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本会議 第282回本会議代表質問 筒井もとじ
2005年3月1日

県民負担増、ムダ温存の井戸県政の3年半

■質問■ 知事に就任されてから3年半をむかえ、今年は知事選挙の年。これまでの県政運営の審判を受ける年であります。井戸知事が、県民の現状とそれにこたえた県政運営を行なってきたのかどうかが問われます。
 県民のおかれている現状はどうでしょうか。
  国民が長引く不況でくるしんでいる一方で、リストラなどによる「合理化」で、鉄鋼や自動車などの大手企業は過去最高の利益をあげていますが、家計には恩恵は回ってきていません。2002年の「所得再配分調査」によれば、富裕層と最も所得の低い層の所得の格差は、1996年は33倍、99年61倍、2002年は168倍と拡大するばかりです。「弱肉強食」「勝ち組・負け組」をつくり出す政治が、「小泉構造改革」です。大企業は過去最高の高利益をあげる一方で、国民のくらしと雇用・営業は泥沼というように、経済の二極化、所得格差が広がっているのです。
  このことが県民のくらしを冷え込ませ、県民意識調査(03年)でも「自分の生活が低下している」と答えた人が44%、「向上した」の5%の8倍以上にもなっています。
  追い討ちとして、さらに2007年度までに定率減税の廃止など、あわせて7兆円もの国民負担増を押し付けようとしています。「これでは橋本大失政の二の舞だ」との声が広がっているのも当然です。
  このような政治が押し進められるもとで、自治体の役割、なんのために存在するのかが問われざるをえません。
  井戸知事は、貝原前知事のあとを受け継いで、「県行革」も引継ぎ、老人医療費の対象者の削減や、長寿祝金や在宅老人介護手当、私学助成の削減など、1360億円(00年〜08年)負担増計画を、強行してきました。
  昨年、「より財政が大変だ」と言って、さらなる負担増の福祉医療改悪案を提案し、県民との軋轢をうみだしてきました。
  県民への負担増の一方で、公共事業などの無駄遣いは、あい変らずであります。
  空港や六甲グリーンベルトなど大型公共事業の予算を確保、台風や学校耐震化などをのぞいても国の示した水準よりも高い投資的経費の伸び率(単独の国基準△8.20、県は△5.20、国基準より44億円多い)となっており、2月補正では宝塚新都市や小野市場地区などといった活用の目途がない土地買い戻しに534億円もの税金を投入しようとしています。
  新聞社の県民アンケートでは、「県政で最も重点的に取り組んでほしい」との問いへの回答で25%もの人が「無駄遣いをなくしたり、公共事業を見直すなどの行財政改革」と答え、一方で、「子育て、医療福祉、教育」を20%近くが要望しています。

 また、切実な雇用の問題では、完全失業率がすこし改善されたからといって内容は派遣やパートが多いのが実態です。企業はリストラをすすめながら、さらに人件費節約のため、パート・派遣・契約などの非正規雇用を増大させ、県内の就業の4分の1(平成14年、全国より高い比率)になっています。若者雇用の深刻さなど、構造的問題からくる雇用の深刻さは変わりません。将来に雇用の安定や収入の増は見込めない人が多いのが現状です。
  しかし、これまで知事がおこなってきた対策は、国の交付金・緊急雇用施策が実績の約3割を占め、県民に役立つ福祉や教育分野の正規雇用はわずかな人数(9.2%)で、実態にふさわしい政策になっていません。
  さらに、特養と保育所の問題でも、待機者を「ゼロにする」「解消する」と公約されましたが、3年たったいまも、両者ともたくさんの待機者を産み出しているのが現状です。この間、抜本的な待機者解消策をもとめてきたのに対し、特養では「ショートステイ床の転用」や入所コーディネートマニュアルなどでの入所制限などでお茶をにごし、保育所では新設を十分にせず、「定数増・分園・認可外保育」などで、これもごまかしの対策にしか手をうてていません。

 知事、県民の深刻な実態や県民の願いに応え、「県行革」方針を撤回し、雇用や待機者の解決、無駄な公共事業の削減に踏み出すことを求めますが、いかがですか。

▼答弁▼ 井戸知事:井戸知事:日本共産党議員団を代表しての筒井もとじ議員のご質問にお答えいたします。
  まず、県行革方針の撤回についてご意見を頂戴いたしました。厳しい行財政環境の中で中長期にわたる健全な行財政運営を確保しつつ、少子高齢化に伴う健康福祉や景気や環境、産業雇用など今後ますます重要となる政策課題に的確に対応していくためには、行財政構造改革は必要不可欠であると考えております。
  新年度の予算編成においても昨年2月に県議会特別委員会においてもご審議いただいて策定した平成20年度までの行財政構造改革推進方策後期5カ年の取組にもとづき、組織や定員、給与、投資事業や事務事業の見直しを行うことによりスクラップアンドビルドの徹底をはかり、新規施策のために財源を確保して、新規事業に取組んでいるものであります。
  これにより安全と安心を確保を初めとする5つの柱のもと、参画と共同を基本姿勢として元気兵庫の創造に向かって積極的に展開しうる予算編成ができたものと考えております。
  ご指摘の雇用対策については、経済雇用再活性化プログラムにおいて中小企業の活性化や企業誘致等による常用雇用に加え緊急雇用創出、求職ニーズを踏まえた常用雇用に変わらない多様な働き方への支援を行っておりまして、目標とする5万人を大きく超える約6万3千から5千人の仕事雇用創出を実現できる見込みです。
  なお最近の新規求人に占める常用雇用割合を見て直近昨年の12月では、66.5%が常用雇用を求人されております。この数値は数年の動向では60%前後と推移しているところです。
  また、入所の必要性の高い特養待機者は16年4月時点では、1383人でありますが、施設での空床や新規開設などにより年度末にはおおむね解消できると考えています。
  保育所待機児童につきましても532人は平成16年4月時点での待機者でありましたけれども、確実に保育所の新設などにより減少しており年度末には解消できるものと考えております。
  公共事業については、安全安心なまちづくりと未だ整備すべきカ所も多く、既存ストックの機能を有効に発揮させながらコスト縮減等をはかり社会基本整備プログラムを基本としながら県民の声を反映しつつ重点的に集中的に取り組んでおります。
  今後とも議会や県民、市町、関係団体との幅広いご意見やご協力をいただきながら策定した推進方策後期5カ年のとりくみを基本にすえ、改革の着実な推進に努めてながら、元気兵庫の創造をめざしてまいります。このページの上へ

福祉医療助成の改悪の七月強行やめよ

■質問■ 先ほど、福祉医療改悪の問題で、県民との「軋轢」といいましたが、福祉医療問題で、県政と県民の矛盾は深まるばかりです。
  まず、やり方の点では、県は昨年末の12月に福祉医療助成制度の改悪について、今年7月から実施すると発表し、改悪が含まれた予算案がこの議会の議案として出されていますが、実施主体の市町では、条例の改正や予算の確定をまって4月以降に住民に知らされることになり、7月実施となれば、文字通り「直前」になって市民に患者負担の変更が知らされることになります。「行革」の留意点とされている「対象者に説明、周知・徹底する」ことにも反することになります。
  内容面では、われわれが従来から強く要求していた精神障害者の医療費助成を創設するなど評価できる面はありますが、従来からの助成削減・改悪は、1割〜3割の対象者にたいして、「低所得者対策」を付け足し、わずかの修正をしたもので、改悪の本体そのものは、なんら変わっていません。(低所得者対策によって、県民の負担増は、3年8ヶ月で138億円から119億円と、19億円の軽減にしかなりません。)
  この改悪の実施が実質上「凍結」されていたのは、パブリックコメントや医師会をはじめとする広範な団体からの反対の声をうけて、県議会も慎重な検討を求めていたからです。
  「再検討」や「継続してほしい」という意見は広がりをみせ、その後も3月と6月の高砂市議会にはじまり、9月には稲美町と西宮市、10月は神戸市、12月にも尼崎市、明石市議会が意見書をあげています。町村会長の中田波賀町長も「現行のままでの維持を要望した」と明言されています。
  先日2月7日には、県民いじめの「行革」ストップ!要求実現連絡会が3万筆を超える福祉医療の患者負担増計画撤回等を求める請願署名を知事宛に提出したところです。
  尼崎市が1月におこなった市民意見募集でも、「弱者に負担させる制度は考え直してほしい」「負担を考え通院できなくなる人を見殺しにする」「65万円という低所得者対策はきびしすぎる」など反対の声ばかり。これが県民の率直な声であります。
  また、兵庫県肢体障害者協会は17日に知事宛に要望書を提出し、「一部自己負担の導入撤回」を求めています。
  知事は何故これだけの反対の声を押し切って医療費助成の削減を強行されるのでしょうか。
  県の強行姿勢に、市町当局も困惑しています。われわれが2月に入って、独自に県下市町に行なった「市町長アンケート」では、現在47市町から回答で、明確な反対は6自治体ですが、「継続を要望していたがやむをえない」など実質上反対の意見をもっている自治体も数多くあります。来年度予算でも市町独自の上乗せ事業を継続・拡充する自治体もでてきています。
  「協議」についても聞いたところ、担当者レベルの県からの一方的な説明の会議ばかりで、とても「協議」と呼べない中身であり、市町長との協議など一切していないではありませんか。

 福祉医療制度の改悪をストップし、すくなくとも現行通り継続をすることを強く求めます。知事のあたたかい答弁を求めます。

▼答弁▼ 井戸知事:厳しい行財政構造や医療制度改革等の環境変化に対応する必要があるのではないのかということ。
  厚生医療や育成医療など本体医療でさえ一部負担が求めれていることとの均衡をとる必要があるのではなかと言うこと。将来にわたり制度を維持する必要性をどう考えるかなどの観点から福祉医療制度について一部負担のあり方を見直すこととさせていただきました。基本となる老人医療費助成事業は全国的には廃止の方向にありますが、本県ではカバー率を約5割として実施しておりますが、これを確保するという制度の根幹を維持することにより私はかえって制度本体を存続させることにつながるものと考えています。
  これら福祉医療の見直し内容については市町、関係団体及び有識者のご意見をチョイスするとともに県議会の行財政構造改革調査特別委員会でのご審議を経て平成16年2月に後期5カ年の取り組みとしてとりまとめました。このとりまとめに先立ち市町に対しては市長町長、幹部職員に対して説明意見交換を行うとともに、方針決定後も各市町の担当部局長等に説明を重ねてきております。
  また実施時期についても市町との意見を踏まえて受給者証の切り替え時期である平成17年7月から実施することにしました。さらに市町や関係団体との協議を重ねる中で示された意見を踏まえ重度精神障害者に対する新たな福祉医療制度を創設すること。4カ月以上の長期入院患者の負担を求めない措置を講ずること。低所得者については老人医療の1割負担据え置き。
  その他の医療についても軽減措置を講ずること、災害失業対策等に対しても配慮すること等、きめ細かな措置を講ずることにしたところです。
  平成17年1月の県政懇話会でも各市町長に対して改めて説明し、また関係資料を送付し確認作業を行っております。現在各市町では平成17年7月の実施に向けた諸準備が行われているところであり、適切に実施してまいりたいと考えております。このページの上へ

大震災10周年、個人補償と復旧のあり方の教訓ふまえ支援策の強化を

■質問■ 阪神淡路大震災から10年が経過し、膨大な資料による並列的な検証が行なわれましたが、何ができたか、何ができなかったか、その原因は、何か被災者にはわかりにくいものでした。
  被災者の人生やくらしのなかでの大震災は数限りないドラマがあり、体験した者が得た教訓、生き残った者が生き長らえた人生をどのように生きるのか、筆舌につくしがたい大きなものだと思います。
  震災の影響は暮らし向きの低下や、失業、中小零細業者の売上げ、経常利益の低下に時間の経過にかかわらず色濃く残っています。
  あい変らずつづく孤独死や自殺数にも、その深刻さはあらわれているではありませんか。
  大震災は、45万世帯の生活基盤である住宅を破壊し、生活再建の自助努力の土台を奪いました。国家と社会が最も基本にすえるべき支援は、被災者の生活基盤の破壊からの回復にありました。
  可及的速やかに自力でがんばれる状況にするため、被災「直後」の公的支援が不可欠であること。これこそ最大の教訓であります。被災者の声を背景に3年後に不十分ながら被災者生活再建支援法がやっと成立しました。
  3年もかかったのです。
  自助努力を強調するなら、その土台の回復のために国や行政の公的支援の役割の重要性が、もっと強調されるべきであります。
  震災による10兆円と推定された損害に「創造的復興」をかかげて「17兆円で10年で目途をつける」とされたが、国・県・市、全体の復興予算事業費16兆3000億円のうち、6割の10兆円が「多核・ネットワーク都市づくり」に投入され、県は4兆数千億円の予算措置のうち、生活救援対策は12〜13%程度で融資が中心でした。
  復興資金のソフトとハードの分野における極端なアンバランス、復興格差のひろがりは復興の優先順位に問題があったことは明らかではありませんか。
  避難所解消に半年以上、仮設入居も5年を要したのは、住宅は個人の資産、回復のための個人補償はできないとの基本姿勢に従ってきた、従わざるをえなかった知事の責任と思います。国はいまも、基本的にこの姿勢を変えてはいません。
  知事の年頭あいさつをみても、この点での明確な反省は見られません。
  今年の記者会見で、知事あなたは被災者生活再建支援法での住宅本体への公費投入で、 小泉首相が慎重姿勢をとっていることと、あなたの提唱する住宅共済との組み合わせについての質問に、「居住安定支援制度は、昨年4月からスタートしたばかりの制度で4年後の見直しの附帯決議があるから、いま直ちに制度改革を検討するのはなかなかしにくいお立場と思う」と同情してみせておられるが、個人補償という重い課題、核心となる課題をこんなに軽く受けとめてよいのですか。
  野党三党が今国会に共同提出した被災者生活再建支援法の抜本的改正案が示すように、被災者支援の一番の焦点は、住宅本体への公的支援ー個人補償の実現に踏み込むことか否か、これ抜きには「魂」のぬけたものになると考えます。
  今回の台風等の災害で、県が行なった住宅再建等支援金も住宅再建共済制度が創設されるまでの臨時的措置とされています。 「公助」の基本をあいまいにして、「共助」に力を入れることに疑問を感じる県民も少なくありません。

 住宅本体再建への適用など、被災者生活再建支援法をただちに改正するよう政府と国会に知事自ら要請を行なうことを求めます。

▼答弁▼ 井戸知事: 続きまして被災者生活再建支援法の改正要請についてです。震災復興にあたってご指摘のように被災直後の生活再建への支援が必要であることは重要でありますので、生活再建支援法による緊急応急時における生活再建支援金が制度化されるほぼ1年前に高齢世帯生活支援金を支給できるよう制度化したのが本県でありました。このことを制度化したからこそこの生活再建支援法も制定されたものと考えておりまして、私は本県が阪神淡路大震災の復旧過程において制度化への突破口を開いた。そのように考えております。
  また、住宅の再建は被災者の自立した生活の再建と被災地の再生をはかる上で最も基盤となるものと認識しておりますので、本県は震災直後から国民的な賛同を背景としつつ県議会のみなさまともども、住宅再建支援制度の創設を訴えてまいりました。
  こうした取り組みが結実し昨年4月に居住安定支援制度が創設されたわけでありますが、残念なことにこの制度は建築費本体に充当できないとされておりますのでどうしても不均衡が生じます。従いまして、本県独自に補完事業を行うなど公的支援を充実したところであります。
  また、公的支援には住宅非所有者との公平性や大規模災害時の財政負担などからその支給水準には自ずと限界があると考えます。従って大震災の教訓を生かす共助のしくみとして住宅所有者の助け合いの精神に基づく住宅再建共済制度実施することとしておはかりをさせていただております。
  居住安定支援制度の課題については、本県が全国の先頭に立ってまいりました。
  昨年台風23号や新潟県中越地震の際にも新潟県知事とともに総理を始め関係閣僚に直接改善を求めてきたところです。今後とも制度の改善に加え住宅再建支援にかかる法体系の整備も含めた総合的な改善を全国知事会にも賛同を求めながら機会あるごとに政府及び国会に対して求めてまいります。

震災復旧のあり方、コミュニティーの回復について

■質問■  本県で、国際会議が開かれ、今なお復興道半ばと指摘せざるを得ない状況です。どの点で何が道半ばなのか。被災者の生活・コミュニティーが戻っていないからであります。
兵庫県に戻りたいと希望している県外避難者が、今なお戻れない。その理由は、県の調査でも7割が公営住宅に当選しないなど希望の住宅が確保できないことが原因です。このままずるずると放置するのでなく県外避難者の願いに答える特別の手立てが必要です。
  県内の避難者はどうでしょうか。復興公営住宅も今なお、毎回、募集戸数の10倍を超える被災者の応募が常にある実態です。その一方、一定の収入基準以上向けの特定優良賃貸住宅の所得制限をはずして、かつて準公営住宅と称して募集した住宅は、建設された3276戸の内、被災者の入居はわずか279名です。県はいみじくも「(民間賃貸住宅への家賃補助は)仮設住宅から移っていただくための緊急施策」と委員会で答弁されましたが、住宅を失った被災者の生活再建、コミュニティーの再建でなく、別の動機でことが進められたということでありませんか。
  被災者のコミュニティー回復・元のまちにもどすことも、いまでも求められています。
  大震災の復興公営住宅での孤独死250人、仮設の孤独死233人、自力で仮設バラック・コンテナ住まい5000棟中、1000棟以上が残っており、神戸市・芦屋市・西宮市で駐車場にもなっていない更地は8700世帯分が10年たって、なお残っています。(奈良大学地理学科防災調査団・碓井教授)
  避難所から仮設、仮設から復興公営と移行ごとに行政がバラバラにしたコミュニティー、「人と人との支えあいの大切さを学んだ」「ボランタリー活動やコミュニティービジネスが生まれた」と県は評価していますが、この行政によって分散させられたものをどうするか、被災地ではスーパーの進出で商店街市場がさびれ、マンションが増加、復興都市計画で区画整理の網掛け地域の遅れや戻れなくなった人々、新長田駅南地区再開発の挫折、残された多くの課題をどうされるのか。
  コミュニティーをばらばらにし、失わせた責任と今後の対応はどのようにされるのですか。

 震災から十年を経過しても住宅を失った被災者が未だに住宅を保障されていないのは、まさしく住宅復興施策全体が間違っていたということであります。施策を全面的に見直し、民間賃貸住宅への家賃補助の復活などを含め、県外避難者をはじめ住宅を失った被災者が一気にもどれる抜本策をただちに実施することを求めますがいかがですか。
  個人補償と復旧のあり方、この「二大問題」こそ、最大の教訓ではありませんか!

▼答弁▼ 副知事:私から3点についてご答弁申し上げます。1点目は住宅復興施策の全面的見直しでございますが、震災から住宅復興につきましては兵庫住宅復興3カ年計画に基づきまして低所得者のための低廉な家賃の災害復興公営住宅等を約4万2000戸供給いたしましたが、この間コミュニティ形成につきましては、コレクティブハウジングの導入や全団地のシルバーハウジング化など災害弱者の居住安定に向けた取り組みを行い。このことが先の復興10年総括検証会議においても高く評価をいただいたところでございます。
  また、県営住宅におきますコミュニティ形成支援につきましては、コミュニティプラザの設置活用、自治会運営の支援等を行ういきいき県住推進員等の活用などによりまして実施を図っておりますが、今後とも団地コミュニティの形成に十分配慮してまいります。
  さらにご指摘の民間賃貸住宅家賃軽減事業につきましては、民間賃貸住宅に入居をしている生活再建を図るために被災者の初期負担の軽減をはかることにより被災者の生活の立ち上がりを支援することを目的として家賃補助を行ってきたところでございまして、その初期の目的を達成したことから、すでに平成11年度に新規受付を終了しており、予定通り17年度末をもちまして当事業を終了することとしております。
  県営住宅の被災者優先枠は今後も継続いたしますし、特に県外被災者で県営住宅入居希望者につきましては、本県へ戻られることを希望されている方々の希望地の聞き取り調査結果を反映させてできるだけ希望の多い地域の団地で県外居住者優先枠を設けるなど募集方法の改善に努めてまいりたいと考えております。このページの上へ

民間住宅の耐震化を条例制定して抜本的強化を

■質問■ 次に、災害対策、住宅の耐震化についてです。
  政府の地震調査委員会は、このほど、兵庫県西部を中心に岡山県にまたがる山崎断層帯について震度予想図を発表しました。そこでは、断層の箇所によっては30年以内の発生確率が最大5%ともいわれ、地震が発生した場合、神戸市中央・加古川市など広い範囲で震度6強以上になる危険性を示しています。
  また、南海地震についても、津波とともに県下で震度5強を超える地域も多く指摘されています。
  地震は過去のものでなく、いつ地震が起きてもおかしくない状態が今なお続いているというべきです。こういう中で、大震災の教訓が本当に生かされる対策が進められているのでしょうか。
  震災のおおきな教訓は、住宅倒壊で約5000名の人命を失ったことであり、大災害が起きても人命は守る、これが災害対策の最優先課題にされなければなりません。
  住宅が壊れることがあっても、人命を奪うほどの倒壊は防ぐということです。住宅の耐震化は、地域防災計画の中心的柱に据えられなければなりません。
  ところが、県の地域防災計画では、住宅の耐震化という課題はあがっていますが、目標数も年次計画も全くない状態です。これでは、人命を守ることに直結した防災対策が成り行き任せとしかいえない状態です。

 住宅の耐震化の目標数と年次計画を防災計画に明記すべきと考えますがいかがでしょうか。

▼答弁▼ 副知事:住宅耐震化の年次計画等についてでございますが、県地域防災計画につきましてはご案内の通り総合的かつ計画的な防災行政の整備推進をはかり県民の生命身体および財産を災害から保護することを目的として定めており、県、市町その他の防災関係機関の業務等について基本的な指針を示しているところでございます。従いまして、計画の見直しにつきましては諸般の状況の変化を見極めながら対応することとしております。
  住宅の耐震化につきましては、民間が主体で建て替え、増改築、リフォーム等の機会にあわせて実施するケースが多いことから、防災計画の中に目標数を年次計画を記載することは難しい面もあると考えております。県といたしましては阪神淡路大震災の経験を踏まえ減災の重要性から全国でも先駆的な無料耐震診断や耐震改修助成に取り組んでいるところでございます。
  今般国土交通省におきましても実施による人的・経済的被害を軽減するために住宅等の耐震化を不可欠であると考えていることから、住宅建設等の地域防災推進会議を設置いたしまして耐震化の目標設定や目標達成のための施策の方向を検討されているところでございます。県といたしましてもこの国の動向と連携し平成17年度に見直しを予定をしております兵庫住宅マスタープランの中で住宅の耐震化の目標等の位置づけについて今後検討してまいりたいと考えているところでございます。

■質問■ 次に住宅の耐震化をどのように進めるのかということです。
  住宅の耐震化を進めるには、まず、各住宅がどの程度危険なのか、県民自身が知ることが大切です。私たちは、住宅耐震診断の無料実施を復活することを求めてきましたが、今回、県が簡易耐震診断を一割負担で実施するなどの改善をすることとなったのは一歩前進として歓迎するものです。
  さて、この間の県の取り組みを見ると、実績はごくわずかで、毎年の予算すら実行できていない実態です。
このように県の耐震助成が不評なのは、実際に必要な耐震化工事と比べてあまりにも助成が低く、いつ起きるか分からない地震にたいし工事にお金を費やすより、今の苦しい生活や、老後の不安にその金を回したいという住民の生活実態にかみ合わない支援となっていたからです。今回、耐震診断や耐震設計とセットでなくとも耐震工事助成を受けられるように改善しましたが、それでも、百数十万円の耐震工事をしても、工事に実際に回せる補助金は30万円で、耐震化工事の大半は、自己負担となっており、これまでの問題点を抜本的に改善するものとなっていません。
  住宅の耐震化は、対象は私有財産ですが、人命が奪われるなどの被害を防ぐ、一層大きな被害となることを防止するという公共的意義が極めて高いものです。その公共的意義に見合った支援制度に改善することが必要です。

 住宅の耐震化を進めるため、条例によって県下の住宅に耐震化を求めると共に、住宅耐震化に必要な思い切った財政支援はおこなうべきと考えますがいかがでしょうか。

▼答弁▼ 副知事:民間住宅の耐震化につきましては、平成15年度から我が家の耐震改修促進事業を実施をいたしまして、平成16年度には助成額を最大で50万円まで増額をいたしましたし、さらに低廉で簡便な18のケースを設けまして優良な耐震改修工法を設定しこれに対して補助対象としていることを追加したところでございます。
  来年度からは、耐震診断なしですぐに改修工事に着手できるいわゆるパッケージ方式を新たに採用いたしまして民間住宅の耐震化をよりいっそう推進いくこととしております。
  また、バリアフリー化をあわせて行う場合には、「人生80年いきいき住宅助成事業」が併用できることからこのことを積極的にPRをしてまいりたいと考えております。さらに、建築士や工務店等へ講習会を開催するとともに、昨年8月に設置いたしました「我が家の耐震改修推進協議会」を通じて広く関係業界や市町の協力も得ましてこの事業の普及啓発に努める等よりいっそうの住宅の耐震化を推進してまいります。
  さらに、今般国におきましては、住宅の耐震化に関連する法律等について現国会で審議中の地域における多様な利用に応じた公的賃貸住宅等の整備等に関する特別措置法案をはじめとして大きく枠組みの変更が検討をされているところでございます。
  県としたしましては、この法制度の枠組みの変更をも見極める必要もあると考えておりまして、現時点では条例を定めることは困難ではないかと考えているところでございます。このページの上へ

少人数学級の拡大を

■質問■  2年前の長崎佐世保事件、さらに今回の大阪寝屋川での事件等々、学校の安全だけでなく、子どもたちをめぐる状態がいったいどうなっているのか、全国民に大きな衝撃を与えています。子どもたちの人間的成長や発達がゆがめられていることの深刻さを改めて痛感するものです。そして、学校の安全性確保にとどまらず、子どもたちの人間としての成長と発達を育むために全力をあげていくことが必要だと思います。
  一方で、昨年暮れに発表された国際調査結果から、ゆとり教育の見直し、詰め込み教育へのゆれ戻しの動きもありますが、これは本末転倒というべきで、管理主義の強化や上意下達の教育こそ見直さなければならない問題です。
  ひとりひとりの子どもたちの人間としての成長と発達を保障していくためにも、学校教育の改善が不可欠ですが、そのためにも、少人数学級の拡大が必要です。
  先日、山形県教育委員会の主催による、少人数学級編成研究会が開かれ、全国の都道府県の教育委員会や国立教育政策研究所などから、多数の教育関係者が参加しました。
主催者あいさつの中で、『この少人数学級編成研究会は、全国ではじめて少人数学級を導入した山形県に対して、当時の文部省などから、少人数学級を実施しても効果がないなどと言われる中で、少人数学級の効果を立証していこうと研究会を立ち上げてきたもので、すでに6回を数え、少人数学級は42道府県にまで広がった』と述懐されていました。私どもは、国と堂々と議論もし、自ら実践し、少人数学級の効果を立証し、全国のおおきな流れにまでしてきたこの山形県の取り組みには大いに学ぶべきと痛感するものです。いまでは文科省も「少人数学級は明るい光。地方ですすめるのは大いに結構」(前川課長)とすすめるほどです。
  山形県では、「橋の建設の一つや二つ止めてでも少人数学級を」と実行されてきたものですが、すでに少人数学級を小学校全学年に実施し、不登校児童の減少、欠席日数の減少、学力の向上と少人数学級の成果は総合的なものになっていると指摘しています。 今や、少人数学級の成果は明らかです。全国34県で少人数学級を複数学年で導入し、県下でも稲美町が町独自に小学校2年生に少人数学級を広げようとしているではありませんか。

 県民と子どもたちのためにも、不急の公共事業は遅らせてでも少人数学級の拡大に取り組むべきではありませんか。35人学級を2年生以上にも拡大実施することを求めるものです。知事の答弁を求めます。

▼答弁▼ 武田教育長: 小学校1年生の35人学級編成は修学前教育と小学校入学とのスムーズな接続や基礎基本の定着をはかるための効果的な指導方法として今年度から希望する学校に対し、新学習システムの中での研究指定として35人学級編成を認めることとしたものであります。
  一方小学校1年生以外での少人数学級につきましては、本県でも従来から弾力的学級編成の調査研究のため取り組みを進めてきたところであります。ご紹介のありました複数学年で実施をいたしております全国34の4県の中にも本県は含まれているところであります。
  しかしながら現時点におきましてもメリット、デメリットがありまた今後の国の義務教育改革の動向等についても見守る必要がありますことから画一的な少人数学級を実施するにあたりましては、なお解決すべき課題があると考えているところであります。
  来年度からは既に取り組みを進めております新学習システムやLD・ADHDにかかる学習障害相談員にかかる専門化の配置などに加えまして、児童生徒の暴力行為や授業妨害などの問題行動に対応する自立支援活動補助員や生徒支援推進協力員、部活活動指導補助員の配置、外国人児童生徒の自己実現を支援するこども多文化矯正サポーターの派遣や教職員のカウンセリングマインド実践研修の実施など今日的教育課題の解決に向けた教職員に対する支援体制のさらなる充実強化を図っていくこととしておりますのでご理解いただきたいと思います。このページの上へ

教育基本法無視の「高校改編」やめよ

■質問■ 教育の2点目は、教育基本法を遵守し、実行することについてです。
  戦前「命は鴻毛より軽し」と、太平洋戦争に日本は突入しましたが、戦争に国民を総動員するのに使われたのが、戦前の教育でした。その大きな反省から、憲法と共に教育基本法が作られました。そして、戦前と戦後の教育の決定的な違いは、教育基本法10条に現れています。すなわち「教育は不当な支配に服することなく、国民全体に対し直接責任を負って行われるべきである」と述べています。太平洋戦争に国民を総動員した同じ過ちを二度と再び起こしてはならないという痛苦の反省と決意から生み出された大原則です。教育を行政当局が一方的に意のままに決めてはならず、教育への住民参加の保障の徹底こそ、教育基本法がうたう教育であります。教育の主人公は、教育行政当局でなく、子ども、父母、地域住民であり、そしてその実践を教育現場に保障していくことこそ、教育行政当局が取り組まなければならない責務です。
  そしてこの取り組みの方向は、ひとり、日本だけでありません。フィンランドでは、すでに10年以上前に、教科書検定をやめ、指導要領もそれまでの10分の1というほど大幅に縮小し、授業の組み立てや教科書選定、教育内容など、教育の権限を徹底的に現場教師におろし、「落ちこぼれを絶対に作らない、楽しんで学ぶ」を教育現場で実践できるようにしてきたことが、学習到達度世界一の水準を作り上げてきたといわれています。
  教育基本法の遵守と実践こそ、今、日本と本県の教育に求められていることではないでしょうか。
  ところが、本県の教育行政はどうでしょうか。
  県教育委員会は、明石、西宮、西播学区に、総合学科高校導入を計画し、すでに新年度予算説明では、新年度には、それらの学区での総合学科高校は既定の事実として、総合学科高校への移行の具体的取り組みを進めるとしています。ところが、新年度まであと一ヶ月という現在に至っても、いったいどの高校が、総合学科に変わるのかということすら、全く明らかにされていません。現場教師はもちろん、子どもたちや地域住民に秘密裏に準備が進められている実態です。
  例えば、西宮では、市民や関係者からの大きな批判の中で、市教委による説明会がなされ、県教委の幹部が説明に出席しましたが、その説明に不満、批判の声が市教委に殺到し、再度市教委が行っている状態です。しかし、肝心の市教委は、総合学科については説明できない状態です。県教委の頭越しのやり方に怒りの声が広がり、署名が短期間で1万を大きく超え、今も署名が寄せられているといいます。
  また、西播学区の相生市では、県立高校の統廃合の動きに対して相生市内部からも異論の声があがっており、明石でも、父母や地域住民の集会が大きく広がり、また、神戸市北区では、鈴蘭台の二つの高校の統廃合に反対する署名が短期間で6000を超えています。
  県教委はフォーラムなどを行って高校改革を決めてきたとの態度ですが、その決定過程自体が、ほとんど県民に知らされることなくされたものであり、県民参加とは到底いえない実態です。ましてや、どの高校を総合学科高校にするのかは、全く何の合意もなされていません。教育行政当局で一方的に決めるやり方は直ちに中止すべきです。

 教育基本法を遵守し、明石、西宮、相生、神戸市北区などの一連の『高校改革』計画をいったんストップさせ、関係する住民や子どもたちの声を聞き、地域住民の参加で、改革の中身を決めていくことを求めます。

▼答弁▼ 武田教育長:本県ではご案内の通り平成10年に設置をいたしました全日制高等学校長期構想検討委員会の審議及び高校教育改革フォーラムでの意見を経てまとめられました報告を踏まえ、平成12年に策定をいたしました県立高等学校教育改革第1次実施計画に基づきまして個性を尊重する多様で柔軟な高校教育への転換。
  あるいは生徒のいける学校から行きたい学校への選択を可能とする選抜システムの構築などを目指す高校教育改革を推進してきたところであります。この計画の実施にあたりましては、教育委員会から事務局において円滑かつ積極的に推進することとの指示を受けており、これまでも推進状況等教育委員会に報告をし県民にも公表してきたところであります。現在までにこの計画に基づき総合学科10校、全日制単位制6校など新しいタイプの学校や特色ある学校を設置いたしましたほか発展的統合につきましても4校を対象にすでに実施をいたしておりまして、これらの学校では志願者も増え意欲的な生徒が増加するなど学校が活性化しているところでございます。また、ある総合学科高校が実施をいたしました卒業生へのアンケートでは、9割以上が総合学科での学びに満足し7割以上が「学んだことが卒業後役だった」と回答するなど、高校教育改革は着実に成果を収めているものと受け止めているところであります。
  後期計画推進委員会においてこうした前期計画の推進状況を検証の上、第1次実施計画に基づき前期計画と同様、後期計画についても推進することが望ましいとの意見もいただいたところであり、今後も第1次実施計画に基づき県民全てがかかわる兵庫の教育をめざし、学びたいことが学べる魅力ある学校造りを着実に推進してまいりたいと考えておりますのでご支援のほどよろしくお願いいたします。このページの上へ

関空2期、神戸空港の建設中止を

■質問■ 次に、関西三空港の問題についてです。
  神戸空港の開港が1年後にせまり、新聞各紙はあいついで特集記事を組みましたが、見出しには「離陸への課題」、「視界晴れず」など、一路開港ではない現状があらわれています。
  昨年末には、関西国際空港の2期事業が政府で大問題となりました。10月25日に「財政制度等審議会」が「慎重を期すべき」「国民の理解が得られない」との意見をだしたにも関わらず補助金300億円を支出。「関空救済」を無理やり押し通しました。それに対し、「伊丹空港と神戸空港を含めた3空港体制が不透明。需要見通しを十分点検しないままの見切り発車」(毎日12月18日)と報道されました。
  現在の「伊丹縮小、関空救済」は、関西2空港でも供給過大になっている証拠であり、国内線が取り合いになっている。航空需要と実績のギャップはより大きくなるのは明らかです。
  また、「関空に移転したとしてもビジネス客の多くは便利な新幹線を利用」とのアンケート(日経)もあり、伊丹からの国内線移転がスムーズにいったとしても、乗降客が増えない可能性もあります。
  神戸市民のアンケート(昨年11月18日「神戸新聞」矢田市長3年アンケート)でも、「神戸空港建設」について「延期・中止」が半数近く(48%)あり、その理由として多い意見は、「需要が不透明」「2つの空港がある」というものです。
  井戸知事は、「関西三空港の役割分担」を強調されるが、市民には全く支持と理解を得られていません。兵庫県は、関空2期に出資と補助あわせて100億円近く。神戸空港に75億円の税金を投入することになっており、説明責任があるにもかかわらず、その責任を果たせていないではありませんか。
  神戸市の需要予測でも神戸空港の利用者の内訳として、利用者全体の56%・243万人も、大阪府北部からを見込んでおり、2空港に影響をあたえるのは明らかです。
  結局、知事も「三空港役割分担」を主張しながら、利用者を確保できる根拠を示せないのです。
  神戸空港の一日30往復便も関空の年23万回の離着陸を前提にしています。計算どおりにいかないのは、これまでの予測と実績の大きな乖離をみれば明らかであります。
  結局、「将来は航空需要は増大する」とする願望・目標しか根拠をしめせないのであれば、税金投入をする資格はないと言わざるをえません。

 関空2期と神戸空港への税金投入を再検討し、中止を強く求めます。

▼答弁▼ 井戸知事:関西3空港については、3空港が相互に連携を補完しながらそれぞれの機能を発揮していくことが重要です。関西国際空港は国際拠点空港として大阪国際空港は国内線の基幹空港として神戸空港は大阪国際空港の容量制約を緩和する地方空港としての役割を果たしていくべきものであります。関西の航空需要についてはアジア諸国の高度経済成長を背景とした観光ビッグバンの到来の中、世界の航空関係機関ではアジア太平洋地域の航空需要の年平均伸び率が世界全体を上回る6%程度と予測しています。関西圏は2500万人の人口とカナダ1国に匹敵する経済規模を有している拠点でありますだけに、国際都市間競争にうち勝っていくためにもアジア諸国と世界の航空整備の状況を踏まえると3空港5本の滑走路でも私は不足するのではないかと考えているくらいです。
  関西の復権ひいては兵庫の発展のため関西3空港時代を間近に迎えようとしている今こそこの3空港が一つの国際国内空港として機能を十全に発揮するようその連携強化に取り組むことこそ今の課題ではないかと考えております。このページの上へ

世界の平和の流れに逆行する「国民保護法」

■質問■ 最後に、国民保護法制と関連して県条例が提出されることについて質問します。有事関連7法案が国会を通過し、それ以来危機感をいだく県民が増えています。
  自衛隊宿舎でイラク派遣反対のビラをくばって逮捕される市民がでたり、イラクの自衛隊の報道規制が行なわれている中で、先制攻撃の米軍に自衛隊が集団的自衛権の名のもとに参加させられることを危ぶむ声は広がっています。
  周辺事態法の成立で米軍の戦争協力にふみだす一方、関連法の一つである国民保護法は、その名のように私達を守るのでしょうか。
  有事とは自然災害とはちがい戦争や事変が起きることです。自然災害と武力攻撃による被害はちがうのです。国民保護法は武力攻撃を予想し、敵とたたかうためであって、自然災害のように国民の救援を目的に活動するわけではありません。
  有事の際、早く避難してもらわないと自衛隊と米軍が十分活動できないということからの発想ではありませんか。
  国民保護法は、地方自治体の責務や国民の協力をすすめ一丸となって対応できるよう国民を動員する「国民統制法」となります。
  どこかの国から日本が攻撃されたらどう対応するかの議論は抽象論です。日本の地理的地位は日本・中国・韓国・北朝鮮・ロシアと基地をもつアメリカを加えて6ヶ国です。有事といっても北朝鮮と台湾海峡をめぐる対立にしぼられます。実際の国際状況は、ジグザグはあっても、全体としては平和的解決を優先させる方向に動いています。
  昔のように占領、植民地が許される世界ではありません。平和のルールの国際秩序が作れる時代になっています。
  わたしたちはいかなる理由・大義があっても、無差別テロは許されないとの態度は一貫しています。報復戦争でテロをたたきつぶすといった条件反射的な対症療法でなく、テロを生み出している社会的・政治的根源をとりのぞく対応をしなければなりません。社会制度や文明の異なるものとの平和的共存にこそ力をつくすべきです。これが憲法の精神です。
  国民保護協議会をつくり、非現実的な発令や訓練に知事は県民をつき合わせるおつもりかどうか、例え「防災訓練と有機的連携に配慮する」と言っても、内容には大きな違いがあるのは、戦争と震災双方を体験したわたしにはよく分かりますが、知事にはお分かりになるでしょうか。

 憲法9条を守る立場で、アジアの国々を敵視し、アメリカに追随する(国民保護計画をすすめる審議会設置のための)条例案の提案を中止することを求めます。

▼答弁▼ 井戸知事: 国民保護法に基づく県関連条例についておふれになりました。国民保護法は武力攻撃事態等から国を守る仕組みを定めたものでありまして、この法律に施行によって関係機関の有事における行動を民主的に事前にコントロールする枠組みができた。このように考えます。
  私は、このような法律による仕組みがあって初めて民主主義国家の安全システムが確立したものであると考えるべきだと考えているのです。何もないのは一番問題だと考えます。
  国民保護法では武力攻撃事態等における県の主な役割として住民の避難、救援、武力攻撃災害への対処がありますが、これらは県が県民の生命・身体および財産を保護する使命を有することから県民の安全安心を守る立場として適切に対処すべき事項と考えます。
  また、知事はこの法律で国が作成する基本方針にもとづき国民保護計画を作成しなければならないとされていますので県民の生命・身体・財産の保護を第一義に関係機関との調整をすすめながら国民保護計画の作成に取り組むこととし、そのため関係条例を今国会に提案させていただいているわけであります。
  なお、自然災害と有事を原因とする災害とでは、内容に大きな違いがあることとのご指摘でありますが、災害に対して県民の安全を確保するために方策を講ずる点では共通項が多いと考えております。
  必要な場合には避難訓練等も行い、事前に準備しておくことも必要となる場合があるのではないか。 このように考えている次第でございますのでご理解下さい。このページの上へ

国民保護法制について(再質問)

■再質問■  国民保護法制は、日本人だけを保護するんですか。外国人はどうするのですか。在日外国人や居住者これどうするおつもりなのかこういうことも含めて非常に問題がある。第一議会が、本部長があなたになった場合決めていくこと、協議会を開いていくことに議会は何の関与もできない。こういう制度になっているのではありませんか。
  75人決める中で防災会議以外のメンバーを何人入れるのか、その中に法律の専門化やあるいはまた弁護士会、マスコミの関係者、在日外国人こういう人達の代表を入れるおつもりがあるのかどうか、これは、国だけではなくて県の知事だけの権限で決められることなんです。答弁していただきたいと思います。

▼答弁▼ 井戸知事:国民保護計画の策定にあたりましては幅広い検討が必要です。従いまして、ただいまご指摘になりました弁護士や関係機関あるいは住民代表の方々にもご参画をいただくことといたしておりますし、議会の代表の方にも代表として入っていただくことにしたいと考えております。在日外国人の方は現在予定はしておりませんけれども、検討させていただくことにします。

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