このサイトは旧サイトです。最新情報などはこちらをご覧ください。
メニューをスキップする TOPページへ 本会議へ 予算決算特別委員会へ ニュースへ 政策見解へ 県会報告へ リンクへ スケジュールへ
本会議 第294回本会議繰越討論 新町みちよ
2008年3月25日

私は、日本共産党県会議員団を代表し、ただいま上程中の議案のうち、第163号「平成19年度兵庫県一般会計補正予算(第3号)」に反対し、以下、その主な理由を申し述べます。

反対の大きな理由は、ムダ・過大な事業や、住民の反対の強い事業など、繰り越してまで進めるべきでない事業が含まれていることです。

まず、道路関連ですが、公共事業道路改築事業などの東播磨南北道路は、交渉が長引き用地取得がすすまないことなどが繰越の原因です。そのため、当初予定していた新加古川病院の完成に合わせての全線供用開始は困難となっています。部分供用でもとすすめていますが、そもそも、自動車専用の高規格道路という計画自体に無理があったことの表れではないでしょうか。ムダにムダを重ねないためにも計画を中止すべきです。

余部道路は、船越トンネル施工中の仮設工事ヤードの用地確保の遅れなどが原因です。この道路は、鳥取県鳥取市を起点とし、京都府宮津市につながる延長120キロメートルの自動車専用道路です。地元では、歩行者や自転車も通行できる生活道路を要求していました。莫大な費用をかけて、自動車のためだけの高規格道路をすすめるべきではありません。
 
また、浜坂漁港トンネル工事は、通行時間をわずか3分間短縮するために18億円もかけて建設するものですし、千町・段が峰線など広域基幹林道もその必要性は認められません。

公共事業街路事業の園田西武庫線は、もともと完成しても当分の間行き止まりの道路です。三菱電機工場の真ん中に道路を通し、道路と関係のない工場内の建物にまで移転補償を行なったり、工場内を行き来する地下通路の設計まで行うもので、企業にいたれりつくせりの事業となっています。

緊急街路整備事業の山手幹線芦屋川横断区は、「南北のコミュニティが分断される」「むだで環境破壊」と住民の反対が強く認められません。

次に、ダム事業についてですが、与布土ダムは、絶滅危惧種であるクマタカが繁殖期を迎え、営巣が確認され、工事を一時中断させたものです。昨年度も同様の理由で繰越しをおこなっています。クマタカは、もともと個体数が非常に少ない上、近年、環境悪化で繁殖に成功するつがいの割合が急激に低下し、絶滅の危機に瀕しています。環境破壊、生物の生体系も壊す新たなダム開発を繰り越ししてまで行う必要はありません。

金出地ダム事業は平成10年から行われ、当初利水と治水の両用ダムが治水目的のみに変更されました。今回ダム本体の底地の岩盤のひび割れが見つかり、追加ボーリング調査したため遅れたものです。そもそも、与布土ダム、金出地ダムも含め、西紀ダム、みくまりダムとも、治水で必要なのはダム建設ではなく河川改修です。利水面でも、人口や需要予測を過大に見込んだままダムをつくり続けるのでなく、現有水源の保全や水需要の見直しが必要であり、中止すべきです。

県営かんがい排水事業のうち、加西市を流れる万願寺川の事業は、井堰を改修し、いわゆる風船ダムをつくるものですが、農家負担が1ヘクタールで100万円にもなり、負担に耐えられないと批判が上がっています。

総合治水対策特定河川事業の寺畑前川は、巨大地下タンクのふたをつくる工事にあたって、くいを打つ工法を変更したための遅れとのことです。この事業は、当初52億円の事業費が89億9千万円に膨れ上がっています。これまでも出てきた砒素処理に18億円、耐震基準の変更で10億円、騒音防止のために防音壁の高さや作業時間を短縮するなど再三変更されています。もともと地下に直径35メートル、深さ46メートルの円筒状、20階建てビルのような巨大なコンクリートの構造物を作るこの計画に対し、わが党は、もっと低廉で環境にも影響が少ないやりかたをとるべきだと強く反対してきました。

最後に、教員免許管理システム開発事業についてです。
教員免許更新制の導入にともなうシステムを構築するためで全額が繰り越されています。教員免許更新制は、十年ごとに免許を失効させ、更新には国が関与する講習の「修了」が必要というもので、国の教育の方針を押しつけ、教員の統制を強める危険があり、賛成できません。

前のページへ戻る このページの上へ
Copyright(c)2001-2018 日本共産党兵庫県会議員団