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本会議 第289回本会議  2006年12月20日

日本共産党提案の3つの条例案への他会派による反対討論

認定こども園の修正条例案に反対し当局案に賛成する討論
(いなむら和美県議(無所属)の討論)

 194号議案、認定こども園の認定基準等に関する条例制定の件について、修正動議に反対し、原案に賛成する立場から討論を行います。
 少子化が進行し子供を育てる親の環境が多様化する中、「すべての子供に適切な教育と保育の機会を」というニーズに対し、認定こども園は、一定の方向性を打ち出したものと考えます。
 保育に欠ける子と保育に欠けない子を同一施設で受け入れる認定こども園は、子供が減少する地域においても、適切な子供の集団規模を確保すると同時に、親の環境の変化に柔軟に対応できる枠組みであることから、例えば、親が休職活動中といった潜在的待機児童の受け入れと、その後の長時間利用へのスムーズな移行など、これまでの保育施設のすき間に対応する機能も期待されています。
 また、教育及び保育の内容についても、条例が認定基準としている厚生労働省と文部学科省の基準において、一日の生活リズムや利用時間が異なる子供が一つの施設で過ごすことを踏まえ、子供に不安や動揺を与えないようにする等の配慮や、望ましい食習慣の定着と、食物アレルギー等への適切な対応への配慮、受験等を目的としたいわゆる早期教育とならないための配慮、生活スタイルが異なる保護者の相互理解を深めるための配慮など、きめ細かな配慮が求められています。
 加えて、家庭や地域において異年齢の子供とかかわる機会が減少していることを踏まえ、同一学年の学級による集団活動と、異年齢の子供による活動を適切に組み合わせていくことなども方向として盛り込まれており、子育て環境の変化に応じた新しいニーズへの対応が期待されています。
 ただし、このような認定基準を満たすためには、相当の専門性やスキルが求められ、適切な運営を具体的にどのように担保していくのかということが課題であることも事実です。
 条例では、県の独自基準として、認定こども園は、保護者からの苦情に適切に対処するための必要な措置を講じなければならないこと、そして、知事は、認定こども園の利用料の設定や、施設の運営に関して、指導・助言、その他必要な支援を行うことができると定められています。
 県当局には、利用者を初めとする現場の声に真撃に耳を傾け、今後課題が生じた場合には、適切な対応をお願いしたいと思います。
 また、このたびの修正動議は、保育に対する行政責任の希薄化や、認可基準を満たしていない施設を認定し、いわば行政がお窒付きを与えるということへの懸念から出されたものです。修正案の内容は、現実の状況に照らすと大変厳しく賛成はしかねますが、当局におかれましては、その背景にある懸念については率直に受けとめ、一定の専門性が求められる施設として、こども園を認定する、その責任の重さを踏まえた適切な認定手続や、指導・助言、支援を行っていただきますよう申し添えまして、私の討論とさせていただきます。


3会派を代表して「こども医療費無料化条例」に反対
(橘泰三県議(公明党)の反対討論)

 私は、自由民主党、ひょうご・県民連合、そして公明党議員団を代表いたしまして、共産党提案の議員提出第24号議案、こども医療費の助成に関する条例制定の件に、反対の立場から討論を行います。
 親として子供の病気やけがほど不安でつらいものはありません。特に子育て経験の浅い若い世代の不安は大変なものです。加えて所得も低く蓄えも十分でない子育て世代にとって、待ったなしの不意の出費は大変な負担となります。
 そのような不安と負担を軽減する乳幼児に対する医療費の助成制度は、福祉的観点からも重要な制度であり、まさに公的支援にふさわしい施策であると考えます。
 本県の制度は、先輩議員の皆様を初め関係当局のご尽力により、昭和48年に1歳児未満を対象として制度化されて以来、対象年齢の就学前までの拡大や児童手当制度の所得制限緩和に伴う所得制限緩和の反映など、給付と負担のバランスを考慮しながら、長年の歳月と地道な努力が積み重ねられた歴史の上に成り立っていることを、まず申し上げておきます。
 そしてまた、制度の拡充は、急激な少子化のもと、喫緊の課題となっております。
 本県議会は、本年3月に少子化対策調査特別委員会を設置して、集中的な審議を行い、本定例会の開会日に山口委員長から議長に対し調査報告書が提出されましたが、そこでも、「提言1」の「経済的な支援」の「第1」に、「子育て家庭の経済的負担のみならず、心理的不安の払拭に大きな効果がある乳幼児医療費助成制度の拡充などが望まれる」と記載され、その実現を要望しております。
自由民主党、ひょうご・県民連合、公明党の3会派では、従前から本会議や委員会での質問、さらに来年度予算編成に向けた要望など、乳幼児医療費助成制度拡充の必要性を再三訴えてまいりました。
とりわけ我が会派は、公明党県本部として、去る11月30日に井戸知事に対して、乳幼児医療費助成制度の拡充を求める要望書を手壊し、署名した人々の願い、思いをぜひ正面から受けとめてもらいたいと要望を行いました。
 集まった署名数は123万288人で、これは599万県民の約29%に当たり、5人に1人以上が趣旨に賛同したこととなります。以上のように、多くの県民の方々が現制度の拡充を求めていますが、我々は、あくまでも財政事情を考慮し、当局と交渉を重ねつつ、市町議会との連携し、市町の対応のめどもつけつつ、予算化への努力をしていきます。
したがって、共産党提案の条例案に対する反対理由の第1として、予算上の措置が伴わず実効性がないことを、まず上げます。
 地方自治法第222条第1項は、条例案が新たな予算を伴うものである湯合には、必要な予算措置が的確に講じられることを前提とした規定となっており、これは議員提案条例においても、当然尊重されるべきことであります。
 このたびの共産党の条例案は、予算上の措置が一切講じられておらず、このような条例を提案することについては、全く無責任な提案と言わざるを得ません。
 第2に、唐突に条例化することの問題点を挙げます。乳幼児医療費助成制度は、市町との合意のもと、全市町に共通する基盤的な制度として、県と市町の共同事業として実施しています。県が一方的に条例を制定することは、基礎的自治体として半額を負担して、これを実施する市町の政策決定という自治権に制限を加えるだけでなく、拙速に合意の得られない条例案を提出すること自体に、特断の意図があるのではないかとの想像をめぐらさざるを得ません。
 以上のことから、共産党提案の議員提出第24号議案は、本県の財政状況を全く無視したまさにパフォーマンスともとれるものであり、賛同することはできません。
 いずれにしても、県予算のめどもなく、実施主体である市町の自主性や財政事情への配慮もない唐突な条例提案は、議会における議案提出権をもてあそぶものと言わざるを得ません。
以上、よって、自由民主党、ひょうご・県民連合、そして公明党の議員団は、反対の立場であることを改めて表明するとともに、子育て支援をはじめ少子化対策のさらなる推進に全力を挙げて取り組み、県民の期待にこたえる施策の実現をめざす決意であることを表明いたしまして、反対討論を終わります。


政務調査費の与党3会派案の賛成と共産党案の反対討論
(釜谷研造県議(自民党)の討論)

 私は、自由民主党、ひょうご・県民連合並びに公明党議員団の3会派を代表いたしまして、討論を行います。
 この3会派の共同提案の議員提出第25号議案、すなわち兵庫県政務調査費の交付に関する条例の一部を改正する条例制定の件につきまして、その改正内容と提案理由を説明いたしますとともに、共産党提案の議員提出第26号議案、すなわち兵庫県政務調査費の交付に関する条例の一部を改正する条例制定の件に反対の立場から討論を行います。
 このたび共同提案いたしました条例案の主な内容は、政務調査費についてのその使途について、一層の透明性の向上を図るため、会派や議員が収支報告書を提出する際に、領収書等証拠書類の写しの添付を義務づけることであります。
この問題につきましては、本年6月定例会におきまして、3会派を代表して私の方から、「本年度中には結論を得られるよう県議会として検討を進めていく所存であること」を表明いたしました。
 その後、各会派内で、また、共産党も入った各会派代表者会議において、各般の協議を重ねました結果、このたびの共同提案となったものでございます。
 今回、共産党の別案が提出され、改めて議論することになりますことは、まことに遺憾に思うことでございます。
 それでは、我々3会派の共同提案に関して、基本的な考え方と、改正の内容につきまして申し述べたいと思います。
 地方分権が進展していく中で、地方公共団体に課せられた役割は飛躍的に大きくなっておりまして、その中で議会の果たす責務は著しく増大してきております。議会がその機能を十二分に発揮するためには、議員や会派による政務調査活動の充実は不可欠なものとなっております。
 政務調査費は、これらの調査研究活動に資するために必要な経費の一部として交付されているものであり、ひいては議会の審議能力を強化し活性化を図るためのものであって、会派と議員にとって重要かつ貴重な基盤となっているところでございます。
 昨今、公金の使途が大変厳しく問われております中に、政務調査費もその例外ではございません。本県議会では、平成13年4月に条例を制定施行し、その後も透明性の確保に向けて改善を行ってまいりました。
 平成15年度には、収支報告書に何のための支出か明らかになるように、全国的にも例のない「主な支出の内訳」を(別紙)として添付することとして、使途に係る情報の、質と量の両方を向上させたところであります。
さらに昨年度には、使途につきまして、一層の厳格化を図るため、運用基準の明文化などにより、使途基準の明確化を行ったものでございます。
 今回、我々の提案いたします条例案は、来年の新議会の任期開始から収支報告書の提出に当たり、これまでの改善に加えて、1件5万円以上の支出について、領収書等の証拠書類の写しを添付するとともに、それを県民の閲覧に供することといたしまして、現行の制度をさらに前進させようとするものでございます。
 この領収書等の添付は、主たる支出の内訳を別途基準と、その運用指針に基づきまして、適切に記載されました別紙の添付と、あわせて実施することにより、一層の透明性の向上に相乗的な効果が期待できるものであり、すでに領収書添付を制度化しております都道府県議会と比べましても、最も先進的な制度であると考えております。
 次に、領収書の添付の範囲について一言申し上げます。
 県議会議員は、それぞれの地域の代表であるとともに、県民の代表として、県政全体に関しての責務を負っており、調査研究活動の範囲は、多様な地域特性を有する広大な県下全域に及んでおります。議員みずからが、各地域の実情や課題を調査すると同時に、国や他の自治体の動向や、社会の変化、行政へのニーズの変化等に即応していく必要があります。
このように県民に対して責任を負う議員や各派が行う政務調査活動は、多岐にわたり広域的に実施されているものでありまして、政治活動の特性として、本来は政治家である議員が、それぞれの判断と責任において自由に活動できることが原則であります。
 したがって、領収書添付の実施に当たりましては、さきに申し上げましたとおり、政務調査費についても、透明性の向上という社会的要請にこたえていく基本姿勢のもとで、政治活動の自由と公費支出の透明性の両立を図るべきであり、添付の対象として一定の範囲を設けて実施することが適当、妥当であるとの結論を得たのでございます。
 この領収書等の添付義務化とともに、今回の条例案では、現行規定は月額制で、月の初日に在職する議員に交付されることから、月の途中で新たに選出される議員には交付されない仕組みとなっているため、新たに選出された議員が、任期開始から政務調査費を活用して、積極的に政務調査活動を実施できるように、平成19年6月交付分につきまして、特例措置を設けることをあわせて提案いたしております。
 これは、使途の透明性だけでなく、政務調査費制度全体として、さらなる改善を図り、適切な運用をめざそうとするものでございます。
 以上、我々3会派が提案する条例案の基本的な考え方と改正内容を申し上げましたが、議員各位のご賛同をいただきたいと存じます。
一方、今回共産党が提案する条例案は、我々の提案と異なり、すべての領収書等の添付を義務づけようとするものでありますが、さきに述べたように、収支報告書の支出の内訳を別紙によって詳細に報告した上で、1件5万円以上の領収書等の証拠書類を添付する方法は、単なる領収書の添付だけではわからない使途につきましても明確になるのであり、全国的に見ても透明性の高いすぐれた仕組みと評価を受けているところでございます。
領収書の添付義務づけが透明性を確保する唯一の手段ではなく、領収書だけを見ても、会派や議員の活動内容が十分に明確になるものではございません。
 本県議会が透明性の向上の観点から積み重ねてきた改善の成果を全く評価せずに、領収書の公開のみが透明性の確保のための手段であるかのように主張する共産党の提案は、残念でなりません。
また、先ほど添付の義務化に当たりまして、政治活動の自由と公費支出の透明性の両立を図るべきだと申し上げましたが、共産党提案の条例案にて、その視点が欠如していると言わざるを得ません。
 以上のことや、各会派代表者会議において協議が重ねられ、大方の合意が得られた案に基づいて第25号議案が作成された経緯を無視して、理解が得られないことを承知の上で、あえて対案を提出されることは、議員に認められた権利であるとはいえ、パフォーマンスとしか評価できないもので、賛同することはできません。
 最後に、6月定例会の討論でも申し述べましたけれども、これからも、私たち自由民主党、ひょうご・県民連合、そして公明党の議員団は、政務調査費だけにとどまらず、議会としての政策提言、政策立案能力向上のための基盤整備や、監視機能の充実のため、この取り組みなど、幅広く議会機能を発揮するための改革を進め、さらに、開かれた県議会、そして県民の期待にこたえる県議会の実現をめざしていく決意であることを、重ねて表明いたしまして、討論を終わります。

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