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本会議 第291回本会議一般質問 星原さちよ
2007年6月26日

高すぎる国保料を引き下げ、保険証取り上げをやめさせよ

■質問■ はじめに、国民健康保険問題についてお聞きします。
定率減税が廃止され、今年も私の地元の加古川市役所には最初の2日だけでも1126件の抗議や問い合わせが殺到しました。大企業・大金持ち減税はさらに進める一方、庶民増税の上に肝心の年金は「消える」というのではあまりにも冷たく無責任な政治です。さらに参議院選挙後には、消費税の税率が引き上げられようとしています。自民・公明政権がすすめてきた「構造改革」の結果、マスコミでも医療難民、介護難民、ネットカフェ難民の状況が取り上げられるようになりました。
その中で、高すぎる国民健康保険料が払えずに滞納している世帯が、全国で全体の約2割の480万世帯、そのうち、一年以上の滞納で保険証を取上げられた世帯は35万世帯にのぼっています。全国民主医療機関連合会の過去2年間の調査では、保険証取り上げで受診が遅れ、死亡したケースが25件もあります。
兵庫県の国保料滞納世帯は20万世帯、昨年度の短期証交付数は約54000、保険証がもらえない資格証明書交付数は約9500と年々増加してきています。神戸協同病院でお聞きすると、外来の一割以上が短期証の患者で、受診が遅れたために重症化したり死亡される例もでています。
神戸市内の39歳の男性は、05年9月に努めていた会社が倒産し、仕事が見つからないために国保料が払えず、短期証の発行を繰り返していましたが、06年5月には肝硬変で入院。病院の支払いができず、入院を中断。その後悪化し07年11月に緊急入院しましたが、3日後食道静脈瘤破裂で死亡されました。
52歳の男性も八百屋の経営がうまくいかず、深夜のアルバイトもしていましたが、保険証がないので体調が悪くても我慢していたところ、昨年10月急性大動脈乖離で亡くなられました。
国民健康保険料が高くて払えない主因は、国庫負担を大幅に引き下げてきたことにあります。1984年以来、1兆6千億円も減らしているのです。一方、国保世帯の所得は、平均年収が180万円から165万円へと減少しているのに、住民一人あたりの保険料は3万9千円から7万9千円へと二倍以上になっています。また1人あたりの県費補助も近畿で最低レベルです。県民の命と健康をしっかりと守る県の毅然とした決意と施策が必要ではありませんか。
国民健康保険への国庫負担の大幅引き上げを国に要求し、払える国民健康保険料とするため、県費補助についても思い切って引き上げること。また県として状況を調査し、払いたくても払えない人が命綱である保険証をとりあげられないように市町に働きかけるよう強く求めますが、いかがですか。

▼答弁▼井戸知事:国民健康保険制度は、その運営は市町村が責任をおって、県は広域自治体として「技術的助言」と「財政支援」を行うことと法律上もされています。市町にたいして国保財政への安定化や保険料軽減のために、法令にもどづきまして、保険料軽減分にたいする負担分などを含め、すでに300億を超える負担をしており、県単独措置としては、国庫減額分を対象とする補助金により、必要な支援をおこなっています。
なお、県単独補助金の一人あたり補助額は、平成17年度で、実施27府県のうち第6位であります。近畿では第3位であります。
また保険料負担の公平性を確保するため、市町には、正当な理由なく1年以上滞納している世帯には資格証明書の交付が義務付けられておりますことから、県としても、制度の適正な運用を確保するために、市町に対して、滞納者の実態をふまえ、必要な場合には、減免や分納指導を行うよう助言を行っています。
また、市町からは受診の遅れによる死亡事故の報告は、私どもとしては受けていません。
1984年、昭和59年に退職者医療制度が創設されたましたが、これによって国保財政の負担軽減が図られ、国保にたいする国庫負担割合が、医療費総額の45%から、一部負担金をのぞく給付費の5割、医療費の39%とされましたが、退職者医療制度により、国保の負担としては、軽減された。
国保の保険料の負担の増加の主なものは、医療費の増加によるものであり、ちなみに、59年と比較すると、平成17年度は、2.7倍の医療費増、保険料は2倍ジャスト程度です。保険料負担の増加の主要因が医療費の増加にあるということもありまして、高額医療費制度につきましては、その存続を強く要望して、継続されております。
国民健康保険は、被用者保険に比べて高齢者が多く、加入者の所得が低いといった構造的な課題がありますので、県としては、国に対しまして医療保険制度の一本化すべきという提案をしているが、それまでの間は、市町にたいする支援や助言を通じて、国保財政の安定化や制度の円滑な運営を支援してまいります。このページの上へ

多重債務問題の抜本的対策を

■質問■ 次に、多重債務問題について質問します。
サラ金利用者は全国で約1400万人、そのうち5件以上の利用者、いわゆる多重債務者は230万人といわれています。自殺や夜逃げ、離婚、犯罪などの大きな原因となり、多重債務問題の解決が今や重要課題となっています。昨年、12月の臨時国会で、グレーゾーン金利の撤廃など貸金業法が改正され、4月に出された「多重債務問題改善プログラム」では自治体の対策強化を求めています。また、多重債務者が増加した背景には格差・貧困問題があり、根本的には雇用改善や福祉の充実など貧困からの救済対策が必要ですが、多重債務に陥った人の命を救うためには、債務整理とともに生活再建が課題で、自治体の役割に期待が高まっています。
本県でも消費者金融に関する相談が増え続けておりますが、県民局に相談窓口があるものの、弁護士や司法書士など他機関を紹介するだけの対応がほとんどで、3名の専門相談員も2つの県民局を兼務し、主に貸金業者への立入検査をしています。多重債務問題の相談に応えるものとなっていないと指摘せざるをえません。奄美市など、窓口で丁寧に事情を聞き,徴収や福祉など関連部署と連携をとって多重債務者の生活を再建するところまで相談にのっている先進的な取り組みがマスコミで報道されたり、県下でも加古川市が呼びかけて「多重債務ネットワーク」体制が始まろうとしています。本県でも対策本部の設置が早急に求められていますが、実効性のあるものにするためには、市町、弁護士会、司法書士会のほかに、多重債務者の実態をもっともよく知って問題解決、救済に奮闘している民間の支援団体を入れるなど幅広く連携した体制が重要です。
今回、私は多重債務問題の現状を知るために、様々な行政関係や民間の方にお会いしました。そこでほとんどの方が異口同音に言われたのが「生活に困ったときにサラ金に行かなくてもよいように、多重債務者を出さない対策が必要だ」ということでした。そこで現在実施している生活福祉資金制度などについて調べたのですが、利用件数が平成18年度で療養介護等資金が6件、災害援護資金が2件、福祉資金が41件、また、離職者生活安定資金はゼロと極めて少なく、困っている人たちの資金需要に十分対応できているとはいえない状況です。制度を周知させたり、利用しやすい制度に改善しなければなりません。また、県独自に生活応援、営業応援のために無利息または低利の小口資金貸付制度を創設し、失業や入院など急にお金が必要になったときなど、安心して借りられる施策が必要です。
そこで、多重債務問題解決のため、民間の被害者救済支援団体を入れた県対策本部を早急に設置すること、生活福祉資金などを県民が利用しやすいように改善するとともに、県独自の生活支援小口貸付制度の創設を求めますが、いかがですか。

▼答弁▼大西県民政策部長:多重債務者からの相談につきましては、県ではご指摘の県民局消費者相談窓口のみならず、各生活科学センター等でも対応してきております。その相談件数が増加してきている。それぞれにおきまして、問題解決にむけて、必要に応じ弁護士会、司法書士会等、専門機関のスムーズな誘導を図ってきた。
今後、県の各部、教育委員会、警察本部、国、そして市町、関係団体で構成いたします、多重債務者対策協議会をたちあげまして、そのなかで対策について協議を行い、それぞれが役割を担いつつ連携しながら、多重債務者を早期に発見するとともに、生活全般の再建をめざしてまいりたい。
セーフティーネット貸付のひとつして、国の多重債務問題の解決プログラムでも位置づけられております「生活福祉資金貸付」は、全国的にみて利用率は本県は低調でないと考えておりますが、今後とも必要な人に必要な制度をより利用していただけるよう、民生委員や、県社会福祉協議会などと協力いたしまして、制度のPR等につとめていきたい。
また、貸付制度は返済を前提として行われるのが基本であり、安易な貸付は多重債務問題を拡大することにもつながるおそれがあるなか、新たな制度については、解決すべき課題が多いわけでありますが、先行地域の例も参考にしながら、さきの協議会の場で協議をしていきたい。このページの上へ

こども医療費の無料化を

■質問■ 次は、こども医療費の無料化についてです。
住民税増税、定率減税廃止など相次ぐ増税や不安定雇用が増大する中で、子育て世代の貧困化がすすみ、都留文科大学・後藤道夫教授の調査でも、18歳以下のこどものいる世帯の29.1%、何と3人に1人のこどもが、国際的に「貧困」とされる生活水準以下の家庭で育っているという結果になっています。
県内でも、就学援助を受ける家庭が増えており、尼崎市では05年度で児童・生徒のほぼ3人に1人が受給し、神戸市でも24.6%となっています。この実態が、子育て世代の貧困化が進んでいることをはっきりとあらわしているのではないでしょうか。「こどもが具合悪くなったけれども、給料日前だったので様子を見ているうちに手遅れになってしまった」という、あるお母さんの涙ながらのお話を聞いて、本当に胸が痛みました。
今、国民健康保険料の滞納が問題になっていますが、日本の将来を担う子ども達は学力とともに健康を保障される権利も持っているはずです。また、深刻な少子化問題を解決するためにも、子育ての経済的負担を軽減することは待ったなしの課題です。
私達は、昨年12月議会に、中学3年生まで所得制限なしで医療費を無料にすることを柱とする「こども医療費助成に関する条例」を提案しました。
その後、4月から県の乳幼児医療費助成制度は小学校3年生まで拡大されましたが、県の制度は、通院・入院ともに自己負担があるため、県内では、独自の上乗せ助成を実施している市町が85%にものぼっています。今年度になって、私の地元加古川市で、入院・通院とも小学校3年生まで無料になったのをはじめ、小野市、福崎町では小学校6年生まで通院・入院とも無料になるなど年々拡充されていることをみても、こどもの医療費を無料にしてほしいという県民の願いは切実です。
さらに、兵庫県市長会や市議会議長会からも「乳幼児医療費無料化制度の創設」を求める要望書が毎年出されており、東京都でも、知事が中学校3年生までの医療費無料化を公約に掲げるなど、こどもの医療費無料化の実施は全国の大きな流れとなっているのです。
県民の切実な声に背を向けるのではなく、次代をになうこどもたちの健やかな成長と発達を保障する立場に立ち、こどもの医療費の自己負担をなくし、中学校卒業まで無料にするとともに、所得制限を撤廃するよう知事の心ある答弁を求めます。

▼答弁▼井戸知事:乳幼児医療費助成制度は、子どもの命や健康を守り、安心して医療保険サービスを受ける環境を整備する意味で設けているものでありますが、本年4月から制度の対象を、小学3年生まで拡充しているところです。
福祉医療制度は、支援を必要とする方々にたいして、医療保険制度の自己負担を軽減する目的としておりますので、所得制限は必要だと考えております。医療の必要性の高い0歳児においては所得制限をもうけないこととしております。
また、自己負担は受益と負担とのバランスの観点からも、また制度を持続的で安定したものにするためにも、必要ではないかと考えて、一定の負担をしていただいておりますが、低所得の方々には負担を軽減するなどの配慮を行っております。
このような取り組みによりまして、すべての市町に共通する基盤の制度として実施している。今後とも乳幼児医療費助成制度は、現行の基本を引き続きつづけ、少子対策に大きな役割を果たしていきたい。このページの上へ

神戸製鋼の大気汚染・粉塵被害対策を

■質問■ つぎに、神戸製鋼所加古川製鉄所による大気汚染・粉塵被害についてです。 神戸製鋼の公害防止協定違反が発覚してから1年が経過しました。29年間も騙されていたことが分かったときの地域住民の方の怒りは「加古川に住むようになってから親子とも喘息になってしまった。神鋼に今の家を買い上げてもらって引っ越したい。」という若いお母さんの声に代表されます。
こういった声を受けて、加古川市議会に特別調査委員会が設置され、毎月1回の会合をもっています。その中間報告によれば、防塵ネットや集塵器の設置、自動散水など改善への努力は見られるものの、なおさまざまな課題が残されていることが分かります。
私は、現在地域の人たちがどのようにお感じになっていらっしゃるか、聞き取り調査をさせていただきました。その結果、粉塵被害については「畳の汚れはまだひどい」「風の強い時にはネットについた粉塵が一度に降ってくるのでたまらない」という声が返ってきました。先日実施された現地説明会でも、地域によっては「粉塵被害は少しも減っていない」「洗濯物を干せない」という声がかなりありました。マスコミでも「まだ見えぬ対策効果」と書かれたくらいです。
一方、煙突から吐き出される浮遊粒子状物質の環境基準は、大きさ10マイクロメートル以下、つまりPM10が対象になっていますが、PM2.5の微小粒子状物質の方が毒性が強く、肺の奥深く入るため、肺がんや喘息を引き起こすと言われています。環境省がPM2.5を環境基準とする方向をうち出し、東京大気汚染公害訴訟の原告団がPM2.5の規制を国に要求しています。今、新しい「環境保全協定」を策定中だということですが、立入り調査権を持っている県の責任として、このPM2.5の微小粒子状物質の測定を神鋼に義務付ける必要があるのではないでしょうか。
粉塵被害と健康被害に対する地域住民の方々の苛立ちと不安は、現地説明会でも示されたように、まだ根強いものがあります。学校保健調査によれば、加古川市の喘息罹患率が全国平均の2倍というデータや、ある地域に肺がん・乳がんの人が多いと不安を訴える声もあることから、更なる健康調査と疫学的な調査を継続的におこなっていくこととPM2.5の測定が必要だと思いますが、いかがですか。

▼答弁▼垣内環境担当部長:私から神戸製鋼加古川製鐵所による粉塵被害,健康被害対策につきましてご答弁申しあげます。本県におきましては神戸製鋼所加古川製鐵所における一連の不祥事を受けまして、ばい煙発生施設,粉塵発生施設等の改善計画にかかります報告書を提出させ、加古川市も参加した改善検証会議で進行管理を行いまして各種対策の総指揮・実施を諮ってきているところであります。粉塵対策につきましては全長2.3キロメートル高さ25メートルの防塵ネットの設置、散水装置の増設、あるいはベルトコンベアの密閉化等の対策を順次実施させているところであります。ご指摘の大気中の粒径2.5マイクロメートル以下の浮遊粒子状物質いわゆるPM2.5につきましては現行法上それに限定した環境基準が定められておりません。現在、環境省におきましては自動車NOx・PM法の改正時の附帯決議におきまして平成19年5月に微小粒子状物質健康影響評価検討会を設置しましてPM2.5の曝露評価あるいは健康影響評価等の検討が開始されたところであります。一方、加古川市におきましては大気汚染防止法に基づきます測定権限を有しますことから市内3箇所で今年度から大気中のPM2.5を測定する準備を進めているところであります。神戸製鋼所への測定の義務づけにつきましては県といたしましては国の検討結果および環境基準の見直し等の動向を踏まえまして適切に対応してまいりたいと考えております。またご指摘の喘息および肺がん・乳がんにつきましては厚生労働省の人口動態調査および患者調査で見ますと全国および兵庫県平均と比べまして加古川市が高いというデータは確認されておりません。現段階におきまして健康調査が必要であるとは考えていないところであります。このページの上へ

池尻橋歩道の安全性確保を

■質問■ つぎに、池尻橋歩道の安全性の確保についてです。
国道2号線をつなぐ加古川大橋の上流約4kmの地点にある池尻橋の歩道は、両側75cmずつで大人1人が何とか歩ける幅しかありません。この全長407mの橋を高校生や一般の人が自転車で利用しているのですが、歩道上を自転車で通るのは不安定できわめて危険です。したがって、自転車利用者の殆どが50cmしかない歩道と白線の間を、車とすれすれに通っているのが現状です。
この池尻橋は他の加古川大橋や上荘橋と同じように朝夕は渋滞がひどいのですが、今工事が進められている東側の県道が完成すれば、新県立病院や稲美町へのアクセスが容易となり、東西幹線道路のひとつとしてさらに交通量が増え、危険性が増すことは容易に想像できます。6.5b道路でスピードの出た車の横を高校生が自転車で通学する状況を想像してみてください。普通の感覚ではぞっとするのではないでしょうか。あるお母さんは「娘が通学で利用しているけれども、いつも心配だ」と言っておられます。また、生徒がこの橋を利用している東播工業高校の先生も「自転車で歩道の上を通ってみたが、曲芸をしているようでとてもこわかった」と証言されています。一般道では裏道を通ることもできますが、橋ではそういうわけにはいきません。
この橋の危険性については、早くから地元の自治会がとりあげ、要望書を出してきた経緯があり、昨年の加古川市議会でも一般質問で取り上げられております。なお、10年前、池尻橋の渋滞を緩和するために橋の東詰に右折レーンが造られた時の池尻橋詳細設計業務では、池尻橋の歩道については「池尻橋拡隔計画は、(一)平荘大久保線と(主)加古川小野線の将来計画において決定されている」と明記し、このときから危険性が認識されていたにもかかわらず、放置されてきたことは到底容認できません。
犠牲者が出てしまってからでは取り返しがつきません。専用の歩道橋も含めて、是非とも安全性を確保すべきだと思いますが、いかがですか。

▼答弁▼井上県土整備部長:池尻橋歩道の安全性の確保についてご答弁申しあげます。一般県道平荘大久保線の池尻橋は昭和45年10月に一級河川加古川本線に架されました延長407メートル幅員8メートルの橋梁で車線は2車線、両側に75センチの歩道がございます。平成10年度には池尻橋東詰交差点の渋滞対策として池尻橋に右折車線を設置いたしました。この改良工事を行うにあたりまして歩行者等の安全対策として歩道を片側へ集約する案や片側のみ拡幅する案につきまして橋げたなど上部工のみで対応する方策を検討いたしましたが、歩道拡幅のためには橋脚,橋台の拡幅ならびに主桁の追加など大規模な改良工事が必要となることがわかりました。このように広幅員歩道を確保するためには現橋梁の大規模な改良や新たな歩道橋の設置が必要となるため多額の事業費を必要とするのみならず河川管理施設等構造令に基づき一級河川加古川の管理者でございます国土交通省との協議など解決すべき課題を抱えておりまして早期の事業着手は困難な状況でございます。しかしながら歩行者や自転車利用者の更なる安全性向上について検討を進めることは必要と考えておりまして今年度、歩行者・自転車利用者の利用実態を把握するなど調査を実施したいと考えております。このページの上へ

龍野実業高校と新宮高校の統廃合を強引に進めるな

■質問■ 次に、高校の統廃合問題についてです。
本県では「県立高等学校教育改革第一次実施計画」のもと、入学選抜方法の変更や統廃合などが地域住民の声を無視して強引に進められてきました。
このような教育委員会の非民主的な、「先に統廃合ありき」の弊害は、龍野実業高校と新宮高校の統合問題にも著しくあらわれています。まず、両校間の距離が5キロもあることから、これまで生徒数の3分の1を占めていた姫路市、太子町、旧御津町からの自転車通学の時間がさらに延びることになります。また、商業科がなくなることで女子を締め出すことになります。ましてや、工業と看護・福祉という異質な学校を是が非でも統合しなければならない理由があるのかどうか、今でも大いに疑問が残るところです。
しかしながら新高校については、すでに「平成20年度開校」と発表され、新校舎完成は21年4月となっています。ところが、18年6月1日に投資事業審査会に出された高校教育課作成の「投資事業評価調書」では「平成19年3月用地造成開始」とあり、「ただいまから建築工事に取りかかっても、完成するのは平成21年4月」で、「至急に造成工事に入る必要がある。」と記されているにもかかわらず、まだ造成は開始されておりません。工事が遅れている現状から見て、新校舎完成が果たして21年4月までに間に合うのかどうか、現場の先生方に疑問と不安が広がっています。
新校舎が建設されるまで新宮高校に間借りするということですが、もしスケジュールが遅れるということになれば、現実問題として、その間実習は龍野実業高校までバスで移動しなければならず、先生も両校を移動しながらの授業となることが充分予想されます。何よりも生徒たちが混乱せず、安心して学習できる環境を整えることが重要です。しかし、どう見ても「綱渡り的計画」としかいいようがありません。
以上の状況から、龍野実業高校と新宮高校の統合による龍野北高校の新入生募集は、せめて新校舎が完成するまで延期すべきではないでしょうか。ご答弁を求めます。

▼答弁▼吉本教育長:教育問題2問についてお答えいたします。まず龍野実業高校と新宮高等学校の統合についてであります。このたび新しく統合し開校いたします県立龍野北高等学校は少子化により学校の小規模化が懸念されるなかにありまして5学科5学級の龍野実業高校と3学科3学級の新宮高校を5学科6学級に再編し学びたいことが学べる魅力ある専門高校として発展的に統合し平成20年に開校することとしたものであります。この高校はまちづくりの担い手の育成を目指し国家資格や各種検定等の取得に力を入れるなど両校のこれまでの教育実践を踏まえ、より専門性を深める教育に力を入れるとともに複数学科を設置する新高校の特性を生かし、まちづくり科目群を設けますなど学科の枠を超えた学びが可能となるよう教育内容の充実を図っているところでございます。統合に際しましてはより専門性を高める教育や教育内容の充実のため新たに土地を取得し各科の実習等を含みます新校舎を建築することといたしており、現在両校の教職員からなる開設準備委員会により平成20年の開校に向けまして順調に作業が進められております。なお新校舎の建築にあたりまして、より良い校舎建築を目指しましてプロポーザル方式という新しい手法を取り入れましたため当初計画より若干日時を要しておりますが近日中に造成工事に着手する予定であります。校舎の建築につきましては予定通り造成工事と一部並行して行いまして平成21年3月には完成をさせ4月からは供用を開始することといたしております。このページの上へ

「中国残留孤児」への生活支援を

■質問■ つぎに、「中国残留孤児」の生活支援についてです。
「中国残留孤児」裁判は、現在、全国で15の地域に分かれて行われています。私も同世代の者として他人事とは思えず、裁判の傍聴や交流会に参加し、これまでのご苦労や苦しい生活の現状を直接お聞きして参りました。そのうちに昨年12月、神戸地裁で画期的な勝利の判決が出されました。ところが政府は原告団の方々の心を砕くように、無情にも控訴したのです。
あの敗戦の混乱の中、親とはぐれ、また何とか命だけでもと中国人に託された子どもたちが大陸に残されました。殆どの人が中国人養父母に大事に育てられたにもかかわらず、望郷の念から夢にまで見た祖国にやっと帰ることができた時には、すでに中高年になっていました。そして帰国後の生活は期待に反して過酷なものでした。
政府が保障した日本語教育は6ヶ月で打ち切られ、就職しても言葉の壁が厚く、「孤児」の生活保護受給率は一般国民が1%であるのに対して約7割にも達しています。「孫が来ても喜べない。孫に食べさせたらあとの生活を切り詰めなければならない」というような状況です。中国では教師だった人、医師だった人も含まれています。夫婦で5万円の年金を受けながら、缶拾いをしてぎりぎりの生活をしている人もおられるのです。
「孤児」の方々は一様に「我々は3回棄てられた」と言われます。つまり敗戦時、日中国交回復時、帰国時の3回です。特に帰国時、希望を持って帰った祖国から冷遇され、夢破れて心を病む人も出ています。れっきとした日本人でありながら、日本語が不自由なために居住地域で孤立し、様々な不便に直面しておられます。勿論、国の責任で生活保障が行われるべきではございますが、「孤児」の方々はすでに高齢で、亡くなった方もおられます。一刻も早く祖国の温かさを示すべきではないでしょうか。そこで、県独自の施策として例えば、「アンケートなどで生活実態を把握し、通訳制度などを充実させる」「地域の日本語教室で学習や交流ができるように、無料の公的施設を提供したり交通費を出す」「生活支援金を出す」など、何らかの支援をすべきではないでしょうか。ご答弁をお願いいたします。

▼答弁▼井戸知事:中国残留孤児の問題は、先の大戦に起因して生じた混乱や、その後の日中国交正常化にいたる過程などを経て、生じてしまった事態であり、いまだ未解決の課題もあることは事実であり、ご苦労をいただいている皆様に心から敬意を表したいと思います。
しかしながら、その責任は基本的には国が負うべきものであり、国においてまずは適切な対応をすべきと考えています。
中国残留孤児として家族とともに帰国し、本県に定着された方は、昭和48年から平成16年までの実績で、139世帯、454人であり、この方々への支援については、中国残留邦人等自立支援法にもとづき、国が主体となり県も協力して実施し、国から県への委託にもとづき、まず自立支援金の支給、次に自立指導員、自立支援通訳、就業相談員の派遣事業をおこなっています。第3に巡回健康相談などを実施。また、県独自に帰国時に見舞金を支給。また、国の定めた自立指導員派遣期間であります3年を超えた方々にたいし、中国引揚者相談員の派遣などを実施。また、本年度からは国が制度化した地域生活支援プログラム事業を活用して、日本語教室参加時の交通費や教材費の支給を行うこと、就職に役立つ資格取得の際の受講料や検定料の支給などを実施することにしております。
さらに国においては、集団訴訟の状況を勘案し、年金の満額支給や特別給付金制度の創設など、あらたな支援策を、秋の臨時国会に提案すべく、検討がすすめられているところです。県としては、国の動向を注視しつつ、適切に今後も対処してまいります。このページの上へ

靖国DVD教育をやめ平和憲法に基づく教育を

■質問■ 最後に、平和教育に関してです。
安倍内閣が戦後レジームの転換と憲法9条の改悪を進めようとする中で、次々と重大な事実が明らかになってきました。
そのひとつが、まるで戦前の憲兵政治を思わせるような、自衛隊の情報保全隊による国民監視活動です。
今回の内部文書には、イラク派兵反対の活動だけでなく、「消費税増税反対」、「医療費負担増の凍結・見直し」、「国民春闘」、「小林多喜二展」のとりくみなど、文字通りあらゆる活動が対象とされ、県下の市民の取り組みや名前も明記されています。まさに憲法9条改悪を先取りするかのような、国民の自由と民主主義を踏みにじる重大な事態です。
さらに、靖国史観でこどもを洗脳するかのような動きが起きています。
私の地元で、4月14日、「知ってみよう 日本の近現代史」と称して、加古川市、播磨町、稲美町の各教育委員会が後援をし、東播磨県民局のホームページに掲載した上で、中学生など約200名が参加し、DVD「誇り」の上映などが行われました。そのストーリーは、若くして戦死した靖国の「英霊」が現代にあらわれ、自分の子孫である女子高校生に「一緒に靖国神社に行ってみない?」と誘い、日本の戦争はアメリカによってやむを得ず行わざるを得なかった戦争であり、「自衛のための戦争」だったと語りかけるものです。日本軍による加害の事実には触れず、「日本がアジア諸国を助けたのだ」、日本人の戦争への反省は「GHQによる洗脳」の結果だと説明しています。DVDの表には二人の主人公と靖国神社が印刷されており、まさに靖国DVDです。
ここに「戦死せる教え子よ」という詩があります。「逝いて還らぬ教え子よ 私の手は血塗れだ 君を縊ったその綱の 端を私も持っていた しかも人の子の師の名において 」
この作者のように、お国のために死ぬことを教え、大事な教え子たちを戦死させてしまったという慚愧の念から、戦後、自ら教壇を去り、また命を絶った先生方がいました。そして、その「懺悔」の中から生まれたのが「教え子をふたたび戦場に送らない」というスローガンでした。この思いを受け継ぎ、30数年間教壇に立ってきた私は、歴史をゆがめて描くことには絶対に許せない思いでいっぱいです。
県教育委員会として、このような靖国DVDは公教育の場で使ってはならないとの立場を明確にし、平和憲法に基づく教育を実施して頂きたいと思います。教育委員長の答弁を求めます。

▼答弁▼吉本教育長:次に平和憲法に基づく教育の実施についてであります。学校教育におきましては民主的・平和的な国家・社会の形成者としての自覚を備えた人間の育成に努めているところであります。このため社会科や総合的な学習の時間等におきまして日本や世界の諸事情に関心を持って多面的に考察し公正に判断する能力や態度を育む教育や国際協力・国際協調など国際社会の中で主体的に生きる資質や能力を育む教育を推進しているところであります。また補助教材は学校または設置者の判断により活用するものでございますが教育基本法・学校教育法・学習指導要領等の主旨に従っていること、児童・生徒の発達段階に即したものであること、特定の政党や党派に偏った思想・題材に依っているなど不公平な立場のものでないこと、これらのことに充分留意して選定するよう市町教育委員会等を指導いたしているところであります。このページの上へ

再質問

■質問■ 知事に2点お伺いいたします。知事が残留孤児の方々に会っていただきたいと思うのですがいかがでしょうか。もう1つは多重債務者の救済にボランティアでがんばっておられる民間団体の意見をお聞きいただきたいと思いますけれども、この2点について知事のご答弁をお願い致します。

▼答弁▼井戸知事:まず残留孤児の方々にお会いするのはやぶさかではありませんが、今の段階ではお会いしてもなかなかですね具体的な裁判にもなっておりますし、国の対策も見極める必要がありますのでその点を十分見極めながら状況を見ましてご相談をしたいと思います。
それから多重債務者の支援団体のご意見をうかがうことについては協議会としても発足をして対策を講ずる場合に参考にさせていただく必要があると思いますのでうかがう機会をつくらせていただきたいと考えています。このページの上へ

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