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本会議 第293回本会議議案反対討論 ねりき恵子
2007年12月21日

  私は、日本共産党県会議員団を代表して、認第1号ないし第4号、第6号、第8号、第10号ないし第12号、第19号および、議案第99号、第102号、第103号、第109号ないし第113号、以上18件について反対の立場から討論いたします。

住民には負担増、大型開発・大企業優先の逆立ち県政

 はじめに、決算認定についてです。
 貧困と格差が広がる中、県民の福祉、医療やくらしを守る県政運営がいっそう求められているにもかかわらず、県当局は住民サービスの大幅な切り捨てと県職員の3割カットという「新行財政構造改革推進方策第1次案」を発表しました。この「新行革プラン」が実施されれば、高齢者、障害者、こどもをはじめ県民生活への影響は甚大です。
 それだけに、決算では、税金の使われ方がいっそうきびしく問われています。
 私たち日本共産党県議団は、県民の暮らしが大変なときだからこそ、地方自治体の大事な役割である「住民の福祉の増進を図る」という立場にたった県政への転換を一貫して求めてきました。
 ところが、県は国の負担増政策に追随し、同じように負担増を県民に押しつけてきたのです。
 その1つは、逆立ちした財政運営についてです。
 個人県民税の増収は、老齢者控除の廃止や定率減税の半減など国の税制改悪の影響によるもので、さらに県民緑税をあらたに徴収し県民に負担が押しつけられたものです。
 さらに、所得税の控除廃止などの影響で、収入は増えていないのに福祉医療の対象から外れたり、公営住宅の家賃が2倍にも跳ね上がるなど、県民にとっては二重、三重の負担増となりましたが、それに対する県の軽減策はまったくありませんでした。
 一方、私たち日本共産党県議団が再三削減を求めてきたにもかかわらず、相変わらずムダな大型公共事業を推し進めてきた結果、借金依存の財政運営が県債基金の大幅な取り崩しとなり財政指標が悪化する原因となっており、認められません。
 その2は、福祉・医療の削減です。
 一昨年の制度改悪で、老人、重度心身障害者、乳幼児、母子家庭などの医療費公費負担の削減が行なわれ県民の負担はますます重くなりました。それに加え、障害者自立支援法の実施により定率1割の利用料負担が障害者とその家族を苦しめています。また、65歳以上の介護保険料の大幅な引き上げにたいしなんの支援策もなく、乳幼児医療費助成は、所得制限のない完全無料化と対象年齢の引き上げが望まれているのに、県民の切実な願いにこたえていません。
 その3は、教育の問題です。
 県民が待ち望んでいた35人学級については、知事が小学校4年生までの実施を約束したのに、国の第8次職員定数改善が見送られたことを理由に、平成18年度は小学校2年生までにとどまりました。
 また、高校改革第一次実施計画に基づく高等学校の統廃合や総合選抜制度の廃止が住民合意なく進められるとともに、「第二次実施計画」が、県民に非公開の検討委員会で検討が進められてきたことは問題です。
 本来、教育は県民の中で議論が保障され、慎重に検討が進められるべきですが、地域に開かれた教育、生徒・父母の参加した教育とは全く逆行するものであり認められません。
 その4は、雇用の拡大、中小企業支援、農業支援にかかわる問題です。
 若者の非正規雇用、偽装請負などの劣悪な労働環境がワーキングプアと呼ばれる新たな貧困層を生み出し、深刻な社会問題となっています。
 県は、松下プラズマディスプレイに平成18年度だけでも10億円、今後第5工場まで入れると総額約175億円もの雇用・設備補助をすることとなっていますが、新たに雇用されたのはほとんどが派遣社員であったことが明らかとなり、県の補助金が不安定雇用を増やし雇用の格差拡大を招いています。
 さらに、松下や旭硝子など世界有数の大企業へ十数億円の設備補助がされる一方で、地元中小企業への支援策は貸付しかなく、あまりにも冷たい対応です。
 また農業支援策についても、大規模経営と法人化の集落組織のみが対象で、小規模農家を切り捨てるものとなっています。
 その5は、相変わらず大型公共事業偏重となっていることです。 
 新名神高速道路をはじめ播磨臨海道路や東播磨南北道路など高規格道路計画やダム建設など借金財政のおおもとである大型公共事業にメスを入れることなく推し進めています。
 また、県が進めてきた大規模開発計画に基づく膨大な土地先行取得が破たんし「塩漬け」になっている土地の買い戻しも目立ちます。森林動物研究センター周辺の土地を、相場の38倍もの価格48億円で、加古川市神野でも、新加古川病院用地以外の土地を目的も定かでないまま44億円で買い戻しています。
 さらに、三木防災公園に新たに建設された全天候型テニスコートは、「国内唯一」の大規模な鉄骨ドームで、周辺整備も含め総額45億円にものぼり、「こんな豪華なものがつくれるのになぜ新行革なのか」と県民から批判の声がでるほどです。あまりにも過大であり、認められません。
 また、地域整備事業特別会計についても、従来から指摘しているとおり、プロジェクトごとの会計が明らかにされておらず、過大な投資をしている播磨科学公園都市やひょうご情報公園都市など見通しのない開発をおこなってきたことを県民の目からごまかすものです。

県立高校の統廃合は、生徒の学習環境の整備こそ

 次に、今定例会に上程された条例案についてです。
 まず議案第99号「兵庫県立高等学校の設置及び管理に関する条例の一部を改正する条例制定の件」についてです。
 新宮高校と龍野実業高校の統廃合に伴い、新たに高校を設置しようとするものですが、もともと、生徒や父母、地域住民など関係者の十分な合意形成がなされないまま統廃合が決められてしまったものです。新高校の校舎は平成21年4月に完成予定ですが、建設が遅れている状況で、来年3月に生徒募集をしても生徒は現龍野実業の校舎と現新宮高校の校舎を行き来しなければなりません。せめて、新校舎が完成し生徒の学習環境が整うまで生徒の募集は延期をすべきであります。

不要・不急の事業の見直しを

 次に議案第102号、「財団法人計算科学振興財団(仮称)に対する出えんの件」についてです。これは、スーパーコンピューター運用のため財団を設立し、その財団事業費を県と神戸市がそれぞれ5000万円、神戸商工会議所が00万円を出資するものです。現在財団の基本財産は1億円以上と決められているものの、来年12月には300万円に緩和がされることとなっています。スーパーコンピューターの稼働も平成23年の予定であり、財団の設立を急ぐ必要があるでしょうか。県財政がひっ迫しているときに、多額の出資をする必要性はありません。
 次に議案第103号「緊急街路整備事業山手幹線芦屋川横断区街路工事請負契約変更の件」についてです。もともと、「4車線道路で南北のコミュニティが分断される」「むだで環境破壊」と住民の反対が強かった事業で、新たな騒音対策など6億円もの増額も、もともと住民合意のないまま進めたことに問題があり認められません。
 議案第109号、第110号、いずれも一般国道178号(余部道路)地域連携推進事業(道路改築)油良高架橋工事請負契約締結の件です。
 高速道路6基幹軸を構成する鳥取豊岡宮津自動車道の一部として進められている事業ですが、この余部道路5km分だけでも250億円という莫大な費用です。公共事業偏重が財政悪化を招いてきたことが明らかな今、高規格道路ありきの計画は認められません。現在の道路の拡幅や部分改良も含めて、もっと安くできる方法を検討すべきです。
 最後に、議案第111号ないし113号、いずれも主要地方道加古川小野線東播磨南北道路高架橋工事請負契約締結の件です。
 公共事業や道路特定財源の見直しが求められているときに、1キロメートル100億円、総事業費660億円も費やして自動車専用の高規格道路を作る必要があるのでしょうか。歩行者や自転車などが利用できる一般道形式のバイパス方式を採用するなど全面的に検討しなおすべきであり、賛成できません。 

 なお、議員提出議案については、第1号、第2号に反対、第3号に賛成し、ただちに政務調査費の領収書全面添付を行うべきであるとの立場から、議案の継続に反対するものです。

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