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本会議 第282回本会議議案反対討論 毛利りん
2005年3月25日

 私は、日本共産党県会議員団を代表して、ただいま上程中の平成17年度関係議案75件中、第1号、第3号ないし第5号、第10号、第16号ないし第19号、第21号、第23号、第27号、第30号ないし第32号、第37号、第40号、第42号、第46号、第47号、第49号、第50号、第54号、第55号、第66号、第67号、第69号、第70号、第72号、第73号、第75号、以上31件に反対し、その主な理由を申し述べます。

福祉医療改悪、教育の願いに背き、ムダ温存の予算に反対

 まず、予算全体についてです。
 今年は大きな節目の年です。阪神淡路大震災から10年、戦後60年、私たちは過去の歴史に学び、それを教訓に英知を発揮して希望の未来を展望できる県政を確立することが、今求められているのです。
 ところが、本予算は阪神淡路大震災の復興を縮小させる予算となっていることです。
 議案でも復興本部体制の廃止のための条例が提案されたのをはじめ、緊急災害復旧融資の据置期間と融資期間の「延長措置」も国とともについに打ち切りました。
 大震災から10年たっても「復興道半ば」というのは知事も公言されています。勿論被災者はもとより県民みな同じ思いではないでしょうか。その認識にたつならば、復興事業の終結への方向は到底認められません。
 反対理由の第1は、福祉、医療などの予算削減についてです。
「県行革推進後期5カ年の取り組み」により老人医療、乳幼児医療、母子・父子医療、重度心身障害者・児医療などに対する医療助成削減を県民、市町村会、医師会など多くの団体や自治体の反対の声を無視して7月から実施するとしています。「現行制度の維持・存続」を求めた署名は、実にほぼ25万筆にものぼりました。2月には、私たち県議団も県内諸団体でつくる「県民いじめの『行革』ストップ要求実現連絡会」とともに3万1384筆の署名を手渡し、さらに一昨日も、追加の署名が提出されたところです。要望の強さを知事は今一度受けとめるべきです。
住民の健康・福祉を守ってこその県政なのに、社会的弱者の健康・福祉をきり捨てる予算案は到底納得できるものではありません。
 反対理由の第2は、少人数学級の拡大を拒み、地元合意無視の「高校改革」を新年度も強行しようとしていることです。
 昨年から実施された小学校1年生の35人学級は、こども、父母、教職員、県民に広く歓迎をされました。「少人数学級」の効果はあきらかとなり、この少人数学級は引き続き全学年に拡大されるものとの県民の期待は当然ですが、予算案はそれを裏切ったものとなっています。
 また、教育における「高校改編」の問題についても、西播学区での高校統廃合計画、明石市、西宮市などでの総合学科導入など、地域住民や生徒たちの声を聞かず、説明責任も果たさず一方的な「高校改編」が進められようとしています。そして、その検討過程についてもいっさい公表しない県教委の閉鎖的な体質が明らかになりました。そして、わが党の直前に行った予算特別委員会や本会議でのわが党の質問には「検討中」としていっさい答えない中で昨日(24日)、突然一方的に発表がなされたのです。県民無視、議会軽視もはなはだしいと言わざるを得ません。「地域に開かれた教育をすすめる」とは、教育委員会自らが言った言葉です。生徒・父母・県民の声を無視し、合意のない「高校改革」の推進は反対です。
 第3は中小企業への支援が乏しく大企業に偏重し、雇用の拡大を求める県民の声に答えていないことです。
 大企業が過去最高の利益をあげている一方、中小企業は深刻な事態が続いています。しかし、県の予算案では地域経済の9割を支える中小企業への支援が乏しく、大企業への異常な優遇がすすめられています。産業集積の進出企業に対する補助の拡大されますが、これを利用できるのは一部の大企業に限られており、雇用や受注もほとんど地元になく、必ずしも地域経済の活性化につながるものにはなっていません。
 また、雇用でも完全失業率は全国ワースト6位と依然としてこれもまた深刻です。
 企業は、リストラがすすむ中、パート、派遣、契約など非正規雇用が県内労働者の4分の1を占めるほどとなっています。特に、若者のフリーター、ニートなど社会問題となっています。新予算案は、この実態を改善するものになっていません。
「緊急雇用創出事業」を廃止したため、労働費は73億円の減額で、前年度から半減となっています。
 また、県みずからも職員の臨時雇用の枠を広げたり、高校生の数が減るとの理由で高校の教員を237人減らすなど認められません。
 反対理由の第4は公共事業の抜本的見直しを行っていないことです。
 公共事業は、前年度比99.4%になっており、災害復旧関連が含まれているとはいえ、全国の公共事業予算が縮小へとの流れに対し完全に逆行しています。そして、一般財源の乏しいなか、ますます起債依存度が高まっています。そのうえ国直轄事業の県負担金250億円は認められません。
 私たちは、公共事業を全て必要なしとは考えていません。予算組み替えでも提案したように、県民の安心、安全にとって重要な新耐震基準以前の民間住宅を耐震化するための計画や公立小・中・高校や私立学校の耐震化促進。
 道路建設でも、既存の生活道路を改修工夫することや、治水対策でもダムよりも、堤防補強などの河川改修に力を入れるべきで、投資総額の抑制や効果的な活用にもっと努力と英知を集めるべきです。
 神戸空港、関西国際空港2期工事など、空港関連や、無駄なうえに環境破壊につながる6つのダム建設の計画、六甲グリーンベルト事業など、不要不急のものはやめるべきです。このような公共事業のあり方からも反対です。
 なお、有事法制にもとづく国民保護計画費作成費が計上されていますがこれは、県民の安全を保障するものではなく、戦争に国民を総動員して協力させる「計画」の一環である事はあきらかであり、賛成できません。

県民の知らないうちに増税となる「県民緑税」の撤回を

 次ぎに、今定例議会には数多くの条例が提案されていますが、その中で反対する主なものについて意見をのべます。
 まず、第23号「使用料及び手数料徴収条例等の一部を改正する条例制定の件」です。
 県立大学の授業料、研修料を国に追随して引き上げまた、淡路景観園芸学校の授業料、研修料をそれぞれ値上げするもので教育の機会均等の原則に反し、父母の負担増は認められません。さらに、警察の駐車違反の取締りを民間委託しその手数料を定めるもので、公的役割を放棄しかねないため反対するものです。
 つぎに議案第30号「県民緑税の件」です。わが党の一般質問や予算委員会でも指摘しましたが、わずか146件のパプリックコメントで県民の意見を聞いたとばかりに拙速に事業をすすめられる事は問題です。
 はたして、「県民緑税」のことを知っている県民がどれだけおられるでしょうか。知らない間に、240万人の県民が増税が押し付けれるのです。知事の「参画と協働」の言葉と矛盾します。使い方の問題としても林業の振興策など抜本的な見直す事なしに県下の山を「災害に強い森林」にする事はできません。
 次に議案第32号「一般職の任期付職員の採用等に関する条例の一部を改正する条例制定の件」ですが、採用した月から3年なし5年を超えない範囲で採用の延長を可能としながら、扶養手当、退職手当などを支給しないとするものです。これは、労働条件の改悪につながるもので、認められません。
 第37号「個人情報の保護に関する条例制定の件」は、公安委員会や警察本部長を加えることについては、異論をとなえるものではありませんが、「犯罪の予防、鎮圧及び捜査、被害者の逮捕、交通の取り締まり」については、例外規定をもうけるのは理解できますが、「その他の公共の安全と秩序の維持」までも例外規定に加えるのは、拡大解釈され、人権侵害のおそれがあり認められません。 
 また、議会も追加されるものですが、言論の自由を束縛するおそれがあるもので、認められません。
 次に議案第27号、第72号「兵庫県立芸術文化センターの設置及び管理」に関する条例と、芸術文化センターを「兵庫県芸術文化協会」に指定管理する議案ですが、本来芸術文化は県民に公平に安価で提供するために県が責任をもつべきものです。これからも能力ある人材を育てていくためにも、県直営でおこないそのノウハウを蓄積すべきものであり賛成できません。
 議案第73号、こころのケアセンターを「21世紀ヒューマンケア研究所」に公の指定管理者として指定するものです。72号議案と同様本来精神保健所として保健行政の一貫として県が責任をもっておこなうべきです。特に精神疾患が多発している現代、PTSD対策やメンタルケアの必要性は非常に重要なものです。その立場から言っても県が直接責任をもって行うべきです。
 最後に75号は「あまがさき健康の森株式会社」に指定管理者するものです。この施設はPFI事業で、民間に設計・建設から経営まですべて一括して丸投げし、その経営に議会がチェックできなくなります。その一つとして利用料金も条例で定めた基準額に0.5倍から1.5倍の範囲内で管理者が自由に定めることができます。また、当初から「赤字」を見込み、県が補てんする計画です。県民の税金を投入した上、公的責任を投げ捨てるものであり反対です。
 以上主な議案について述べましたが、その他の件については、これまで再三にわたりその理由を述べてまいりましたので、省略をさせていただきます。議員各位のご賛同を期待して、私の討論を終わります。ご清聴ありがとうございました。

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