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本会議 第290回本会議繰越議案反対討論 毛利りん
2007年3月19日

 私は、日本共産党県会議員団を代表して、上程中の繰り越し議案3件のうち、議案第263号、平成18年度兵庫県一般会計補正予算に、そして議案第57号、兵庫県職員定数条例等の一部を改正する条例制定の件に反対し、討論を行います。

 まず、第263号議案についてです。
 本議案は、年度内執行ができなかったものを繰り越すもので、昨年の豪雨による災害や2月補正など、やむを得ない理由の事案もありますが、事業そのものに問題があり、繰り越しをしてまで事業を進める必要のないものが含まれています。
 以下、具体的に反対理由を述べます。

 1点目は、健康生活関連のエコハウス整備事業についてです。
 繰り越しの理由は入札のおくれとのことで、昨年3月16日の第1回から8月3日の第4回目までの開札結果が不調に終わり、10月31日、やっと5回目で落札、何と7ヵ月半も費やしています。その間、設計も2度やり直したとのことです。なぜ、こんなことになったのかと原因を聞きますと、もともと複雑な構造の上、立地場所が斜面という困難な条件が多々あるなどと言われます。このエコハウス整備事業は、環境省の補助事業で、地球温暖化問題を県民が身近に体験などできる目的で播磨科学公園都市の中に約10億円もかけてつくろうとするものです。既に他府県などで設置されている同様の施設では、見込んだ入場者数も確保できず、運営経費は国の補助金等もなく県負担となることからも賛成できません。

 2点目は、農林水産費関連です。
 中央卸売市場施設整備事業補助についてです。今年度予算の約92%と、ほとんどを繰り越す内容となっています。繰り越しの理由は、公有水面の埋立工事に当たって、阪神・淡路大震災により、法務局備えつけの公図と現地がずれていたので公図を訂正するためにおくれたとのことですが、12年前の影響が今になって判明したとはの思いはぬぐいされません。その上、PFI方式による総事業費約100億円の整備事業は、地元合意も得られていない中、繰り越し議案には反対です。
 その他、広域基幹林道建設事業、浜坂・諸寄間の漁港トンネル、香住漁港のルネッサンス事業などはこれまで述べてきたとおりであり、繰り越ししてまで事業を進めるべきでないことを申し添えておきます。
 3点目は、建設関連です。
 公共事業道路改築事業のうち、178号余部道路については、船越トンネル施工中に、近傍のホテルとの間に騒音、振動などの問題が発生、仮設ヤードの借地交渉に時間がかかったことがおくれの原因とのことですが、もともとこの道路は、地域高規格道路の鳥取豊岡宮津自動車道路で鳥取県鳥取市を起点とし、京都府宮津市につながる延長120キロメートルの自動車専用道路です。冬季の円滑な交通を確保するため、新たな道路が必要と言いますが、なぜ莫大な費用をかけて、自動車のためだけの高規格道路が必要でしょうか。本来、地域住民、歩行者や自転車が利用できることが必要であり、生活道路の整備こそ求められています。
 公共事業河川総合開発事業については、みくまりダム、与布土ダム、西紀ダム、金出地ダムと4ヵ所のダム開発事業です。これらのダム工事による振動等の対策でのおくれもあったとのことですが、治水については、河川改修のおくれが水害の原因であり、急ぐべきは河川改修ではないでしょうか。
 さらに問題は、与布土ダムの繰り越しの原因です。絶滅危惧種であるクマタカが繁殖期を迎え、営巣しているのがわかり、学識経験者からの「工事は中止をした方がよい」との意見を受け入れ、幼鳥から巣立つまで、約3ヵ月にわたって事業をストップさせたのが理由です。クマタカは山地の森林に留鳥として生息し、森林生態系の頂点にあり、森の王者とも呼ばれている猛禽類です。もともと個体数が非常に少ない上、近年、繁殖に成功するつがいの割合が、環境悪化のため急激に低下しており、絶滅の危機に瀕しているのです。環境破壊、生物の生体系を壊してまでの新たなダム開発、ましてや繰り越ししてまで行う必要はありません。
 また、緊急街路整備事業の中には、園田西武庫線、山手幹線が入っています。前者は9地権者のうち2地権者の用地買収のおくれが繰り越す理由とのことですが、もともと大企業所有地内に道路をつくり、過大な移転補償をするもので反対です。さらに、山手幹線は芦屋川トンネル部分の工事を立てかえ施行する事業ですが、環境面からも地域のコミュニティからも地元住民の合意が得られていないもので、賛成できません。

 最後は、議案第57号、兵庫県職員定数条例等の一部を改正する条例制定の件についてです。
 これは地方自治法の一部改正に基づいて、今回、出納長を廃止し、会計管理者を新たに置くものです。本来、出納長は首長、すなわち知事から独立し、チェック機能を発揮させると同時に、身分が保障され、会計事務の公正と継続性を確保する責任を負うものです。また、議会の同意による特別職である出納長は、副知事の場合とは異なり、首長による任期中の一方的な解職は認められていないほど、重要な役割を持っているのです。よって、首長へのチェック機能を弱めるなど、出納長を廃止する本議案には反対です。
 以上、私は議員各位のご賛同を期待し、反対討論を終わります。ご清聴ありがとうございました。

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