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第285回本会議請願討論 新町みちよ
2005年12月20日

 私は日本共産党県会議員団を代表して、請願についての討論を行ないます。
今議会で審議された請願のうち、第54号ないし第56号、第111号、ないし第113号、第115号、第118号ないし第125号は不採択ではなく採択を、第15号は継続でなく採択を求め以下その理由をのべます。

乳幼児医療費の無料化を

 まず、請願第111号 乳幼児医療費の無料化を求める件についてです。
 乳幼児は抵抗力が弱く病気にかかりやすい上、病気の進行も早いなどから、早期治療の大切さは言うまでもありません。子どもが病気になった時、お金の心配なく病院に連れて行きたい、子育て世代の強いねがいです。
 そのため乳幼児医療費無料化の運動は大きく広がり、中学生まで無料化の自治体もでています。国も今年4月の母親たちの要請に、尾辻厚生労働大臣は乳幼児医療費無料化に向け「何がやれるか考えてみたい」と前向きな姿勢です。
 兵庫県が「行革」で改悪した後も県下の自治体では、2歳、3歳まで無料にするなど、引き続き制度化されているところもあります。
 子育ての強力な支援策として、乳幼児医療費を通院・入院とも無料にとの本請願の採択を求めます。

最低保障年金制度の創設を

 次に請願第112号 最低保障年金制度の創設を求める意見書提出の件です。
 国民年金未納者は、2003年度で445万人、免除者と未加入者を加えると1000万人をはるかに超えるといわれます。このまま放置すれば、現在でも60万人以上といわれる無年金者はますます増えることになります。
  また、現在の年金者のうち、約900万人が国民年金のみの受給者で、満額でも月額6万6000円、平均では4万6000円しかありません。
 国連社会権規約委員会は2001年、日本政府に対し最低年金額が定められていないところから「国民年金制度に最低年金導入」を勧告していますし、今年7月、指定都市市長会は「高齢者層に対する生活保障制度の創設」が必要とし、「無拠出制で最低年金制度創設」を提案したところです。
 また、基礎年金の国庫負担の二分の一への引き上げについては、国会で1994年に全会派一致で可決されています。
 すべての国民に老後の生活を保障するため、全額国庫負担の最低保障年金制度の創設と基礎年金の国庫負担を直ちに2分の1にすることを求める本請願は、採択し国に意見書を提出すべきです。

障害者への「応益負担」の中止を

 請願第113号 障害者の福祉・医療サービスの利用に対する「応益負担」等の中止を求める意見書提出の件についてです。
 このたび成立した障害者自立支援法により、福祉サービスの利用料が原則1割負担の「応益負担」となりました。このため、障害が重ければ重いほど負担も重くなります。多額の利用料が払えなければ利用を断念しなければなりませんが、さらに施設利用の食費・医療費・水光熱費・個室利用料も全額自己負担となります。また利用する本人だけでなく同居家族の所得も含まれるため、親・家族の負担を増やし、法の名とは逆に障害者の自立を大きく阻むものとなっています。
 「応益負担」制度の導入や食費、居住費などの自己負担中止などを求める本請願は採択の上、意見書を国に提出するよう求めます。

生活保護等の国庫負担削減中止を

 次に、請願第115号 生活保護と児童扶養手当の国庫負担削減の中止を求める意見書提出の件ついてです。
 生活保護についての国庫負担は削減を見送られましたが、児童扶養手当の国負担は、来年度より、4分の3から3分の1に減らされるとしています。これにより、兵庫県では約3億円、市は85億円程度の地方負担が見込まれると発表されています。  
 児童扶養手当は、1961年の児童扶養手当法の成立により、母子家庭の「生活の安定と自立の促進」「児童の福祉の増進を図る」目的で支給されてきましたが、これまで再三にわたり改悪されてきました。
 現在、母子家庭の平均所得は年間234万円、一般家庭の4割以下と低く、常用雇用も39%でしかありません。法の目的どおり母子家庭の生活の安定と子どもたちの自立のため、国がいっそう責任を持つべきであり、国庫負担の大幅削減の撤回を求めた本請願の採択を求めます。

切実な教育にかかわる請願の採択を

 次は教育にかかわる請願について述べます。
 まず、教育予算の増額について、義務教育費については、国庫負担が2分の1から3分の1に削減され、8500億円減額されます。これを税源移譲でまかなえるのか。また、国による地方交付税の総額抑制などもあり、保障されるものではありません。請願趣旨どおり義務教育費国庫負担制度は今後とも堅持すべきです。
 父母負担の軽減も切実です。
 リストラや倒産などが相次ぐ中、県下でも経済的理由により、給食費が払えない家庭や高等学校の中途退学、進路変更を余儀なくされる生徒が増えています。
  県の教育予算の増額で、就学援助や授業料減免、奨学金制度の改善が必要です。
私学でも深刻です。入学時には数十万円、月々4万円を超える負担に、修学旅行参加を辞退する生徒も増加しています。高校だけは卒業させたいは親の願いです。
 「行革」で削減された経常費補助など私学助成の大幅増額で父母負担を軽減と、教育条件の改善を求めています。
次に、少人数学級についてです。
 国民の強い要求である少人数学級は、全国45道府県にひろがっていますが、国の制度が40人のままで、財政的保障がないため、本格的な実施に至っていません。
 学力世界一のフィンランドでは、一クラス20人程度で、30人以下学級は世界の当たり前の流れとなっています。 県も来年度から、小学校4年生まで35人学級を検討するとのことです。
子どもたちに行き届いた教育と確かな学力、豊かな人間性を育むため、小中学校全ての学年までの拡大と30人学級の早期実現を求めるものです。
次に「高校改革」についてです。
総合選抜制度は、高校全入運動の高まりのなかで、学校間の序列なく、地域の子どもたちが地域の高校に通える制度として定着してきました。しかし、県は「高校改革」として総合選抜制度を廃止し、学校間格差を「多様化」「特色化」として合理化し、序列を復活する「複数志願制度」を導入するとしています。
  競争でなく、平等と共同の学びが保障される優れた制度である総合選抜制度は堅持されるべきです。西宮今津高校総合学科への改変についても地域の意見をくみ上げ再検討するよう求める願意は当然です。また、西宮北部地域には高校が一校もないことから要望どおり普通科高校の新設をすすめるべきと考えます。
  尼崎稲園高校全学級単位制の中止については、尼崎中学生の内54%しか市内の高校にいけない状況で、県教育委員会は、すべて全県学区としないとして市の総選枠分は残すと約束してきたものです。地域の子どもたちが通学できるよう総選枠は堅持すべきです。
  教育にかかわる請願11件についてのべましたが、すべての子どもたちにゆきとどいた教育をすすめるため、国・県の教育予算の増額と教育環境や条件整備などを要望するものです、不採択でなく採択を強く求めます。

 最後に請願第15号 若者の政治参加を広げる18歳選挙権の早期実現を求める意見書提出の件については、世界140カ国以上で、18歳選挙権は実施済みで世界の大勢となっています。サミット参加国で未実施は日本のみ、アジアでも少数となっています。日本でも住民投票は18歳から実施されております。
  本請願は2003年6月に提出されたものであり、継続でなく直ちに採択し、国に意見書を提出すべきものです。
  以上、今議会にも福祉や教育、医療など県民から切実な請願が多く寄せられました。一つひとつの請願に込められた県民のねがいに心寄せ、ぜひとも採択に賛同されますようお願いし討論を終わります。ご静聴ありがとうございました。

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