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本会議 第286回本会議請願討論 毛利りん
2006年3月27日

 私は、日本共産党県会議員団を代表して、請願態度について討論を行います。今議会は、継続審議 4件を含め、12件の請願を審議しましたが、第128号ないし第132号、第134号、第135号の7件を不採択でなく採択を、第15号は継続ではなく採択を主張し、以下その理由を申し述べます。

指定管理者による利用料金値上げ問題 

 まず、第128号「東播磨地区小型船舶係留施設への指定管理者制度導入に伴う利用者本位の管理運営の充実を求める件」第129号「指定管理者制度の導入を見合わせることを求める件」についてです。
  これらはともに、東播磨地区小型船舶係留施設の指定管理者制度導入に伴う利用料金に関すること。また、制度導入を見合わせることなどが要望されたものです。この施設は利用料金制が導入されており、2年後には2割程度の利用料金の値上げを予定しています。
  これまでは、船の係留施設といえば、高級なイメージがありますが、この地区は中古を安い値段で買うとか、グループで1隻を購入するなど勤労者や年金生活者が海づりなどを楽しみとした小型船舶の保有数が増加しています。僅かな値上げでも、利用者にとっては大きな負担です。
  値上げを前提とした指定管理は中止し、本請願は採択すべきです。

保育充実の予算の増額を

 次は、第130号「保育所充実の予算増額を求める件」です。
  少子化対策が、国民的課題であることは誰もが認めるところであり、県としてもその重要性を認識した結果、少子化対策局をたちあげられたのです。
  若い世代が働きながら子育てをする時の保育所は必要不可欠であり、保育所自身が地域にはなくてはならない児童福祉施設であることも言うまでもありません。
  しかし、保育所不足で入所希望を出してもなかなか入れない。やっと入所出来ても、保育料が高いなど安心して子育てできる状況にはなっていないのが現実です。
  県下でも3歳未満時の保育料が月額8万円というところもあります。今子どもを育てることは本当に大変です。
  「子育てしやすい兵庫」をめざし、若い世代の期待に応えるためにも、保育料軽減など保育所充実の予算増額を求める願意は当然であり、採択を求めます。

最低保障年金制度は世界の流れ

 次は、第131号「最低保障年金制度の創設を求める意見書提出の件」です。
  今日の年金制度の最大の問題点は、低額年金、無年金者の人々が膨大な数にのぼっていることです。国民年金しか受給していない高齢者は、910万人にものぼり、その受給額も月平均4万6000円。2〜3万円代の受給者も少なくありません。さらに、国民年金の保険料未納率が約4割に達し、免除者、未加入者も含めると、保険料を払っていない人はすでに1000万人を超えています。また、厚生年金でも、企業倒産、リストラ、雇用の非正規化で、加入事業者がこの5年間で約7万社も減少するなど、深刻な空洞化が年金制度全体にひろがっています。
  それらを抜本的に解決するために、最低保障年金制度の創設が今切実に求められています。
  最低保障年金は、いまや国際常識であり、先進国の殆どは設けている制度です。
  だから、国連でも社会権規約委員会において日本政府に対し「締約国(すなわち日本)の年金制度に最低保障の規定がない」ことを指摘、その制度化を勧告しているのです。
  真に人間らしいくらしと老後の保障を求め、安心して高齢期を過ごすためには、どうしても最低保障年金制度の制定が必要との願意は当然であり、制度創設を求める意見書提出の請願は不採択ではなく、採択を求めます。

「命の格差」ひろげる医療大改悪に反対を

 次は、第132号「患者負担増計画の撤回を求める意見書提出の件」についてです。
  今国会に提出された医療保険制度改革法案の特徴は、第一に高齢者、重症患者が通院でも入院でも医療費の大幅値上げとなっていることです。
  第二の問題は「必要な医療はすべて保険でおこなう」という公的保険の原則を崩し、保険外診療と保険診療の併用を認める「混合診療」を本格的に導入しようとしていることです。
  これが実行されれば、新しい医療技術や新薬を利用したり、手厚い治療を受けられるのは、お金がある人だけとなり、そうでない人は保険医療だけで我慢するということになります。まさに「治療の格差」「命の格差」をつけるものです。
政府はこのまま医療費が増大すれば財政が破綻するといいます。しかし、OECDの調査によれば、日本の医療費はGDP比で7.9%と先進国30ヶ国中17位で欧米に比べても低い水準です。逆に日本で突出しているのは患者の窓口負担の多さです。
  "すべての国民は、貧富の格差にかかわりなく医療を受ける権利を持っている。国はその権利を保障する義務を負う。"これが憲法25条の精神です。
  むしろこの間、削減されてきた医療への国庫負担を計画的に元に戻すことや、高すぎる 薬価や医療機器にメスを入れることなど改革すべきことは多くあります。
  よって本請願は不採択ではなく、採択を強く求めます。

多様な担い手を支援する農業施策こそ

 次は、第134号「品目横断的経営安定対策の中止を求める意見書提出等の件」です。
  米価や野菜、くだものなど生産者価格が低迷しています。農業の働き手と農家の後継者不足、耕作放棄農地の増大が急速に深刻化し、集落の維持すら困難な事態がひろがっています。
  農業・農村の危機は、食糧自給率の低下だけでなく、地域経済と国土・環境の破壊など、国民の生活基盤に深刻な影響を与えています。
  担い手の対象となるのは、都府県では、4ヘクタールの大規模認定農家と20ヘクタール以上の集落営農で、5年以内に法人化されるものに限定しています。これにより、県下では9割以上の家族経営が切り捨てられる恐れがあります。また、大規模農家など「担い手」にとっても、国際競争に勝ち残るどころか、米価暴落の影響をもろに受け、農業所得は26%も減少し、経営の維持すら困難になっています。
  しかし、地産地消をすすめる中で、地域住民や消費者と協力して、少量他品目生産、有機栽培などを農家が切り開いてきています。地域全体で生産を維持するため多様な共同を発展させることこそ重要です。
  品目横断的経営安定対策を中止し、意欲ある全ての農家を対象に価格保障と多様な担い手を確保する施策を強めることを求める本請願は不採択でなく、ぜひとも採択し、食料自給率向上と日本の国土と農業を守るよう求めます。

35人学級・少人数学級の促進を

 次に、第135号「小学校3年生、4年生の35人学級を新年度に実施することを求める件」です。
  昨年の11月本会議で、小学校4年生までの35人学級を知事が真摯に検討すると表明され、県民に大きな喜びをもたらしました。ところが、一転、国の第8次教職員定数改善が見送られたことを理由に新年度は2年生までの実施にとどまっています。
しかし、県の一般会計のわずか0.07%(14億円)で実施できるのです。 
  小学校3・4年生といえば、学習面では具体的な思考から発展し、抽象的なもので思考するための基礎学力の定着が必要となります。そのため、授業に集中させる大切な時期であり、一人ひとりに教師の目が行き届く環境が求められています。
  知事が実施を見送ったために35人を超えるクラスになる児童が新3年生で約2万人、新4年生で1万7000人と4万人近い子どもたちが少人数学級教育を受けられないのです。 
  ある市教委がまとめられた「新学習システム研究員講座」の冊子の中でも、「教育効果をあげるためには・・根本的には現行の学級定員40人を35人〜30人に引き下げることが重要ではないかというのが現場の教員の本音である」と書かれています。
  今こそ、本会議で知事、教育長が答弁された内容で実施するように、議員総意でその実現を求めていこうではありませんか。よって、本請願は不採択ではなく採択を強く求めるものです。

18歳選挙権の意見書の採択を

 最後に、第15号「若者の政治参加を広げる18歳選挙権の早期実現を求める意見書提出の件」についてです。
  本請願は今期議会が始まった2003年6月議会に提出されて以来、2年9ヶ月が経過しています。私たちは前議会でも賛成理由を縷々述べ、採択を求めました。日本政府が批准した子どもの権利条約、児童の権利に関する条約でも、「18歳未満のすべての者を」子どもと定義しています。世界の流れや日本の社会状況を考えれば、いつまでも態度を曖昧にせず、請願者に議会の態度を明確にすべきです。よって継続ではなく採択を主張します。
  以上、議員各位のご賛同を心からお願いをし、私の討論を終わります。ご静聴ありがとうございました。                         

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