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本会議 第288回本会議請願討論 筒井もとじ
2006年9月27日

 私は、日本共産党県議団を代表し、請願第138号ないし第140号、第142号、第143号について不採択ではなく採択を、第15号および第141号について継続ではなく採択を求め、討論を行います。

政務調査費の領収書添付は当然

まず、第141号「政務調査費の領収書等証拠書類の添付、公開を求める件」であります。
私ども議員団は、6月議会で、政務調査費の使途について領収書の添付を義務付ける条例提案を行いました。その後の経過を見ても、県民の政務調査費、議員活動への関心がますます高くなっています。
県民のくらしや営業が、増税や社会保障の削減によっていっそう厳しくなり、貧困の増大、格差社会への不満の高まりが広がっています。このような中で、税金の使い道に厳しい目が集まるのは当然であります。
自らの政務調査費の使途について、領収書添付は当然のことであり、最低限必要なことであることは論を待たないところであります。
議会として今期中に結論をだそうと検討が行われているいまこそ、本請願を継続でなく採択し、議会の意思を明確にすることが必要であります。採択を求めます。

第15号「若者の政治参加を広げる18歳選挙権の早期実現を求める意見書提出の件」についてです。2003年6月の議会に提出されて以来、継続となっており、わたしたちは賛成の理由をのべ採択を求めてきました。18歳選挙権が世界の大勢となっており常識となっていることは以前にも述べたとおりです。継続でなく採択を求めます。

米国に日本と同等のBSE対策を求めよ

請願第142号および第143号「米国産牛肉の輸入再開に伴う食の安全性を求める意見書提出の件」であります。
日米首脳会議や世界貿易機関(WTO)の交渉をにらみ政治決着が優先され米国産牛肉の輸入再開がされましたが、消費者の不安はぬぐいきれていません。
1月に輸入が再びとめられたのは、BSE(海綿状脳症)の原因物質がたまりやすい背骨が牛肉に混ざっていたからでした。今春、香港や台湾で混入牛肉が見つかり、韓国も米国での安全管理を信頼できず輸入再開をためらっている中でのわが国の輸入再開であります。また、輸入再開後米国はBSE検査の頭数を現行の10分の1に減らすことを発表し、ますます不安がひろがっています。
政府に求められているのは、何よりも徹底した情報開示であり、米国の施設調査の結果を包み隠さず国民に報告すること、水際での違反の発見のため検疫の強化と情報の開示も必要であります。原産地表示も生肉以外でも強め外食店での表示も義務づけられるべきです。
以上の観点から、日本と同等のBSE対策を米国に求めることおよび原産国表示の義務化を求めること、それらが行われない米牛肉の学校給食への使用を禁止することを求める本請願を採択されることを主張します。

豊かな障害児教育を

次に、教育に関する三件の請願に移ります。
まず第138号、教育条件を整備し、豊かな障害児教育の実現を求める件であります。
いま、障害児教育の重要性やその願意については常任委員会でも異論のないところであります。
しかし、願意については認めながら、請願項目が多いことやこれらを実施する財政事情から実現の可能性を疑う意見が出されたやに伺っております。
しかし、1万人をこえる署名がつけられた請願であり、議員各位に再考を願い、不採択ではなく採択を求めます。
なお、採択できる項目を取り上げ一部採択として採決することができるわけで、趣旨採択、部分採択という方向は本議会においてもぜひ取り入れるべきであります。

過疎地の高校の学級減をせず地域を守る

第139号、「村岡高等学校の一学年三学級の復元を求める件」についてです。
過疎少子化地域からの訴えに心を動かされない議員がいるでしょうか。請願の要旨の中にある「都会に比べて多くのハンディをもつ児童生徒から教育の機会均等を奪うのは筋違いであり。教育に過疎があってはならない」この言葉に胸を打たれます。
村岡高校一校の地域問題ではなく過疎地の小中高の児童生徒すべての問題が提起されていると受け止めるべきであります。
全国的にも、私どもの調査では、10近い県で過疎地の高校の30人・35人以下の学級編制がすすんでおり、大きな流れになっていくものと思われます。地域のともしびとして高校を充実させたい、すばらしい高校にして地域を守ろうとの取り組みです。これが村岡高校PTAを含め関連小中学のPTA、否、全地域住民の願いとなって7484名という人口の8割もの署名となっているのです。これを地域の問題で請願になじまないなど形式で不採択とするのですか。特例区のように議員数だけ確保すればよいのですか。議員各位の良識に訴え請願の採択を求めます。

教育基本法の改悪ストップを

最後に、第140号「教育基本法改正法案の廃案を求める意見書提出の件」であります。
9月25日、毎日新聞の片隅にあるコラム欄「憂楽帳」に湯谷茂樹氏の次のような文章が出ていました。紹介すると、「子どもたちと読んでみようと、『絵本 教育基本法 11の約束(ほるぷ出版)』を購入しました。『世界がもし100人の村だったら』の著者池田香代子さんらが前文と11条からなる教育基本法をやさしい言葉におきかえ、温かな絵にのせて紹介しています。敗戦の2年後につくられた法律です。戦争を繰り返すまいと民主主義や平和に資する教育をとの熱い思いも伝わってきます。前文はこのように紹介されています。『私たちは日本国憲法を作り決意を明らかにしました。民主主義の国を作ろう、文化豊かな国を作ろうと。そうすることで世界の平和とすべての人々のしあわせのためつくそうと。その実現はひとえに民主主義を支える人々が育つかどうかにかかっています』。
教育は多くの課題を抱えています。自民党は教育基本法を変え、『愛国心』を注入しようとしていますが、問題解決のためには充分力を果たせているとはいえない11の約束の実現に力を注ぐことのほうが大切との思いを強くしました」以上がコラムの紹介です。
日の丸・君が代の実施を命じている公教育の現場で従わない権利を認める司法判断が下されたのはつい先ごろでした。脅しで人の心に踏み込むのはおかしいと明確に示した判決の内容でした。教育は不当な支配に服してはならない教育基本法10条に違反すると明確に認めた判決でした。
 子どもの非行や学力問題を前向きに解決するのに、教育基本法を変える理由はどこにも存在しません。人間の心―内心を法律でしばってはなりません。
「何をどのように愛するか」は個人の精神の最も自由な領域にあるものであり、国家が決めることではありません。教育の自由で自主的な営みによってつちかわれるものです。また、政府はまず来年度から全国一斉学力テストを実施するといいます。この旗振りをした中山前文科大臣は、もっと教育にも競争原理を導入するためだといいました。できる子、できない子にふるい分けられる子どもたちの心に思いをはせないのでしょうか。今必要なのは子どもがわかるまで教えてもらえる学校―教育基本法に基づく教育こそが求められています。
 憲法を変えて日本が海外で戦争する国になったら愛国心で戦争に協力する、弱肉強食の競争経済で負け組みになっても文句を言わず働け―国策に従う人間づくりがねらいの教育基本法改悪 教育は人格の完成をひたすらめざすべきで国策のための人づくりであってはなりません。
「教育基本法改正案を廃案にすることを求める国への意見書提出を求める」本請願を採択することを強く求め、私の討論を終わります。

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