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本会議 第286回本会議一般質問 杉本ちさと
2006年3月1日
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少子化対策

若者の正規雇用拡大のための対策を

■質問■ まず初めに、少子化対策について質問します。
  少子化の急激な進行は、いま抜本的な対策をとらなければ、10年後、20年後では対応できないとして、仕事と子育ての両立支援の強化や、抜本的な財政支援の必要性が各方面から指摘されています。合計特殊出生率は全国平均1.29まで落ち込み、本県はさらに1.24 と全国レベルにも達していません。まさに、本県にとって少子化対策は喫緊の課題です。
 少子化対策に成功した国として注目を集めているフランスでは、この10年間に出生率を1.65から1.92まで回復しています。出産から育児、保育、教育など働き続けながら安心して子育てができる支援策が講じられています。
  ところが、わが国では、若者のあいだに出産どころか結婚ができない深刻な労働実態、経済実態があります。若者の2人に1人がパート、アルバイト、派遣などの非正規労働者と総務省の労働力調査にもあり、ハローワークの求人の約4割が派遣か請負の仕事で、自由に労働形態を選択できる状況ではありません。また、年収も15才から34才までの正規社員は平均385万円ですが、非正規労働者は平均140万円と半分以下です。わたしたちの周りにも、「いつ仕事がなくなるかわからない」不安の中で「結婚なんて考えられない」とあきらめや失望の青年が多くいます。その背景には、労働法制の規制緩和で、派遣労働者を拡大してきた国の雇用政策があります。また、県は多様な就業形態を支援するとしてパートやアルバイト、派遣などを多様な選択と、事実上、雇用の格差拡大をすすめてきました。
  県下の企業への働きかけ等、この間、雇用対策に一定の前進はみられますが、少子化対策の視点から、正規雇用の拡大がとりわけ重要と考えます。
  そこで、県内企業の正規、非正規などの雇用や賃金の実態調査を行うとともに、少子化対策としてハローワークとの連携も含めて若者の正規雇用拡大のための対策を求めますが、いかがですか。

▼答弁▼井戸知事: 派遣労働は派遣先企業で一定の期間以上働く場合は正規雇用に採用しなければならないことや身分的には派遣企業の職員であることなど、単なるアルバイトとは異なります。私は新しい働き方の一つであると考えてもいます。
  さらに県としてこれまで推進してきたワークシェアリングやコミュニティビジネス等の取り組みは雇用機会を確保するとともに就業者のニーズに応じた多様な就業機会を提供したものでもあります。なお、最近の若者の晩婚化は経済的負担も要因でありますが、古くから一人口は食えぬが二人口は食えるとも言われておりますので、そのような意味では若者たちにも明記してほしいなとこのように願っています。
  さて、若者の自立という観点でありますが、産業の競争力の維持強化という観点からも正規雇用の拡大にはいっそう努めていく必要があると考えます。これはご指摘の通りです。本県のハローワークの新規求人に占める常用求人の割合は一時5割台半ばまで落ちておりましたが、平成17年度末には60%台になっておりまた今春の新規高校卒業者の求人倍率も1.26倍になるなど正規雇用を増加させる動きが顕著になってきました。
  こうした動きを持続加速させるためひょうご経済雇用再生加速プログラムに基づき本県の強みを生かしたモノづくり産業や地域産業の活性化、企業誘致活動の強化、関係市町やハローワークとの連携による若者仕事クラブの拡充や兵庫仕事情報広場の活用によります新規開拓あるいは能力開発による若者等による就職支援の充実により安定雇用に努めてまいりたいと考えます。
  なお正規雇用、非正規雇用の実態については、就業構造基本調査や賃金構造基本統計調査などを活用して、把握することができますが、必要な場合には聞き取り調査などを行ってまいります。

学童保育の充実を

■質問■ いま、共働き家庭や母子・父子家庭が急増し、また、こどもが事故や犯罪に巻き込まれる不安が増すなか、働くことと子育てを両立するための学童保育の必要性、重要性がますます高まっています。
  学童保育は1997年に法制化され、「保護者が労働等により昼間家庭にいない」児童に「施設を利用して適切な遊び及び生活の場を与えて、その健全な育成を図る」と目的が明確にされました。働く親の切実な願いを背景に学童保育は増えつづけ、2005年5月現在で、兵庫県下には、小学校820校のうち、627ヶ所に学童保育が設置されています。ところが、入所希望者の増加で、希望する児童が入所できないなどの問題が山積しています。私の地元姫路市のある学童保育では、毎日70人前後の保育をしていますが、40人定員の専用施設に午後4時になると子どもたちがみんな集まってきます。天気の良い日は校庭で遊ぶ子どももいますので、何とかやっていけるけれど、雨の日にはみんないっしょに狭い施設で過ごしています。もう1つ施設がほしいと願っています。また、県下の21市町では土曜日に開かれていません。開所時間も午後5時までとする所が10市町もあり、やむをえず二重保育をしなければいけない事例も数多くあります。指導員の労働条件も大変劣悪です。
  学童保育の充実を求める声が大きくなるなか、埼玉県では施設整備や運営基準を明記した「放課後児童クラブ運営基準」が策定され、また、長時間開設加算や指導員配置加算など県独自の補助対策を拡充する都道府県が増えています。ところが、本県では国基準を下回る少人数クラブの支援だけで他府県に比べても大変遅れていると指摘せざるをえません。学童保育の必要性、重要性がますます強調されているなか、本県でも、学童保育の配置基準、施設基準、指導員の身分保障など、県として独自の設置・運営の基準を明確にした行動計画を策定することが必要と考えますが、答弁を求めます。

▼答弁▼下野健康生活部長:放課後児童クラブいわゆる学童保育でありますけれども、おおむね小学校3年生までの小学校低学年児童を対象に保護者が労働等により昼間家庭にいない方を対象として学校保育所などで適切な遊び場あるいは生活の場を提供する事業であります。クラブの開設日数や利用児童数の一定の要件を満たすもの加えて長時間受け入れ障害児受け入れには加算措置がとられるそういった国庫補助制度が設けられております。本県におきましてはクラブ開設当初に開設日数や利用児童数が国の補助基準に満たない小規模クラブに対して補助をするということによりまして市町における放課後児童クラブ設置を促進しているところであります。
  この放課後児童クラブにつきましては今年度次世代育成対策推進法に基づきます市町行動計画の主要事業とされたことから市町におきましては、開設時間の延長、土曜日の開設、ボランティア等の地域子育て人材の活用、イベント等による地域交流などを取り入れた行動計画を策定してきておりまして県としても指導助言してまいったところでございます。本事業は地域の福祉施設等有効に活用して実施するものでありまして全県的に画一的な基準を設けるということは困難であるために市町毎の基準による設置を促し、次世代育成行動計画を策定する際、各市町の状況に応じた計画に設置数を掲げるように指導してきております。今回策定する兵庫こども未来プランにおきましては、放課後児童クラブを主要事業に位置づけまして数値目標を掲げております。
  また、一時保育、ファミリーサポートセンター事業などの地域の特性に応じた子育て支援の充実も図っていくこととしております。前のページへ戻る

姫路城を生かした観光施策を

■質問■ 姫路城は、1993年に奈良の法隆寺とともに、日本ではじめて「世界文化遺産」に登録されました。姫路城は、安土桃山時代から江戸時代にかけて、日本独自の城郭建築の技術が最高潮に達した時期の最も完成された城と言われ、外観の気品,意匠の巧みさなど芸術的にも城郭史上の頂点にたつものです。別名・白鷺城と呼ばれ、1601年に池田輝政が築城を開始して以来400年にわたり、天守閣群をはじめ城郭建築がほぼ築城当時の美しい姿で現在に伝えられています。また、防備と攻撃を熟慮した堅牢な構造で、戦国時代の英知をいまに伝えています。城を中心に左廻りの螺旋式縄張りで城下町を築き、中世ヨーロッパに見られる城郭都市にも似た、機能的な都市計画も施されました。
  このように、大変に価値のある姫路城にもかかわらず、訪れる観光客は毎年70万人余りですが、最近は外国人の観光客が、なかでも台湾、韓国、中国などアジアからの観光客が4割ぐらい増加するなどの特徴があります。
  今、観光立国が提唱され、観光産業のもつ潜在的な力は、今後急速な発展が見込まれるとして、政府も観光を今世紀の重要な戦略に位置付けています。本県においても、昨年11月、知事が京都府、大阪府の知事とともに、中国北京市に観光客誘客のためにトップセールスを行うなど観光振興を強調されています。
  さて、姫路城が兵庫県にとって、唯一の世界文化遺産であり国内はもちろん国際的な観光資源ですが、県の観光産業政策に姫路城がその値打ちにふさわしい位置付けになっているでしょうか。私は大変疑問に思っています。たとえば、県が作成したポスター「おもてなし兵庫」には、出石や城之崎温泉、手塚治虫記念館など9箇所が写真入りで紹介されていますが、姫路城は載せられていません。また、国内向けパンフレット「おでかけひょうご」をみましても、姫路城は県内の数ある観光地の1つとして紹介されているにすぎず、その値打ちにふさわしい表現や位置付けになっていません。
  観光産業は経済活性化や文化の向上、地域の人々の連帯も強めるなど波及効果は大きなものがあります。スペインは、人口4100万人に対して5200万人の外国人観光客が訪れる観光大国ですが、観光振興を国が推進すると同時に、地域の魅力を最も良く知っている地方自治体が、主体的に地域に応じた誘致活動を企画,推進するなど、地域の最も重要な経済政策の1つとして、独自に展開している点に特徴があるといわれています。
  兵庫の元気を作り出す重要な施策として観光産業の発展は欠かせません。姫路城周辺には、寺町、同心町、大工町、塩町、魚町、豆腐町など城下町当時の地名が今も残され、土塀や濠、神社、町並みなどが数々残っています。また、伝統文化の祭り屋台を生かした集客イベント「ザ 祭り屋台in姫路」を実施するなど市民も観光に努力をしています。姫路城を生かした観光振興に県としても主体的に取り組むことを求めたいと思います。また、お城の耐震問題も出ており、姫路城の保存、未来への継承は国、県、市の責任でもあると思います。
  そこで、県の観光振興施策の中で、県内唯一の世界文化遺産、国際観光資源の姫路城を、その値打ちにふさわしい位置付けで宣伝、企画するなど、姫路市と協力して観光対策を推進することを求めますが如何ですか。

▼答弁▼井戸知事:  姫路城は本県における最も重要なツーリズム資源の一つであり外国人に関心を確認しても本県において一番魅力のあるスポットは姫路城だと言われています。この折角の世界文化遺産の活用や周知をさらに行うべきだとのご指摘はまさにその通りです。ご指摘のポスターにはその作成主旨により入れていませんが、姫路城など兵庫姫路の魅力のピーアールにこれまでも努めてまいりましたし、これからもおおいに売り込んでまいります。 
  今後も地産池消とにぎわいづくりのための定期的な朝市の開催など地域の取り組みを支援していきましたり、旅行エージェントの招聘による魅力ある旅行商品づくりを促進しましたり、観光地のガイドブックの作成などわかりやすいピーアールや地域情報発信に取り組むほか、映画やテレビのロケ誘致を推進したい。特にこれらはクルーの宿泊や撮影経費などが直接地元に落ちる効果だけではなく、その後ロケ地訪問という事後の誘客スポットにもなりますのでこれらを推進するフィルムコミッション活動をさらに展開して魅力発信に努めてまいります。そして姫路城完成400年にあたります平成20年には兵庫の特色である洋菓子と和菓子との共演によります第25回全国菓子大博覧会が姫路で開催されますのでこれを支援するなど姫路の魅力を最大限生かした交流人口の拡大を推進してまいります。しかし、観光は点だけでは大きな期待はできません。広域的な観光ルートの開発や外国へのPRが不可欠であります。また、内外のイベントや会議の誘致も必要です。
  さらに姫路という町のかもしだす雰囲気をつくらなければならないと考えています。街づくりが問われます。3月27日から53万という新生姫路市がスタートいたしますが新しい姫路を造るためにも県も力を合わせて努力をしてまいります。前のページへ戻る

にしはりま環境事務組合のごみ処理計画について

■質問■ 平成15年8月に当時の西播磨11町が事務組合を設立し、兵庫県ごみ処理広域化計画に基づき、播磨科学公園都市にごみ処理施設建設を計画しました。この間の市町合併で、にしはりま事務組合11町の枠組みは無くなり、現在は宍粟市、たつの市、上郡町、佐用町、安富町の2市3町で構成されています。今、この計画について、各地で矛盾が噴き出しています。
  旧新宮町は龍野市と合併し、ごみはこれまで通り揖龍クリーンセンターに運べばよい、テクノに持っていく必要がない、税金の無駄な出費になると住民は反対しています。
  また、安富町も合併する姫路市が網干沖に450tの大規模ごみ処理施設の建設を進めており、市当局は「安富町のごみは計画中の西はりま施設に搬入しない。そのため建設費も負担できない」と言っていました。
  地球環境を守るため、ごみの減量化は重要課題ですが、我が国も循環型社会を形成するためリデュース、リユース、リサイクルのいわゆる3Rを促進しています。従来の「ごみ処理の広域化・焼却炉の大型化」方針が、ごみの分別・減量化・資源化に逆行するなか、国は補助金交付の適用を広域的な大型100t以上のごみ処理施設から、小規模のものにも適用するなど施策を変更しました。 
  ところが、県は、広域化と大規模施設建設方針を継続指導し、西はりま環境事務組合は旧11町の広域化枠組みを維持することに固執、昨年の8月には早々と流動床式ガス化溶融炉に決定するなど、先に建設ありきで、計画をすすめています。
  今年1月、姫路市加入について、3回も調整会議が副知事をはじめ県幹部が立会者となって行われ、姫路市とたつの市は、はじめの建設期間4年間と搬入期間7年の11年間だけ、にしはりま環境事務組合に加入すること。その後は脱退し、清算時に姫路市とたつの市の建設負担金は考慮することなどの確認書がとりかわされました。旧11町枠組みに固執するあまり、姫路市やたのつ市も巻き込み、さらに上郡町と合併協議を行っている赤穂市にも影響を及ぼしかねないなど大きな矛盾を引きおこしています。なぜ、姫路市民やたつの市民が、ごみ処理できる施設を持っているのに、西はりま新施設の負担までするのか、納得ができません。
  また、11年後には、姫路市とたつの市が脱退するため、残された小さな宍粟市と佐用町などに、施設建設負担金やランニングコストの負担が全部のしかかることになるのではありませんか。建設費用は少なくとも数十億円以上となります。こんな道理のない計画を県が主導してすすめていることに、不信が広がっています。旧11町の枠組みによる、広域ゴミ処理施設建設計画がすでに破綻していることは誰の目にも明らかではありませんか。県はこの計画を白紙にもどすことにこそ調整すべきことではありませんか。ごみ処理は、処理区域が広くなればなるほど、住民の関心は薄くなり、ごみの減量化は進みにくくなります。広域化でなく、自分たちのごみは自分たちの地域で処理をするという基本が大切と思います。
  そこで、県は広域化計画をやめ、ごみ減量化の計画に抜本的に改めるとともに、にしはりま環境事務組合のごみ処理施設建設計画をきっぱりと白紙にもどすこと、そして各自治体ごとのごみ処理計画の検討のし直しを求めますが如何ですか。

▼答弁▼井戸知事: 平成11年に策定した兵庫県ゴミ処理広域化計画では、ゴミ処理の広域化を推進し24時間連続運転できる一日当たりの処理量50トン以上の炉2基、計100トン以上の焼却施設の整備をすすめることとしています。ダイオキシン類の排出抑制等の環境保全対策、リサイクルの効率性や経済性等から見てこの基本的な考え方は現在も変えていません。施設規模につきましては、1基一日40トンの程度でもダイオキシン対策が可能な技術開発が行われておりますので、規模につきましては柔軟に対応していくことができます。
  ご指摘の西播磨環境事務組合についても、自治体毎に小さな施設を整備する場合特にダイオキシン対策を考えると徐煙剤を使い炉温を高くした後に焼却を開始するため経済的に大きなロスが見込まれることから、関係市町は24時間連続運転が可能な一日100トン程度のゴミ量を確保する旧11町の枠組みを堅持することとされたものです。そして、市町合併の協議に際し西播磨環境事務組合に加入することを条件に合併協定書を締結されておられます。今回は姫路市竜野市をはじめ全関係市町、事務組合の要請に応じ調整を行ったものでありまして、その結果すべての関係市町の合意が得られており、西播磨環境事務組合の計画を白紙に戻す必要は全くありません。今回の確認書では、姫路市、たつの市については、11年間の組合加入および廃棄物搬入枠の取得は決まっていますが、その後の扱いは再協議することとなっておりまして、脱退が決まっているわけではありません。
  以上私からの答弁とさせていただきます。前のページへ戻る

環境問題

東芝太子工場の土壌汚染問題について

■質問■ 次に企業の環境汚染、公害に対する県の指導、監督について質問します。
  1つは、東芝太子工場の土壌汚染問題についてです。             
東芝とキャノンは、1800億円を投資してSEDパネル生産工場を東芝太子工場跡地に建設する予定です。これに対し県は、産業集積条例に基づき50数億円もの補助を行おうとしています。
  ところが、土壌汚染調査をしたところ、発ガン性物質のトリクロロエチレンが環境基準値の1万7000倍、テトラクロロエチレンが同230倍、フッ素とその化合物が同100倍以上などいずれも高濃度の有害物質が検出され、住民に不安と衝撃が走りました。
  東芝太子工場はこれまでも、1971年、1983年と、カドミュウムとトリクロロエチレンなどで地下水や上水源が汚染されるなどの事態が発生しています。しかし、東芝は、汚染源で有ることを認めず寄付金という形で太子町に除去対策経費を納めるなどの対応ですませ、徹底した調査や対策が行われませんでした。
  更に1998年には、工場の地下水から環境基準の100倍以上ものトリクロロエチレンが検出され、汚染が続いていることが明らかになっています。
この時わが党県議団が本会議で取り上げ徹底した対策を求めたのに対し、県当局は、詳細な調査と対策を行い、一層効果的な浄化対策を指導していると答弁しています。
しかし、今回の有害物質の検出で、これまでの対策がいかに不十分だったかが明確になりました。高濃度の汚染が解決されず数十年も続いてきたことに対して、東芝と県の姿勢は厳しく問われなければなりません。
東芝は、これまで汚染の因果関係を明確に認めず、抜本的な浄化対策を怠り、企業の生産を最優先させてきたのです。また、県は「法律による規制を上回る自主的な環境保全対策を事業者に促す」ことを目的に臨海部の主な事業所と「公害防止協定」を結んでいます。ところが、東芝太子工場とは「地元・太子町から要請がなかった」ことを主な理由に公害防止協定が結ばれていません。県は、東芝に対してこれまでの対応が不十分であったことを認め反省すべきではないでしょうか。その上で、次のことを求めたいと思います。
1つは、東芝が行っている調査及び対策に第3者の専門家による立ち入り調査を実施することです。
2つには、新工場建設に当たって、着工前に新工場で製造する製品名と使用する薬品や、有害物質の品名、使用量、処理方法、防除対策等を明らかにさせ、県、町及び東芝との間で「公害防止協定」を結んで万全を期すべきと考えますが知事の明確な答弁を求めます。

▼答弁▼下野健康生活部長: 次に企業の環境汚染、公害に対する県の指導監督についてのうち、東芝太子工場の土壌汚染問題についてであります。太子町におきます昭和68年のトリクロロエチレンによります地下水汚染につきましては、翌年上水道への切り替えを完了しますとともに、県としては太子町と連携いたしまして用水浄化処理など事業者によります汚染除去対策を講じるなどの対策を講じてきました。この間、水道水源におきましては、水道事業者が定期的に水質を監視しておりますし、また定点観測によりまして飲料水の安全性が確保されていることの確認を行ってきております。
  今回の旧工場撤去にあたって判明した工場敷地内の汚染につきましては、事業者自らが周囲に影響を及ぼさないように対処していくべきものでありまして、県といたしましては事業者が必要に応じて専門家の意見も聞きながら適切に対処するよう今後とも指導していくつもりであります。
  また、県として周辺におきます水質監視を継続し、飲料水の安全性の確保に万全を期していきます。環境保全協定につきましては、硫黄酸化物、窒素酸化物およびCODなども排出量削減することを主目的としてきたものでありますが、新工場との協定につきましては太子町とも協議をしながら検討していきたいと考えています。前のページへ戻る

新日鐵広畑製鉄所の六価クロム廃液について

■質問■ 次に、企業の公害問題でもう1つ、新日本製鉄広畑製鉄所の問題でお尋ねします。
  昨年11月2日、姫路海上保安署は、新日鐵広畑製鉄所が県の基準を超える六価クロムを含んだ廃液を海に流したとして水質汚濁防止法違反の疑いで書類送検しました。
  1年前の05年2月19日、タンク内の廃液水位が上昇したため、担当者が錫メッキ工場からの送水をストップするよう連絡したにもかかわらず、責任者が従わなかったため、発ガン性物質の六価クロムが排水口から海に流出しました。
  発ガン性などのある重金属の流出は、人体はもとより、漁業など産業にも計り知れない悪影響を及ぼす重大問題であり、海上保安署が厳しい措置を執ったことは当然です。ところが、同製鉄所は、この重大な事故を姫路市と海上保安署には翌日報告しながら、「環境保全協定」に基づく報告義務のある県には報告していませんでした。県は、事故発生から9ヶ月後に、海上保安署の書類送検の新聞報道を見て初めて事故を知りました。  
環境保全協定には、報告義務とともに、地域住民も参加した「環境保全協議会」を設置し、報告を受け、同製鉄所への立ち入り調査が出来るとしています。更に、県・市はこの「協定」の履行状況を確認のため、職員を製鉄所に立ち入らせ、検査若しくは調査し、事業者に対して報告を求めることが出来る権限を定めています。
  今回、この「環境保全協定」がまったく機能していないことが明かとなりました。大企業には甘いといわれても仕方がありません。現在、県下各地で企業の土壌汚染などが明かとなり、県民の不安が高まっている中で、改めて「環境保全協定」を実効有るものに生かしていくことが求められています。
  そこで、新日鐵広畑製鉄所の今回の事故について「環境保全協議会」を直ちに開催し、住民参加で調査、検討を行うと共に、県としても立ち入り調査を行い、今後の再発防止対策を指導すべきと考えますが、知事の明確な答弁を求めます。
  
▼答弁▼下野健康生活部長: 次に新日本製鉄広畑製鋼所の廃液流出問題についてであります。平成8年に姫路市が中核市となった際に公害関連の規制権限はすべて姫路市に移管されたために、環境保全協定につきましても姫路市と事業者との二者協定として締結することを提案したところでありますが、同市から広域的な問題に対応するために県も当事者として残ってほしい旨の要請がありまして、県としては広域的な事業について関わっていくという役割で3者協定を継続したところであります。     
  ご指摘の新日鐵の問題につきましては、事故後直ちに環境保全協定に基づき姫路市に報告をされ同市の指導のもとに対策が講じられてきているところでありますが、ご指摘の事故は廃水処理場の廃液槽から廃液がオーバーフローしたものでありまして、流出量は約1立米の漏洩と見込まれております。直後に周辺海域4箇所で測定いたしましたところ六価クロムは検出限界濃度0.02PPMでありますがこれ未満であったということから行政権限を有する姫路市および事業者の広域的な影響は及ぼさないと言う判断のもとに県に報告がされなかったものというふうに認識をいたしております。また再発防止のために姫路市が同社に対し適切な指導を行っておることから県としてはその後問題は生じていないという認識に立っています。前のページへ戻る

2女性殺人事件について

■質問■ 最後に、私の地元姫路でおきた2人の女性が殺害された悲惨な事件についてです。何よりも被害者の方々、ご遺族の方々に心からの哀悼の意を表し質問に入ります。
  この事件は、昨年1月10日、姫路に住む23歳の畠藤未佳さんと同級生の女性が覚醒剤を使用する相生市の男の自宅で殺され、身体をバラバラにされ姫路港や上郡町周辺の山に遺棄された事件です。兵庫県警は「一応の捜査は遂げた。新しい事実が出てこなければ再捜査はない」との態度を取っていますが、この事件の捜査状況には問題点がいくつかあります。
  その第1は、初動における対応が不十分だったことです。「今年は元気でがんばるよ」との電話の言葉をご両親に残し、被害者・未佳さんの連絡は途絶えました。殺される3日前、1月7日のことでした。ご両親は、娘さんの部屋がすぐ戻るような状態から、不審な「失そう」と直感し、すぐに姫路署に「探してほしい」と届けましたが、警察は単なる家出人扱いをして動きませんでした。そればかりか「家出人は年間1200人いるんや。たいしたことない。そんなん自分で探さんかい」などの暴言まではいたのです。このとき、警察がちゃんと対応をしてくれていたのなら、こんなことにならなかったかもしれないとご両親が思われるのは当然ではないでしょうか。
  第2に「特異家出人」として認定されてからも警察はそれにふさわしい扱いをしなかったことです。「特異家出人」は単なる家出と違い、生命の危険の恐れがあるとして、県警本部長の指令下で捜査にあたることになっています。ところが、県警本部長に報告さえされていませんでした。男の車のナンバーをはじめ情報を全て警察に知らせているのに、警察はきちんと捜しませんでした。結局犯人の住所をつきとめたのは、ご両親と友人を通じて知り合った元刑事の飛松さんでした。通報でやってきた警察官は、犯人宅に入りましたが、「別の女性はいたが、娘さんはいなかった」とわずか数分で捜査を切り上げてしまったのです。殺害現場の犯人宅には、手錠やスタンガンなど監禁用具やツルハシなどもありましたが調べていませんし、床下を掘るなどの捜査も行っていません。男は覚醒剤取締違反容疑で逮捕されましたが、未佳さん殺害容疑での逮捕は、さらに4ヶ月も後のことで、遺体も一部しかみつかっていません。このような警察の不十分な捜査にご遺族が許せないと怒り、再捜査、再捜索を強く望んでおられるのは当然です。 
  今回、着任された県警本部長は先の警察常任委員会で「ご遺族の心情を考え、非礼な点があったこと、実務能力が不足している点があったことについては充分承知しているので、これらを踏まえて適切に対応していきたい」と答弁されましたが、警察の対応は何も変わっていません。これだけ被害者にとっても、ご遺族にとっても捜査のあり方に納得のいかないことはありません。
  県警が本当に反省をしているというのなら、また、ご遺族に対する被害者支援、心のケアをするというなら、再捜査、再捜索をすることこそが県警のいう「適切な対応」ではないでしょうか。
  ご遺族の方々そして何よりもこれからの素晴らしかったであろう人生を無残に断ち切られた被害者の無念さに応えて、誠意ある本部長の答弁を期待し、私の質問を終わります。

▼答弁▼末井警察本部長: ご質問の事件は被害者の方が所在不明になっていることを警察が把握した段階で既に殺害されていたという経緯があったものではございますが、本事件に関する姫路警察署の対応につきましては、これまで警察常任委員会におきましても答弁をしてまいりましたが、ご遺族に対し礼を失した対応があり関係職員について実務能力という点で改善をすべき点が認められるなど、ご遺族の心情を害したものと認識をしております。今回の対応を踏まえ職員の意識改革や職員の実務能力の向上については引き続き特に力を注ぎたいと考えておりますが、ご遺族に対しては関係団体と連携してのカウンセリングの実施など今後とも出来うる限りの支援を継続することとしております。なお現在事件は公判中でございまして、その過程において調査すべき新たな事実が出てまいりますれば当然捜査をおこないますが、県警察と致しましては法と証拠に基づき捜査は遂げたものと考えておりご理解をいただけたらと存じます。前のページへ戻る

再質問

■質問■ 再質問を2点させていただきます。
  警察の問題ですが先ほどの答弁では、再捜査再捜索とも必要がないとも受けとれます。質問の中にも指摘いたしましたけれども、本当にちゃんと捜査されていません。つるはしの問題も言いました。またスコップはそばにありましたけれども、床下の土を掘りかえすとかそういう殺害現場の捜査に対して本当に徹底して行われていないと言うのが客観的に見てもわかります。風呂場や下水などもちゃんと見てほしい。調べるべきではないでしょうか。今のままでは、本当に不十分だと思います。そしてご遺族が再調査、再捜査と本当に望まれているのは当然だと思うんです。また1月の警察常任委員会では、各会派がこのことを要求しています。言うならば議会全体の総意であり県民の声だというふうに受け止めいただきたいと思うんです。 そういう意味でも本当に真摯に受けていただいて再調査再捜索をやっていただきたいと、再度答弁をお願いします。
  もう一点は西播磨ゴミ処理建設計画についてです。先ほど知事は答弁されました11年後に脱退するとも何とも決まっていない。また、各市町間で責任者が合意をした。私は、確認書を見せていただきましたが姫路市、竜野市は、当分の間、西播磨環境事務組合に加入する。一番の確認事項です。その当分の間とは11年間。きちっと明記をしてあるんですね。建設期間そして搬入期間7年そういう状況が書いてあります。そして姫路、竜野市はそれぞれ加入期間のバックアップ効果なども考慮をして脱退をすると、脱退をするというよりも、考慮をして清算をすると。そういう方法まで確認書に書かれています。このことは何も脱退することが前提ではないという答弁とあたっていません。再度答弁お願いしたいと思います。そして白紙撤回すること自体が一番矛盾を解消する最大の一番の方法だというふうに思います。再度答弁をお願いします。

▼答弁▼井戸知事: 11年間入ると書いてあります。当分の間。そして、止める時は、清算時に考慮をする。当たり前のことです。しかし、11年で脱退するとは書いておりません。関係者が協議をするということになっている。そのことを事実に即してお答えしました。

▼答弁▼末井警察本部長: 先ほど申し上げました通り事件は現在公判中でございまして、その過程において新たに捜査すべき事実が出てまいりますれば当然捜査を行うというのが私たちの立場でございまして、法と証拠に照らし捜査は遂げたものと考えておるところでございます。 
  捜索の関係でございますが、山中に、4月、昨年でございます。4月10日から22日間にわたりのべ419人を動員し海中につきましては4月14日から17日間にわたり延べ468人を動員をしてそれぞれ実施をしたところでありますが、捜索開始が死体遺棄から約3カ月経過していたことにより残念ながらご遺骨の発見にいたらなかったもので、県警としても相当の人員と期間をかけて努力したことにご理解をいただきたいと存じます。なお殺害現場である被告人の自宅において徹底した捜索及び検証を実施しておりますが、自宅において死体を遺棄した痕跡は認められなかったものでございます。

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