私は、日本共産党県会議員団を代表し、上程中の議案のうち、第167号、第168号、第171号、第177号、第178号、第182号ないし187号、以上11件に反対し、討論を行います。
農家切り捨て政策すすめながら、従来どおりの農業利水施設負担の矛盾
まず、第167号議案、国営加古川水系広域農業水利施設管理事業について市町の負担すべき額を定める件です。これは、加古川水系における農業水利施設管理費の一部を市町に負担させようとするもので、1990年から始まっています。国による「農業切り捨て政策」のもと、この16年間で耕作されていない農地が増えているにもかかわらず、多額の管理費を単純に農地面積によって算出し、市町や地元農家に負担を求めることは反対です。本来、国が一体的総合的に管理責任を負うべきものです。
見直しが必要な事業について
次に第168号についてです。わが党はこれまでも基本的に特定の地域にのみ受益をもたらす特定の事業については、過重にならない限り一定の負担を求めることはやむを得ないと考えていますが、一つは、不要不急の事業、環境破壊につながる事業、地元で反対したり紛糾している事業は中止すべきと考えています。たとえば、県営基幹林道工事や、通行時間をわずか3分間短縮するため18億円もかけて建設している浜坂漁港トンネル工事などです。また、1億円で詳細設計を作成し、急いですすめようとしている緊急街路整備事業の園田西武庫線は、三菱電機(株)構内に18メートル幅の道路を横断させるものですが、総事業費174億円にものぼり、財政難の地元に巨額の負担をもとめることになり、事業そのものを見直すべきです。さらに氷ノ山自然学習歩道整備事業は地元や自然保護団体から様々な意見があり、それらの意見を十分尊重することが重要です。
2つには、災害復旧や防災にかんする事業は県の責任においておこなうべきであり、地元に負担を求めるべきではありません。たとえば、防災ダム事業や18市5町で進めているため池整備事業、急傾斜地対策事業などは地元負担を求めるべきではありません。
3つには、必要な事業であっても広域的で不特定多数の県民が利用する施設等について、たとえば、広域農道整備事業、鉄道高架事業や街路整備事業等、地元負担を求めるべきではありません。
次に171号議案、楽農生活センター(仮称)施設整備事業業務委託契約変更の件です。わが党は、昨年6月議会で総事業費9億5200万円の巨額を投資してレストランなど豪華な施設を建設しても採算制など見通しがないことなどを指摘して建設そのものに反対しました。今回、委託先のみどり公社が具体的に入札を実施した結果、3000万円の減額になったとして契約変更を行うものですが、わが党が指摘した問題の解決にはなっていません。県民に農業を楽しんでもらおうとするのであれば、豪華なレストランなど「箱物」建設よりももっと手軽に農業に親しめる「貸し農園」などの整備に力を注ぐべきです。 自動車専用道路の見直し、トンネル談合疑惑企業のはいった契約を白紙に
第177号、第178号議案の2件、余部道路に関する議案です。
この道路は、地域高規格道路の「鳥取豊岡宮津自動車道路」で、鳥取県鳥取市を起点とし、兵庫県豊岡市を経由し、京都府宮津市につながる延長120キロメートルの自動車専用道路です。「冬季の円滑な交通を確保」のため新たな道路が必要といいますが、なぜ莫大な費用をかけ、自動車のためだけの高規格道路が必要でしょうか。本来、地域住民、歩行者や自転車が利用できることが必要であり、生活道路の整備こそ求められています。
なお、177号議案については、落札したのが和歌山県発注のトンネル工事をめぐり談合疑惑のある、株式会社間組(ハザマ)を中心とする共同体です。もし、逮捕され書類送検となれば契約は解除されます。このような状況で議案の提案そのものが問題ではないでしょうか。本来、白紙にもどし事業そのものを見直すべきです。
県営住宅の建て替えで住宅戸数を減らすな
最後に第182号議案ないし第187号議案、県営住宅建設工事業務委託締結の件です。
私たちは、県民に住みやすい環境の住宅を供給するという点で、県営住宅の建設戸数をふやすことをこれまでも一貫して求めてきました。しかし、県営住宅の建設を住宅供給公社に業務委託することで、地方公共団体としての責任が果たせなくなることや、議会のチェックが出来なくなること、また、公営住宅建設の蓄積された技術などが継承されないことなど重大な問題があります。また、今回の提案で、姫路の日の出住宅の住宅戸数を増やす計画は認められますが、他の5団地において、建て替え前より209戸も減らす計画になっており、県営住宅の応募が数十倍と多くの県民が入居を望んでいるなか、建替えで戸数を減らすのは賛成できません。
以上、議員各位のご賛同をお願いし、討論を終わります。ご清聴ありがとうございました。 |