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本会議 第296回本会議一般質問 ねりき恵子
2008年10月1日

   麻生内閣が誕生しましたが、あまりにひどい大企業優遇と、異常なアメリカ言いなりで国民に苦難を押しつけてきた自・公政治はゆきづまりを深めています。
 私は、国政の中身をおおもとから変えるとともに、悪政から住民を守る県政への転換をめざす立場で、以下八項目について質問します。

「新行革プラン」の撤回を

■質問■ まず、兵庫県「新行革プラン」についてです。
 県は、財政悪化を理由に平成30年までに1兆2000億円を削減する「新行革プラン」を策定し、県民にさらに負担と痛みをおしつけようとしています。
 私達は、大きく3つの理由から、「新行革プラン」を撤回すべきであると考えます。
 その理由の1つは、福祉や教育など県民の暮らしを削減する、弱い者いじめの計画だからです。
 すでに今年度から「新行革プラン」第一次が実施され、予算の3割カットや事業の廃止がされています。そのなかで、寝たきりに近い重度障害者(児)の在宅介護手当ての金額と対象者のカットは、「打ち切りは死活問題。自立支援法のサービスを受けるなというようなもの」と怒りが広がり、県の削減分を持ち出している市町もあるほどです。また、特別支援学校のバスの介助員が、学校職員から派遣職員になり、保護者から不安の声があがるなど、様々な分野で深刻な影響がでています。
 さらに、来年七月から、福祉医療の改悪が実施されれば、暮らしの厳しさは増すばかりです。
 2つ目は、県民サービス、県民の安心・安全を後退させる計画だからです。
 たとえば、削減される健康福祉事務所は、精神保健、難病対策、母子保健などきめ細やかに対応し、住民から大変たよりにされています。保健支援センターを設置すると言われますが、県民へのサービスが低下はまぬがれません。
 また、水質・大気など重要な立ち入り調査も行っている、健康環境科学研究センターの環境部門の移管先は、データー改ざんが問題となった神戸製鋼の役員が入る環境創造協会です。中立性、公平性の保障はありません。
 3つ目は、県の財政悪化の大きな理由である、過大でムダな大型公共事業の反省がないからです。
 県の借金残高は、一般、特別、企業の3会計あわせて、2007年には4兆2千億円にもなっています。20年前、1987年の1兆2千億円と比べ、3.4倍にも膨れ上がりました。その原因は、バブル期の景気対策での追加公共事業と、大型開発偏重の震災復興でした。
 県は、いまだに「震災の影響で悪化した財政」のせいで全国一の将来負担比率になったといいますが、震災関連起債残高8500億円のうち、直接に震災と関係する復旧事業の借金はわずか6%で、残りのほとんどが、高速道路や関空2期工事なども含めた、震災と関係ない大型公共事業であることは、これまでも指摘したとおりです。
 知事は、「元気で安全安心な兵庫づくりの基盤」と言われますが、膨大な借金のツケを、県民に押しつけては、元気になりようがありません。
 来年七月からの、公約違反の老人医療をはじめ福祉医療費助成の改悪をやめ、県民にいっそうの痛みと負担を押し付ける「新行革プラン」を撤回し、地方自治の本来の役割を発揮すること、憲法を生かした兵庫県政に抜本的に転換することを求めますが、知事の答弁を求めます。 

▼答弁▼井戸知事:まず、新行革プランについてです。行財政構造改革のとりくみは、震災復興の過程で相当の無理をかさねてきた本県財政の改善をはかり、県民の要請に的確に対応できる持続可能な行財政構造を確立するためのものであります。
 改革を着実に実行していくことにより、元気で安全安心な兵庫の実現が可能になると確信しています。復旧復興過程においては、住宅や生活の再建にあわせ、産業や生活活動の基盤となる社会資本の復旧復興を急がなければなりませんでした。さらに21世紀の課題に対応できる創造的復興をめざし、交流基盤や産業基盤整備にもとりくんでまいりました。いずれも将来への投資、未来への基盤づくりであったと考えています。
 しかしながら、この復旧復興を進めていくにあたって、本県財政は、毎年多額の収支ギャップが生ずることになりました。このような収支ギャップを解消していくためには、定員・給与、事務事業、投資事業など、行財政全般にわたる改革をすすめ、選択と集中を徹底することにより、これまでの全方位型の県政から、課題解決型の県政へと転換をしていく必要があります。
 事務事業の見直しについてご指摘がありましたが、老人医療制度については、多くの府県で制度自体を廃止する中で、持続可能な制度として維持していくために助成対象を低所得者層に重点化したものであります。また、重度障害者や乳幼児医療制度は、所得制限について、自立支援医療制度との整合をはかることとしこれを基本に見直ししたものであり、その際、低所得者の範囲を拡大しておりますし、周知期間や経過措置を設けるなど、現行制度からの移行についても配慮しております。また地方機関の事務所につきましては、大量退職期における効果的な人員配置と効率的な県民サービスの提供を確保する観点から、再編を行います。例えば健康福祉事務所については、職員数も少なく、幅広い分野への対応が困難となっていた地域事務所について、各県民局一箇所の圏域事務所に原則として統合し機動的に緊急事案にも対応できる体制を整備したものでありますし、市町の協力をえて保健支援センターを設け、県民サービスを確保して行こうとしております。今後ともこの改革を着実に実行し、新しい時代の県政を機動的に推進することによりまして、県民生活の一層の向上をはかり、新しい兵庫づくりを進めてまいります。

県立塚口病院の存続・充実を

■質問■ 次に、県立塚口病院の問題についてです。
 七月に県は、「新行革プラン」第二次・企画部会案で、県立塚口病院を廃止し、県立尼崎病院に移転・統合して新病院とする案を、突然発表しました。その後、九月の最終案では、両病院を「統合・再編」するという表現になりましたが、「統合」の方針は変わらず、塚口病院の「廃止」が撤回されたわけではありません。
 七月以降、「県立塚口病院を無くさないで欲しい!」という声がどんどんと広がり、県議会にも7万4千筆を越える署名が提出されました。
 あるお母さんは、アレルギー疾患の1歳と3歳の娘がおり、「発作は深夜から朝にかけて起こる。塚口病院がなくなれば、子どもの命にかかわる」と訴えられました。また、ある開業医も、「いざというときに、信頼して患者を送る公立病院として残してほしい」と話され、尼崎市や尼崎医師会からも「塚口病院の存続」と「地元との十分な協議」を強く求めた要望書がだされています。この声にどう応えるかが、知事と県議会にきびしく問われています。
 現在、許可病床数は尼崎病院500床、塚口病院400床、合計900床あります。見過ごせないのは、現在稼動病床数で塚口300となっているのを、さらに100床減らし、合計700床にするのを経営目標の前提としていることです。
 また、高度・専門の政策医療の面でも、阪神南圏域では小児2次救急輪番体制の当番病院であると同時に、阪神北小児急病センターや、阪神間全体の小児二次救急の後方支援病院として、そして、地域周産期母子医療センターとしてもいっそうの拡充が求められています。
 統合する理由として県は、「総合診療機能が低下しているから」と言われます。しかし、2005年の「県立病院の基本的方向」の方針に基づく診療科の再編で、多くの医師が尼崎病院に移ってしまったことで診療機能が低下したのです。正規の麻酔科がいないのも、同じ京都大学の医局人事で派遣されているのにもかかわらず、尼崎病院には正規5人、専攻医も含めると7人の麻酔医がいて、塚口病院では確保できていないのは、県の責任ではありませんか。
 結局、地域医療でも小児医療などの政策医療でも、塚口病院にたいして、県がきっちりと責任を果たしてこなかったことが一番の問題ではないでしょうか。
 そもそも今回の県立病院「改革」は、国の「公立病院改革ガイドライン」に沿った採算優先の病院縮小計画です。
 県民の命と健康を守るため、地域医療と小児・周産期医療などの重要な役割を担っている公立病院として、県立塚口病院を存続し、充実を図ることを求めますが、知事の決断を求めます。

▼答弁▼黒田病院管理者:県立塚口病院の存続・充実についてご答弁申し上げます。
 県立病院は広域自治体立病院として、高度専門・特殊医療を中心とした政策医療の提供、及びほかに中核となる医療機関がない地域における地域医療を確保する、このような役割が求められています。そのようななかで塚口病院は平成17年2月に策定した「県立病院の基本的方向」にもとづき、成育医療を中心とした病院へ診療機能を充実することとし、地域周産期母子医療センターの指定、小児救急輪番日の拡充、阪神圏域小児二次救急の後方支援など小児医療、周産期医療等の充実をはかってきました。しかしながら、全国的な医師不足、偏在状況の中で麻酔科やその他関連診療科の医師が減少し救急や合併症への対応にも課題があります。とくに医師については、今後の確保もきわめてむずかしく、また施設の老朽化、狭隘化等もあり小児医療や周産期医療等の高度専門医療のよりいっそうの充実を図ることは困難な状況にあります。そのため、尼崎病院と塚口病院の統合再編をおこなうことで、麻酔科医の活用や関連診療科との連携による安定的な小児救命救急医療を24時間実施できるような体制の構築、合併症をもつ母体への総合的な医療提供など、小児医療、周産期医療等の充実をはかり県立病院としての役割を果たしたいと考えています。
 今後外部委員会を設置し、小児医療、周産期医療等の充実に必要な診療機能をはじめ、両病院の有する診療機能の再編の具体案、そのために必要な施設設備等の整備や、統合再編後の既存施設等の利活用などについて平成21年度前半までを目途に検討することとしているところでございます。

こどもリハビリセンターでのじぎく療育センターの機能維持を

■質問■ 次に、総合リハビリセンターに併設されたこどもリハビリセンターの問題についてです。
 県は廃止するのじぎく療育センターの「機能を維持する」と約束し、小児リハが今年四月、オープンしました。
 ところが、オープンから半年たった今でも、肝心の30床の入院病棟は開設すらできていません。専門の小児科医がいないからです。ショートステイは、吸引などの医療ケアの必要な子どもたちは利用を断られています。
 これでは、全く約束が守られていません。そのためにいま、子どもたちと家族がどんなに大変か知事はご存知でしょうか。
 内反足の手術をした小学生の子どもを持つおかあさんは、「訓練入院ができなくなった」「手術後、のじぎくで毎日リハビリをして今年の3月には5メートルほど自力で歩けるようになっていたのに、小児リハセンターが開始されるまでの1ヶ月間で歩けなくなってしまった。歩ける可能性をつんでしまいたくない。一体どこへ行ったらいいのか」と不安を募らせています。
 また、脳性まひの子どもさんは、のじぎく療育センターでは治療、機能回復訓練、生活指導、隣接する特別支援学校での教育と、一体的な療育が受けられていたのに、現在は、療育訓練だけでも数箇所の施設と小児科、整形外科、ショートステイ、学校とばらばらに通わねばならず、夏休みにはショートステイの確保に奔走しました。
 訓練を受ける重症心身障害児施設は県下に7ヶ所しかなく、すでに満床であったり、往復2〜3時間もかかるなど、通所もままならず、適切な診療やリハビリがうけられずにいます。
 「一番治療や訓練の必要なこどもたちが仕方なく家庭に閉じこもっているのでは」と、家族会のかたは、心をいためておられます。
 子どもにとって必要な時期に必要な訓練が受けられることが何よりも重要です。身体機能だけでなく人間性や自立心など人格の発達を保障することが「療育」であり、県は障害児の発達や社会的参加を保障する立場にしっかりと立つべきではありませんか。それを実践してきたのじぎく療育センターの「機能を維持する」という約束を一日も早く果たすべきです。
 県は小児科医の確保で小児リハの外来の充実と入院治療ができるようにすること。ショートステイは医療ケアが必要な障害児も受け入れるようにすること。重症心身障害児も通院、入院可能にすることなど、約束どおり、のじぎく療育センターの機能を維持したこどもリハビリセンターを実現するよう知事に答弁を求めます。

▼答弁▼細川健康福祉部長:のじぎく療育センターの機能維持についてお答えいたします。
 こどもリハビリセンターではこどもから大人まで一貫してもっとも適切かつ効果的な医療と福祉を提供できる施設をめざして、総合リハビリセンターに再編・整備いたしました。患者の受け入れにつきましては、入院治療が必要な肢体不自由児は小児リハ病棟で、治療を終えても家庭の事情等で入所や訓練が必要な児童は、肢体不自由児療護施設であります「おおぞらの家」で、重症心身障害児につきましては、計画的に整備を進めてまいりました重症心身障害児施設で、おのおの適切なケアの確保をはかることとして対応しております。小児病棟におきましては、本年4月から外来診療及びリハビリ訓練を開始するとともに、新たな分野であります睡眠障害の治療にも取り組んでおります。さらにショートステイは「おおぞらの家」において6月から受け入れを開始しました。7月末現在では登録が4名、のべ83名の利用があります。この「おおぞらの家」は福祉施設であり、常時の医師・看護師の配置を要しないため児童の安全確保の観点から、判定委員会で受け入れの適否を決定しております。また、小児病棟の入院病床につきましては、全国的な医師不足の中ではありますが、現在全力で小児科医の確保に取り組んでおり、早期の開設に向けて努力しておりますのでご理解いただきたいと思います。

高すぎる国民健康保険料を引き下げ、保険証取り上げをやめさせよ

■質問■ 次に、国民健康保険についてです。
 後期高齢者医療支援金などを理由に、今年度国保料を値上げした市町が相次ぎ、わが県議団独自のアンケート調査でも、県下市町の約半数にのぼります。
 国庫支出が大幅に引き下げられた84年から見ると、県下の一世帯あたりの保険料は、約10万2700円から15万4317円に、一人あたりの保険料は4万772円から8万4585円に倍加しています。これでは、払えない人が増え続けるのは当然で、県内の滞納世帯数は加入世帯の2割近くにものぼります。
 もともと国保には、自営業者のほか、無職者やフリーターなど低所得者が多く加入しており、他の医療保険に加入できない人を支え、国保法第一条にあるように、社会保障としての役割があるのです。
 ところが、国は、市町村国保の収入における国庫支出の割合を1984年の50%から2005年には30%にまで減らし、保険料の負担増を押しつけながら、1年以上の滞納者に、窓口で医療費の全額を払わねばならない資格証明書の発行を義務づけまでおこないました。「車のタイヤロック」「公営住宅入居や融資に制限を」など、制裁をさらに強めるよう厚生労働省の担当者が発言しています。
 県は、国の路線そのままに、滞納者対策を強めています。県は、調整交付金の市町への配分の条件のひとつに収納率をあげ、低かった自治体には、交付金カットのペナルティを与えています。滞納者の預貯金や資産等を調査し、差し押さえをおこなってでも保険料をとりたてるような行為を「がんばった自治体」だと評価し、結果、保険証の取り上げがすすみ、資格証明書の交付世帯数は9570世帯にものぼります。
 こうしたもとで、今年四月、勤務先に社会保険がなく、低賃金で国保料も払えなかった48歳の女性が乳がんで亡くなりました。倒れた後、家族が市の窓口で相談しましたが、高額の滞納保険料を納付するよう言われ、保険証発行が可能と回答を得たときはすでに手遅れでした。事態は県民の命が奪われるところまできています。
 さらに、先のアンケートに回答のあった県下自治体だけで、合計398人のこどもに資格証明書が発行され保険証がとりあげられていることがわかりました。神戸市や姫路市などが「不明」としていることから、実際は数倍にのぼるおそれもあります。保険証がなければ、乳幼児医療費助成も事実上受けることは出来ません。病気になってもお金がなく医療が受けられないこどもを、滞納があるからと放置していてよいのですか。
 国庫支出の大幅な増額を国に求めるとともに、国保料値下げにつながる県の市町への補助金をつくること。県調整交付金の配分に収納率を条件としないこと。保険証のとりあげを行わないよう、とりわけ子どもへの資格証明書発行については県として調査し、ただちにやめるよう市町に強く働きかけることを求めますがご答弁ください。

▼答弁▼細川部長:国民健康保険についてお答えいたします。
国民健康保険事業は、市町が制度の運営責任をおっております。県は、広域自治体といたしまして、法令に基づき、制度運営にかかる技術的助言と財政支援をおこなうこととされています。このため、県は、市町に対しまして、国保財政の安定化や保険料の軽減のため、一つには法令にもとづく保険料軽減分に対します負担金、二つには県単独措置といたしまして、国庫減額分を対象とした補助金等により必要な支援を行っております。また、国への要望につきましては国庫補助制度の充実を要望した結果、暫定措置であります高額医療費共同事業負担金が継続されました。さらに県調整交付金につきましては、収納率の確保向上が国保財政の安定化には不可欠でありますことから、収納率実績を勘案し加算または減算をおこなっており、このことは必要な措置というふうに考えています。また、資格証明書につきましては、市町に交付が義務付けられていますが、対象者は正当な理由なく1年以上滞納している者であるため、県は市町に対しまして滞納者の事情を把握し対象者の負担能力など個々の実態をふまえ、必要な場合には減免や分納指導などきめこまかな対応をおこなうように助言を行っております。今後とも国保事業の円滑な運営を支援していくこととしておりますのでよろしくお願いします。

新名神高速道路・スマートインター設置計画の中止を

■質問■ 次に、新名神高速道路・スマートインターについてです。
  県は、宝塚市域にインターチェンジを要望し、今年度1千万円もかけて追加サービスエリアやスマートインター設置の検討をしています。そもそも、西日本高速道路株式会社・ネクスコがサービスエリアやインターを計画していないのは、設置しても採算が取れないと考えているからです。
 なぜ儲からないインターをつくりたいのでしょうか。スマートインター設置の予定箇所は、宝塚新都市計画の玉瀬第3クラスターにあたり、高速道路本線の工事で出る残土を、塩漬けとなっているこの土地に受け入れることで、谷を埋め平らな土地が出来上がる。それを利用して、サービスエリアとともにインターを作るといわれます。結局、宝塚新都市構想に1100億円もの巨費を投じて土地の先行取得をし、その計画が行き詰まっているので、新名神頼みで開発計画を続けようとしているということではないでしょうか。
 さらに、玉瀬第3クラスターは、武庫川に流れ込む僧川の流域で、大規模な造成がされれば、これまでも幾度となく水害にあっている武田尾地区や武庫川の治水にも大きな影響があると予想されます。
 また、新名神高速道路は、宝塚市域の約3分の1を地下トンネルとなることにより地盤沈下や水脈の変化、宝塚市の水がめである川下川ダムにも大きな影響があります。
 行革で福祉や医療費をばっさり削る一方で、県の今年度の道路予算をみると、1910億円・前年度比99%で、国の道路財源確保のやり方と全く同じです。
 そこで、失敗に失敗を重ねるやり方で税金をつぎ込むやり方を止め、自然破壊にもつながる新名神高速道路建設計画の中止を国に求めるとともに、スマートインター設置は中止することを求めますがお答えください。

▼答弁▼井上県土整備部長:新名神高速道路スマートインターについてお答えいたします。
 新名神高速道路は、国土の骨格を形成する道路であり、中国自動車道の慢性的な渋滞の解消や、災害時の代替ルートの確保のためにも早期整備が必要な道路と考えております。一方現計画では、休憩施設の間隔は約40キロメートル、インターチェンジ間隔は約20キロメートルと長いことから、地域や利用者の利便性向上をはかるためには宝塚市北部地域にサービスエリアとこれに接続するスマートインターチェンジを設置することが必要と考えており、地域住民からも強い要請をうけています。この実現に向けましては、国、西日本高速道路会社に対し、設置間隔からの必要性、需要見込み、本線と同時施工することの経済的メリット等を訴える必要があり、今年度調査検討を行っております。
 本線工事に伴い発生する残土は環境に配慮して近接する県有地に受け入れますとともに会社では調整池を設置し、僧川等への流出量を増加させないこととしています。
 また、調査の結果、トンネル工事による地盤沈下や地下水への影響はないと判断しており、道路排水は川下川ダムに流入させないことともしております。さらに、環境影響評価にもとづき事業の各段階で環境監視をおこなうなど万全な対応を行うこととしております。今後とも新名神道路の早期供用とともに地域の活性化に向け、サービスエリアやスマートインターチェンジの実現にとりくんでまいります。

都賀川の増水事故の教訓を活かし都市河川の安全対策を

■質問■ 次に、都賀川の増水事故と都市河川の安全についてです。
 7月28日、神戸市の都賀川で、こどもを含む5人の方が亡くなる痛ましい事故が起きました。改めて、亡くなられた方のご冥福をお祈りいたします。
 集中豪雨による災害が相次ぐ中、事故から教訓を引きだし、都市河川の安全をはかることは急務です。
 新聞報道によれば、水位が最大になった際、毎秒約100トンの水が、秒速約6メートル、自動車並みの速さで押し寄せたといわれています。事故当時、10分間で1.3mという急激な水位上昇が起こりましたが、「予測できなかった」では済まされない問題があります。
 都賀川は、震災後、県が親水化し整備しましたが、本来たいへん危険な川です。すでに指摘されているように、海と山が接近している「すべり台的地形」のために、上流が非常に急勾配なうえ、過去の水害の教訓から、直線的につけかえられ、コンクリート三面張りで、早く水を流せるようにつくられました。加えて、18箇所の雨水幹線や道路側溝から、市街地に降った雨が直接都賀川に流れ込んでいます。さらに、上流の六甲川・杣谷川は、土石流危険渓流で、事故現場を含む親水空間の一部も土石流の土砂災害警戒区域に県が指定しています。
 県は、河川の構造と危険性を認識できる立場にありました。実際に、98年には、橋げた付近で雨宿りをしていた家族連れが増水で動けなくなり救助されるという事故も起こっています。事故が起こりうることが充分予測できたにもかかわらず、今回の事故まで警報装置すらありませんでした。
 県は、危険性を周知してきたといいますが、不十分さは明らかです。学校などへの「出前講座」ひとつとっても、二〇〇七年に行われたのは、周辺の十の小学校のうち、三つの小学校のうちの212人、わずか4.2%の児童にすぎませんでした。しかも、犠牲になった児童が通っていた六甲小学校では、これまで一度も行われたことがありませんでした。
 今後、土木学会を中心に、詳しい原因が調査されるとのことですが、県が河川管理者としての責任を積極的に明らかにしてこそ、原因究明と教訓を生かすことにつながります。
 さらに、神戸市が内水排除対策、県が河川の洪水対策をばらばらにたてるというありかたも問題です。河川管理者である県と、下水道の管理者である神戸市が、調整池や雨水貯留施設の設置をはじめ、いっときに川に雨が流れ込まないようにする総合的な治水対策を、共同で考える必要があると考えます。
 そこで、都賀川の事故について県としての責任を明らかにするとともに、警報装置だけでなく、監視員の設置なども含め何重もの安全策を検討すること。また、県と神戸市が共同して総合的な治水対策をたてるしくみづくりを求めますが、いかがですか。

▼答弁▼井戸知事:都賀川の増水事故と都市河川の安全についてです。都賀川では昭和13年の阪神大水害を契機に、抜本的な改修を進めてきましたが、昭和40年代の河川環境の悪化や、阪神淡路大震災時の生活用水の利用などから良好な河川環境や親水性へのニーズが高まり、地域住民や地元団体の参画と協働のもとに現在の姿に整備を行ってきました。なお、土砂災害警戒区域に指定されている都賀川の上流域につきましては、国において45基の砂防堰堤が整備され、防災力を高めています。一方、急な増水の危険について、出前講座のみならず、小学生への副読本の配布や注意看板の設置等で注意してまいりましたが、地域の団体におきましても県作成のパンフレット1万3千部弱を活用して、小学校や川まつり等で注意喚起を行ってきたところです。しかしながら、このたびの事故では、河川利用者の危険認識の共有が充分でなかったと気づかされました。そのため、このたびの急激な水位上昇をふまえた危険性の周知をさらにはかるとともに、大雨洪水注意報等に連動した物理的な警報システムを別途整備することとしました。神戸市では、大雨洪水警報にあわせて、消防署や地域住民等とパトロールを行い、河川利用者に避難を呼びかけていますし、これからも呼びかけます。また、県・市・地域が連携して、河川利用者の安全を確保するため、協議会を設置し、警報システムの有効利用や、看板の新増設、啓発活動等にとりくむことにしています。さらに、急激な流出の抑制対策ともなる、雨水貯留、浸透施設等の整備促進についても、この協議会の場を活用して神戸市に働きかけてまいります。

農業の再生にむけた取り組みを

■質問■ 次に、農業の再生にむけた取組みについてです。
 今回の「汚染米」事件は、日本の農政のあり方そのものを問いかけています。転売された「汚染米」の約8割がミニマムアクセスなどの輸入米で、国は汚染米と知りながら輸入し、「非食用」を建前に食品加工業者に流通させました。積み上がった汚染米の処分のために、国の側から買い取りを働きかけもしていました。
 自給できる米を輸入しつづけ、国民の食の安全をないがしろにする農政のもと、農業はどうなっているでしょうか。
 全国で農業にたずさわっている人は、70歳以上が43%。耕作放棄地は全耕地の1割にも達しています。兵庫県でも65歳以上が63%で、耕作放棄地は5千ヘクタールを超えています。とくに中山間地の多い兵庫県では、高齢化の影響は深刻で、後継者問題はまったなしの状況です。
 しかし、後を継ごうにも、収入の目途がないのが実態です。米の価格は94年から30%以上も低下し、農家の1時間あたりの労働報酬はわずか179円と言われています。大規模農家ほど赤字幅が大きくなっています。
 県の農業費は、コメ改革前の03年度と07年度の決算を比べると、半分以下、43%にまで削減されています。国の方針どおりに、品目横断の名で、家族営農や兼業農家を、「担い手」から排除してきたことによるものです。また、地域の声で復活しましたが、今年度の中山間地域等直接支払い制度の新規分が、国の予算枠があるにもかかわらず、「新行革プラン」によって、県が予算をつけない事態までありました。
 自民党の歴代農政が、工業製品の輸出を優先し、国民の食料を際限なく海外に依存する政策を取り続けてきた結果、農業総算出額は1996年からの10年間に2割も減少し、1961年当時78%あった日本の食料自給率は現在40%で、先進11ヶ国の平均103%から見れば、異常な低さです。
 一国の農業は国民の命を支える土台という姿勢に根本的に転換すべきです。
 そこで、生産コストをカバーする農産物の価格保障と、それを補う適切な所得補償などの制度を充実させ、対策を抜本的に強化することを国に要望し、県独自にも対策をとること。また、ますます重要な役割を果たす農業改良普及員を「新行革プラン」で削減するのではなく、拡充することを強く求めます。ご答弁ください。

▼答弁▼井戸知事:農業の再生にむけた取り組みついてお尋ねがありました。本県農業を持続的に発展させていくためには、農業を主業とする認定農業者はもとより、小規模兼業農家が多い本県の特性をふまえて、これら農家が参加できる集落営農組織の育成が基本となります。平成19年度に導入された国の水田経営所得安定対策については、認定農業者と集落営農組織を対象に、市場価格や収量変動にともなう米・麦・大豆の所得減少を補てんする交付金や、外国産との麦・大豆の生産コスト差をカバーする交付金によって所得や経営の安定をはかるしくみであります。集落営農組織を育成する観点からも、本対策への加入を積極的に進めています。また、この対策については、市町特認制度の創設による面積要件の緩和や、米価の大幅下落にも対応できる収入減少補てんの充実など、現場の意見をふまえた見直しが行われ、より充実した内容となりました。このような価格保障制度をこえた総合的な対策の充実については、さらに働きかけてまいります。県としては、兵庫集落営農推進員の設置や、集落営農活性化塾によるリーダーの育成、共同利用機械の導入等の支援策を講じ、この対策に加入できる担い手の育成に努めてまいります。なお、農業改良普及センターについては、統合再編によりセンターとしての普及指導員の指導体制の充実と業務の効率化をはかりながら、JAと農業協同組合との協力の下、農業者への技術経営指導や、集落営農組織育成を強化し、引き続き、高度専門的かつ広範囲に対応できる人員を確保することにしておりますので申し添えさせていただきます。

県立高校改革「第二次実施計画」中止を

■質問■ 質問の最後は、県立高校改革問題についてです。
 今年2月に策定された県立高校改革「第二次実施計画」は、複数志願、特色選抜を全県に押し広げ、さらに学区拡大までも計画されています。
 総合選抜制度が最後まで残った私の地元宝塚学区では、今年2月、宝塚市教育委員会より、複数志願制度導入の要請書が提出されたものの、制度改変に賛成も反対も両論併記の形で意見がつけられました。宝塚市では、さらに、保護者や市民の公募委員も入れた「新しい選抜制度のあり方研究会」を立ち上げ、議論を進めているところです。これは、地域で50年間、総合選抜制度が守られ、行き過ぎた競争がなく、公立高校が地域の学校として発展してきたことを市民も、市教育委員会も認めており、複数志願制度の導入をより慎重に検討すべきだという意見が根強いことの表れです。
 県教育委員会は、「競争が緩和される」として複数志願制度の導入を強行していますが、今年総合選抜制から複数志願制となった尼崎では、A校では第一志望で33名も定員を下回ったのに対し、B校では第一志望で定員を61名もオーバーしています。尼崎全体で不合格者が43名も増え、学区全体では定員枠があるにもかかわらず、地元の公立高校に行けない生徒が激増する事態となりました。
 また、県教委は、「選択の幅を広げるため」だと、宝塚学区の統合も検討していますが、「学区統合はすべきでない」というのが地元の意見です。学区が広がれば、さらに競争の激化が予想され、通学距離も長くなり生徒の負担や費用の増大にもつながります。格差社会がいっそう広がる社会状況のもと、教育条件の格差をいっそう広げることは許されません。
 高校改革「第二次実施計画」の内容が、今回の「新行革プラン」にそのまま盛り込まれていることは、結局、「高校改革」のねらいが教育予算の削減にあることを表しているのではありませんか。
 教育予算を増やし県立高校を充実させ、希望者全員に高校教育を保障することこそ県教育委員会の責務です。競争と格差を持ち込む高校改革「第二次実施計画」は、中止すること。宝塚の要望をくみとり学区統合は行なわないことを求めますが、教育長の真摯な答弁を願います。

▼答弁▼吉本教育長:県立高校改革問題についてお答えいたします。
 県立高等学校教育改革第二次実施計画は、各学校での教育内容のいっそうの充実をはかることや、今後の生徒数の動向等を考慮しつつ、活力ある教育活動を維持し、生徒の多様な学習ニーズに対応した教育の充実をはかることなどを推進することとしたものであり、この計画を着実に推進することが、県立高等学校長期構想検討委員会から示された、今後の高校教育のありかたを具体化していくことになるものと考えております。
学区の統合につきましては、第二次実施計画の県立高校の望ましい規模と配置の項目の中で、新しい選抜制度を導入する際に、学校数の少ない学区については生徒の学校選択の幅を拡大する観点から近隣学区との統合を検討すること、生徒の希望状況、市町合併、中学校の進路等へ与える影響などをふまえつつ全県の通学区域の見直しも含めて望ましいあり方を検討することを明示しており、この基本方向に基づき、今後、宝塚学区を含め望ましい通学区域のありかたについて関係機関と連携をはかりながら検討を進めることとしております。なお、平成20年度尼崎学区における複数志願選抜の募集定員の割合は、前年度とほぼ同率でありまして、募集定員に対する充足率についても、総合選抜時と同じく100%となっており、地元の公立高校に行けない生徒が急増している状況にはないものと考えております。


■再質問■ 3点について再質問させていただきます。
 国民健康保険の問題です。保険証のとりあげについて質問させていただきましたけれども、とりわけこどもが保険証をもらえないで医者に行けないという実態があります。私たちが調べただけでも398人、これがわかっております。姫路や神戸市は明らかにしておりません。ぜひ、貧困を理由にしてこどもが医療にかかれないということのないようにしていただきたい。そのために県として実態調査をすることとあわせて、せめてこどもだけでも保険証のとりあげは行わないというような働きかけを県からしていただきたいと思います。
 2つ目はこどもリハセンターについてです。いま、「適切なケアを確保している」と答弁ありましたけれども、ぜひ実態を見ていただきたいと思うんです。のじぎく療育センターは訓練だけでなくて、親御さんの心のよりどころでもあったということを知っていただいて、今のじぎくに行っていた人たちがどういう生活や訓練をしているかということを知事自らがぜひ直接お話を聞いていただいて、その改善策にむけてとりくんでいただきたい、「約束を守って欲しい」というのが利用者のみなさんの共通した願いですので、そこを実際に実現して欲しいとおもいます。
 3つ目は県立病院の問題です。この塚口病院の7万4千をこえる署名の重さというのを知事はどう受け止めていらっしゃるでしょうか。やはり県立塚口病院を残してほしいというのが県民の願いです。そのうえにたって充実をさらに検討していくのが県立病院としてのあり方ではないかと思いますので、知事ご答弁ください。
 
▼答弁▼井戸知事再答弁:国保の課題につきましては、資格証明書の発給については、市町に交付が義務付けられているわけですので、その対象者の状況につきまして充分ふまえた上で対応するように必要な場合には減免や分納などの指導もありうるわけでありますので、きめ細かな対応ができるように助言をしていきたいと思います。
 こどもリハビリセンターにつきましてはのじぎく療育センターが肢体不自由児施設として持っていた機能を引き継ぐということを約束しておりましたので、その肢体不自由児施設としての機能をきちっと確保してまいろうとしています。ただどうしても医師の確保が遅れておりますので今のような状況にいたっています。そのような意味で医師の確保を急ぎたいと思います。
 塚口病院については、塚口病院をいまのままの状況では維持ができないという状況に陥っていますので塚口病院のもっている成育医療の機能をどう維持していくかということとあわせて塚口病院と尼崎病院の統合再編の内容につきましては充分に外部委員会で議論をしていただいて、その結果をまって対応しようとしている。現状のまま、塚口病院を維持するのはこれは困難でありますので、そこから次なる対応策をなんとか考えなくてはならない状況にある、それがゆえにこのような検討をはじめて統合再編をしようとしているのだということについてぜひご理解いただきたい。


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