道路特定財源の「確保」でなく、国民の福祉等に使える一般財源化こそ
私は日本共産党県会議員団を代表してただいま上程されました、意見書案第79号「道路特定財源の確保と道路整備の促進を求める意見書」について反対し、その理由について討論を行います。
わが党はこれまで、道路特定財源を一般財源化して、年金など、福祉の充実に充てることを主張して参りました。
確かに、揮発油税を特定財源にした50年前は、国道や県道の舗装率は15%にすぎず、自動車交通不能区間は1万6000kmもあるなど、道路整備を急ぐ必要性に一定の根拠があったことは事実です。しかし、今や舗装率は96%に達し、日本の道路密度はイギリス・フランスなどヨーロッパ諸国の2〜3倍にもなり、道路整備を急ぐ緊急性は薄れてきたと言えます。国民の中でも、「これ以上の高速道路が今、必要なのか?」という声が多くなり、「無駄な高速道路を造らない」との看板を掲げて道路四公団が民営化されましたが、実態は、四全総で示された「高速道路総延長1万4000km」を造り続ける枠組みがつくられ、そのために「道路特定財源の確保」が叫ばれてきました。
年間5兆円を超える税収が、もし道路のためだけに使わないといけない「特定財源」のままであれば、無限に道路を造り続けることになってしまい、財政破綻と環境破壊が取り返しのつかないものになってしまうでしょう。
もちろん、生活に密着した地方道路について、渋滞対策、交通安全対策、バリアフリー化や環境対策などは引き続き行う必要はありますが、これらは、道路特定財源でなくとも一般財源を使って十分実施することが出来ます。また、そうなれば他の施策と比較しながら総合評価の上で優先順位を決めて、建設の是非が判断出来ることになります。
今議会でも話題になった「格差社会」の拡大は、県民の中にも暗い「陰」を落とし、障害者お年寄りへの福祉施策の充実や少子化克服のために「子育てへの財政的支援」が求められています。道路特定財源を一般財源化して福祉施策などにも活用することは国民の切実な願いに応えることになります。
以上の理由から、「道路特定財源制度の維持」や、「高規格道路ネットワークを国の責任において整備」することを求める本意見書には反対であります。
議員各位のご賛同を期待して討論を終わります。 |