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本会議 第284回本会議代表質問 新町みちよ
2005年9月28日

庶民増税に反対し、退職金4800万円の大幅に減額を

■質問■私は、日本共産党県会議員団を代表して、知事の政治姿勢、アスベスト対策、介護保険、少子化対策、教育問題、警察行政、アジアとの平和友好問題について質問いたします。 まず、知事の政治姿勢について具体的にお聞きします。
私たち日本共産党は、先の総選挙で、小泉構造改革が郵政民営化だけでなく、庶民大増税、憲法改悪を強行する危険を訴えてきました。
 選挙が終わるやいなや、財務大臣は「定率減税を全廃する」「消費税の増税も検討する」と発言、与党は、定率減税全廃の方針を固めたとのことです。選挙中は「サラリーマン増税はやらない」としながら選挙が終わった途端、増税を打ち出すなどは、国民と議会制民主主義を冒涜するものです。
 今地方自治体の長には、国の悪政と対決し、県民の暮らしを守る政治姿勢が求められるのではないでしょうか。しかし、知事は、政府税制調査会で、課税最低限が生活費にまで食い込んでいる実態を逆さまに描き、生活保護者にも税金をかけるべしとの結論を誘導する発言や、特別養護老人ホームに入所したら貯金が増えると、入所費用の引き上げを要求するなど、国の庶民大増税、負担増推進の旗振り役をされています。この知事の発言と行動は、憲法25条の生存権の原則、生計費非課税を踏みにじり、県民の暮らしに重大な打撃を与えるものです。
 知事は、再選後、前の在職4年間の退職金を受け取られましたが、わずか4年で4873万円とは、庶民感覚とかけ離れたものだと思われませんか。この莫大な知事退職金を知事自ら減らす意思はないのですか。
 また、県財政が大変だといいながら、中型機しか発着予定がなく、採算見通しのない神戸空港への県費投入や、1兆円以上かかる紀淡連絡道路、大阪湾横断鉄道構想を推進しようとしておられます。こんなむだづかいこそやめるべきではありませんか。無駄遣いの蛇口は、開けっ放しにし、自らは多額の退職金を受け取りながら、庶民には、大増税を要求するなど、県民が納得できるものではありません。  
 憲法と県民の暮らしを守る立場から、庶民大増税に反対し、知事自らの退職金を大幅削減すること。さらに毎年3400億円の公共事業費を削減し、むだな公共事業でなく暮らし・福祉に役立つ公共事業を行うよう求めますが、知事の答弁をお願いします。

▼答弁▼井戸知事:まず、私の政治姿勢についてお尋ねがありました。私はかねてから一貫して県民の参画と協働を基本姿勢に、県民本位、生活者の視点、地域重視の県政を進めてきました。また、国に対しても、成熟社会にあっては、拡大するパイをいかに分配するか、と言うことではなくて、責任をどのように分担していくかが問われているとの観点から積極的に発言をしています。さきの選挙では私のこうした姿勢が多くの県民にご理解いただいたものと考えています。個人所得課税のあるべき負担構造についての税制調査会の議論では、現行の生活保護基準が課税最低限を上回るケースがあると言う不整合な状況を指摘したもので、生活保護受給者を課税対象にすべきであるという趣旨ではないことは言うまでもありません。しかし、生活保護基準が課税最低限よりも高いと言うことはどう考えてみてもおかしくありませんか。いずれにしても少子高齢社会においては、所得・消費・資産のバランスがとれ、広く公平に負担を分かち合う、安定的な歳入構造を確立する必要があり、国民の負担能力に十分配慮しながら、のぞましい税制を議論していく必要があります。税制調査会のメンバーとして、この基本的な考え方に即して議論を進めてまいります。公共事業については、本県の広い県土と多様な地域特性をふまえ、地域間、分野間の均衡にも配慮しつつ、行財政構造改革推進方策の枠内で、県民生活の安定や安全に重点をおいて事業の実施に取り組んでいます。このたびの緊急対策でも、社会福祉施設整備への県単助成の創設や、地域生活道路の整備を促進するためのプログラム作りなど、身近な社会資本整備をいっそう進めることとしたものです。なお、私の退職手当については、制度として条例に基づき支給されることになっておりますし、これは他の都道府県ともほぼ均衡した水準であります。民間の役員報酬と比べて決して高いものではないと考えております。なお、知事の退職手当につきましては、平成15年10月から構造改革のとりくみの一環として一割削減しているものと申し添えます。いずれにしても今後とも21世紀の成熟社会を見据えて、多様と個性、選択と集中、分権と分散を旨に県政運営に取り組んでまいります。前のページへ戻る

アスベスト健康被害対策 検診費用の助成を

■質問■ 6月末、株式会社クボタ尼崎神崎工場における死亡者公表に端を発したアスベスト健康被害問題は、関連企業の労働者と家族、周辺住民にとどまらず、港湾、運輸、建設など広範な分野で死亡が確認され、県民の不安が広がっています。
 石綿が原因とされる中皮腫による死亡者は2003年までの9年間だけでも全国で6,060人、うち兵庫県民が534人と1割近くをしめ、大阪と並び最大の被害県となっています。これは氷山の一角で、今後40年間に10万人の死者が予想される報告もあります。
 ここまで被害を拡大してきた責任は国、企業にあります。国際的には35年前の1971年にILOが石綿による職業がんを公認し、1986年に石綿使用禁止の条約が採択されています。
 ところが、日本では、その危険性を十分認識しながら企業が製造を続け、政府はようやく昨年十月石綿の製造、輸入、使用等の原則禁止としましたが、全面禁止されるのは2008年とし、いまだ製造を認めています。
 また、兵庫県は1988年に石綿使用等の調査を行いながらきわめて不十分な内容にとどまり、その後の安全対策も怠ってきました。今回、22の緊急対応の施設が明らかになったのはその現われです。県も責任をまぬがれません。
したがって、この責任を明確にした上で、全ての被害者救済と今後の被害防止対策が講じられるべきです。

 対策の第一は、健康被害の問題です。
 株式会社クボタの場合、従業員には労災補償の上に企業が疾病補償、健康診断費や看護料、休業補償、葬儀代など、在職中に死亡した場合3200万円以上を支給するとされ、これ自身は当然の補償です。
 ところが、工場周辺の住民には、わずかひとり200万円の見舞金を支払うだけで、謝罪すらありません。
 政府は、現在、アスベストによる健康被害救済の立法措置を検討し、次の通常国会に提出予定で、その内容も同様で、亡くなった人の逸失利益などの補償は行わず「救済法」とし、労災保険対象外となる労働者の家族や周辺住民、建設業の一人親方や個人事業主などは死亡の場合でも「一時金」だけで、金額も数百万円といわれます。
 同じ原因で死亡した人の生命に、何を根拠にこれだけの差がつくのでしょうか。
 肺がんや中皮腫の痛みに苦しみ、治療費や看護の家族の負担、休業などによる生活苦を強いられた労災対象外の被害者に、単なる一時金ではなく、治療費はもとより労災補償に準じた所得や遺族補償が当然行われるべきです。
 健康被害対策に関してもう一点は、健康診断の費用負担の問題です。
 石綿はいったん吸い込むと体外に排出されず十数年から五〇年かかって発症すると言われます。しかし、現在のところ、発症を抑える有効な治療薬や治療術がなく、早期発見で、手術か抗がん剤投薬の治療しかありません。そのためには、検診を継続して受ける必要がありますが、この検診に健康保険が適用されず、全額自己負担となります。
 喀痰、レントゲン写真、場合によってはCTその他の検診も必要で、2〜3万もかかることもあり、家族ぐるみの検診を続けなければならない世帯などは、大きな負担を強いられます。
 被害が広範囲でしかも対象人員も相当数にのぼる本県としては、国に対して検診費用に対する助成を要求すると同時に、県独自にも直ちに検診費用に対する助成制度をつくり実施するよう求めますがいかがですか。労災対象外の被害者すべてに対する所得補償・遺族補償を国に求める問題とあわせてご答弁ください。

▼答弁▼井戸知事:アスベスト対策についてです。アスベスト関連疾患にかかる検診については、県の専門委員会において住民検診、事業者検診で実施されている既存の肺がん検診でアスベスト関連疾患の胸部レントゲン所見の読影が可能であり、アスベストにかかる問診を付加することで、制度が確保できると言う提案をいただきましたので、県としては市町と連携をはかり、既存の検診システムを活用することとしています。この方式によれば、検診費用について受診者にとっては新たな負担が生じることがないため県独自の助成制度の創設は現時点ではその点については必要ないのではないかと考えています。労災保険対象外の被害者に対する補償等については、国に対して必要な措置を要望していますが、県としては、死亡個票調査をもとに中皮腫による死亡者の遺族への聞き取り調査等によりアスベストによる健康被害の実態を把握し、被害者に対する補償に向けた資料として情報提供して国の適切な対応を期待したい、このように考えています。いずれにしましても、国におきましてもアスベスト新法の検討がなされており、そのプロジェクトチームでの検討項目として医療費の自己負担、あるいは生活支援手当て、遺族一時金などがあげられています。県としても立法化を働きかけてまいります。前のページへ戻る

アスベスト対策 石綿除去への補助を

■質問■ アスベスト問題の第2に、石綿を使った建築物の解体、改造、補修時等における飛散防止対策です。
 石綿の吹き付けや保温材として使用している建築物が今後解体等のピークを迎えます。
 この解体等に伴う飛散を完全に防止し、健康の二次被害を絶対に食い止めなければなりません。現在、大気汚染防止法に基づく規制は建物延べ面積500平米以上、吹き付け面積50平米以上に限られる極めて不十分なものとなっています。
 そのため、全国的には、自治体によって独自の規制条例が準備されています。
 例えば、鳥取県では、石綿使用の全建築物を対象にした解体作業の事前届出などを義務付けし、違反者には10万円以下の罰金を科すものとなっています。
 これに対し、本県では「環境と創造に関する条例」で、面積要件は廃止しているものの、解体事業者等が飛散性の石綿を使用していると判断したもの以外は、届出、表示の義務もなく、罰則規定もありません。
 そこで、本県としても、解体・改造・補修等を全て届け出制にし、工事着工前に行政がチェックするしくみとし、罰則も盛り込んだものなど直ちに条例改定する必要があります。
 また、作業に必要な費用の問題です。吹き付け石綿の除去作業等を行う場合、完全に建物を密閉し、機材や集塵機の設置、ばく露防止のための防護服や防塵マスクなどをそろえなければなりませんし、工事建物の出入口にエアシャワー室や服の脱着室などの部屋も必要です。業者に伺うとこのような作業費用は、1平米当たり3、4万円かかり、1000平米の建物だとすると、石綿の除去費用だけで3、4千万円必要で、本体の改造や補修費用よりも高くつくこともありうるとのことです。
 この費用負担ができないとして、法や条例の違反者がでないという保障はありません。
 こうした事態を避け、二次被害防止のため、発注者の費用負担軽減の支援が必要です。
 そこで、石綿の除去作業の費用に対する助成制度や融資制度の創設を国に求めるとともに、県としても支援することが重要だと考えますがいかがですか。条例改正の問題とあわせて答弁をお願いします。

▼答弁▼井戸知事:続きまして、飛散防止対策についてです。吹き付けアスベスト等の含有建築物を解体する際には全国ではじめて条例において事前届出と作業基準の遵守などを義務付け、事前届出違反者には罰金を科しているところです。他の府県がいま条例化を検討されていますが、本県の条例がベースとされていると承知しています。吹き付け以外のアスベスト含有建物については、建築リサイクル法では床面積八〇平方メートル以上の解体等の事前届出が義務付けされています。これによりほとんどの建築物がカバーされているものと考えております。さらに、環境省が平成17年3月30日にしめした飛散性アスベスト廃棄物の取り扱いに関する技術指針にもとづいて、すべての建築物の解体について解体業者、建設業者に対して、飛散防止に関する指導を行っております。このように今後も万全を期してまいります。なお、表示義務についてはただちに条例を改正する必要はないとしましても、規則で所要の対応を行うこととしたいと検討しているところです。吹き付けアスベスト等の除去については、その支援措置を国に強く申し入れているところです。現在国においても支援制度の構築についての検討に際してこれも一項目あげられているところですが、国の動向を注視しながら、必要があれば、県独自の支援策についても検討してまいります。前のページへ戻る

10月からの介護保険制度の負担増の独自軽減を

■質問■ 次に、介護保険の問題について質問します。先の通常国会での制度改悪によって、この10月1日からホテルコストと称して特養ホームなど施設の食事、居住費、ショートステイの食費や滞在費、デイサービスの食費が全額自己負担となります。
いま、介護の現場では大変な不安と混乱が広がっています。
 尼崎市にある特養ホームは、導入に先立って、入所者の家族宛に、料金の試算を送り、費用負担ができるかどうかの意向調査を行っています。介護度4の市民税非課税世帯のAさんは、費用が1ヶ月9万円にもなり、年間20万近くの負担増ですが、施設の通知は、(1)特に問題はない(2)大変だが親族と協力の上入所を継続する(3)経済的に無理なので退所する、のいずれかの意向を調査するというものです。家族が負担できなければ退所してくださいといっているのも同然の通知です。
 Aさんの息子さん夫婦もすでに70代で、とても負担できないと途方にくれているのが実態です。このように、制度改悪による新たな負担に耐えられず施設から締め出されようとしている高齢者が現に生まれています。
 また、通所のBさんもこれまで通りデイサービスを受けると昼食代が1ヶ月に5千円も上がるため、回数を減らさなければならないと言われています。
 その上、来年の4月からは、ヘルパーさんの家事援助が受けられなくなると心配されています。
 自宅で暮らす高齢者は、デイサービスと家事援助を通じて社会と交わり、生きる力を得ている人も少なくありません。今回の負担増で介護の利用を減らし、外出も人との会話の機会も少なく、身体能力も低下し介護度が進むのではと心配されています。
 介護の問題は、かつての「子が親を見るのは当然」「自己責任」という考え方から「介護は社会的な問題」という考え方に発展し、介護保険制度ができたのではなかったでしょうか。
 今回の制度改悪は、考え方のうえでも実態的にも逆戻りするものです。費用の心配をなくし、必要なとき必要な介護が受けられるのが制度の本来の姿です。
 こうした中、独自の負担軽減制度をつくる自治体が各地に生まれています。

 そこで、知事、施設でも在宅でも、いままで通り安心して介護保険を利用できるように県として負担軽減の制度をなんとしても作っていただきたいと思いますがいかがですか。

▼答弁▼斉藤副知事:介護保険についてのご質問にお答えをいたします。ご指摘の介護保険の負担軽減制度につきましては、県といたしましても昨年7月に厚生労働省に提出いたしました介護保険制度の見直しに関する提言におきまして、低所得者対策の拡充の必要性を提案したところでございますが、国におきましても今般の制度改正におきまして、一つは、たとえば食費の場合本来ならば4万2千円程度負担すべきところ、市町村民税非課税世帯に属するような低所得者には、1万〜2万円といったような負担限度額の設定をはじめ、二つには課税年金収入のみの場合80万円以下の者の一割負担の上限額の月額2万4600円から1万5000円への引き下げや、3つには社会福祉法人による利用者負担軽減制度の対象の、例えば単身世帯の場合、年間収入150万以下の者等への拡大等を実施することとしているところでございます。その結果例えば特別養護老人ホームの多床室に入所している利用者負担第3段階の者の月額自己負担額について比較してみますと現在の4万円が3万7000円増加して7万7000円となるところ、負担軽減制度により4万5000円となり増加額が2万2000円軽減されることとなります。このように国の制度におきましても負担軽減策が取られているところでございまして、現時点ではこれらに加え県としての負担軽減制度を設ける必要はないのではないかと考えているところでございますのでご理解を賜りたく思います。前のページへ戻る

県みずから正規雇用をふやし少子化対策を

■質問■ 次に、少子化問題について質問します。
 6月議会代表質問でわが党は、合計特殊出生率が全国38位の本県にとって、少子化対策の強化は県として待ったなしの課題だと指摘しました。
 県も、知事選後ようやく「少子対策本部」を設置し、新たな局も設けました。少子化問題の解決には、国や自治体が子どもを生み育てられる条件を整えることが不可欠です。
そこで二点にわたってお聞きします。
 第一に青年の雇用の問題です。
 収入が低く安定せず、将来の展望がもちにくい働き方をしていれば、青年が結婚できない、子どもも生み育てられないのは当然です。厚生労働省の外郭団体である「労働政策研究・研修機構」の調査でも、15歳から34歳までの男性の結婚率は、正社員では40.4%に対して、フリーターなど非正規労働者は13.5%、仕事のない人は6.8%と、大きな差が出ています。
 ところが、小泉構造改革以来、正規社員がどんどんとパート、フリーター、派遣労働などに置きかえられ、いまや若者の半分は非正規雇用です。高校を出ても、大学を出ても安定した職業が確保できないなど深刻な状況です。
 県下ではどうでしょうか。
 ある県立高校の非常勤講師の青年の場合、授業1コマにつき2800円、かけもちで働いても、1ヶ月約12万円の収入です。授業準備や教材研究などには報酬はなく、また、8月は授業がほとんどなく収入は激減、昨年は台風が相次いで休講が多くやはり収入が大幅に減りました。その中から国民年金保険料など払うと、「親からの独立も無理、結婚はしたいけど、いつのことか…」という状態です。
 このような条件で働く非常勤講師が、県立高校だけで5月1日現在で1777人にものぼり、多くは青年です。
 知事は、足もとでこのような「結婚どころじゃない」状況の青年たちをどのように考えられるのでしょうか。こうした青年を増やしておいて、少子化を食い止めることができるでしょうか。
 民間ではいっそう劣悪な条件で、パート労働では、一時間700円、800円で働き、通勤手当や、社会保険もなく、食事時間もまともになく15分の休憩も賃金から差引かれる、このような若者の状況もめずらしくありません。少子化の解決のためにも放置できない問題です。

 県自ら今すぐに取り組める少子化対策として、県立高校はじめ県職員の正規雇用を増やすことに取り組むべきではありませんか。同時に、県として県下の企業に対して青年の正規雇用を増やすよう働きかけるとともに、青年雇用を増やす中小企業に対する助成を行うなど県としての取り組みを求めますが、いかがですか。

▼答弁▼井戸知事:つづきまして少子化対策についてです。青年の雇用につきましては、若者に安定した雇用を提供し、社会的自立を支援することはきわめて重要です。このため、県下の企業に働きかけ、求人の開拓に努めつつ、若者しごと倶楽部において、キャリアカウンセリングから紹介就職までの一貫した支援により、安定した雇用への就職を促進しています。更に関係省とも連携をはかりながらより多くの若者に対して支援を広げてまいります。ただ、若者しごと倶楽部の知名度がまだまだ低いということもありますので、このPRにも努めてまいります。また、中小企業における若者の雇用の場の創出にあたっては中小企業の活性化により継続的な雇用につなげることが不可欠であります。そのため、兵庫産業活性化センターを核とする中小企業支援ネット兵庫を通じて創業から経営革新までの多様な経営課題解決に向けた支援を更に拡充して元気な中小企業を増やしていきたい、このように考えています。県の正規職員については行財政構造改革のとりくみとして定員の適正化を行いながら、計画的な採用をおこなっているところですが、ご指摘のような観点のみで採用することはいかがと考えております。なお、年齢別の有効求人倍率をみますと、16年度では24歳まででは1.28、25歳から34歳までの10歳間では0.72となっております。そのような意味では、個別にはミスマッチがあるものの、マクロ的に見れば仕事を見つけうる状況であるともいえます。したがいましていずれにいたしましても、ニートとかフリーターとかと言われているかたがたが将来的にご指摘のような状況に立ち至らないように県といたしましてもいろいろな手段を講じていくこととしたいと考えております。能力開発と意識啓発が中心となる、このように認識しております。前のページへ戻る

こどもの医療費や保育料の負担を軽く

■質問■ 第二に、子育て世代の経済的負担の軽減の問題です。
 「子育て世代の意識と生活」をテーマにした2005年版「国民生活白書」によれば、理想とする子ども数は、2.5人と、特殊出生率の倍を希望しています。望みどおりの数だけ子どもが生める環境が整えば出生率は回復が見込めることを示しています。「白書」は、子ども1人の養育費は22年間で約1300万円にのぼるとし、子育てに消極的な最大の理由を「経済的負担の重さ」と分析しています。私が若いお母さんたちにうかがっても、「子どもはたくさんほしいが経済的に難しい、何とか2人はほしい」と同様の答えが返ってきました。
 県ができる負担軽減策があります。
 そのひとつは、子どもの医療費の負担を軽くすることです。
 乳幼児医療費無料化の要求は強く、県が7月1日から乳幼児医療費助成を改悪したにもかかわらず、県下では、独自に就学前まで外来・入院とも無料としている自治体が13、外来を3歳未満まで、入院を3歳未満あるいは就学前まで無料としている自治体が16あります。医療費助成を小学校卒業までに拡大した市も2つあり、全国的には、小学校卒業まであるいはそれ以上まで医療費助成する自治体が昨年までの5年間で3倍に増えています。
 厚生労働省のアトピー実態調査では、小学生の方が乳幼児より症状が重いという報告もあり、せめて小児科を受ける間は無料にという願いは切実です。県下どこでも等しく無料で乳幼児医療が受けられるよう県が責任を持つべきです。
 もうひとつは、保育料の問題です。保育所不足とともに、高すぎる保育料が、働きながら子育てをする親の大きな負担になっています。
 常勤で働くお母さんに聞いてみました。2人を保育所に預けていたときは、2歳児が6万円超、0歳児は軽減されても4万円を超えて、保育料は二人で一ヶ月10万円以上払っていました。仕事がおそくなれば延長保育料も必要、病気になったときは病児保育を利用して1時間1人1500円で預けており、給料はほとんど保育料に費やしていました。

 そこで、県として、子育ての経済負担軽減のため、乳幼児医療費を所得制限なく入院、通院ともせめて小学校6年生まで無料化しさらに拡大すること。また、県として市町に対し父母の保育料負担の軽減のための財政支援をおこなうことを求めますがいかがですか。

▼答弁▼井戸知事:続きまして子育て世代の経済的負担の軽減についてです。乳幼児医療費助成制度についてはすでに対象範囲を外来入院ともに就学前までと引き上げましたし、所得制限限度額を児童手当の基準に準拠しておりますし、ゼロ歳児は所得制限なしとしております。また一部負担を定額制として償還払いを不要といたしました。このようにわかりやすい制度としたことにより、本県の制度は全国的に見ても高い水準にあると考えておりまして、必要な対応は図ったものと考えています。また、保育料については所得に応じて区分が設けられていますが、これは国の定める運営費の徴収基準額を基本に市町で定めることとされています。県としては、市町が定める保育料に県が関与できる仕組みとなっていないことから従来から、保護者の負担を軽減する保育料基準額の決定に関して国に要望してまいりました。さらに、低所得世帯層への配慮や、第二子以上の徴収金の軽減の拡充などについて重点要望しており引き続き働きかけてまいります。前のページへ戻る

少人数学級の拡大を

■質問■ 次に、少人数学級についてです。
 先日発表された、文科省の「教職員配置等の在り方に関する調査研究協力者会議」の中間報告案では、少人数学級について、「子供同士の学びあいがより深まって学習指導がより効果的なものへと変わる」と、その効果を認めています。しかし、40人の学級の学級編制標準は変えようとしていません。文科省の担当財務課長は、児童の減少に相当する教員数を減らさず加配教員を加えれば、35人学級の一律実施は可能として、加配教員を加配目的に使うのか、35人学級に使うのかは、自治体と学校現場の判断に任せる方向を提起しています。しかしこれは40人学級を改善する国の責任を放棄するものです。
 私は、同僚議員や教育関係者とともに、フィンランドの教育を視察・調査してきました。
 フィンランドは、国際学力調査(PISA)で、世界一となり、世界中から教育視察が訪れています。その背景には、格差のない社会づくりと何よりも一人ひとりのこどもを大切にする基盤がしっかりあります。授業、教材、給食、通学、医療など学校教育にかかる費用はすべて無償です。日本のように学習指導要領で事細かに縛るのでなく、現場教師の判断に多くをゆだね、教育委員会は公選制です。
 授業方式も一斉授業方式でなく、こどもが協同で学習することが大切にされ、能力別指導やランキングは否定、競争主義は排除され、すべての子に学力を保障する取り組みが徹底しておこなわれています。
 小学校も中学校も1クラス20人前後で、校長先生に「日本では少人数学級は、社会性を失うという意見があるが」とお聞きすると、「我々は、財政が許せば、もっと少人数の方がゆき届くと思っている」との返事が返ってきました。
 県は、未だに、少人数指導か少人数学級かなどといっていますが、OECD諸国の中で40人学級は日本と韓国だけです。日本は、生徒あたりの教員数も極めて少なく、OECD平均を遙かに下回る劣悪な教育条件です。
 先日、小学校1年生の子どもさんのお母さんから、来年は、大丈夫でしょうかとの声が寄せられました。24人のクラスで喜んでいたら、今年2年生にあがったとたんに、39人の寿司詰め。こどもたちは戸惑い、ストレスで発熱を訴える子どもがクラスの半数にもなったところもあったため、来年はどうなるかと心配されています。
 少人数学級の実現は先送りできません。
 ところが、政府は、来年度概算要求で30人学級を予算化していません。知事も、議会や県民には、少人数学級は国が責任を持つものだといいながら、国への来年度予算編成に対する提案に実施を求めていません。これでは、県民を欺く態度と非難されても仕方がありません。

 国に30人学級への学級編制基準の改善とその財政保証を求めるとともに、国が実施しないなら、県として、来年度少人数学級を拡大すべきです。知事の決断を求めます。

▼答弁▼吉本教育長:教育問題についてお答えいたします。まず少人数学級についてでございます。本県では少人数学級編制につきまして従来から調査研究を進めてきたところでございますが、少人数学級と少人数学習集団はそれぞれにメリットがあり、少人数学級を全学年に画一的に実施することについてはなお解決すべき課題があるとかんがえてございます。国に対しましてもこの考え方に沿って小・中学校全学年にわたっての少人数学習や弾力的な学級編制のいっそうの推進を提案をしているところでございます。また、文部科学省の調査研究協力者会議の中間報告では、地域・学校・学年ごとに抱える課題や状況もそれぞれ異なっていることなどから学級編制の標準を全国一律にひきさげるという画一的な取組みでなく、地域や学校の実情に合わせた柔軟な取り組みを可能としつつ、これまで進めてきた少人数教育をいっそう充実させることが効果的とする考え方が示されてございます。現在この考え方のもと学校現場がそれぞれの実情に合わせてより自主的自立的にとりくめるような方策等について中央教育審議会で最終的な結論を得べく審議が重ねられているところでございます。県といたしましては、学級編制のあり方について中教審の審議や今後策定される定数改善計画等の動向を十分見極めますとともに本県が取り組んできたこれまでの成果を踏まえまして、適切に対応してまいります。前のページへ戻る

明石に複数志願制を導入せず、総合選抜制度をまもれ

■質問■ 次に、「高校改革」について質問します。
 明石市では、1960年代後半から人口の急増と高校への進学率が上昇してきましたが、公立高校は市内に3校しかなく、1970年の開門率は39.2%で進学希望者の半数以上の希望がかなわない状況でした。1972年新しい高校が開校しましたが、低位にランクされたため、学校に誇りが持てず、制服を堂々と着られないなど社会問題となりました。そのため、格差を解消しようと高校全入運動と相まって、地域で網の目学習集会や、署名運動が大きく広がり、明石市議会で「総合選抜制度実施」の請願が採択されました。
 そして1975年4月から県立3校で出発、現在、6校で実施されています。かつて4割弱だった市内の公立高校への開門率は今年度8割近くとなり、地域に根ざした高校として存在しているのです。
 県立6校に入学できた生徒の8割以上はここのクラブに入りたいとか、友達と同じ高校へ行きたいなど、自由に希望する高校を選び入学することができます。高校生活を勉強でも、クラブ活動でも、協同で学ぶ基盤があり、他の学区と比べて大学進学でも、就職でも遜色なく優れた入試制度であることを実証しています。
 明石市教育委員会が諮問した「明石市総合選抜制度検討委員会」の答申でも「1、過度の受験競争をなくし、生徒が自主的な活動に打ち込みやすい環境を生み出した。2、高等学校間のランク付けの解消につながった。3、過度の受験競争をなくし、学力中心の進路指導から生徒の特性に応じた進路指導が行えるようになった。4、生徒に誤った優越感や劣等感を抱かせにくい。5、居住地に近い高等学校への進学が広がり、地域とのつながりが深くなっている。」と高く評価しています。
 ところが、県は「高校改革」として、この総合選抜制度を廃止しようとしています。
 この夏、各中学校区で明石市の説明会が開かれました。しかし、明石の総選をなぜ変えるのか、どう変わるのかなど、市民の疑問にまともに答えるものではありませんでした。その上、「新しい選抜制度」とは「複数選択を可能とする選抜制度」だと説明しましたが、「新しい選抜制度」が複数志願制であるとの説明はまったくありませんでした。ところが、明石の9月定例市議会の本会議では、教育長が複数志願制と「基本的には違いはない」と覆す答弁をし、文教厚生常任委員会では、「県教育委員会と当初から綿密に連絡をとり、県の方向を見誤らないようにしてきた」と応え、県教委と二人三脚で改編を進めてきたことを明らかにしています。
 「市民に与える影響が大きい」入試制度を変更するのに、市民をごまかし、議論を回避するこれが県の指導なのでしょうか。こういうやり方は県の「参画と協働」に反するのではありませんか。決定するにいたるさまざまな段階で民主主義は充分尊重されるべきです。住民には情報を正確に提供し、市民的議論を保障し、市民的合意を得るべきではありませんか。
 複数志願制は「行きたい学校にいける」「努力がむくわれる」といいますが、それがかなうのは、トップクラスのごくわずかだけで、ランク付けされた高校に、「自己責任」で受験しなければなりません。不本意入学も増加せざるを得ません。競争や序列化の教育は国連の子どもの権利委員会の二度に渡る日本政府への勧告でも、PISAの結果でも厳しく否定されているではありませんか。
  明石市に複数志願制を導入せず、総合選抜制度を守り発展させるよう求めますがいかがですか。

▼答弁▼吉本教育長:続きまして高校改革についてでございます。
 本県ではかねてから申し上げている通り、複数志願選抜と特色選抜からなる新しい選抜制度を総合選抜の学区においても学区内の学校の個性化多様化の進捗状況や、地域の意見を参考にしながら順次導入の検討を行うこととしてございます。新しい選抜制度を導入した学区におきましては特色ある学科コース等の設置により、学びたいことが学べるようになったなど入学者や保護者から高い評価を受けてございます。明石学区におきましてはすでに設置をしております国際人間科・美術科などの特色ある専門学科や、普通科のコース等に加えまして新たな総合学科の設置など学区内の特色化が進みつつあると認識をしております。また、明石市におきましては、市民意識調査で、総合選抜の見直しを求める意見が多かったことから、総合選抜制度検討委員会が設置されその見直しが提言をされました。その後、市教育委員会におきましては、市民からの意見を聴取し、総合選抜制度の見直しを県に対して要請することを決定したうえ、市議会に報告したと聞いてございます。今後私どもに対しまして市からの要請があるものと考えてございますが、県教育委員会といたしましては、特色化の状況や市の要請内容を踏まえ、市教委とも連携しながら新しい選抜制度の導入につきまして適切に対応してまいります。前のページへ戻る

明石花火事件のこれまでの答弁の訂正と謝罪を

■質問■ 次に、兵庫県警に対する信頼回復の問題です。先頃、2001年の「明石花火大会歩道橋事故」の判決が下されました。
 11名もの死亡者、247名の負傷者をだしたこの事故について、わが党県議団は、県警の責任を認めようとしない態度を繰り返し追及してきましたが、今回の判決は「雑踏警備の第一義的な責任は警察にある」とし、「主催者の自主警備が原則」だと責任を回避してきた県警の主張を退け、厳しく戒めたものとなっています。問題は、この間の常任委員会など議会における県警の答弁に矛盾や誤りがあったことです。
 1点目は、夜店の出店場所の変更問題です。判決では、明石警察署幹部が明石市の案に強く反対して歩道橋下の市道に変えさせた結果、歩道橋上と階段下付近が大混雑し事故の原因となったことが認定されました。明石市が「(混雑を防ぐため)市有地に出す提案をしたが、警察が反対をした」としていることに対して、警察側は「そんな事実はない」と私たちの質問に繰り返し答弁してきたのです。裁判で明らかになるまでごまかし続けたことはそれだけで大問題です。今までの主張を撤回し、訂正すべきです。
 2点目は、警察の監視モニターの記録ビデオの有無についてです。私たちの「存在しているはず」との追及にも、「録画していない」との答弁を繰り返してきました。今その存在について改めて捜査をしているというのは、いったいどういうことですか。ビデオによる「事故」の状況把握を明らかにすべきです。
 3点目は、事故当日の警察警備の弁当代を明石市に負担をさせていた問題です。本来、県警本部会計から毎年弁当代として支出されています。事故の年は明石市に返金したと答弁していますが、公判の中で10数年にわたって明石市に負担をさせていたことが明らかにされました。
 ところが、明石市にいつから肩代わりをさせていたのか、金額はいくらかなど、実態をいっさい明確にしていません。県警本部会計に計上されていた弁当代はいったい何に使われたのでしょうか。本部長も「不適正な経理」であると認めておられるのですから過去も含めきちんと捜査し、「適正な経理」にあらためるべきです。
 県警は「雑踏警備の第一義的な責任は警察にある」とした判決を「全面的に受け入れる」と表明されているのですから、確定した判決に基づき、具体的に示した三点の答弁の矛盾や誤りについて訂正することを求めますが、いかがですか。

▼答弁▼巽県警本部長:明石花火大会歩道橋事故についてお答えします。このたびの判決は雑踏警備について、警察、主催者、警備会社の3者が第一義的かつ全面的にその責任を負い、それぞれの責任に軽重関係はないと判事したところでありまして、これは私どもの考え方におおむね沿ったものであることから控訴を行わず判決を受け入れることとしたものであります。
 まずご質問の第1点目の夜店の出店場所の件につきましてはその経緯について市と警察の認識が若干異っておりまして、過去における議会において当時の警察の認識に沿った趣旨の答弁があったことは承知しております。しかしながら結論において双方が了解のもと、事故当時の出店場所となったものでありますが、当時の明石警察署が雑踏事故防止の観点から適切な対応を欠いたという判決の指摘については重く受け止めております。
 県警察といたしましては今後このたびの判決の趣旨に沿って雑踏事故の絶無を期してまいりたいと考えております。
 2点目の記録ビデオテープの有無につきましてはご遺族からの要望により再度調査を行いました。ビデオにつきましてはこの録画目的が暴走族の不法事案発生時の証拠化措置であったこと、当時、暴走族の出現がなかったことからビデオ録画をしていなかったことを確認しておりまして、すでにその旨ご遺族にご報告しております。
 3点目の弁当代の件につきましては、警察本部から再三指導を行っているにもかかわらず、平成13年度において明石警察署が主催者から弁当の提供を受けていたことは不適切であったと認識しております。平成12年度以前につきましては、関係者からの聴取を含め調査を行いましたが、関係資料についてはその保存期間が経過をして存在しておりませんことから確たることは判明いたしませんでした。警察といたしましては本件を教訓といたしまして公費により対応すべきものは公費で負担するということを今後も徹底して参りたいと考えております。前のページへ戻る

「あの戦争はただしかった」
靖国史観への知事の態度を問う

■質問■ 最後に、アジアとの平和・友好と知事の歴史認識についてお聞きします。
 7月21日の毎日新聞は、「日本会議」兵庫県本部の総会について、「君が代斉唱の後、『皇居遥拝』で始ま」り、「教育基本法改正の議会決議促進」などの活動報告があったと伝え、知事が祝電を送ったことを報じました。
 この「日本会議」は、設立趣意書などで憲法改定を掲げ、「あたらしい歴史教科書をつくる会」教科書の採択や、首相の靖国神社参拝をも推進している団体です。
 私は、靖国神社内の施設「遊就館」を訪れ、そのあまりに特異な歴史認識に驚きました。
 館内では、「日本会議」制作の映画が上映され、「極東の小国・日本が、大国を相手に立ち上がった大東亜戦争、これは…自存自衛の戦争だった」と日本の侵略戦争を「やむをえない」「アジア解放」と正当化する内容です。展示も、「ルーズベルトによる開戦の強要」と言う説明など、太平洋戦争をおこした責任はアメリカにあったというもので、大本営発表そのままの、戦争の美化の連続です。侵略され植民地とされ犠牲となった多くのアジアの人たちの苦しみに思いをはせたものはみじんもありません。
 このような靖国神社の歴史観に対し、アジアはむろん世界各国のメディアが批判記事を次々に掲載しました。アメリカ下院議会では、7月に終戦記念決議をあげ、「ファシズムと軍国主義に対する世界的な戦争」という大戦の性格を改めて指摘し、「東京裁判」を再確認しました。第二次大戦が、日本・ドイツ・イタリアによる誤った侵略戦争であることは、戦後の国際社会の大前提であり、靖国神社のような歴史認識は、ネオナチなどの特異なものとしか受けとられないのです。
 小泉首相は、国会で靖国神社の歴史観を、政府見解からも逸脱したものと認めながら、参拝することで「お墨付き」を与えています。アジアの日本への信頼を損ない、日本の外交をゆきづまらせていることに多くの人が危惧を表しています。靖国参拝に「慎重な対応」を求めた衆議院前議長河野洋平氏は、雑誌上で、日中・日韓のあつれきは、「日本の対アジア対策の前提となる基本認識をないがしろに」したことから生まれたと批判し、中曽根内閣の官房長官などを務め先日亡くなった後藤田正晴氏も、「(東京)裁判の結果を受け入れた以上、それにいまさら異議を唱えるようなことをしたら、国際社会で信用されるわけがない」と指摘していました。
 いま東アジアでは互恵・平等の経済協力関係をめざす「東アジア共同体」をつくろうという動きが発展しています。東アジア各国との経済的共同は、日本の経済的発展にとっても重要であり、アジアの信頼を得ることは日本の未来にとって不可欠です。
 兵庫県は、中国の広東省・海南省と友好提携し、知事も「アジア・太平洋時代にふさわしい国際交流」をうたっておられます。
 知事は、「日本会議」へ祝電を送られたわけですが「あの戦争は侵略戦争でなかった」という歴史認識に賛同されるのですか。アジア諸国との対等平等、友好の関係を打ち立てるためにも、日本の過去の侵略戦争と植民地支配の過ちを認め謝罪の気持ちを表すという態度こそ必要だと思いますがいかがですか。ご答弁ください。

▼答弁▼井戸知事:アジアの平和と友好と歴史認識についてのお尋ねがありました。わが国は、第二次世界大戦の教訓を踏まえ、恒久平和主義のもと、今日の平和と繁栄を築いてきたわけでありますが、この平和を維持するとともに、世界平和に貢献していくことはすべての国民、全ての県民に共通の願いであると考えます。わが国が戦後60年、一貫して平和主義に徹し、海外援助など、平和貢献をしてきたことをもっと強調してよいとも考えています。
 戦後60年に当たる本年、悲惨な戦争の教訓を風化させず、二度と戦火を交えることなく、世界の平和と繁栄に貢献していくと小泉総理も決意をのべられておりますが、私もまさしくそのように認識しています。本県は阪神淡路大震災の経験をいかし、トルコや台湾等の地震にさいし職員を派遣して助言等を行ってきましたし、県民自身も義援金を募集していろんな助成をしてまいりました。また先般私はスマトラ沖大地震とその津波による被害をうけたインドネシア共和国やタイ王国を訪問し、復旧・復興に向けた意見交換をおこなってきましたし、また、県民交流の船の機会を利用して江蘇省の省長と会談し、経済的な交流や文化的な交流の促進についても話し合いをいたしました。こうした、防災、環境等の分野で世界各地の安全安心や経済交流に寄与していくこともアジアをはじめとして世界各国との友好関係をたしかなものとして地域からの国際平和に貢献しているものと考えます。わたくしはこのような草の根交流、地域と地域との交流こそが21世紀の地球平和を建設していく基本になるもの、このように信じているところです。なお、日本会議への祝電につきましては、日本の伝統と文化を大切にしながら次世代を担う青少年の育成などに取り組まれているこの日本会議から記念行事等へのご案内をいただいたのでなにも、歴史認識を共通しているからと言う意味からではなくて、祝電を打たしていただいたものでありますことを申し添えます。前のページへ戻る

知事の決断で退職金減額と正規教員の増を

■再質問■2点質問いたします。まず、知事の政治姿勢の問題についてですが、知事は民間を例に出されて退職金は多くないと言うような内容のご答弁でしたが、一年間で1120万円を越す退職金になるわけですね。こういう多額の退職金を受け取られているから、県民のくらしに思いをはせることができない、というふうに思うんです。自らできることですから、せめて県職員並みの退職金に減らすべきだと思いますので再度ご答弁を願います。
 もうひとつこれもただちに知事ができることだと思いますけれども、県の職員、県立高校の非常勤の問題ですが、いま青年たちが困っているのは、結婚できないのは、不安定な雇用と賃金が大変低いからです。これはだれが見ても明らかです。これは県自らできることですから直ちに改善すべきではないですか。2点お答えください。

▼答弁▼井戸知事:私の退職金についてのお話がございましたが私副知事を辞任して国に戻って国で退職をいたしておりましたが、相当程度の高いですね、退職金をもらえたはずなんでありますが、それを棒に振りまして、今回知事選挙に出させていただきました。これは少し冗談ぽくこたえさせていただいたわけでありますが、いずれにしても高い低いはやはりバランスの問題であろうと思います。民間企業の役員報酬との比較もひとこと述べさせていただきましたし、他の県とのバランスもふれさせていただきました。そのようなところとバランスを欠くような水準だとすると当然に見直してしかるべきだと思いますが、制度として認められている、しかも議会の議決をへて条例で認められている報酬額につきまして、あえて私自身が返上すると言うのはどういう理由があるのか私には理解できない。かえってそのような処遇を受けているということを基本にさらに県民のみなさま方の負託にこたえることが私の役割ではないか、このように考えております。
 それからもう一つ、非常勤の教員の給与水準の問題についてお触れになりましたが、これにつきましても他の勤務の実態等とのバランスから過去の経緯も踏まえながら定められている水準でございますが、もしその勤務の実態に比して、著しく均衡を欠いているというような実態があるとすれば、教育委員会においてしかるべき検討をされて、私ども財政当局に十分説明がなされるであろうと思います。私どもとしても、そのような他県や勤務の実態等から見てやはり均衡あるものと給与等についてはすべきだとこのように考えているところでございますので、お答えとさせていただきます。

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