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本会議 第284回本会議請願討論 毛利りん
2005年10月06日

 私は日本共産党県会議員団を代表し、請願第109号、第110号の不採択に反対し採択を、請願第15号、第54号ないし第56号は、継続ではなく採択することを求め、討論を行います。

 まず、請願第109号「教育条件を整備し、豊かな障害児教育の実現を求める件」です。
  いま、国はLD、ADHD、高機能自閉症の子どもたちへの「特別支援教育」を行おうとしています。このことは極めて切実な要求です。ところが、これまでの数倍もの子どもたちを対象とする施策であるにもかかわらず、従来規模の障害児教育の予算・人員のままで対応しようとしていることは大問題です。これでは障害児教育に対する十分な保障ができないどころか、教育の質が大きく後退することになりかねません。
  本県の障害児の増加に見合った教育条件整備が常に後追いになってきたことにより、「知的障害養護学校」における長時間通学・過大過密問題の深刻な状況が長年にわたって続いています。本請願で要望されている「必要な地域に新しく知的障害養護学校をつくること」については、わが党議員が今議会でも質問で求めましたが、他会派の議員からも要望の声が上がっています。採択こそ求めるべきではないのでしょうか。

  さらに、障害児学級、通級学級の充実の問題です。
  近年のノーマライゼーションの浸透の中で、通常学校にある障害児学級が果たしてきた役割は大きいものがあります。さまざまな学年、障害の程度の異なる子どもたちが、適切な生活集団、学習集団を作り上げ、全校の子どもたちとも交流を深め、障害児教育の全校的取り組みの拠点となる役割を充分果たしています。また、LD等の子どもたちが必要とする通級教室の充実も大切です。ところが、現在、軽度発達障害に対応している通級教室は、全県でわずか41教室という状況です。しかも地域に偏りがあり、まだまだ、要望に応えられていません。しかし集団生活に対する困難性を持つ発達障害の子どもたちに、マン・ツー・マンできめ細やかな個別指導が行われているところでは、成果が上がり、父母や通常学級の教師たちにも大変歓迎されています。そのような障害児学級や通級教室の教育条件整備は当然の要望です。
  現在の障害児教育制度は、長い歴史をもち、関係者のたゆまぬ努力の中で作り上げられた大切な財産です。本請願にある障害児教育に関わる教育内容はもとより、施設、設備の充実、卒業後の就労支援など障害児の抱える課題解決を行政に求め、さらなる障害児教育の発展を求めているもので、
願意は当然であり採択すべきです。

 次に、第110号「30人以下学級実現を求める意見書提出の件」です。
  いま、不登校の増加、いじめ、学級崩壊、学力低下など、子どもと教育をめぐる状況はかつてない困難を抱えています。このような状況を解決するには、一刻も早く一人ひとりに行き届いた教育が必要とされています。先日発表された、文部科学省の「教職員配置等の在り方に関する調査研究協力者会議」の中間報告案でも、少人数学級について、「子ども同士の学びあいがより深まって学習指導がより効果的なものへと変わる」と、その効果をようやく認めました。また、少人数学級実施校への文科省の調査で生活面でも「不登校やいじめなどが減少」「基本的な生活習慣が身につく」など成果が上がっていることが明らかになっています。世界をみても「学力世界一」で注目をあつめるフィンランドでは20人前後で、学級規模を小さくすることが、多様な子どもたちをフォローし、児童、生徒一人ひとりに合った指導を行うことにつながっています。イギリス、フランス、アメリカ、ドイツなど欧米諸国は学級平均人数20人台でOECD諸国のうち、40人学級はなんと日本と韓国だけとなっているのです。
  県はいまだに「画一的実施には課題がある」という口実で踏み切ろうとしませんが、次代を担う子どもたちへの財政支出を拒むことは許されません。効果も認められ、世界の趨勢ともなっている30人以下学級への学級編制基準の改善と、財政的保障を国の責任で行うべきとの願意と、意見書提出の要望は当然です。不採択でなく採択を求めます。

 次は、第54号ないし第56号、「義務教育費国庫負担制度の堅持を求める意見書提出の件」3件についてです。
  国が教員給与の半分を負担する「義務教育費国庫負担制度」が、「三位一体」改革で危機に瀕しています。この間、この制度を守ろうと、日本PTA全国協議会、全日本教職員組合や日本教職員組合などの教職員組合、各種の全国校長会など数多くの団体が立ち上がり、全国紙の意見広告には、ノーベル賞の小柴昌俊さん、ユニセフ親善大使の黒柳徹子さんも登場しました。そして、つい3日前に開かれた中央教育審議会・義務教育特別部会で義務教育の費用負担のあり方について議論がなされました。その中では、市区町村教育長の85%が廃止に反対していること、また、「義務教育費国庫負担金の堅持を求める意見書」を提出した市町村議会が38.7%にものぼったことが報告され、委員から「教育における分権推進と、国の義務教育費確保は矛盾しない」「国庫負担金を一般財源化すると、教職員が確保されるのか、毎年心配しなければならない」と国庫負担堅持を求める意見が、大勢を占めました。いよいよ今月・10月末の答申にむけ大詰めを迎えています。
  各会派が紹介議員になっていながら、この時期になっても、未だに国の動向を見ると「継続」を続けるのは、あまりにも無責任ではありませんか。強く採択を求めます。
 
  最後に、第15号「若者の政治参加を広げる18歳選挙権の早期実現を求める意見書提出の件」についてです。
  本請願は今期議会が始まった2003年6月議会に提出されて以来2年4ヶ月が経過しています。私たちは前議会でも賛成理由を縷々のべ採択を求めました。いつまでも態度を曖昧にせず、請願者に議会態度を明確にすべきです。世界的にみて、選挙制度をもつ171カ国のうち141カ国がすでにみとめているように、18歳選挙権は世界の常識となっているとき、継続ではなく採択を主張します。
 
  以上、議員各位のご賛同を心からお願いをし、私の討論を終わります。ご静聴ありがとうございました。

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