私は、決議案第2号、「三位一体の改革の推進に関する決議」に反対し、以下討論を行います。
日本共産党は、これまで地方自治の拡充と必要な税源移譲を求める立場から、意見書には、積極的に提案もし、賛成してきました。
しかし、今回の決議は、国の十分な税源移譲の保障もされないまま、「三位一体改革」を押し進めることを後押しする内容となっており、特に社会保障や教育などの国庫補助負担金の廃止について、住民サービスの低下や教育への国の責任放棄につながるもので認めることはできません。
地方6団体は、3兆円規模の税源移譲の政府の要請に応えるため、多数決で、中学校の義務教育費国庫負担8000億円や私立保育園の運営費にかかる負担金などの国庫補助負担金を廃止案を国に提出しました。
しかし、提案には7県の知事が採択に反対し、東京・鳥取・長崎の知事が義務教育費国庫負担の廃止に反対する意見を付記、栃木・滋賀・佐賀県は「慎重な検討を求める意見」を付記し、あわせて13都県が反対あるいは異論をとなえることになりました。
これだけみても、知事会のなかでさえ、十分に議論をつくしていないのは明らかです。
さらに、税源移譲の3兆円も、2005〜2006年の2年分、と知事会は主張していますが、政府は今年度、2004年の措置分を含む3年分としています。
しかも、今回の決議は、このような地方6団体案について「意義を重く受け止め」と評価する内容となっており、賛成できません。
また、決議案では、政府にたいし、速やかに改革の全体像を明らかにして、改革を着実に推進することを求めていることも問題です。
小泉内閣は、「三位一体改革の全体像」を、経済財政諮問会議で審議していますが、地方6団体案は「補助金削減リスト」のように扱われ、そのうえ、地方交付税についても、今年の削減どころではない、交付税制度の根本的な改悪の議論が進行しているのです。
改悪案の中心は、財界代表など諮問会議の民間議員の提言ですが、そこでは、地方交付税総額の算定の前提となる「地方財政計画」を、「義務部分のみを地方財政計画に計上すべき」と言って、地方独自のサービスや、新規の地方債の償還などを交付税の対象外にしようとしています。地方交付税制度の根幹である標準的な行政サービスの財源保障という考え方そのものを否定し、総額を抑制する、とんでもない内容となっています。
地方6団体案の前提となっている、「財源確保」が根底から崩されかねない事態です。
結局、地方にとっては、8割しかこない税源移譲のために補助負担金の廃止案を提出させられ、その上に、地方交付税の削減をすすめられる。まさに「地方切り捨て」の路線ではないでしょうか。
以上の理由から、決議に反対することを表明するものです。
なお最後に、今回、全会一致の原則に反して決議をあげることについて、「危急を要する」と説明されますが、その一方で、同じように危急を要する「義務教育費国庫負担制度の堅持を求める請願」には、紹介議員になりながら「国の動向を見守る」と継続にしていることは、二重に矛盾した態度であることを強く指摘して、わたくしの討論といたします。
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