長年、塩漬け土地となっていた「たつの市菖蒲谷用地」57.3ヘクタールを15億5598万円で県土地開発公社から買い戻すということです。ここは、たつの市菖蒲谷森林公園に隣接する山林です。県は1992年(平成4年)当時、龍野市土地開発公社が所有していたこの土地を、県住宅供給公社に先行取得を依頼しています。登記簿を調べてみますと、県の先行取得依頼のちょうど1ヶ月前に土地の所有者が、姫路市にある「第一マッチ工業株式会社」(第一マッチは、1970年(昭和45年)に取得)から龍野市土地開発公社に移ったばかりでした。
また、この土地は全体が保安林で、近隣一体は、鳥獣保護区の指定も受けています。きびしい開発規制のされている山林を、なぜ、県が県住宅供給公社に土地の取得を依頼したのか、もともと住宅用地のために買ったものかどうか、疑問です。
塩漬け土地、未利用地のこのような問題をうやむやにするのではなく、県民にたいして、もっと情報を公開することが求められており、認められません。
以上、議員各位のご賛同をお願いし、私の討論を終わります。 |