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本会議

第283回本会議請願討論 新町みちよ
2005年6月10日

■質問■ 私は日本共産党県会議員団を代表し、請願第104号、第106号ないし第108号の不採択に反対し採択を、請願第15号、第54号ないし56号は、継続ではなく採択することを求め、討論をおこないます。

乳幼児医療費の無料化の請願採択を

  まず、請願第104号、「乳幼児医療費の無料化を求める件」です。
  県は来月から県下の31万5000人の乳幼児に対して、これまでの入院無料を1割負担にするなど、乳幼児医療費助成の大幅削減を行おうとしています。
  厚生労働省が、先頃発表した全国の特殊出生率は昨年の1.29をさらに下回り、兵庫県も1.24と深刻な状況をしめしています。
  乳幼児医療費の無料化は少子化対策としても、子育て世代から切実に求められております。
  今年4月、尾辻厚生労働大臣は、新日本婦人の会の要請に対し、「子どもたちへの社会保障のウェートを増やしていかなければいけない。」と応え、国の制度として考える意向を示しました。
  また、全国保険医団体連合会の調べで、小学校就学前まで助成する市町村は、通院で全市町村の37%、入院では63%にのぼるなど、全国的にも大きな流れとなっています。
  乳幼児医療費の無料化は、県独自に、今すぐでき、もっとも有効かつ具体的な子育て支援策の一つです。
  県民のねがいに応え、本請願の採択を求めます。前のページへ戻る

障害者への「応益負担」制度の導入中止を求める意見書を

  次に、請願第106号、「障害者自立支援法案の再検討を求める意見書提出の件」です。
  「障害者自立支援法案」が国会で審議中です。
最大の問題点は、障害者の福祉サービス利用負担が、所得に応じた「応能負担」であるものを、サービス量に応じた「応益負担」に変えようとしていることです。
利用料は1割の定率負担とされ、医療費も1割ないし3割負担、施設利用の食費は全額自己負担となります。
  これにより、障害が重く、より多くの支援・サービスが必要となる障害者ほど、自己負担が大きくなり、負担できなければ、サービスを断念せざるを得なくなります。
また障害者本人のサービス利用なのに、「同一生計」世帯の収入で負担がかけられます。
  そもそも、障害を補い、生活の維持・改善を図るためのサービスを受けるのは、「受益」ではなく、社会福祉、社会保障です。
  社会保障の負担は、憲法25条が規定する生存権をふまえて、「能力に応じた負担」が原則です。
  「応益負担」の導入は戦後積み上げられてきた障害者施策を根本から改悪し、障害者の生きる権利を奪うもので、小手先の修正で問題は解決するものではありません。
  「応益負担」制度の導入中止を求める願意は当然であり、採択し、意見書を国に提出すべきです。前のページへ戻る

自動車解体工場(丹波市) 住民は公害に不安

  次に、請願第107号「使用済み自動車解体工場建設に関する説明会の開催等を求める件」です。
  丹波市春日町松森地内、竹田川直近の農地を転用して、使用済み自動車の解体工場の建設がすすめられています。使用済みの自動車を一日80台、解体処理するものですが、これにより、廃油やガソリン、ラジエーター液など、有害廃液の流出などの公害が心配されます。
  建設場所は竹田川の上流に位置するため、廃油等の流出により河川が汚染されれば、春日地域や市島地域の農作物だけでなく、飲料水取水も含めると福知山などへと、影響は広範囲におよぶと懸念されます。 
  にもかかわらず、県は「産業廃棄物処理施設の設置に係る紛争の予防と調整に関する条例」に基づく関係自治区を、松森区のみに限定したため、他の中山区はじめ下流の関係住民に対する説明会が、いまだにもたれていない状況です。
  事業者に対し、隣接及び下流域の関係住民に説明会を実施させること。また、住民同意が得られない場合は、建設中止を求める願意をくみ、採択を主張します。前のページへ戻る

国・全国でひろがる30人学級を
兵庫県にもすべての学年に

  次に、請願第108号、「小中学校30人学級を国の動向にかかわらず、県の責任で早期に実施するとともに、当面、35人学級を小中学校すべての学年に広げることを求める件」についてです。
  今年4月の文科省調査によると「児童生徒の学力が向上した」「授業でつまずく児童生徒が減った」と評価する学校は、小学校で98.7%、中学校でも9割以上にのぼっており、少人数学級の効果は明らかです。また、先行して導入したところでは、少人数学級の利点を生かす研究やとりくみも積極的に行われてきています。
  山形県では2002年から導入し、地域の学校を訪問して、教職員・保護者の要望を聞く「スクールミーティング」や、山形大学の研究者と協力しての事業改善の研究など進めています。少人数学級を今年度は小学校全学年で実施し、来年度は中学一年生に広げる計画です。
  山形県が実施する際に効果がないと猛烈に反対した文科省も、今年の山形県の少人数学級研究交流会では「今や国と県の対立はなくなった」と述べ、ムダな公共事業こそ見直すべきだと指摘しています。少人数学級は最優先課題です。
  30人学級をめざし、当面小中学校の35人学級を、県の責任で早期に実施せよとの県民のねがいに真摯にこたえるため、採択を求めます。前のページへ戻る

義務教育費国庫負担制度をまもろう

  次に 請願第54号ないし第56号、義務教育国庫負担制度の堅持を求める意見書提出の三件についてです。
  義務教育の国庫負担制度の目的は、国が教職員の確保に責任をもち、憲法にもとづき、「教育の機会均等とその水準の維持向上とをはかる」ことにあります。したがって、当然国の責任で実行され、保障されるべきものです。
  小泉内閣による地方財政の「三位一体改革」で国庫補助負担金の削減により、義務教育国庫負担制度が廃止されようとしていますが、減らされた国庫負担金すべてが「税源移譲」されるわけではありません。2004年度では、地方交付税など2兆9千億円(前年比12%)も削減し、地方財政に大きな打撃を与えました。
  谷垣財務大臣は、さらに「交付税総額を抑制して財源保障機能を縮小することが必要」と、来年度予算編成でも交付税削減をねらっています。
義務教育費の一般財源化は地方格差を拡大し、教育水準の低下は火を見るよりあきらかであり、全国2026市町村議会も、「義務教育費国庫負担制度の堅持を求める意見書」を提出しています。
  今年秋に向けて検討されており、この6月にも中教審中間報告が出される予定です。決断すべき時期であり、継続でなく採択を求めるものです。前のページへ戻る

18歳選挙権の早期実現求める請願への真摯な対応を

  最後に、請願第15号「若者の政治参加を広げる18歳選挙権の早期実現を求める意見書提出の件」です。
  秋田県(旧)岩城町での合併めぐる住民投票で、永住外国人を含む18歳以上の住民投票資格を認め、愛知県高浜市でも18歳以上の住民投票資格を認めています。
住民投票の結果には法的拘束力はありませんが、国政や地方選挙における18歳選挙権論議に影響を与えています。
  阪神淡路大震災や薬害エイズ事件など、市民活動に多くの10代の若者が参加しました。少子高齢化社会で若者の意見を反映させ、世代間の均衡と各世代の協力連帯の社会をつくることも大切な問題です。
  世界では、149カ国が18歳までの選挙権を保障しており、G8主要先進国では、日本以外のすべてが認めています。ドイツの5つの州では、社会に出るための最低限必要な義務教育の終了年齢と連動させ、16歳以上の選挙権を認めています。
  民法や少年法と一体で考えるべきという意見もありますが、法律にはそれぞれ適用年齢があり、必ず一致させねばならない理由はありません。
  18歳は自動車免許も取得でき、労働基準法では、深夜労働、危険物有害業務への就業も認められています。結婚もでき、働けば税金を納めるなど、種々の権利や義務が課せられているのに、「政治に参加する権利」が保障されていないのは不合理です。
  なお本請願は、継続審査となって2年以上も店晒し状態にあります。議会として真摯な対応が求められもので、本義会での採択を求めます。
  以上、理由を述べ討論を終わります。ご静聴ありがとうございました。

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