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本会議 第284回本会議反対討論 中村まさひろ
2005年10月06日

 私は日本共産党県会議員団を代表して、ただいま上程されました意見書案第63号「第二名神高速道路および大阪湾岸道路の早期整備を求める意見書」に反対し、その理由を申し述べます。

  今月一日、道路四公団が民営化されました。
  民営化の当初の看板は「無駄な高速道路を造らない」という事でした。ところが今や、国と地方の税金投入と新たな借金で「第四次全国総合開発計画(四全総)」の総延長1万4000キロメートルまで高速道路建設をしつづける枠組みが作られてしまったのです。

  公団の累積債務40兆円も、今後不採算の高速道路を造りつづけるなら借金はいっそう膨らみ、甘すぎる需要予測や金利想定とあいまって破綻が目に見えています。結局、そのツケ払いに国民の血税が投入される危険性を誰も否定できないのです。

  さらに、橋梁工事をめぐる談合組織に加わっていた企業の出身者が、西日本・東日本両高速道路株式会社の会長に納まっています。公団が民営化されると同時に情報公開法の対象からはずされ、国の出資比率が二分の一を下回れば、官製談合防止法や入札契約適正化法の適用もされなくなります。すなわち民営化そのものが、国民の目から公団の実態を隠し、腐敗と癒着を一掃する上で大きな障害になることは明らかです。

  しかも、本意見書案で要望されている第二名神高速道路の計画は、第4次全国総合開発計画で位置付けられたものですが、総事業費3兆5501億円にもなります。箕面〜神戸間だけでも22キロメートルで4659億円と1キロメートルあたり212億円もの巨費を投入する計画です。しかし四全総で課題とされた名神高速道路の渋滞等については、天王山トンネルの複数ルート化や京滋バイパスの供用により複数ルートが確保され基本的に解消されています。そのことは、昨年5月の国会で国土交通省が「名神と京滋バイパスに加えて『三重のルート』となる第二名神は、その建設効果が極めて低く、需要見通し等も含め考え直すことが必要になった」と答弁していることからも明らかです。意見書案の中で述べられている中国自動車道の神戸・吹田間の渋滞は、宝塚西トンネルの手前で急に上り坂になっているという構造上の問題点であり、わざわざ新たな高速道路を造らなくとも一定の「改良」ですむと指摘されているところであります。さらに、県内を通過する予定の第二名神道路沿線は、川西から西宮までほとんどが自然環境豊かな地域であり、この中を高速道路が横断すれば新たな、重大な環境破壊を生み出すことは間違いありません。沿線住民の不安も大きなものがあります。

  また、大阪湾岸道路西伸計画については、8期、9期事業を合わせると21キロメートルの区間で総事業費7000億円といわれていますから1キロメートルあたり330億円にもなる事業です。

  事業の費用対効果も疑問視されている中いまだに住民合意もなく、排気ガス対策や景観など環境問題も解決していません。

  採算性からも、環境の点からも重大な問題点を抱えた高速道路の建設促進のため、本来、兵庫県議会における意見書提出は「全会一致」によるものとするルールを不当にも破り、わが党の反対を押し切って、強行採択しようとすることは絶対に許されないことであります。

  以上の点から、第二名神高速道路および大阪湾岸道路西伸部の早期事業化を求める意見書には反対であることを強く主張して討論を終わります。

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