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本会議 第282回本会議議案反対討論 中村まさひろ
2005年3月9日

 私は日本共産党県会議員団を代表して、ただいま上程中の議案のうち、議案第189号、第192号、第198号、第208号、第211号、第213号ないし第215号、第219号ないし第222号、第224号、第226号ないし第228号、第244号および第247号、以上、18件に反対し討論を行います。

不要不急の高速道路、塩づけ土地対策に税金投入は問題

 まず、2004年度補正予算案および関連議案についてです。
 昨年相次いで本県を襲った一連の台風による甚大な被害の復旧のため、先の11月議会についで「災害関連予算」として350億円が計上されています。わが党は一刻も早く復旧すると同時に、被災者の支援をさらに充実することを強く求めるものであります。
  しかし、災害関連を除いた予算の中に指摘しなければならない問題点がいくつか含まれています。
  その第一は、一般の公共投資事業について、国の内示による公共事業費が99億円のほか、新直轄事業となった中国横断自動車道「姫路鳥取線」の中国自動車道から北部延伸事業など国直轄事業の県負担分が約101億円、合わせて200億円もの増額補正など、相変わらず「不要・不急」の事業予算が組まれていることです。
  第二に、活用の見通しがないまま、昨年に続いて土地開発公社と住宅供給公社の保有地437ヘクタールを531億円で買い戻すことです。県みずから進めてきた無駄な大規模開発計画に基づく見通しもない膨大な土地先行取得が完全に破綻しているにもかかわらず、全く反省もせず簿価で買い戻すために373億円もの新たな起債発行。これらの土地は相変わらず値下がりを続けていますが、いまだに時価がどうなっているのかも明らかにしていません。県民のこうむっている損害ははかりしれないものがあり、到底賛成できないものです。

県の事業にふさわしくないカーネギーメロン大学誘致

 第三に、カーネギーメロン大学情報大学院を誘致するとして公営企業とともに、1億円の出捐(しゅつえん)と、初期投資および5年間の運営費として20億円支出することについてです。「ひょうご情報公園都市」の開発事業が破綻して、当初目的を変更せざるを得なくなっている中で、神戸市内にまず大学院を誘致、将来情報公園都市に建設することを期待しての投資であります。もしそうなれば、ごくわずかな「情報セキュリティの人材育成」のために、今後、学校建設も含めて莫大な費用を県が負担することにもなります。このような高度な情報に関する研究等は本来国がになうべきものであり、本県がその事業をやる必要はありません。

県民のくらしにかんする予算の減額は認められない

 第四は、以上のように県民の納得できない事業に多額の補正予算を計上する一方、県民の「くらし」に直結する事業は、不十分な当初計画からさらに減額補正を計上していることです。たとえば、代表質問でも指摘しましたが、特別養護老人ホームや保育所の待機者が一向に減らないにもかかわらず、社会福祉施設整備補助を42億円も削減しています。さらに地域の環境浄化に大きな影響を与える生活排水処理事業については生活排水99%作戦がまだ達成できていないのに、当初予算41億円のうち28億円もの減額を計上しています。現在、事業実施が困難な地域が多く残されているにもかかわらず、来年度から制度そのものを縮小し、補助率を引き下げるという姿勢と合わせて問題であります。 
  そのほか、県「行革」による工業技術センターや農業技術センターなどの職員減による人件費削減のほか、これまで毎年指摘してきた但馬空港運航費の赤字補填151百万円なども合わせて認めることができません。

平和の流れに逆行する国民保護法関連の条例

 次に、条例・事件決議 議案について述べます。
  まず国民の多数が反対運動を続けてきた「国民保護法制」にかかわり、県条例を制定しようとする議案第214号ならびに第215号についてです。
  自衛隊のイラク派遣、有事法制の制定とその一環としての国民保護法の条例化について第二次世界大戦を体験した人々は勿論、若者の中からも「憲法9条を守れ」という声とともに、アメリカとの集団的自衛権への道を危ぶむ世論が広がっています。イラクへのアメリカ占領支配に反対している国が国連加盟国191カ国のうち、142カ国にもなり、アセアン諸国では東南アジア友好協力条約および「非核兵器地帯条約」が締結されるなど世界の流れは、国連を中心に大きく平和に向かっています。
  そういう時代に、北朝鮮を含めた北東アジアでも平和の流れこそ求められています。しかし、国民を統制する法律である国民保護法の条令化は、「国民保護」を口実とした、アメリカの戦争準備のためであり、県民を巻き込む危険な住民不在の計画とならざるを得ません。防災・防犯・テロの危険、ミサイル攻撃を受けるなどいろんな口実をつけても、それは国民保護でなくいっそう国民を危険にさらす条例となり反対です。
  なお、議案第211号は武力攻撃事態等に派遣された職員に対する手当てを支給するもので同じく反対であります。

住基ネット利用のサービスに反対

 次に議案第213号「行政手続き等における情報通信の技術の利用に関する条例の一部を改正する条例制定の件」についてです。わが党は、電子化すべてに反対するものではありませんが、これまで書面で行われていた行政手続きをオンラインシステムを利用することができるようにする今回の条例改正は、行政手続きをした個人の情報が住基ネットを通じて国の行政機関に集中され、個人データとの照合・認証がされたり個人の手続き等のデーターが蓄積されるなど、個人情報が保護されないきわめて危険なものであり、反対いたします。

問題のある河川改修の補正に反対

 第222号「一級河川の指定等に関する意見提出の件」について、円山川の支流である嶋川と田多地川を一級河川に指定して一括して県が管理することについて異論はありません。しかし、川西市の寺畑前川を一級河川に指定変更する件は、議案第228号の「寺畑前川調節池整備工事請負契約変更の件」と関連しています。この事業は昨年3月に契約案件として議案提案がされたとき、わが党は「総額60億円も投入して地下に巨大なタンクを作らなくとも河川拡幅方式や河床の切り下げなどで浸水防止対策が可能である」と反対したもので、今回工法変更で約3000万円の減額補正がなされてもその本質は何ら変わるものでなく、巨大タンクに続く水路を一級河川に変更することとともに反対であります。
  第244号「県立飾磨工業高等学校耐震補強その他工事請負契約締結の件」についてです。学校の耐震補強工事は一刻も早く実施すべきですが、この契約案件はは工事の発注方法が問題であります。今回のように16億円もかけて校舎や体育館など9棟の設計・工事を一つのJVに一括発注するやり方は到底認められません。耐震補強については今、合理的で安く上がるさまざまな工法が開発されています。ところが、設計と工事を一括し巨大ゼネンコンだけしか受注できないような発注方法をとったために、入札には2者しか参加しないという異常な状況でした。今後県立学校の耐震工事は毎年実施していくわけですから、安全な学校づくりとともに徹底した分割発注で地域経済に大きく貢献する必要性から反対いたします。

高規格な道路計画の再検討を

 最後に、第247号「一般国道178号道路改装事業船越トンネル(余部工区)建設工事請負契約締結の件」についてです。現在、国道178号は一日約5600台の通行量がありながら、大型車がすれ違いにくいトンネルや、矢田橋のような危険な橋があり、地元から改善要望があるなど改装の必要性についてはわが党も十分に承知しているところであります。
  しかし、今なぜ62億円もかけて高規格の道路が必要なのか。1994年鳥取豊岡宮津自動車道路が計画されたときは高規格道路としてスタートしましたが、10年が経過した今、国や地方自治体の財政悪化や環境保全を求める世論の高揚など、社会・経済情勢の変化もあり、高速道路建設の見直しが叫ばれている中、あくまで当初計画にこだわって事業を強行するという姿勢は、「つくる から つかうへ」という言葉とも相容れないものであります。現在の道路の拡幅などもっと安上がりの方法はないのか、など、部分改良も含めて再検討を強く求めます。
  なお、議案第219号、第220号、第221号はいずれも土地改良事業や公共事業急傾斜地崩壊対策事業、国営公園整備事業において市町の負担する額を定めるものですが、これまでも述べてまいりましたように、災害対策や、特定の地域住民だけでなく幅広く県民が利用する等、広域的な施設整備については特定の市町に負担させるべきでなく反対であることを申し上げ、議員各位のご賛同を期待して討論を終わります。

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