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本会議 第284回本会議一般質問 ねりき恵子
2005年9月30日

 私はアスベスト被害対策を初め、地元の問題について学校と地元問題について質問いたします。

建設関連従事者の労災認定の緩和を国に要望せよ

■質問■ まずはじめに、アスベスト被害についてです。
先の代表質問でも指摘したとおり、アスベスト被害拡大の責任は有害と知りつつ使用してきた企業とそれを容認した政府にあります。アスベスト問題で県民のあいだに大きな不安がひろがっているなか、県民の安全、安心を確保するためよりいっそうの対策強化が求められています。
  まず、建設関連従事者へのアスベスト被害対策です。アスベストの90%が建設資材に使用されており、その関係者は全国で1000万人に及ぶともいわれています。私は72才の大工さんからお話を聞きました。中学校を卒業後、鹿児島から兵庫に出てきて以来50数年間、建設関連の仕事についてこられました。数年前から体調を崩して仕事が出来なくなり、近所の病院に診てもらっていましたが悪くなるばかりで昨年、専門の病院で診察を受けたら、中皮腫と診断されました。入退院を繰り返していますが、今では家の2階から1階におりられないほど病状は悪化しています。仕事は、個人であちこちの現場に行っていたので、何処でアスベスト被害にあったか、特定できずアスベスト被害者でありながら労災の認定が難しいといわれてきました。先日、ようやく労災の申請の話しがはじまったところです。
  建設業に携ってこられた多くの従事者は、原因が特定できないため労災申請ができず自分もアスベストの被害を受けているのではないかと大変心配されています。さらに、事業主は制度上原則的に労災に加入できません。
  今後、発症者が増えると予想される建設関連従事者に対して、労災認定がなされるよう基準を見直すことや事業主にも労災に準じた救済支援がとられるよう政府に要望するとともに、県独自でも率先して対策を講じることを求めます。

▼答弁▼ 井戸知事:まず、アスベスト対策についてです。建設関連従事者への救済支援についてお尋ねですが、中小企業事業主や一人親方などの自営業者についても、特別制度がありまして加入でき、労災保険による救済ができる仕組みとはなっています。しかしながら、加入していても一般的事故や原因が特定できないという理由で、労災申請ができない方や多く労災に加入していない方々の救済が課題になっています。
  このため、労災認定の弾力的運用について国に対してひつような措置を要請しておりますが、現在労災保険の運用におきまして、アスベスト暴露に対する迅速な事実認定がおこなわれる措置がとられているところです。また、労災保険の時効が設立した方々家族及び周辺住民など、労災保険がうけられない被害者の保障についても、あわせて要望しております。国におきましても、新たな法的規則値の基本的な枠組みが固められて、新しい法律を制定すると検討なされていると承知しております。つきましては、今後ともアスベストによる健康被害の実態を把握し、11月までに調査を行い被害者に対する保障にむけ、国に対し情報提供してまいります。

民間施設のアスベストの調査体制の強化を

■質問■ 次ぎに、民間施設のアスベスト対策についてです。街には、アスベスト吹きつけの建物ではないかと思う民間施設を多く見かけます。しかし、本当にアスベストかどうか一般の市民はよくわかりません。そのため不安が増大します。県は8月に行った調査で、昭和55年以前の1000平方メートル以上の民間施設のうち吹き付けアスベストが364棟あったと公表し、それへの対策が行われているといわれました。しかし、1000平方メートル未満の民間施設についてはまったくどうなっているのかわらず、その対策は相談窓口を強化するとのことですが、それでは不充分と指摘せざるをえません。過去に1970年代、石綿使用の有害性が明確になっていたにもかかわらず、実態調査をはじめ徹底した対策がとられませんでした。今、アスベスト被害の実態調査を大規模にかつ徹底して行うことが大変重要です。現状では、アスベストの有無を検査する専門機関も県内で数カ所しかなく、結果がでるまでに3週間から1ヶ月もかかっています。
  また、検査だけで数万円以上の費用がかかります。大規模に民間施設のアスベスト検査をすすめるためには、もっと気軽に早急に対応できるようにしなければなりません。
  そこで、少なくとも民間施設について実態調査を徹底して行うとともに、それを推進するための調査体制を強化し、簡易検査方法も含めた検査体制の確立と費用助成などの対策を求めますが積極的な答弁を求めます。

▼答弁▼ 井戸知事:民間施設の実態調査と簡易検査についてでありますが、床面積1000平方メートルを超える建築物に一定の防火性能を義務づけております。これに対応するため、耐火性能にすぐれた吹き付けアスベストが多くの民間建築物に使用されてきた。という経過があります。このために床面積1000平方メートル以上のものを対象に調査を実施したところであります。実態としては、吹き付けアスベストを使用している建築物は基本的にこの調査で把握できているのではないかと認識しています。しかし、より一層の実態把握の充実をはかる必要がありますので、建築基準法にもとづく定期報告制度において県施行細則を改正して不特定多数の人が利用する建築物で一定規模以上のもの。集会所では200平方メートル以上、病院では300平方メートルを超えるものに対しまして、アスベストに関する報告を義務づけ、報告をもらうこととしていまして小規模なものについても制度的な監視を義務づけることとしました。検査については、兵庫環境創造協会が9月22日現在で421件の分析調査を実施しており、依頼件数の急増に対応するため民間検査機関とも連携しつつ検査を実施していきます。支援措置については、国が民間建築物での吹きつけアスベストの検査や除去費用を検討しておりますので、県としては、これをふまえつつ必要があれば支援策を検討してまいります。

小児救急医療体制を早急に整備せよ

■質問■ 今、小児科医師の不足が深刻で、公立病院や大学病院からも小児科医師がいなくなるという事態まで起き、大きな社会問題となっています。
幼い子どもの病気は、本人が病状を訴えることができないことや病状が急変するなど診療が難しく専門性が求められることなどから、小児科医師が対応できる小児救急医療体制の拡充が切実に求められています。宝塚のある母親は、夜中に子どもが高熱を出し夜間救急を受け入れている病院へ連絡すると小児科医師がいないと断られました。そこで市の消防局で小児救急の当番医を聞きましたが西宮市立中央病院だと言われ、夜中に病気の子どもを抱えて地理のわからない病院へ行くこともできずに、結局また別の救急病院で内科医に診て貰ったということです。
宝塚市では、小児1次救急の体制は一部の民間病院が受け入れをしているものの、「休日夜間診療所」とは名ばかりで、昼間でも小児科医師がいるとは限らず、夜間は全くの空白です。
また、2次救急病院群輪番体制は、県の資料では、阪神北医療圏域で宝塚市立病院、市立伊丹病院がそれぞれ週2日、市立川西病院が週1日と平日は輪番を組んでいますが、土・日は空白のままです。
  県はこの度、県政推進重点プログラムの中で、24時間型の小児救急医療体制を年次目標を持って推進することなどを発表されました。
  阪神北圏域でも,やっと,今年度「阪神北小に救急医療対策けんいき会議」が設置され,現行の小児救急医療体制の見直しや小児救急医療に係る拠点病院の設置に関することなどの検討が始まったばかりです。
私たちは、これまでも病気が急変しやすいなどの小児科の特性から、1次、2次救急の一体的な小児救急医療体制の確立を求めてきましたが、今回の「プログラム」でも、その検討はされていません。
  ある小児科の医師は、「子どもの病状は急激に悪くなることもある。だから、軽傷から重傷まで小児科医が診る必要がある。また、「熱くらいでこんな時間にきたのか」などといわずに、一緒に心配し、子どもや家族の心のケアをするのが小児科医の役目であると」言われます。急病の子どもを抱えた親が、そこへ行けば小児科の医師に必ず診てもらえる、1カ所でどんな症状でも対応できる小児救急医療こそ求められています。
  財政支援とともに医師会の協力も得ながら、阪神北地域で宝塚市のような1次救急の空白という深刻な状態を早急に改善すること。また、1次、2次救急の一体的な受け入れのできる小児救急医療体制を確立するため、小児救急センターの整備を求めるものですが、知事の決断を求めます。

▼答弁▼ 下野健康生活部長:私から二つの質問にお答えします。阪神北地域での小児救急医療体制についてであります。小児救急医療におきましては、軽症の外来患者に対応します一次救急機能と重症患者の入院にも対応できる二次救急機能の適切な機能分担とネットワークのもとに患者の状況に応じた医療を提供することが望ましい。特に小児人口の多い阪神北圏域については、このような体制が適切であると考えています。小児救急医療を担う医師の不足感が増大する中で、体制の充実をはかるためには小児救急医療施設の再編集約化や診療所と病院の連携強化をはかる必要があると考えています。このために阪神北圏域におきましては、小児一時救急を担う地域を越えて集約化し地元開業医も参画をした休日夜間診療体制を構築することが、最も重要であると考え関係市町とも協議検討を進めているところであります。
  また、現在地元医師会等医療関係者から意見を聴しているところでありますがこれらを踏まえて、一次二次切れ目のない小児救急医療体制の構築を目指したいと考えています。

DV被害者によりそつた対応を

■質問■ 昨年のDV改正法の中で、暴力の定義の拡大、保護命令制度の拡大などが改正されたと同時に基本計画の策定が都道府県に義務づけられ、被害者の自立支援は都道府県の責任であることが明確にされました。
  全国的にみると2004年の統計では、夫に殺害された殺人事件は127件で傷害事件は1143件にもなっておりすでに事態は大変な状況です。かたちだけの計画ではなくて実行あるものにしていかなければなりません。
  パートナーに暴力を受けたことがある人は約20人に一人と言われています。しかし、被害者である女性は「自分にも悪いところがある。自分が我慢すればいつかは治まる・・」という思いで自分自身が被害者という思いがなかなかもてません。
"男は強く、女は優しく"という慣習の中で植えつけられた価値観がDV問題の根底にはあります。しかし、どのような理由があってもDVは犯罪であり、人権侵害です。
  ところが、社会的にはまだまだ無理解の部分が多く、身を寄せた施設では、夫から逃れてホットしたのもつかの間、施設職員の様々な規制や心をさすような不用意な言葉が被害者を再度追い詰めます。女性家庭センターに身を寄せたAさんは、就職が決まったものの所持金が全くない状況でセンターを出、泊まるあてもなく一晩公園で野宿をしました。仕事もその日から勤められるわけではなく、まして給料を手にするのは一ヶ月も先のことです。その後、市に相談に行き一万円の生活資金を借りて民間シェルターに身を寄せました。この時に、もっと親身になって丁寧な対応がされていれば野宿をするということにはなっていません。まして、暴力をふるわれていた形跡は明らかにあるのですから、「そんな夫のもとに帰っては駄目」と助言するのが本来の役割ではないのでしょうか。
  また「前妻の子どもをいじめる」という理由で夫から暴力を受けつづけた妻がやっとの想いで民間シェルターに逃げました。その後夫がそのことを理由に告訴したため、両方の取り調べがはじまりましたが、その際妻が警察に来る日程を夫に知らせているのです。その後弁護士から抗議をしましたが、その理由は「捜査の進展を夫に知らせるため」という信じられないものでした。
  また、調書の祭「どこのシェルターに居るのか?」としつこく聞かれ「住所は知らない」と言うと「上司に報告するのにそれでは困る」と身を寄せている民間シェルターの特長やマンション名まで言わされたそうです。本来シェルターは公になってはいけない施設なのにです。
  DVへの無理解、知識不足、偏見により平然とこのようなことが行われています。全ての関係者の認識を改めることが今回策定される基本計画の根本になくてはなりません。
  また、民間シェルターは公的役割を担う重要な施設ですがその運営は大変です。
  現在、県から一時保護を委託された場合にのみ1日6490円の委託費が出ますが、シェルター直接来られたの場合は何の支援もありません。鳥取県では、借り上げたアパートの家賃助成や同伴者の旅費、通信費の助成等の独自支援がされています。所持金を一円も持たず、駆け込んでくる女性を自立までサポートする民間シェルターへの財政支援が早急に求められます。
  そこで、被害者の心によりそった心ある支援がもてるよう、警察も含めDV問題にかかわる職員への研修を強化し、24時間対応できる専門の職員を大幅に増やし県民局単位での配置を実現すること。あわせて民間シェルターへの財政支援を求めます。知事の誠意ある答弁を求めます。

▼答弁▼ 下野健康生活部長:改正DV法におきましては、被害者の相談支援、保護自立支援など市町も一定の役割が位置付けられており、市町においても組織整備がはかられていると認識しております。このために、DV問題に対応する職員、市町職員、健康福祉事務所の職員、子ども家庭センターの職員などと合同でDV問題に関する専門的な研修を実施しています。研修の内容につきましては、相談、保護、自立支援のそれぞれの段階で適切に対応できるように事例検討やDV被害者への支援などについて、弁護士や精神科医師、大学教授等の専門分野の方々を講師として、研修内容の充実をはかってきているところです。
警察におきましても、県下5ブロックでDV被害者からの相談に適切に対応できるよう研修を実施してきているところです。具体的事例については、一部認識を異にするところがありますけれども、いずれにいたしましても、対応する担当職員のカウンセリングマインドの向上させるための研修として、心のケア−センターの協力もえて、研修を実施しておりますし今後被害者の心を充分に理解でき対応可能な研修の充実に引き続き、勤めていきたいという風に考えています。
  また、24時間対応につきましては、女性家庭センターにおきまして、休日もふくめ9時から午後9時までの専門職員による相談を実施しておりまして、9時以降については救急受け入れ等につきましては常に対応してきているところであります。また、職員配置等の問題についてのご提案がございましたけれども毎年度組織整備の中で点検をおこなって参りまして、来年度に向けても引き続き組織点検を行っていきたいと考えております。民間シェルターへの財政支援につきましては、DV対策の検討委員会におきましても、計画策定について議論いただいているところでありますが、中での検討課題の一つとして私どもも認識しているところであります。

JR宝塚駅のバリアフリー化の早期実現を

■質問■ 交通バリアフリー法は2020年までに、乗降客が1日5000人以上の駅をバリアフリー化することを定めています。
  私の住む宝塚市内でも順次整備がおこなわれてきました。最近では、2003年度に阪急中山駅、2004年度に阪急山本駅にエレベーターが設置され、利用者に大変喜ばれています。また、2005年度は、阪急清荒神駅の宝塚方面ホームに改札口を新設するバリアフリー工事が始まり、以前から「臨時の改札口から出入りさせてほしい」と要望していた障害者や高齢の方は完成を心待ちにされています。
宝塚市内では、JR宝塚駅と武田尾駅を残すのみとなりました。
とりわけ、宝塚の玄関口ともいうべきJR宝塚駅は1日6万人以上の利用客があるにもかかわらず、未だにエレベーターもエスカレーターもなく、バリアフリー整備から取り残されています。改札口とホームを結ぶ跨線橋は30段もの急な階段で、高齢の方は、杖をつきながらやっとの思いでこの階段を上り下りしており、車椅子の方もその都度、駅員に運んでもらわなければなりません。
また、この跨線橋は大変狭く、特にラッシュ時や観光シーズンなどは混雑して大変危険な状態で、バリアフリー整備は待ったなしの課題です。多くの犠牲者を出したJR列車脱線事故の教訓は、効率優先で人命軽視の考えを改め、十分な安全対策をとることではありませんか。列車の安全対策はもとより、鉄道駅舎や踏切など全般にわたる安全対策が早急に求められています。
  これまでも、障害者団体や、地元商店会・自治会で組織されている橋上化委員会などをはじめ私たちもJR西日本や行政に対しバリアフリーの早期実現を求めてきました。
  しかし、「バリアフリー化は駅舎の改修とセットで行いたい」「駅舎の改修時期はいつになるか未定である」という状況が何年も放置されてきたのです。
  エレベーターの設置は今すぐにでもできます。JRの方針を待つのではなく、県民の声にこたえ、一日も早くJR宝塚駅にエレベーターを設置し、バリアフリー化をすすめるよう求めるものです。

▼答弁▼ 佐々木まちづくり復興担当部長:私からはJR宝塚駅の早期バリアフリー化の早期実現についてお答えします。
既存駅舎のバリアフリー化につきましては、福祉のまちづくりを推進する観点から鉄道事業者に具体的かつ計画的な取組みを行うようその促進をはかってきたところであります。達成率は77%とと兵庫県は全国的にみても高い水準にあります。JR宝塚駅につきましては、一日6万人以上が乗降しているとともに阪急との乗り継ぎ機能をはかる重要な交通結節点と認識しており、バリアフリー化を含めた早期の再整備が必要と認識しております。現在JR宝塚駅周辺事業として駅前広場の再整備、JR宝塚駅の橋上化、流通路の整備等こについて検討を行っているところでございます。県といたしましては、JR宝塚駅、周辺整備事業といったいとなってJR宝塚駅の早期バリアフリー化が実現されるよう宝塚市と共同してJR西日本に要請してまいりたいと考えています。

宝塚新都市計画を中止し、地元意見を聞いて自然を残すこと

■質問■ 宝塚市西谷地域は、宝塚市の二分の一の広大な地域に3300人の人が住み、日本の原風景を残す貴重な自然いっぱいの地域です。ここに人口3万7000人のまちを誕生させようと、1989年に新都市計画が発表されてすでに16年がたちました。
  私たちは当初から、貴重な自然を破壊するものであり、採算性もない開発事業であると事業の中止や抜本的見直しを求めてきました。
  ところが、県当局は十分な見通しもないまま用地を先行取得、1166億円もの資金を投入したものの、計画そのものが二転三転してきました。
1997年には、進度調整をしたにもかかわらず、第二名神高速道路の整備を前提に、玉瀬第3クラスターで「物流拠点」「ガーデンビレッジ構想」など、あくまで開発姿勢を打ち出してきました。しかし、第二名神高速道路計画が環境破壊と莫大な地元負担を伴うことから、地元住民をはじめ多くの人から反対意見が相次ぎ、どれひとつ具体化のめどは立っていません。結局、昨年三月議会で当局は「玉瀬第3クラスターの事業化は、膨大な事業費を要することから、事業採算性の面からも慎重な検討が必要」と答弁しなければならないところまできています。
  県は、見通しがなくなった新都市計画の予定地、全13クラスターの内8クラスターで「里山整備」を行うことを決め、すでに大原野1地区で昨年度整備が完了しています。しかし、山にも詳しい地元の方から「木を切りすぎている。地形に逆らった新たな遊歩道は、もし大雨が降れば災害につながる」との声を聞きました。山は生き物です。その山にあった整備の仕方があると、昔の山道を掘り起こして復元する取り組みを始めた地元の人たちもおられます。また、来年度は、大原野第3クラスターで里山整備を予定しており、その隣接地に阪神野外CSR施設整備も始ります。山を削ることは最小限にとどめ緑を残す計画だと言いますが、あの美しい風景と自然が壊されるのではないかと危惧されているところです。あらためて事業方法を検討し直し、地元の意見をおおいに取り入れて今後の整備事業に生かすべきです。
  しかし、地元の人たちとの思いとは逆に県は企業庁、企画管理部、県土整備部、農林水産部、産業労働部(健康生活部環境局)などそれぞれの部局が縦割りで関わっているため、地域の人たちの意見が充分に反映できていませんない。
  今、西谷地域では、「西谷まちづくり協議会」をはじめ地元住民の人たちが、住民が郷土に愛着と誇りを持ち、訪れる人にとっても「ほっ」とできる地域でありたいと、さまざまな取り組みを始めているところです。武田尾温泉や桜の園、国宝の波豆神社など歴史的遺産や丸山湿原をはじめマツタケ山やホタルの乱舞する川など豊かな自然を地域の貴重な財産として大切に守り、有効な資源として活用していくことが西谷地域の活性化につながると考えます。
  そこで、環境破壊と莫大な財政負担を伴う第二名神高速道路建設の中止と宝塚新都市計画の白紙撤回をあらためて求めます。また、里山整備や阪神野外CSR施設は貴重な自然をこわさずに整備することを求めますがお答えください。

▼答弁▼ 井戸知事:宝塚新都市計画でありますが、宝塚北部地域は昭和60年代のはじめには、間発圧力が非常に高く乱開発が懸念されたことから、地元等からの強い要望もありまして、秩序ある開発をすべく新都市計画にと取り組んできたところであります。同計画は、人・自然・地域社会が共生する町づくり、人・物・情報が交流する新しい都市拠点づくりなどの観点から、土地利用の検討をおこなってまいりましたが、経済のバブル崩壊と情勢の激しい変化を受けて実施にはいたっていません。阪神間に近く豊かな自然環境や第2名神高速道等の立地等の諸条件を考えるとこれらの条件を見定めながら今後とも慎重に検討を進めていく必要があると考えています。このような中、里山林整備は防災の観点から森林の荒廃を防ぐ効果もありますので、地元の方々は当然のこと専門家の意見もお聞きしながら地域の植生や地形に配慮し森林や遊歩道の整備をすすめているものです。また、阪神野外CSRについては、現況の地形をそのまま活かして遊歩道や東屋等を整備し訪れる方々が、都市近郊に残る豊かな里山の自然環境を楽しめる公園として整備する計画であり、地元の方々の意見も充分に取り入れて基本計画の作成にとりくんでおります。ご指摘のように自然を極力残しながら、一定の整備をしようとするものであることにご理解を頂きたいと存じます。尚、第二名神高速道路は国土の骨格となる重要な路線であります。環境アセスメントと環境保全のための所定の手続きをへて、地元負担を伴わない有料道路方式で事業がすすめられようとしています。私どもとしては、中国自動車道の慢性的な渋滞の解消、あるい震災時の緊急輸送確保の観点から、第二名神高速道路の早期整備が必要であると考えており公団民営後も一層事業が促進されるよう新会社に強くはたらかけていく所存であります。

武庫川の治水と堤防の問題について

■質問■ 現在、武庫川流域委員会で「総合治水も含めてゼロベースから検討」と取り組みをすすめておられます。流域委員会のなかで、県当局がその事業にどのような態度で取り組んでいるかを、市民もわたしたちも注目してきましたが、総合治水を真剣に検討しているか疑念を抱いています。それは、金出地(かなじ)ダムの事業再開の決定により増大しています。
  金出地ダムは、企業庁の開発する播磨科学公園都市の計画変更に伴う利水の撤退により、建設の凍結、見直しをしていました。見直しの検討を行った千種川委員会・鞍居川部会は、2003年2月に議論をはじめ、2年後の今年「建設継続」の最終報告を出し、今年の投資事業評価で継続の判断が下されました。
  その議論の過程をみると、まず初期段階の4つの案のうち「遊水地と河川改修」案が検討から外されています。その理由は、「沿川の田畑を用地買収するため事業費が高額」になるというものです。借地方式は検討さえしていません。
  また、最終報告では、「ただし」書きで、「河川部局だけでなく、農林、都市、防災などをふくむ複数部局」による「減災という究極の目標を達成するための総合的な治水対策のあり方」については、「今回議論を十分に尽くすことができなかった」と書いてあります。
  つまり、凍結していたダム計画にゴーサインを出すために、総合治水はまともに研究も議論もされなかった、ということです。これでは何のための再検討でしょうか?
  金出地ダムは、2年間かけて議論しても、十分な調査がされませんでしたが、武庫川流域委員会については設置期間も同じ2年間で、その上責任者も金出地ダムの時と同じ人物です。
  わたしは、武庫川で、同じようになることを大変に危惧しています。
武庫川流域委員会の第3回総合治水ワーキングチームに出された資料の中でも「出来合いの総合治水をポント持って来て武庫川に当てはめようとしても無理な話である。労力はかかるが、みんなで武庫川の総合治水を手作りで作り上げてゆく他はないであろう」と指摘されているように、拙速に結論を出すことはあってはなりません。
“台風や大雨はいつ来るかわからないから早期に結論を出すべき”と言いますが、わたしたちは、ダムより優先すべきは「堤防の補強」であると考えています。
  わたしは昨年決算特別委員会で、福井や新潟の豪雨被害の教訓もふまえて、武庫川の堤防補強の必要性を訴えましたが、アメリカのハリケーン・カトリーナが、甚大な被害をひろげた主原因が堤防の決壊であったことからも、堤防の強化をすることの重大性がましているのは、誰の目にも明らかです。県は昨年までに行った堤防安全度調査にもとずき、補強をすすめるといいますが、十分な体制と予算にはなっていません。さらに、堤防が決壊した時の避難計画を策定して住民に明らかにする事が必要ではないでしょうか。
  そこで、武庫川流域委員会の設置期間を延長し、真剣な総合治水の検討を行うこと。また堤防補強と避難計画策定の取組みを優先して実施すべきです。知事の答弁を求めます。

▼答弁▼ 井戸知事:昨年の台風23号おいて円山川のような大事にはいたらなかったといえ、万が一の事態を考えると管理者として重大な危惧をいだいたことは間違いありません。それゆえ私としても武庫川流域委員会に出席し、早期に提言をとりまとめていただくよう要請をおこなったところです。委員会もその必要性を充分理解されたと私自身、認識しています。現在委員会では、ワーキングチームが設置され、近く治水対策の目標となる基本高水流量及び総合的な治水対策の方向について中間報告を取りまとめる事となっていることから、総合的な治水対策の検討がすすめられる事を期待しております。また、堤防強化につきましては河川管理者としてその必要性を強く認識しており、今年度から一部事業に着手しております。
優先度の高い区間から補強工事を実施していくこととしています。住民の生命財産を守るという観点から有効な対策のひとつとして先行して実施しているもので、ダムより優先すべきは堤防の補強であるとの考えによるものではない事を申し添えます。避難計画に関しては、アメリカのハリケーンカトリーナの例をを見ても、単に避難勧告をすむというものではありません。このため、県としてはCGハザードマップの作成などの努力をするとともに、武庫川においては避難対象となる住民が数十万人にもなるという事を考えまして早急に関係市とも協議をして、その対応について検討してまいります。
  本格的な治水対策のスタートは、委員会からの提言で、すでに委員会は平成15年度末、平成16年3月から審議をされておりますし、その前に準備委員会が開催されていたわけでありますので、不安を感じている多くの住民の皆さんが居る事を思えば、今年度中には、最終的な提言とりまとめをしていただきたいと率直に考えているところです。私からの答弁とさせていただきます。

阪神間に知的障害養護学校の新設を

■質問■ 1972年4月「希望するすべての障害児に学校教育を」として全国で二番目に小・中学部全員入学を実現した「組合立阪神養護学校」がスタートして33年。1979年養護学校義務制が実施されて25年が経過しました。この間、義務教育だけでなく障害児の高校教育や、重度障害児の教育権保障など障害児教育も大きく前進を遂げて参りました。一方、行き届いた障害児教育を希望する障害児の増加に見合った教育条件整備が常に後追いになってきたことにより、県内の「知的障害養護学校」における長時間通学・過大過密問題の深刻な状況は長年にわたって続いています。
  とくに阪神養護学校とこやの里養護学校においては、「HR教室や特別教室が足りず、生徒にあった柔軟な時間割作成が出来ない。」とか「休憩時間になると狭いグランドや廊下にいっぱいになり、遊具使用中の接触事故などが多く、教室不足や、運動場の狭さなど深刻な状況が続いています。
  一方、県教育委員会は「今後の障害児教育の在り方について基本的な考え方の検討を行う」として、一昨年(2003年)「障害児教育の在り方検討委員会」を設置し、同委員会は、今年「本県の障害児教育の現状と課題について」を発表しました。
  この報告書の中で「阪神間の知的障害養護学校の児童生徒数増加への対応など検討すべき課題がある。」とされていますが、状況はいまや「検討すべき課題」ではなく「過大過密を解消すること」が緊急に求められます。
  これまで知的障害養護学校の適正規模はおよそ150人程度と言われてきましたが、教育委員会が発行している「兵庫の障害児教育」から阪神間の養護学校・障害児学級の過去の在籍人数、現在の人数等を参考に試算してみると現状のままでは、今後10年間、阪神養護・こやの里養護両校の在籍人数はそれぞれ300人前後と推計され、超過密状態は解消されません。阪神間に新たな養護学校が開設されれば、現状を大きく改善することになります。
  これまで長年にわたって要望が出されてきましたが、阪神間に知的障害児の養護学校新設を是非実現するよう求めますが、いかがでしょうか。以上で私の質問を終わります。ご清聴有難うございました。

▼答弁▼ 吉本教育長:阪神間におきます知的障害養護学校の新設についてお答えいたします。
養護学校においては、高等部を中心とした児童生徒の増加の状況に加えまして、障害の重度重複化や障害の状態に応じた、適切な指導のあり方。社会の一員として主体的に生活を営むことができるよう、教育の一層の充実など解決すべき課題が生じています。
  特別支援教育への移行が、中央教育審議会で審議されておりますが、本県における障害児教育の基本的方向を示しますため、本年度引き続き設置をいたしました傷害児教育のあり方におきまして、盲聾養護学校の適正規模や配置、職業教育など後期中等教育の充実。職員の専門性の向上などの課題について検討を行い、提言をいただくことにしています。今後国の同行や検討委員会からの提言を踏まえて、ハードソフトの具体的な方針の策定にむけて、検討を進めることとしておりますが、阪神間の養護学校のあり方についても、検討してまいります。

■再質問■二つ再質問をしたいと思います。
一つは武庫川の治水対策についてですが、知事の答弁では納得できないというところがあります。
堤防補強は重大な問題だといいながら、総合治水という観点の中でも考えていくべきと思いますが、そういう点で本当に総合治水が検討されるのであれば、来年の後半年という期限を切らずにもっと充分な検討をしていくと、危険な所を直していく、予算をつけて直していくという事を求めたいと思います。
  二つ目はDV対策についてです。ご答弁のなかで、見解の違いということですけれどもそこのところが非常に重要でありまして、その方が来られたときに本当にDVではないだろうかという事を察知するというかとらえて判断するという事が求められていると思います。的確に捉えて判断していくという専門性がいるという風に思うんです。非常に微妙な問題ですから、追い込められた女性の立場にたって
本当により添った対応が必要だと思います。研修をされているという事ですけれども、そういった職員全体の専門性を高めるという認識をもっていただきたい。そういった点でも知事にも関係者の声を直接聞いていただいて、基本計画には反映していただきたいと思いますか゛お答えください。

▼答弁▼ 井戸知事:武庫川での検討委員会の議論は、総合治水の観点ですべての可能性を検討していただいけるものだと考えております。さきほど申しましたように、準備期間を入れますと3年を超える期間になりますので、私としては、今年度中に是非欲しい。私としては今年度中に是非欲しい。次の段階として、それこそご指摘になりました堤防補強を本格的にとりかかるということも含めて本格的な実施をしようとすると方針があってでないと本格的な対応がしにくいという事をご理解いただきたいと存じます。
  総合治水をやれと言われてる、皆さんからそんなことはないと言われるのも、私には理解できません。
あわせまして、DVについては非常に微妙な問題で、特におっしゃいますようにその立場になってその被害をうけられている方の気持ちを参酌しながら対応する必要がある。そのような意味で専門性を高めるための色んな研修をしているわけでありますが、専門性にはやはり人間愛がなくてはなりませんので、そのような意味でカウンセリングマインド等の要請が不可欠だという事を部長から申し上げたつもりでございます。委員会での議論、私直接聞いておりませんので、一度委員会にも出席して議論に参加させていただくことにしたいと思います。以上私からの答えとしたいと思います。

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