第288回本会議で提案した意見書
障害者自立支援法の抜本的見直しを求める意見書(案)
障害者自立支援法が、本年4月から一部施行、10月から本格的に施行されるが、障害者・家族などから、自己負担やサービスの面で多くの懸念の声がだされている。
施行後4ヶ月の実態をみると、原則1割の応益負担を理由に、特に所得の低い人が通所施設などのサービス利用を控える傾向が顕著となっている。また、施設関係者などからは、日額の施設報酬算定への変更で経営が悪化、今後の運営に対する不安が高まるなど、障害者に大変厳しい環境となっている。
さらに10月から、新体系サービスに移行するグループホームや、地域活動支援センターに移行させられる無認可の小規模作業所は、報酬額などの低下により運営そのものが危ぶまれる施設も出てきている。
よって、国におかれては、障害者自立支援法を抜本的に見直し、下記の措置をとられることを強く要望する。
記
- 障害者が真に自立できる利用者負担の軽減策を抜本的に拡充すること。
- 事業者の報酬単価の引き上げ、日払い方式をやめること。
- 地域生活支援事業の予算の大幅な増額をすること。
以上、地方自治法99条の規定により意見書を提出する。
医師の大幅な増員を求める意見書(案)
医師不足は、県下各地で診療科の閉鎖という事態をまねき、住民・患者の命と健康を大変脅かしている。そもそも医師不足問題の根本原因は、「医師が過剰になる」からと1980年代から大学医学部の定員を減らし続けてきた政府の政策にある。国は2008年度からの「新医師確保総合対策」を発表したが、これは将来の医師の養成を前倒しするにすぎず、課題解決には至らない。
日本の医師数は国際的にみても少なく、人口千人あたりの医師数は、フランスやドイツの6割にすぎない。OECD(経済協力開発機構)加盟国の平均に比べると、日本は12万人も不足している。「医師数は基本的には足りている」との政府の認識は極めて不十分である。
しかも兵庫県は、日本の医師数の全国平均よりもさらに下回る医師しかいないのが現状である。
よって、国におかれては、これまでの政策を見直し、医師不足を解決するため、医学部定員の大幅な増員を行うとともに、医師養成の予算や体制を拡充し、医師の労働条件の改善にとりくむことを求めるものである。
以上、地方自治法99条の規定により意見書を提出する。
最低賃金の引き上げと全国一律化を求める意見書
都道府県ごとに定める最低賃金が、すべての都道府県で2円以上の引き上げとなった。しかし今、パート、臨時、派遣、請負などの不安定な雇用の増加のため、働く人たちの賃金水準が年々低下しているもとで、現在の最低賃金はあまりにも低い水準にある。
兵庫のように600円台の低い最低賃金では、フルタイムで働いても月収9万円から12万円程度にしかならず、憲法で保障された「健康で文化的な最低限度の生活」を支えることはできない。
ヨーロッパ各国での最低賃金は、平均賃金の50%程度で、全国一律の制度になっているが、日本は27%と大変低い水準である。しかも、全国的に一貫した仕組みでないため、賃金を社会的に底支えする制度になっていない。都道府県の格差をなくし、ナショナルミニマムを保障する最低賃金制度の法制化が求められている。
よって、国におかれては、国民生活の最低保障と景気の安定をはかるため最低賃金額を大幅に引き上げるとともに、全国一律の制度とするよう要望する。
以上、地方自治法99条の規定により意見書を提出する。 |